EX1.超サイヤ人ゴッド
第一次ベヅァー戦争から100年以上時間が経過した。この間、ひたすら修行の日々を過ごしていただけなのだから特に記載することはない。
変わった事といえば戦後に姫神みこからもらった能力でサイヤパワーとブルーツ波を自由自在に過剰供給できるようになったことだ。そのおかげで自力で超々フルパワーサイヤ人4になれるようになったことぐらいだろう。
そんな風にストイックな生活を送る私をつまらないと思う人もいるかもしれないが、先のベヅァーとの戦いでの大苦戦を経験した事が私をそうさせていた。
あの時は姫神みこ達の手助けがあって何とかベヅァーに勝利したが、正直あそこまで苦戦するとは思わなかったのだ。いくら破壊神ベヅァーでも大幅に弱体化しているならばなんとかなるという根拠もない自信はあの戦いで木っ端微塵に粉砕されて、私のプライドはズタズタに引き裂かれてしまった。その挙句、ブロリーまで失う羽目になり、踏んだり蹴ったりとはまさにこの事だろう。
私の現世においてこの程の失態は他になく、二度とあのような醜態を晒さないためにも修行をしないという選択肢は存在しないのだ。というか、修行しないと次にベヅァーが現れた時に殺されかねない。
そんな風に力を求め続けていた私はある日、『ドラゴンボール超』という『ドラゴンボール』の続編の存在を知った。
実のところ前世の私が死亡したのは2010年であった為、ドラゴンボールに関する原作知識は『ドラゴンボール』と、その後日談を描いたアニメオリジナル作品である『ドラゴンボールGT』だけである。その為、2015年に放送された『ドラゴンボール超』どころか2013年に公開された『ドラゴンボールZ 神と神』すら知らなかったのだ。
当然ながら超サイヤ人ゴッドや破壊神ビルスの存在を知らなかったわけで、私は長い事『ドラゴンボールGT』の超サイヤ人4が最強だと考えていたが、超サイヤ人ゴッドという超サイヤ人4すら凌駕するであろう存在を知ったわけである。
そうなれば話は早い。幸い最近では『すべての原作とその関連商品のコピー』という特典を持ったトリッパーのおかげで、監察軍では上位世界のマンガ、アニメ、ゲーム、ライトノベル等の多種多様な創作物をレンタルできるようになった。
トリッパーにとって原作知識とは重要な優位性である為、これが非常に役に立つ。件のトリッパーは強力な転生特典を有していないが、他のトリッパーに対する貢献という意味では縁の下の力持ち的な存在になっていた。
そんなわけで早速『ドラゴンボール超』のDVDをレンタルして視聴してみました。
それで見た率直な感想をいえば、本当にドラゴンボールは強さのインフレが激しいという事に尽きる。というかゴールデンフリーザの戦闘力1垓ってチートってレベルじゃないよ。どうやったらいきなりここまで強くなれるんだよ!
しかし、超サイヤ人ゴッドになる条件というのがまた面倒くさい。それは正しい心を持つサイヤ人に、正しい心を持つ五人のサイヤ人がパワーを渡すというものだ。まあ、このパワーというのは『ドラゴンボールGT』でお馴染みのサイヤパワーだろうが、人数を揃えなければいけない上に、彼ら全員が正しい心を持つ者でないといけないのだ。
この解決方法として私の卵子を培養して地球人の精子を人工授精させて、更に人工子宮を用いることで5人の混血のサイヤ人を作ることにした。監察軍の施設を使えばそれは容易にできることで、幸いにもトレーズからも許可を貰うことに成功していた。
トレーズとしてはベヅァー対策としていろいろと計画しているものの上手く行っていない事から現状では、唯一ベヅァーに対抗可能な私の強化は好都合であり、私の要請を断る理由はなかったのだろう。実際超サイヤ人ゴッドがベヅァー対策として有効なのは間違いないのだ。
ここで、何故あえて純血ではなく地球人との混血を選んだかというと、それはやはり正しい心を持つサイヤ人という条件があるからだ。
言うまでもないが、サイヤ人というのは闘争本能が強く破壊と殺戮に走る乱暴者で厄介な種族だ。中には例外もあるが、種族としてそうである以上、例えサイヤ人の子供をそのまま作っても超サイヤ人ゴッドになる為の条件を満たす可能性は低くて役に立たないのだ。
勿論、かつては極悪人であったが、地球で長年生活する中で正しい心を持つようになったベジータの例もあるから、サイヤ人が正しい心を持つようにするという方法もあるだろう。
しかし、そんな手間をかけるぐらいなら最初から混血のサイヤ人にしたほうが効率がいい。少なくとも原作では地球人の血が混じった混血のサイヤ人は地球人の穏やかさとサイヤ人の戦闘能力を兼ね揃えているのだから。
かくして、私は未婚の処女でありながら五人の子持ちになり、ドラゴンボールの並行世界の地球で、修業と子育てに追われる日々を過ごす事になるのであった。まあ、外見年齢が12歳の少女が五人も子供を育てているのだから、傍から見るとかなり異様な家庭環境でしたが。
あとがき
ミズナは前世で死亡した時期の問題で超サイヤ人ゴッドを知らないかったという設定にしています。勿論、それを知って以降はミズナが超サイヤ人ゴッドを目指さないのは不自然なため、後日談としてそれを記載することにします。