雷霆と白兎   作:獲堕魔眼

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大遅刻ですんませんでした~~~~~~~~!!!!!!!
1月中とか言っといてもう二月も終わりかけてるし!!!
少しでも続きを気にしていただいていた方々申し訳ございませんでした!

何度もあーでもないこーでもないと書き直してました。




2頁目:新生ファミリア

オラリオ西部:廃教会

 

オラリオの中心より伸びる8本のメインストリート。その中の西のメインストリートから脇へ入って数分の所に今にも崩れそうな廃教会がある

 

「…………」ペラッ

「…………」ズズッ

 

地下の生活スペースでテーブルをはさみ手紙を読むヘスティアとのんびりと茶を飲むベルの姿があった。

 

「……ふぅ。なるほどね、事情は大体わかったよ。」

 

手紙に目を通したヘスティアが顔を上げベルを見る。

バイト先で出会い眷属にしてほしいとお願いされてこのホームに招待してベルから事情が書かれているという愚弟からの手紙を読んだヘスティアはベルに質問した。

 

「ベル…君。君は僕の眷属になりたいってことでいいんだよね?」

 

「はい。」キッパリ

 

即答である。

 

「いや、べつに愚弟...君のお爺さんのいうとおりにしなくてもいいんだよ?」

 

「これでも長いこと旅していたのでヘスティア様が心優しい方ということはなんとなくわかりますし。」

 

「なんかこそばゆいんだけど...でも、この手紙に書かれてることやオラリオの外でやってきた実力があれば他の大手派閥でも…」

 

「大手ともなればいろいろと厄介事なんかもありそうですし。」

 

「でもうちは零細中の零細だよ?むしろ派閥でさえないんだからさ。」

 

自分で言っておいてドンヨリとなるヘスティア。そんな神様にベルは苦笑しながら言葉を続ける。

 

「こう言っては何ですが恩恵(ファルナ)はどの神から貰っても一緒なんですよね?だったら少しでも事情を理解してくれている神様のところがいいんですよ。」

 

言いたいことを言ってベルは茶を飲む。その言葉を聞いたヘスティアはほんのり顔を染めてそっぽを向いた。

 

「ベル君。君、頑固だろ?それもとびきりの。」

 

「えぇ、もちろん。」

 

「……苦労するよ?」

 

「もとより覚悟の上です。」

 

「ふぅ~」とヘスティアは息を吐いた。しつこく聞いても彼の意思は変わらない。ならばもう自分が折れるしかないのかもしれない。

ヘスティアは椅子から立ち上がり元気にベルに手を差し出す。

 

「じゃぁ、改めて。元オリュンポス十二神が一人、ヘスティアだよ。これからよろしくね!ベル君!」

 

ニパッと輝くような笑顔を受けてベルも笑顔で握り返す。

 

「オリュンポス十二神が一人、ゼウスの儀孫。ベル・クラネルです。こちらこそよろしくお願いします、神様!」

 

しっかりと握り合った固い握手を交わし、ヘスティアは楽しそうに言った。

 

「さぁ!ベル君!そうと決まればさっそく恩恵を刻むよ!恩恵は君の経験から導き出される。外でやってきた君なら魔法くらいは発現してるんじゃないかい!?」

 

「楽しみですね。」

 

こうしてここに新たなファミリアが生まれた

 

 

「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

数分後どこぞの女神さまの大声が近所に響き渡ったとかなんとか。

 

―――

 

「さぁ!ここがギルドだぜ!」

 

ところ変わって北西のメインストリート。通称「冒険者通り」と呼ばれるこの区画は最も冒険者の往来が多く、武器屋やアイテム屋などが軒を連ねている。そんなストリートの中に聳え立つ白亜の万神殿(パンテオン)。

『冒険者ギルド』ダンジョンの管理機関でありこのオラリオの行政をも担う。

 

そんな建物の前に二人の人影、ベルとヘスティアである。はれてベルを眷属に迎えたヘスティアはさっそくとばかりにベルを引き連れギルドにやってきた。ここギルドでは冒険者登録だけでなく新生ファミリアの登録も行われているからだ。

 

「へー、結構大きな建物ですね。」

 

「まぁ、このオラリオの行政なんかも担ってるからね。それなりに構えていないといけないんだろうさ。さっ、行くよ。」

 

「はい。神様。」

 

ベルを伴いヘスティアはギルドへ入る。中は夕方ということもあり市民や冒険者であふれていた。

 

「やっぱりこの時間だと多いな。仕方ない待つとするか……」

「神様。あそこの受付が空いたみたいですよ。」

 

ベルの指さす先には人がはけて無人の受付があった。受付の人は何か書いているのか下を向いている。

 

「おぉ、ラッキーじゃないか!行くよベル君。」

「はい。」

 

受付に着くと綺麗なハーフエルフの受付嬢が顔を上げた。

 

「あっ、ようこそギルドへ。本日はどのような御用でってヘスティア様ではないですか!?」

 

「んぉ?おーエイナ君じゃないか。」

 

「神様お知り合いの方ですか?」

 

「あぁ、前々から交流があってね。僕を外見で判断したりしない子だからいろいろお世話になっててね。」

 

「私が小さい頃は遊んでくれてましたよね。あの、こちらの方は?」

 

朗らかに笑顔を見せていた彼女はふとヘスティアの後ろに見慣れない子がいることに気づいた。

 

