エイジ737
地球に到着したミズナは取り敢えず着替えた。いつも着ているバトルジャケットは脱いでいた。さすがにあの恰好は地球では目立つ。予め地球でもそれほど目立たないだろう衣服を用意しておいた。白いワンピース。これならシッポも隠せるし、地球人との見分けもつきにくい。
ポッドの到着地点は、人里離れた山奥に着くようにしておく。ベジータやナッパが来たときのように都市部に着陸したら目立って仕方がない。更にポッドを移動させて偽装工作をして隠す。万一にも地球人に見つかると面倒だからね。
まずはカプセルコーポレーションのブリーフ博士に接触する。ベジータのように重力訓練室を作ってもらう。ついでに移動できないのは不便なので、重力訓練室はホイポイカプセルにして貰うつもりだ。 西の都のカプセルコーポレーションは有名だから、人に聞けばすぐにわかるはず。
「へえ、これは大したもんだ」
ブリーフ博士がミズナの丸形宇宙船を見て感心する。
「でしょうね。宇宙船の技術は地球よりも優れているから」
ブリーフ博士には簡単に接触できた。というかこんなに簡単でいいのかと思うぐらい。リモコンでポッドを呼んでブリーフ博士に見て貰った。
「他にもメディカルマシンのデータがあるわ」
さすがに実物は持ち込めなかったが、怪我を治療できるメディカルマシンは便利なのでデータは持ち込んでいた。原作では仙豆の数が少ないので、多少の怪我ならこれで直す方が良いでしょう。それにこれは地球の医療を変えるほどのもの。その利益は莫大な物になる。
「このスカウターやバトルジャケットというのも凄い。ところで本当にこれを分解して解析してもいいのかい?」
「ええ、構いません」
スカウターはもう必要ないし。バトルジャケットはここでは目立ちすぎる。
「でも重力訓練室のカプセルと代わりの宇宙船の事は頼みますね」
ミズナはブリーフ博士に1000倍の重力訓練室のカプセルの製造と故障したときの修理や整備を依頼していた。技術者ではなく戦闘員でしかないミズナは重力室の製造や整備はできないから、どうしても技術者に頼むしかない。宇宙船も、私の物は一人乗り用だから、ブロリーと二人で活動するならもっと大きい宇宙船が必要だ。
「それは構わないが、いくら何でも1000倍の重力は無理じゃないかね。仮に君の体重が40㎏だとしたら40,000㎏、40tだよ。死ぬよ。普通だったら」
「何もいきなり1000倍にしません。それに私はすでに100倍の重力を克服しているわ。更なる戦闘力の向上のためにはより強力な重力が必要です」
「……そりゃ凄い。戦闘民族サイヤ人とはとんでもないね」
ブリーフの驚きも当然だ。ある程度の知識があれば、100倍の重力を克服するということがどれだけ化け物じみているかわかる。私も前世だったらこんな無茶はしない。あくまでサイヤ人というチートボディのおかげだ。だから明らかに地球人の限界を越える事もできた。
さてと重力室の完成まである程度の時間が掛かるでしょう。その間に仙豆を幾つか貰っておくか。あれは修行するのに有効だ。
サイヤ人は死から立ち直るたびに戦闘力を大きく上昇させる。だからワザと死にかけて回復することで戦闘力の向上ができるのですが、失敗するとそのまま死んでしまいます。あまりにもリスクが高すぎる。だからこそミズナもそれの有効性を知りながらもそれを積極的にやらなかった。
仙豆があればそのリスクを減らせる。聖地カリンのカリン塔はこの世界では有名です。あれだけ目立つ塔だからそれも当たり前だろうけどね。ブリーフ博士に聞いたら教えてくれた。
「だだだああーーー!!!」
300倍の重力で、ミズナは激しい自己鍛錬をしていた。パンチや蹴りを連続で繰り出す。
「はああ!」
幾つもの気功弾を放ちそれをコントロールしてワザと受ける。
「うわっ!!」
激しいダメージを受けて倒れたミズナは仙豆を一粒取り出して食べた。
「むん!」
瀕死のダメージを受けたミズナは一気に回復した。
「ふう、今のは危なかったね。うっかり死ぬところだった」
ミズナは重力鍛錬でワザと死にかけて仙豆で回復するという荒技を行っていた。
「でも今ので仙豆は終わりだよね」
仙豆は全部使ったので、もう死にかける事はできないが、今まで何回も死にかけて復活したので戦闘力1000万は超えているはず。
カリンから仙豆を3粒ほど譲って貰ったミズナは、重力訓練室のカプセルが完成すると西の都を一端離れ山奥で修行を開始していた。都市部では金がないと満足に食料を確保できないし、弟のブロリーがちょっと心配だったからです。
最近は重力室で修行しながら、狩りをしている。適当な動物や魚などを捕って食べる生活。ブロリーはカプセルの家に介護ロボットと共にいます。
現在はブロリーには哺乳瓶を使って粉ミルクを飲ませている。赤ん坊の育児ができるロボットがあったのは有り難かった。私は赤子の世話などやったことがないし、あまりやりたくなかったから。ブリーフ博士が、見た目10歳の少女が赤子の育児をするのは無理かもしれないと気を使って貸してくれたロボットだけど便利だね。
