闇のポケモンとシントの少年   作:アドゥラ

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マジすいません。シロナさんスイマセン。

というわけで第4話。



第4話・リライブ

 アルから伸びた力。白い光のようなそれはモンスターボールを通してツララに流れ込む。ツララの体は光を取り込み薄く発光を始めていた。

 

「なんで、ただの人間にそんなことが……」

「分からないよ。何が起こっているとかそんなの全然。でも、グラエナたちをオッサンから助けられるなら僕達は戦うだけだ!」

 

 ツララが前に飛び出す。先ほどよりもずっと早い。

 

「応戦しろ、ダークアタックだ!!」

 

 ダークと名の付く技は負担が大きいのか、グラエナだけは息を切らしていた。そのため、ポチエナ達が突撃してくる。

 

「ツララ、尻尾で横から叩け!」

「グレッ!」

「エナッ」

「ナエッ」

 

 横から叩かれ、二匹のポチエナは落ちる。その隙を逃さず、ツララは次の技の体勢に入っていた。

 

「こおりのつぶて!」

「シーアアアア!!」

 

 さらに吹き飛ばされ、グラエナも巻き込まれ一固まり倒れてしまう。

 

「お、おい!」

「……いま、楽にしてあげるから…………お願いツララ」

 

 男は一瞬、めざめるパワーかと思ったが……違う。白い光の球体が形成されている。暖かであり、男の持っているダークボールがそれに拒絶を示している。バチバチと回路がショートしている。

 仕方が無い。アルがグラエナたちに気を取られている隙に男は逃げ出した。その後、逃げる途中でシンオウチャンプのシロナがいたことを知り、男の仲間たちはチャンピオンと事構えるのはマズイと思い一時的にイッシュでの活動をやめることになった。

 そのことには気がつかず、アルはツララが生み出した光球をグラエナたちにぶつけた、ダメージは無く、黒いオーラだけが弾き飛ばされる。この瞬間と同時に男がグラエナたちを捕まえるのに使ったダークボールが壊れたのだった。

 

***

 

 疲れてその後はフラフラと牧場に帰った。よく覚えていないが、リオルとメリープも一緒についてきたらしい。シロナに説教されそうになったが、酔っ払っていて記憶が曖昧らしい。シキミさんが号泣していた。とりあえず、なだめるためにうやむやになった。一つハッキリと覚えているのは、グラエナたちが頭を下げた後何処かに走り去っていったことだった。

 とりあえず日課として今日あったことをノートに書いている。

 

「……レポートを書き上げました…………」

「グレー」

 

 ツララもだれていた。内容の濃い一日だった。サンギタウンの宿でアルはもう動けないとばかりに寝転ぶ。ちょうどいい感じの枕もあることだし。この綿毛が何とも……って、おい。

 

「またメリープなの?」

「メー」

 

 メリープはとことこ歩くと、おいてあった空きのモンスターボールをつつく。そして、あろうことか自分からゲットされた。

 

「……」

「……」

「リオッ」

 

 それに続き、何処からか現れたリオルが同じように自らゲットされた。

 

「あー……えっと、メリープアンドリオルGET」

「グ、グレイ?」

 

 アルはこの後一時間ほどいいんだろうかと、少し悩んでいたという。

 

***

 

 翌日、よく寝たとばかりにシロナさんはハイテンションだった。シキミは逆にローテンション。いい加減四天王の仕事も空けておくのはまずいので一旦戻ることにしたためシキミは帰って行った。

 

「さて、用事を済ませましょうかしらね」

「ありましたね、そんなのが……」

 

 てっきりお酒を飲みに来たのだと思っていたのは秘密である。

 

「何か言いたそうね。その顔は」

「なんでもないですっ」

「釈然と……あら、ポケモン増えたの?」

「あ、はい……」

 

 その言葉にメリープとリオルを出す。

 

「あら昨日の子達ね。そうえば野生のメリープがいたわね。リオルもいるってのは驚いたけど。何かあったの?」

「えっと……」

 

 正直、色々ありすぎて何から話していいか分からない。第一、普通信じられない内容だったから話したくない。

 

「色々、かな?」

 

 そうやって誤魔化すしかないアルだった。当然、色々お小言を言われた。危ないことをしていたのは流石に誤魔化しきれなかったのだ。

 

