雷霆と白兎   作:獲堕魔眼

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処女作を完結させずに弐作目に手を付けてしまった(ガクガクガクガク)

暖かく見守ってもらえると嬉しいです。


第0章 少年の始まり
プロローグ


『グォォォ!!』

 

とある田舎の森の奥で怪物(モンスター)の雄叫びが響いた。

 

「くっ.....」

 

怪物(モンスター)の前には数人の子供たちがいた。一人の少年が皆をその背に庇うように立っていた。

真っ白な髪と赤い目を持つ少年だった。

 

『ガァルル!』ザシュッ

 

 

「っあぁ!!」ドン!

 

 

怪物(モンスター)の爪が少年を捉える。少年は吹き飛ばされ近くの木に体を打ち付けられる。

 

「■■!!」

「「「■■■■!!!」」」

 

少年が庇っていた子たちから悲痛な声が上がる。その声に反応したのか怪物(モンスター)はゆっくりと子後もたち近づく。

 

―やめろ……

 

怪物はゆっくりと子供たちとの距離を詰めていく。まるで楽しむかのように、遊んでいるかのように。

 

―やめろ………

 

一番小さい子がぐずり始めた。ほかの子達も震えている。目の前に迫りくる恐怖に体が動かずただただ身を寄せ合うことしかできない。

 

―やめろ……………

 

怪物が口を開けた。ギラリと鋭い牙が見える。今にも飛び掛からんと脚に力を入れる。

 

「やめろ―――!!!!」

 

バチン!

 

その瞬間、少年の中で何かが弾け飛んだ。

 

『グァ!?』

 

怪物が振り返った。突然感じた強い気配を見れば先ほど吹き飛ばした獲物が血を流しながらも立っていた。全身から‘’緑色の雷’’を纏いながら。

 

『ガァルルァ!!!』

 

怪物が向きを変え少年に飛び掛かる。本能が危険だと判断したためだ。しかしその爪が振るわれることは無い

 

「フールミネ(貫け)!!!」ガガガガガガ

 

刹那、少年の突き出した両腕から無数の雷の角が打ち出される。

 

『ギャイン!?』

 

その角は瞬く間に怪物に突き刺さり息の根を止め、その姿を小さな魔石に変えた。

 

「はぁ...はぁ...はぁ...うぅぅ..」バタンッ

 

雷を放った少年は力尽いたように倒れた。よく見ればその両腕には無数の傷があり血も流れていた。

 

「「「「■■■■!!」」」」

 

少年に子供たちが駆け寄る。体の至る所から血を流しながらも自分たちを守ってくれた’英雄’の姿に皆泣きじゃくる。

 

「ベル!!ベル!!何処じゃ!!何処におる!!」

 

薄れゆく意識の中少年は祖父の声を聴いた。そして安心しその意識を落とした。

 

 

――とある老人

 

 

「ベル!!皆!!何処なんじゃ!!」

 

 儂は自分の孫と村の子供たちの帰りが遅いと心配し、村の男衆と共に森の中を探し回っていた。時折怪物の鳴き声らしきものが聞こえたため焦っていた。

 そしたらば少し先のほうから強い魔力を感じ、空のほうに何かが飛んでいくのが見えた。はっきりとは見えなかったがあれが雷であることは間違いないじゃろう。しかし儂が知っとる雷とは少し違うようにも感じた。

ともかく急ぎ現場に行ってみれば子供たちが泣いておった。血を流しぐったりとした孫に縋り付きながら。

 

「ベルッ!?おい!ベル!!しっかりせんか!!」

 

儂はなりふり構わず孫に駆け寄った。弱弱しいがしっかりと息をしているのを見て安堵した。ひとまず村に戻らねば。

 

 

――とある村

 

村の外れにある自宅に戻り、老人は孫をベットに寝かせ看病していた。

 

「まったく。無茶しおるわい..」

 

口では呆れているが老人の顔はとても誇らしげだった。あの後村に戻る道中子供たちから事の顛末を聞いた。

怪物に襲われたこと、ベルが自分達を庇い吹き飛ばされたこと、突然全身に雷を纏って立ち上がり怪物を倒したこと、子供たちはとても興奮気味に話し村に着くころには全員眠ってしまった。

 

そして皆が口をそろえて言うのだ「ベルは僕たちの”英雄(ヒーロー)”だ」と..

 

「英雄...か。」

 

そっと老人の手が少年の頭をなでる。あやすように、褒めるように。

 

「頑張ったの。ベルよ。」

 

老人の声が聞こえたのか少年が静かに目を開けた。

 

「...お爺ちゃん?」

 

「おおっ!ベルよ。目が覚めたか!?」

 

少年はまだ意識がはっきりしないのかぼんやりとした目で周りを見た。

 

「ここは..うち?..お爺ちゃん..みんなは?」

 

目が覚めての第一声が友の心配とは。老人は溜息を吐きつつ大丈夫だと伝えた。

 

「そっか。ねぇ、お爺ちゃん。」

 

「ん?なんじゃ?」

 

意識がしっかりしてきたのか少年は、ベルは祖父の顔をしっかりと見て言った。

 

「僕、強くなりたい。稽古..付けてよ。」

 

「....あい分かった。」

 

今までに見たことのないほどの力強い意志を感じ老人は静かに頷いた。

 

 

 

これはいずれ”英雄”と呼ばれる少年の英雄譚。その始まりの一ページ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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