超戦士伝説   作:ADONIS+

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3.ブロリー

エイジ737

 10歳になったミズナは、100倍の重力をも克服して戦闘力を10万まで上げていた。サイヤ人の限界を遥かに超えた戦闘力。

 

 しかし、同じ歳の悟飯は超サイヤ人2になり完全体セルを倒している。……なんか自信を無くしそうです。100倍の重力を克服したからこれ以上は戦闘力の急激な伸びを期待できない。おまけにXデーまで間もない。

 今、私にいる新生児の保育室では、バーダックの子供カカロットと私の弟ブロリーがいる。ブロリーの戦闘力は新生児でありながら戦闘力10000。やはり映画通りだった。どう考えてもこれはベジータ王が黙っていない。せめて私のように戦闘力を抑えることができたなら話も変わってきますが、赤子にそれはできない。

 

 しかし、新生児で戦闘力10,000とは凄いチートだね。転生特典を貰っている私もチートだけどこの子も凄い。この赤子があのブロリーに育つのか、ちょっと信じられないね。確か筋肉モリモリで「クズが」とか「カカロットーー!!」とか言うのだよね。まあいいでしょう。では計画通りやるか。

 

 

 

 惑星ベジータは元々は惑星プラントという名であったその星。今でこそサイヤ人の支配しているが、かつてはツフル人の惑星だった。ツフル人は戦闘能力が低いものの宇宙でも特に優れた技術力を持っていた。そんなツフル人を滅ぼして、その技術を奪ったのがサイヤ人だった。その時にこの惑星はベジータと改名された。

 そしてそれを成したのが当代のベジータ王。戦闘力12,000のサイヤ人最強の戦士。だが、そのベジータ王を脅かす規格外の存在が生まれた。

 エリート階級のサイヤ人パラガスは、玉座の間に急いで向かっていた。それはとんでもない話を聞いたからだ。

 

「パラガスの息子を殺せ!」

 

 玉座のある部屋から聞こえてくる他に解釈しようのない言葉。それを聞いたパラガスは玉座の間に飛び込む。不敬であるが今はそんなことを言っていられない。

 

「ベジータ王、どうか、どうかブロリーの命を助けて下さい。ブロリーは必ず将来惑星ベジータの役に立つ優秀な戦士になります。どうかお願いいたします!!」

 玉座の間に並ぶエリート戦士達が即座に王の決定に逆らうパラガスを左右から抑えたが、それでもバラガスはブロリーの助命を嘆願する。パラガスは必死だった。ブロリーはパラガスの二人目の子供だ。驚くことに生まれたばかりの新生児でありながら戦闘力10,000もあった。本来これはありえない。いくら戦闘民族サイヤ人でも生まれたばかりの赤子はそれほど強くない。

 

 第一、姉のミズナですら10歳で戦闘力5,000だ(偽装しています)。そんな周囲から優秀だと評価されている姉のミズナをも上回る資質を持つあの子は、将来想像することもできないような凄まじい戦士になるだろう。パラガスはこの規格外の赤子に大いに期待していた。

「優秀な戦士か。だから困るのだ!」

 

 サイヤ人の王族にとって、強さとは権威。戦闘民族サイヤ人の王の証。だから王を超える者など断じて認められない。あの規格外の赤子が育てば、それこそあのフリーザをも凌ぎかねない化け物になるだろう。将来の禍根は断つ。

「お前も逝け!」

 

 パラガスに気功波を放つ。パラガス自身はエリート階級の平凡な戦士だが、またブロリーのような化け物をもうける可能性は高い。故に消す。

「ぎゃあああっ!!」

 

 左右から押さえつけられて身動きできないパラガスの腹部にベジータ王は容赦なくエネルギー弾を叩き付ける。ベジータ王の攻撃でパラガスは倒れた。

「おい、母親の方はどうだ?」

「はい、母親はどうも出産の際に体調をくずしたらしく死んでいます」

「そうか。なら、かえって手間が省けたな」

 

 死んでいるなら丁度良いとベジータ王は判断した。

「パラガスの息子もさっさと始末しろ。それとこの死体を捨ててこい」

「はっ」

 

 ベジータ王の命令で部下が幼子を殺すために動くが、思わぬ事態にその行動は無意味となる。

「べ、ベジータ王!パラガスの息子がいません!」

「何だと!どういうことだ!」

「新生児の保育室から連れ出されていて、既にポッドで惑星ベジータを離れています」

「誰が連れだしたのだ!?」

 

 ベジータ王が苛立ち怒鳴る。段取りが滅茶苦茶になったのだからそれも無理はない。

「それがパラガスの娘ミズナです」

「あの小娘か!」

 

 わずか10歳にして戦闘力5,000のサイヤ人でも特に優れた戦士。ミズナはその能力からサイヤ人の間ではかなり有名で、当然ながらベジータ王もそれを知っていた。

「ちっ!二人は何処に向かった!?」

「わかりません。ですが既にかなり遠くに行っているので、今からでは追撃は難しいです」

「おのれ!虚仮にしおって!」

 