ここで人間ではなくロボットなのは理由がある。ブロリーは赤子ながら戦闘力10,000という規格外のサイヤ人。10,000といえば西の都を容易く壊滅させる事ができる戦闘力です。
本来ならばこれはあり得ない。いくら戦闘民族サイヤ人でも幼少期の戦闘力は大したことはない。そもそもサイヤ人自体が、宇宙各地の精鋭を集めたフリーザ軍ではそれほど強い存在ではなかった。精々一般戦闘員より少し上程度。
普通の子供は成長と共に力を高めて力の使い方を身につけていくが、新生児に自分の力の制御などできない。だから暴走して、西の都に甚大な被害を与えましたなんて事になりかねず、ブロリーがある程度物心ついて力の制御を覚えてくれないと、危なくて都市部には近づけない。
仙豆は簡単に貰えた。というよりも戦闘力を隠さずにカリンにあって仙豆を幾つか貰えるように頼んだ。気を読むことができるカリンにとって、戦闘力10万の私に言われれば、抵抗自体無意味と理解できたのでしょう。脅し? 一応、礼儀は通していますよ。ある意味脅迫になってしまったのは否めませんが。今の地球では私の戦闘力は規格外ですから。
超サイヤ人。それは血と闘争を好む宇宙最強の戦士といわれている。戦闘民族サイヤ人が戦闘力を向上させるために変身したもの。それになるには幾つかの条件がある。
まず戦闘力100万以上であること。これは恐らくそれだけの戦闘力がないと、身体が超サイヤ人の状態に耐えられないのだろう。だから一種のリミッターがかかっていると思われる。
次に強い感情つまり怒り、悲しみなどを持つこと。ただトランクスや悟天が簡単になっていることから、条件としては不確定。
最後にサイヤ人が少数化して、種そのものが絶滅の危機に陥ること。元々、サイヤ人は少数民族だったが、それなりの数は存在していた。超サイヤ人の出現を恐れたフリーザは惑星ベジータを崩壊させ多くのサイヤ人を殺したが、皮肉にも逆に超サイヤ人の覚醒の条件を自ら整えてしまった。
これらを考えると後は何らかの感情で、超サイヤ人になれるはずと考えていたのですが、超サイヤ人になろうと意識したら何となくなれました。……チートって凄いね。でも自分の意志で自由に超サイヤ人になるにはちょっと苦労しました。
さてと、まず超サイヤ人になることで発生する興奮状態を抑えましょう。超サイヤ人の状態に慣れて常に平常心でいられるようにすると。う~ん、この状態で座禅でもしますか? とりあえず寝るとき以外は超サイヤ人で慣れましょう。
超サイヤ人の状態になれると重力を500倍まで上昇させて修行しました。さすが超サイヤ人500倍の重力でも耐えられます。こうしてミズナは修行にはまっていった。
エイジ741
原作開始の八年前。ブロリーが四歳になった。私のことを姉上と慕ってくれます。そう呼ぶように躾けた。弟くん育成計画。これでブロリーを真人間にするのです。人様の迷惑になるようなことはしてはいけませんとか、無闇に人を傷つけたり物を壊したりしては駄目とか、色々と倫理道徳を教え込んでいます。
カカロットのように良い子になれとはいわないけど、映画の様に暴走するのは勘弁してほしい。こんな教育するサイヤ人って私だけでしょう。親子兄弟の情が薄く、冷酷非道な戦闘凶がサイヤ人ですから。
気になることと言えば、12歳になってから一向に背か伸びないことだ。今の私はまだまだ成長期の筈。ということは私の年齢は12歳で固定されてしまったということ。確かにある程度の年齢で成長も老化も止まり不老長寿になるといっていたが、まさか12歳で止まるとは思っていなかった。
これは死神にちゃんと確認しておかなかった自分が不手際だったとしか言えないけど。不幸中の幸いなのが、生理が来る前に固定されたのでその手の苦労はしなくて良いということ。そのため子供を作れなくなっているけど、子供が欲しいと思っていなかったからそれはどうでもいい。
さて、そろそろ宇宙船で地球を離れましょう。あまり地球に長居して歴史が変わったら困るし。既に変わっているとは思うけどね。サイヤ人の宇宙船、スカウター、バトルジャケットなどの技術は、サイヤ人編でカプセルコーポレーションに流出している。だから原作よりも少し早く技術が流出してもあまり変化はないと思っていたが、それでも変化するでしょう。
具体的にいうとブルマ達がナメック星に到着する時期が多少変わる筈。となると私達が地球にいすぎると、より変化が大きくなるのは分かり切っている。だから宇宙への旅です。この四年ですっかり仲良くなったブリーフ博士夫妻と別れを告げて地球を離れる。目的地はヤードラット星。悟空のように瞬間移動を覚えるつもりです。
そういえば、ブリーフの娘ブルマとも会いました。原作通り天才科学者の片鱗をうかがわせていた。彼女がドラゴンレーダーを発明していなければ、ドラゴンボールがあんなに乱用されなかっただろう。しかし、そうでないとこの物語は始まらない。それにドラゴンレーダーは、レッドリボン軍やピラフ大王も開発していたからどのみち一緒かな。
やはり老界王神が言っていたように、あれはまじめなナメック星人だけに許された反則技。地球にあるべきものではないのかもしれない。