A smile of a goddess ~僕たちのウォーズ~ 作:御沢
「ワールドセイバーっていうのは、有名なテロリストのこと」
「えっ!?」
反応したのがアラタだけなのからわかるように、皆も知ってるような組織。
・・・アラタが知らなかったのはともかくとして。
「世界中で爆破事件や誘拐事件を起こしている、凶悪なテロリスト集団・・・
それが、ワールドセイバーだよ」
「で、アラタ、それが?」
ムラクの問いかけに、アラタが答える。
「セレディが言ってたんだ。
自分はワールドセイバーだって」
そんな・・・ッ!
この学園に、そんな凶悪な組織が紛れ込んでるなんて・・・!
「エゼルダームの司令官が、ワールドセイバー・・・」
「・・・すべて説明がついたな」
ムラクの一言に、皆が反応。
「バンデットの動きを学園長でさえつきとめられなかったこと、セカンドワールドに批判的なセレディが追放されないこと・・・。
・・・おそらく、セカンドワールドの運営側にも、ワールドセイバーの賛同者が紛れ込んでいる」
ムラクの言うことは・・・ほぼ間違いないだろう。
「ぴったりすぎるじゃん・・・それ、正解だと思う・・・」
「・・・美都先生に相談して、指示を仰ごう」
ハルキの案が採用されて、皆は複雑な気分のまま、部屋に戻る。
私は、ナナミの部屋に泊まることになった。
「ごめんなさい、汚い部屋で・・・」
「全然、むしろきれいだって!」
皆の部屋とは違う、ゴージャスな雰囲気の部屋だなぁ。
ナナミかぁ・・・。
なんて言うか、この前のことがあって・・・。
「ミクさん、お話がありますわ」
「え・・・」
また真剣なまなざしのナナミ。
・・・今度は何を話すの・・・?
「これから話すことを聞いて・・・私を軽蔑してもかまいませんわ」
「なんで、そんなことを・・・」
ナナミは立ち上がり、質素な箱から何かを取り出す。
「これは・・・?」
「私に関するデータですわ。
・・・生年月日、家系などすべてですわ・・・そして、ここを見てほしいのです」
ナナミに指差されたところに書いてあったことは・・・
「えっ・・・!?
・・・ナナミ・・・どういうこと・・・?」
「・・・どうもこうも、すべてそういうことです」
―――そこには“ワールドセイバー”と書いてあった。
つまり、これって・・・
「ナナミは、ワールドセイバーの一員・・・ってこと?」
「・・・そうですわ。といっても、そんな偉い立場じゃありませんわ。
わが家系は、代々ワールドセイバーに入ることを義務付けられた家系なのです。
でも・・・私はそれが嫌で仕方がなかったのです。ですから私は・・・
―――この立場を、最大限に利用することに決めたのです」
「最大限に利用・・・?」
ナナミの言うことが、理解できないけど・・・
「どういうこと?」
「綾部さんがエゼルダームからのスパイだったのでしょう?
だったら私は・・・ジェノックからのスパイとなりますわ」
えっ・・・!?
それはだめだよ・・・危険すぎるもん・・・!
「駄目だよ!・・・確かに相手の情報は、ほしいけど・・・
でも、それ以上にね、ナナミが心配なの!友達として!」
「ミクさん・・・でも、私はやっぱり・・・」
ナナミの手をしっかり握って、首を大きく振る。
「絶対だめっ!駄目だからね!じゃあ、おやすみ!」
「ちょ、ミクさ・・・」
ナナミの声を中断して、私はベットに入った。
―――ナナミ、辛かっただろうなぁ・・・。