「まったくもう……それじゃあ、行くわよ」

「どこに?」

「シンオウと繋がっているといわれる、心の空洞よ」

 

***

 

「うーん、ユクシー、エムリット、アグノムがいた場所に似てはいるんだけど……」

 

 アルには何を言っているかわからないが、ここが何処と無く不思議な感じのする場所なのは分かる。それと、何故だかわからないが……

 

「なんだろう、懐かしい…………シント遺跡の中みたいな感じがする」

「……そう」

 

 それっきりシロナは口を開かなかった。何かを考えているかのようだったが、中を調べている間は終始無言でアルのほうを見ていなかった。何処か思いつめた表情をしていて、何かを呟いている。

 アルも今のシロナは何処か話しかけづらい雰囲気だったため、サンギタウンに戻るまで喋らなかった。

 

「グレ……」

 

 ただ、心配するかのようにツララが一声鳴いただけだった。

 

***

 

 翌日、何事も無かったかのようにシロナは接してきた。アルも気にしないでおこうと普通にしておくことにした。

 

「シロナさん、今日はどうするんですか?」

「サザナミに行ってカトレアの様子でも見ようとおもってね、四天王の仕事が少ないってシキミも言っていたから別荘にいるかもしれないし」

 

 そう言うと、ボールから大きな鳥ポケモン――イッシュのポケモンで名をウォーグルという――を出した。アルを抱えるとその背中に乗せ、自分はウォーグルの足を掴む。

 

「さあ、そらをとぶよウォーグル!」

「やっぱりこういう移動方ぉぉぉぉ?!」

 

 早い、早すぎるというか助けてください。イッシュの中央、なんかモンスターボールみたいな形の場所を通り過ぎ、シンオウのハードマウンテンみたいな場所を通り過ぎ、静かなビーチ、サザナミタウンに到着した。

 

「あ……グラデシアの花畑が見えるよ」

「ごめんなさい。やりすぎたわ」

 

 グラデシアの花畑。この世のものとは思えない美しさの例えとして使われることがあるが、転じてあの世の風景の代名詞として使われる場合もある。

 

「死ぬかと思った……」

「でも風を感じたいじゃないの」

「メリープ改めウール、10まんボルト」

 

 いつの間にかニックネームは考えてあったという。そして、痺れ状態なシロナをウールの背に乗せ歩き出す。

 正直、やりすぎた気もするが本当に死ぬかと思った。それに、あの程度ならしばらく痺れるだけだろう。

 もう一つ気になることがある。イッシュの中央。ハッキリとは見えなかったが、広場のようなものがあった。薄い膜のようなものに覆われていて近づけそうに無かったが。蜃気楼のように揺らぐこともあったので幻かともおもってしまう。というか、その後耐え切れなくなって意識が飛びそうになった。

 

「もう一度、撃っていいよね」

「リオ……」

 

 流石にメリープだけじゃ足を引きずるのでリオルを出していたアル。ニックネームはジョーカー。そのぐらい強く勇敢な男になってほしいという意味がこめられているが、現在の状況で少し弱虫なところがあるので、今後の成長次第だ。

 ちなみにメリープのウールはメス。

 

「えっと、たしかこの辺……」

 

 おぼろげな記憶を頼りにカトレアの別荘を目指す。最近、四天王になったばかりで忙しいらしいと最近シロナから聞いたが、シキミから聞いた話ではいるかもしれない。

 そういえば、執事っぽい人がいたようないなかったような……

 

「そこにいるのはもしやシロナ様?」

 

 突然声が聞こえた。振り向くと、件のカトレアさんだった。何故か枕を持ってるのが気になる。

 

「それに、アルさんもいらしたのですか?」

「ええっと、お久しぶりです」

「はい。それでシロナ様は……」

「スイマセン、色々と事情が」

「大丈夫です、どうせまた無茶をなさったのでしょう。もしくは人の話を聞いていなかったのか、ちょっとやりすぎたとかその辺でしょうから」

「……流石です」

 

 カトレアさんに案内されてシロナを運ぶアル。とりあえず、途中でシロナの意識は戻って文句を言いはじめるのだが、子供をそんな無茶な方法で運ぶなと逆に起こられるのだった。

 