 ミズナはベジータ王の行動を予測して先んじて造反した。ベジータ王としては、本来ならば直ぐさま追っ手を差し向けたいところであるが、今は兵力を割くことができなかった。自分たちがフリーザへの反乱を起こすのは明日だ。今更予定を変更できない。仕方ない。あの二人の処刑は後回しだ。ベジータ王はそう判断する。

「やむをえん、その二人に関しては後回した。それより例の準備はどうだ?」

「はい、すでに収集をかけていますので、エリート戦士を集められるだけ用意できるでしょう」

「そうか、フリーザめ! 今にめにものを見せてやるわ」

 

 ベジータ王は来るべき決戦を考える。

 しかし、彼は自分があまりにも無謀な挑戦で死ぬ運命にあることを知らなかった。サイヤ人は徒党を組むことでより強い戦闘力を発揮できる。ならばエリート戦士が結集すれば、必ずフリーザを倒せるはずだ。

 ツフル人との戦争やその後の宇宙の地上げで判明した事実。サイヤ人の持つサイヤパワーによる特殊効果。それはフリーザの側近のザーボンが気付き、フリーザに報告した事であったが、ベジータ王も気付いていた。

 

 しかし、この考えはそもそも前提となるフリーザとの戦闘力の差をベジータ王が正確に把握できなかったことで破綻していた。いくらサイヤ人が徒党を組むことで戦闘力の数値以上の能力を発揮しても、戦闘力の差がありすぎたら無意味。圧倒的な力の差は、そんなもので埋められるものではない。

 

 

 離れゆく惑星ベジータ。ミズナとブロリーは本来一人乗り用のポッドに二人で乗っていたが、ミズナは未だ幼い少女であるし、ブロリーは赤子だから二人でも問題なく乗れた。

 先程スカウターを利用した盗聴で玉座の間の一部始終を聞いた。ミズナにはスカウターは無用であったが、仲間との通信に使えるために未だに使っていた。

「ふん、馬鹿な王様ね。精々残り少ない春を過ごすがいいわ」

 

 ベジータ王に未来は無い。フリーザに殺されるからだ。ベジータ王が処刑したパラガスのように、王はフリーザに殺されるだろう。

 やはり父パラガスは処刑された。映画でもそうだったしね。万が一生き残っていても惑星ベジータの消滅に巻き込まれて終わりです。

 ミズナにはパラガスを助けるという考えはなかった。パラガスは悪い意味でサイヤ人だ。ミズナが地上げをしながらも、その本心では無闇な殺生を嫌っていたのとは違う。後にブロリーの力で全宇宙を支配しようと企てるほどです。だから見捨てた。

 ミズナは邪魔だからという理由で父を見捨てることに抵抗がなかったわけではないが、ブロリーをちゃんと教育するには本当に邪魔です。ブロリーは映画のように暴走させるつもりはありません。お姉ちゃんがちゃんと指導しますよ。

 ミズナの行動は本来ならば王に対する反逆行為だ。王の考えを知りながらあえてそれに背いた。だが、そのタイミングが絶妙だった。ベジータ王は、フリーザへの反逆を計画していたため追っ手を差し向けることができず(たとえ送りつけられても返り討ちが可能)、すぐに惑星ベジータとサイヤ人は滅びる。特に邪魔なベジータ王とその取り巻きのエリート達が死ぬのは好都合。その点だけはフリーザに感謝してもいい。

 

 ミズナは現時点でフリーザと戦うつもりは全くない。フリーザの最大戦闘力1億2000万に対して10万では戦いにもならない。それにドラゴンボールの物語で、フリーザの位置はけして軽くない。下手に干渉して物語を変えすぎたら、取り返しの付かない事になる。だから地球でもそれには注意するつもりだ。

 それは少なからず交流のあったバーダック達を見殺しにする事でもあったが、それも仕方がない。彼等を助けると物語が変化しすぎる。

 それにサイヤ人は色々と問題があるしね。サイヤ人は基本的に悪だ。凶暴で戦いを求める性格は虐殺と破壊に向かい、罪もない者を沢山殺めてきた。それは自分も同じだけどね。どうせサイヤ人がここで滅亡しなければ、もっと多くの者達が死ぬのは間違いない。フリーザも悪だがサイヤ人も悪。

 これで純血種のサイヤ人は、六人だけになる。ナッパとラデッツは死ぬだろうから四人。サイヤ人は地球人との混血の場合は、戦士の資質は非常に高いが、メンタリティは地球人のそれに近い。純血種のサイヤ人のように凶暴な性格だったり、異常なまでに闘争本能が強いわけではない。宇宙全体から見れば、その方が迷惑にならない。純血種のサイヤ人は滅び、混血として血を残す。ミズナはそれでいいと思う。

 現在二人が向かっているのはズバリ地球。あそこは環境がいいから幼いブロリーを育てるのに都合が良い。地球に着いた後の行動も考えている。とりあえず地球に付くまでブロリーとコールドスリープに入ります。地球に付く10分前に起きるようにセットしておいた。

「さらば惑星ベジータ。第二の故郷よ」

 

 転生後の故郷のベジータは後数日で滅びる。最早、惑星ベジータに行くことはない。そう思いつつミズナはコールドスリープに入った。

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