短編及び中編集   作:ADONIS+

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トロニウム・エンジンの改良

シドゥリ暦1502年

 

 監察軍がこの数十年で上げた一番大きな功績はトロニウムの精製法の確立に成功した事だろう。トロニウムは『スーパーロボット大戦α』及び『スーパーロボット大戦OG』に登場するエネルギー鉱石で、米粒ほどの大きさながら膨大なエネルギーを引き出すことが可能になるという極めて有益なエネルギー資源だ。この鉱石を用いた動力機関がトロニウム・エンジンだった。

 

 実のところ、スーパーロボット大戦の科学者たちでもトロニウム・エンジンの開発はできてもトロニウム自体の精製はできていなかった。現在は失われた惑星トロンでしか採掘できなかった資源で、惑星トロン消滅後は全宇宙的にごく限られた数にしか残っていない超レアメタルだ。

 

 それだけにトロニュウム・エンジンを開発できても肝心のトロニウムがないと言う状態が長く続いていたが、知識チートのトリッパーがトロニウムの精製法を確立した事によってようやくトロニウム・エンジンの実用化に成功したのだった。

 

 監察軍がそれほどまでにトロニウム・エンジンにこだわった理由は可変戦闘機の動力機関として極めて有力だったからである。当時の可変戦闘機メサイアは開発当初から幾度となく改修されていたが、心臓部となる動力機関は時代遅れと言ってもいい小型核融合炉を改良しながら騙しだましに運用しているにすぎなかった。

 

 その理由は可変戦闘機に核融合炉よりも高出力のエンジンを搭載できなかったからだ。というのも可変戦闘機自体がそこまで大きくないのもあるが、最大の特徴である複雑な可変機能がエンジンの搭載スペースを圧迫していたからだ。この結果エネルギー不足から可変戦闘機の性能向上も頭打ちになってしまっていた。この状況を覆すには核融合炉よりも遥かに高出力で、可変戦闘機でも搭載可能なエンジンが必要なのは言うまでもないが、それはトロニウム・エンジンしかなかった。

 

 こうしてエネルギーを大食いする装備を満足に運用できるようになれた可変戦闘機は飛躍的に性能を向上させてシドゥリ暦1500年にはブリタニア帝国の機動戦力を大幅に強化することに成功していた。

 

 ここまでは問題なかったが、ブリタニア軍がトロニウム・エンジンを量産して大規模に運用するようになると、その制御の難しさが問題になってしまった。一応トロニウム・エンジンはT-LINKシステムとのリンクレベルが高い場合はその出力が安定するという特性を有していたが、そもそもT-LINKシステムを使える念動能力者などブリタニア軍どころか監察軍でさえほどんど存在しない。何よりそんな極めて希少な個人の資質だよりの特性など量産機のエンジンの利点とはならなかった。

 

 更にトロニウム・エンジンは万が一暴走した場合は、半径50kmほどが爆発に巻き込まれ消滅すると言われている事も相まってブリタニア軍から改良の要請が来ていた。といっても、原作ではトロニウム・エンジンを破壊された程度では暴走爆発しないように安全装置が働いているようで、原作で機体を破壊されトロニウムを奪取される事態があったが大規模な爆発は起こっていないから、危なそうであるが意外に安全なエンジンでもあった。

 

 それは兎も角、この改良要請には監察軍も頭を悩ませた。というのもトロニウム・エンジンはすでに完成されており、一体どこから改良するか非常に悩ましい問題だったからだ。そもそも原作ではトロニウム・エンジンは極限られた数しか運用されていなかった上にT-LINKシステムだよりで運用されていたこともあって、あまり安定性を考慮する必要がなかったからだ。

 

 しかし、ブリタニア軍から改良要請がでている以上なんとかしないといけない。下手に断ってブリタニア軍から「やっぱり可変戦闘機の動力源は核融合炉でいいや」などと言われたりしたら、トロニウム・エンジンを実用化して可変戦闘機の改良した監察軍の面子が丸つぶれになってしまう。

 

 結局、あるトリッパーがガリルナガンに搭載されているバルマー製トロニウム・エンジンことトロニウム・レヴの存在を思い出して、そのトロニウム・レヴのデータを元に改良することにした。トロニウム・レヴは地球産のトロニウム・エンジンに比べ極めて高い安定性を誇るのが特徴で、念動能力者という個人の資質に頼ることなく一般兵でも安定して使用できる長所があった。

 

 こうしてトロニウム・レヴを参考しただけあって改良されたトロニウム・エンジンは安定性がかなり高まり、その後も細かい改良を重ねながらブリタニア軍の可変戦闘機のエンジンとして大いに活躍することになるのであった。




解説

■トロニウム・エンジン
『スーパーロボット大戦α』及び『スーパーロボット大戦OG』に登場。トロニウムを用いる動力機関で宇宙戦艦30隻分とも言われている莫大な出力を誇るが、発生するエネルギーにエンジンの構成素材が耐えられず、また、制御が極めて難しく暴走状態で爆発すると半径50キロの範囲が消滅するといわれている。最大出力での稼動限界時間は3分間が限度とされているため、普段はリミッターが設けられ半分以下の出力で使用される。監察軍では戦闘機や攻撃機などに使用されている。

■ガリルナガン
『第2次スーパーロボット大戦OG』に登場。動力源のトロニウム・レヴは地球のトロニウム・エンジンの上位互換または原典にあたる存在で、地球圏に現存するトロニウム製動力機関とは比較にならない安定性を誇る。
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