「あぁ、紹介するよエイナ君。僕の初めての眷属でベル・クラネルっていうんだ。今日は彼の冒険者登録とファミリアの申請にね。」

 

ヘスティアがちょっと自慢げに言うと彼女はとてもうれしそうに喜んだ。

 

「まぁ!それは良かったですねヘスティア様!」

 

「うん!あ、それとちょうどいいや。エイナ君防音仕様の部屋ってある?」

 

神様が尋ねるとエイナさんはきょとんとした顔をする。

 

「防音ですか?ございますがいったい……」

 

「まぁまぁ!それはキチンと話すから!さぁさぁ」グイグイ

 

訝しげに聞いてくるエイナの背をへスティアは強引に押していく。そんな様子にベルは「なんか姉妹みたいだな~」とあさってなことを考えていた。

 

―応接室(防音)―

 

カキカキカキカキ

 

「……よし!エイナ君、これで問題ないかな?」

 

エイナさんより渡された申請用紙を書き上げたヘスティアが用紙を渡す。

 

「はい、お預かりしますね。……はい、問題ありません。これでヘスティア・ファミリアは発足されます。」

 

エイナさんの言葉に神様はベルの手を取り大はしゃぎだ。

 

「やった!やったよベル君!これで僕らはファミリアだよ!!」

 

「か、神様!?わかってますから落ち着いてください!」

 

ぶんぶんと腕を振るヘスティアにベルは苦笑してしまう。まるで妹のようだ。

そんな姿をニコニコと眺めていたエイナさんは一つ咳払いをした。

「ではヘスティア様、そろそろ要件を話してくださいますか?ただ申請のためだけにこの部屋を借りたのではないでしょう?」

 

そこには優しい雰囲気ではなくギルド職員エイナ・チュールとしての真剣な顔があった。

そんな顔をしたエイナを見てヘスティアもまた姿勢を正し真面目な顔になる。

 

「あぁ、用ってのはベル君についてでね。まぁ、これを見てくれ。」

 

そう言ってヘスティアは一枚の紙を取り出しエイナに差し出した。読め。と解釈したエイナは受け取り目を通した。

 

「っ!?!?」

 

ベル・クラネル  男

Lv.1

 

力:H 195

耐久:I 68

器用:H 178

俊敏:G 235

魔力:F 300

 

エイナ・チュールがまず思った感情は“ありえない”である。

本来、ステータスは0からスタートする。彼、ベル君は昨日恩恵を刻んだばかりだということはこの数値は明らかに異常だ。と、ここでエイナはあることを思い出す。このような異常(イレギュラー)は“初めてではない”ということを。つまり彼以外にも前例がいるのだ。

 

『特異経験値(エクストラ・ボーナス)』

 

神々の間で名付けられたこの現象はいわば恩恵を刻む前に得た経験値の事である。無論めったに現れることのないレアな現象であることから生半可なことでは発現しない。それこそ一つの武術を極めただとか生まれ持った特別な才能などがなければ起こりえないことなのだ。

 

事実、世界の中心といわれるここオラリオでも発現したことが確認できたのは“二人だけ”である。

 

(でも……)

 

前例はある。しかし、それでも精々“一つ”のアビリティに対してのもの。全アビリティに対してのプラス補正なんて前代未聞だ。

 

「な、なるほど……確かにこれは安易に広めるわけにはいきませんね。」

「あぁ、これが他の神に知られればどうなることか……」

 

神々は娯楽好き。これは下界に住む住人たちにとってもはや当たり前の常識だ。中には自分が楽しければ他人への迷惑など何のそのと考える神もいるのだ。そんな者たちからすれば世界で類を見ないほどレアなベルは格好の獲物(暇つぶし)というわけである。

 

「エイナ君、この事は知っている人間が少ない方がいい。僕がよく知る君にベル君のアドバイザーをお願いしたいんだ。この通り!」バッ

「ちょっ!?神様?!」

 

エイナに向かいしっかりと頭を下げ頼むヘスティアにベルは驚き慌てた。下界の子供たちに神が頭を下げるというのは普通あり得ないからだ。

そんなヘスティアの姿に「この神(ひと)は変わってないんだな。」とエイナは安堵する。昔から明るくて、お節介焼きが好きで、その癖自分の事はズボラでいろいろやらかしたりもしたけど大人だろうと子供だろうと誰にだって慈愛に満ちた微笑みもって見守ってくれた神様。この神がここまでするのだならば今こそ恩を返す時だ。

 

「わかりました。このエイナ・チュール全力をもってベル君のサポートをやらせていただきます!」

 

真剣な眼差しで力強く宣言するエイナにヘスティアは目見涙を浮かべながら礼を言う。

 

「ありがとう、エイナ君。ほら、ベル君からも。」

「は、はい。ベル・クラネルです。いろいろご迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願いします!」

 

そのあとベルとヘスティアは冒険者としての説明やファミリアの規則などを鬼教官と化したエイナからたっぷりとされるのだがそれはまた別の話。

 

こうして新生ヘスティア・ファミリアが誕生したのである。




ベル「途中から僕、空気になってません?」

作者「すまん。気にしない方向で頼む。」


誤字脱字あったら教えていただけると助かります。
あと答えられるかは別としてリクエストとかあったら言っていただけると嬉しいです。
質問とかでもいいですよ。
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