A smile of a goddess ~僕たちのウォーズ~ 作:御沢
コントロールポットからアラタを出して、保健室へ。
かなり辛かったんだと思う。
しんどそうな顔で、今も寝てる。
しばらくして、ジェノック皆がやってきた。
―――もちろん、カイトはいない。
そして、ハーネス第5小隊も。
アリスなんか、本当に心配そう。
なんだかんだ言っても、アリスはアラタが大好きだもんね・・・。
やがて、アラタが目を覚ます。
カイトの所存も聞かれたけど・・・
やっぱり、答えるのは辛かった。
「カイトは、セレディに着いたよ。私たちを裏切ったの。
アラタも、その目でちゃんと・・・見ちゃったでしょ?」
第5小隊は辛そう。
―――これからは、仲間とも戦わなきゃいけないんだもん・・・。
下校の時間になって、皆が帰る。
アラタも何とか回復したみたい。
・・・と、目の前にジン発見。
駆けだすアラタだったけど、途中でふらついて・・・
「アラタ!大丈夫!?」
ジンとムラクがうけとめたから一安心。
「甘いものを食べれば元に戻る、ですよね?」
その問いかけに、ジンは首を振る。
「いや、難しいかもしれない。
―――怪しまれる、行こう」
とりあえず、兵士の目から逃れなきゃ・・・。
「以前とは状況が違う」
話しを切り出したジンの言葉は、なんとなくわかってた。
「どういうことですか?」
「君やここ最近のミクの場合、覚醒のスピードが速すぎる」
「私も?しかも、ここ最近って・・・?」
「あぁ。4年前はそんなことはなかった。理由はわからないが・・・。
どちらにしろ、このままじゃ体が持たない」
やっぱり・・・そんな気はしてた。
自分もだとは、思ってなかったけど・・・。
でも、アラタは理解してない。
「これくらい平気です。セレディに勝つには、オーバーロードしかないんです!」
「精神崩壊の恐れがあってもか!?」
その言葉に、思わず体が反応した。
「オーバーロードは各国で研究されていたが、あまりにも脳への負担が大きいため、今ではほとんどの国が中止してしまった。
人間は通常、潜在能力のすべてを使うことはない。
自己保存の本能から、無意識に力をセーブしている。
オーバーロードは、そのリミッターをはずすことだ。危険すぎる。もう使うな」
―――ジンの気持ちはわかる。
でも、アラタの気持ちもよくわかる。
ダック荘の前で皆と別れて、私はジンと歩く。
「ジン、お願いがあるの」
「・・・聞き入れられるかは別だが」
「オーバーロード、私には使わせて」
「ダメだ。さっきの話を聞いていなかったのか?」
「聞いてたよ。ばっちり聞いてた。だから、お願いするの。
私が使えるオーバーロードのパワーは、計り知れないって言ってたよね?」
―――そう、私のオーバーロードは、他のオーバーロードとはわけが違う。
「私がいつも使ってるのは、全体の4分の1程度だってことも知ってるよね?」
「・・・あぁ。だから、使わせてほしいと」
「うん。ダメ・・・かな?」
ジンは、いつもの“大人の目”ではなく、あのころの“仲間の目”で、私を見た。
「ダメだ。4分の1でも、アラタより少し弱いくらいだろう?
・・・十分危険だ。それに、何かあったら、ヒロに何ていえばいい?」
ずるいよ・・・そんな目をするなんて・・・。
「私から、ちゃんと伝えとく。
だからお願い。昔みたいに・・・私の馬鹿な作戦、聞き入れてよ・・・」
「・・・しょうがないな、ミク。
本当はダメなことだとわかっている。でも・・・君の意思を尊重したい。
それと・・・言っておきたいことがある」
今までとはまた違ったまじめな顔になって、ジンは言う。
「何、それって・・・?」
「ミクは4年前は、10歳の子供だった。妹みたいだった。
・・・でも、14歳になって、それは変わってきた。
―――ミク、君のことが好きだ」
・・・え?