A smile of a goddess ~僕たちのウォーズ~ 作:御沢
体育館に行ってみると・・・
「え・・・タケルだけ?」
「うん・・・そーだよ・・・」
眠そうに目をこするタケルしかいなかった。
「皆、寝ちゃったの?」
「うん・・・でも、これは絶対に完成させないと・・・
サクヤ君は、もう寝ちゃったし・・・」
ドットフェニックス―――ドットブラスライザーの支援機。
タケルとサクヤには、これを完成させてもらってる。
にしても、本当に寝むそう・・・
「タケル、私も手伝うよ」
「そんな・・・ミクに悪いよ」
「いいのいいの。それで、どうすればいいの?」
私はメカニックもできるんだから、手伝わない手はないよね!
―――だけど、にしても。
「なんて複雑な設計・・・確かにこれは、眠くなっちゃうよねー・・・」
タケル、よく1人でやってたなぁ・・・
それに、夜が明けちゃったから、別の作業があるし・・・
「タケル、ごめん。ちょっと用事がはいってて」
「うん、わかった。ありがとう、ミク」
「本当にごめんね!それじゃ、頑張ろ!」
「うん!」
ちょっと心配だけど・・・
サクヤがそのうち起きそうだったし、大丈夫かな?
朝から調理実習室に入るのは初めてだなぁ・・・。
そんなこと思いつつ、サンドイッチを作る。
小隊長分、全部作るの大変なんだから!
紅茶やコーヒーやココアも入れて、準備オッケー!
視聴覚室にセットして・・・
「ミク、おはよう。早いな」
「ん?あ、ハルキ!おはよう。そっちこそ」
準備最中に、司令官がやってきた。
「・・・いよいよ、だな」
「・・・いよいよ、だね」
まだ誰もいない視聴覚室を眺めながら、つぶやきあう。
「ハルキ、緊張してる?」
「・・・実を言うとな。不安で仕方がない。
ミクはやっぱり・・・なれているのか?」
やっぱり、そう思うよね。
でも、本心は全然違うの。
「ううん・・・いつもはこんなのないのにね・・・
―――やっぱり世界相手だと、緊張してる。
何度か経験してるけど・・・やっぱり怖い。
それにね、前は私は“ついていく側”だった。
でも、今回は“引っ張る側”。だから余計に、ね」
でも、と付け足してみる。
「でもね、やっぱりわくわくしてるのは変わらないんだ。
この気持ちを忘れたら、きっと勝てるものも勝てない。そう思う」
「そうか・・・そうだな。
少しの楽しむ気持ちも、必要ってことか」
そう言って笑うハルキ。
―――キョウスケがいなくなったとき、本当にどうしようかと思ったっけ。
―――小隊長を任されて、仲間をLOSTさせてしまった時、なんて声をかけようと思ったっけ。
―――アラタとヒカルがはいってきて、何度ごめんなさいって思ったっけ。
そんなハルキが・・・司令官だなんて。
「成長、かぁ・・・」
「何か言ったか?」
「ううん、なんでもない!
ほら、もうすぐで皆来るから、準備しよっ!」
「あぁ!」
ハルキだから・・・任せられたんだ、司令官を。
悪いけど、アラタやヒカルには、任せられない。
本当にハルキ、すごいよ・・・!
みんな揃って作戦会議。
私はドアの方によけてると、すりガラス越しに人影。
この2つの影って、もしかして・・・
「やっぱり2人だ。玲奈さん、ジン」
「ミク・・・貴方が司令官じゃないの?」
「違いますよ。私は副司令官。
司令官は、彼―――出雲ハルキです。
いくら教職員の2人だっていっても、この決定に口出しはさせません」
口をつぐんで、2人はハルキを見つめた。
そして、ジンが口を開いた。
「そうか・・・それが君の判断か、ミク。
“導くもの”としての、最善の判断か」
「・・・うん。4年前は、私はジンやバンに“ついていく”だけだった。
でも、今は違う。年齢も追いついた。だから、今度は私が“導く”の」
にこっと笑うと、ジンはかすかに笑って、2人はどっかに行っちゃった。
でも、きっと2人なら・・・。
そして、いよいよ全員との顔合わせ。