A smile of a goddess ~僕たちのウォーズ~ 作:御沢
「ミク、悩んでたんだな」
皆がそれぞれの仕事に向かう中。
私はハルキに言われた。
「何が?」
「とぼけるな。司令官のことだ」
・・・やっぱりばれてたかぁ。
「・・・後ろめたい気持ちが、ちょっとあってね。
そりゃ、私は全力で世界のために戦うよ?
・・・でも、今まで隠してきた事実って、消えないから。
中には、快く思わない人だっているはず。だから、かな」
廊下にそんな声が響く。
ちょっと情けない声だなぁ。
「・・・ミクから引き受けたからには、絶対に成功させる。
だけど、覚えておいてほしいことがある。
俺は―――俺たちは、ミクが会長をするこの学園が好きだ。
だから、ミクのことを快く思わない奴なんて、絶対にいない」
その言葉が聞きたかったのかな。
不安だった思いが涙に代わって、ポロポロあふれちゃう。
「・・・うぅ・・・っ・・・ぅわっ・・・」
廊下にしゃがみこんで泣き出しちゃった。
「ミク!?どうしたんだ!?」
おろおろするハルキに、首を振る。
「違うっ、のっ・・・安心っ、しちゃっ、ってっ・・・っ」
「・・・ミク。一緒に頑張ろう」
「うん・・・っ」
ただ頭をなでてくれるハルキは、司令官って感じでかっこよかった。
明日のため、メカニックは夜通しのメンテ。
プレイヤーは作戦の確認。
途中でおにぎりの差し入れがあったのは、嬉しかったなぁ。
他にも、屋上に布団ひいたり、先生の見張りしたり・・・
今まで敵だったけど、今は仲間なんだよね・・・。
―――さてと、私も仕事しますか。
副司令官に回った理由が、実はもう1つ。
色々と目立たないから、調べ物がしやすいってこと。
あのお母さんやお兄ちゃんを持つんだから、コンピューター系にはめっぽう強い。
だから、調べ物やハッキングなんかあっという間にできちゃうの。
「ふーん・・・エゼルダームは、第3コントロールポットルームねぇ・・・」
学園長の会話を盗み聞き。
セレディが使っていた盗聴器は、ハッキングできちゃうものだった。
だからそれを再利用。
「メタ沢さんたちも、返り討ち・・・。
これは確かに、手ごわいなぁ・・・」
ああ見えてメタ沢さんって、かなり強いからなぁ・・・。
女子が寝るのは、教室になってる。
でも、私はメカニックも手伝おうと思って寝ないつもり。
まぁ、その前に・・・
「いたいた。やっぱりまだ起きてたね、3人とも」
―――屋上には、アラタ、ヒカル、ハルキ。
「・・・ミク、君はこの戦いが終わったら、この学園はどうなると思う?」
ヒカルに聞かれて、考える。
―――セカンドワールドは、美都博士が救出されたら動かなくなるけど・・・
でも、ここはそれ以前に・・・
「LBXの専門学校だよ、ここ?
だったら、普通にLBXの専門校になるんじゃない?
戦争とか関係ない、純粋な専門校にね」
「でも・・・存続できるのか?」
「それは・・・」
―――私にも、わかんないよ・・・。
「戦いが終わってから考えればいい」
そう言ったのは、ハルキだった。
そうだよね・・・今は、目の前のことにだけ集中しなきゃ。
・・・っていうか、
「ハルキ、なんだかアラタに似てきたね」
「それ、僕も同感だ」
するとハルキは・・・
「あっ、や、やめてくれ!」
「おい、なんだよそれ!」
まぁ、アラタが黙ってるわけないけどね、笑。
「ゴホン・・・さぁ、寝るぞ3人とも」
「あぁ」
「じゃ、私は体育館に行くねー」
「おう!おやすみミク・・・って、おい!」
―――決選前の、楽しい夜。
この日のこと、たとえ何があっても忘れたくないな・・・。