「それよりも、よく懐いていますねアルさんのポケモンたちは」

「まだ捕まえて日が浅いって言うか、この二匹は捕まえたばかりですけど」

「それでもコレだけ懐いているのは理由があるんでしょう。シロナ様も部屋の隅でいじけていないでコチラにいらしてはいかがです? 美味しい紅茶とお菓子がありますわよ」

「いらない……あと様付けやめて」

「……そうですか、大好物の品々を――」

「食べます」

「はじめからそういえば言いのです」

 

 アルは驚愕の顔をしていた。あの、シロナさんをコントロールできる人がいることに。

 もっとも、その後は結局ふて寝を始めるシロナだった。

 

「幼児退行までして……アルコールを飲ませすぎたのかしら?」

「え、飲ませました?」

「手っ取り早く紅茶に混ぜました。早く立ち直らせるのには有効ですから。安心してください。アルさんのには入れていません。もちろんコチラにも」

 

 そう言って自分の紅茶を指差す。

 

「……あの、一つ聞きたい事があるんですけどいいですか」

「なんでしょうか?」

「ダークポケモンって聞いたことがありますか?」

「ヘルガーやデルビルのことですか?」

「そうじゃなくて、ええと……」

「あなたが何を聞きたいのか分かりました。ですが、シロナに聞いてみたほうが早いのでは?」

「いえ、たぶんですけど教えてくれません」

 

 思い出すのは心の空洞でのシロナの顔。時々、シロナは過保護になる。というより、何かに関わらせたくないという感覚がする。

 

「少なくとも、僕が旅に出るくらいまでには……ううん、もっと後になると思う」

「もうすこし、自分が育てた子を信じてもいいものを……忙しい人ですから、あまり関われていないとでも思っているのかもしれませんね。まずダークポケモンですが既にいないはずです。あなたがそれを知っているということは何かあったのですね」

「うん……」

「ポケモンリーグの方でも呼びかけておきます。詳しいことは知らないので教えてあげられませんが、他には?」

「リライブって何か知っていますか?」

「ダークポケモンを元に戻すこと、だと思います。現在研究が進んでいるとか」

「それじゃあ、コレは?」

 

 アルは立ち上がると、目を閉じて神経を集中させる。感覚をたどり、ツララに力を送り込んだあのときのように……

 

「なるほど、他人の気がしなかったのはこれですね」

 

 カトレアはサイキッカーの類。通常の人とは違う力をもつ。その点で言えばアルの同類という見方もある。

 

「……なるほど、リライブの力。セレビィというポケモンが持っていると聞きましたが人の身で……いえ、世界は広いですからもっと奇特な力を持つ人もいますが」

「やっぱりコレがそうなんですね」

「怖いですか?」

「……少し」

「私も、自分の力が怖かった時期がありますが、あなたはまだ小さい。コレからゆっくりとその力に向き合えばいいんですよ」

「はい……それで、できれば」

「分かっていますよ。彼女には言わないでおきます。不器用な人ですからね」

 

***

 

 夜、アルはポケモンたちと一緒に外に出ていた。

 

「なあみんな……これから、ボクは何をすればいいのかな」

 

 不思議な力がある。本当の両親もいない。ホント、自分がなんなのかわからない。少なくとも一般的な7才とはかけ離れている。

 

「グレ!」

「ツララ……」

 

 頭に乗ってきて、大丈夫だからと励ますように声を出すツララ。

 

「メー」

「リオッ」

 

 マイペースだが、優しい子のウール。少し気弱だけど、ジョーカーだって頑張れる子だ。怪我が直ったあと、ツララ達と一緒にトレーニングをしていた時は一番頑張っていた。

 

「うん、分からないけど分からないなりに……頑張ってみようと思う」

 

 空に浮かぶ星を眺めながら、アルは未来に思いをはせていた。

 




ポケモンコロシアムXDは7才編と大体同時期ぐらいのつもりです。
話にはあまり絡んでこないかもですが。

ポケモンはしばらくこの3匹になるので次回から一気に時間が飛ぶかもです。

あーヒロイン兼ライバルポジションの人も考えてあるんですが、いつになったら出せることやら。

ちなみに、リライブ方法はリライブ専用技でひんしにするみたいなイメージです。それ以外だと、HP0になったら1に戻って復活みたいなゾンビ的演出。

オリ技になってしまいますが、リライブ以外では使わないので。
名前のイメージは「リライブボール」まんまですね。

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