東方罪妹録   作:百合好きなmerrick

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タイトルからしてアウトですが、タイトル通りのR15になる原因が含まれているイチャイチャしすぎ回です。
そして、深夜テンションで書いた感が半端ないので、読む時は注意しましょう。

でも後悔はしていない()


10話「色欲な姉妹」

 ──Hamartia Scarlet──

 

 ウロとの出会いから1ヶ月が経った。あれから何度かウロには会うも、『原初のルーン学』を読破しないことには権能を貸す気にもなれない、と権能の譲渡は断られている。ルーン魔法の方は丁寧に教えてくれるから、性格がお姉ちゃんに似ている人なんだろう。お姉ちゃんもお姉様に対しては強く当たったり、優しく接したりとよく分からない。好きなのは間違いないから、何も言わないけど。

 

 最近は知識を深めるため、図書館に入り浸るようになっていた。読んでも読んでも尽きない量の本がある図書館は、私にとっての宝物庫。知識とは力であり財産。昔、お姉ちゃんにそう教えられた。だけど、私からしてみれば財産は形あるものはじゃないと実感が湧かない。

 

「ティア、最近本ばっかり読んでるね。面白いものでも見つけたの?」

「あ、お姉ちゃん」

 

 いつも通り本を読んでいると、お姉ちゃんが声をかけてきた。横から本を見るようにして顔を覗かせている。この時間は基本みんな自由にしているから、暇で話しかけてきたんだと思う。

 

「面白いかどうかは分かんない。でも、気になる言葉は多い。知らない言葉も多い」

「ふーん⋯⋯変なの。知らない言葉は教えてあげよっか? 私が知ってる範囲でだけど」

 

 おお、今日はお姉ちゃんの機嫌がいい日かな。せっかくだし、知らない言葉をどんどん聞いていこう。

 

「じゃあじゃあ、美徳ってなあに?」

「美徳? タオとか難しいの知ってるのに、それは知らないの? 美徳っていうのはそれこそ前に教えた正しい道に適った行いのことだよ。褒められる行いやあり方も言うのかな。七つの美徳とかまさにその正しい行いらしいよ」

「ふーん⋯⋯」

 

 大罪と対をなすものとしてよく見るから聞いてみたけど、良い行動のことを言うんだ。なら、大罪はやっちゃいけないことなのかな。私にはそうは思えないんだけどなぁ。

 

「他には何かある?」

「うーんっとね。じゃあ⋯⋯」

 

 ふと今読んでいた本の中で見慣れない言葉があったのを思い出し、ページをペラペラと戻す。そして、その言葉が書かれているページを見つけると、お姉ちゃんにそれを見せながら聞いてみた。

 

「これは? この『キス』って何?」

「えっ⋯⋯」

 

 さっきまで普通だったお姉ちゃんが、突然口を開けて固まった。まるで蛇に睨まれた蛙のように動きを止めた。それも、どうしてだろう。顔を赤くしている。何か恥ずかしいことでもあるのかな。

 

「うーん⋯⋯どうしよう。これ教えたら教えたで⋯⋯」

「どうしたの?」

「あ、いや。何でもないよ! 私には分からないから、後でお姉様に聞いてみよっか! 他の言葉で気になるのはない?」

「え、うーん⋯⋯」

 

 お姉ちゃんにも分からない言葉ってあるんだ。そう思いながらも、知らない言葉を探しながらページをめくる。

 

「じゃあさ、この『接吻』っていうのは⋯⋯お姉ちゃん?」

 

 聞く前から、何故かお姉ちゃんは頭を抱えている。こんな難しそうな顔をしたお姉ちゃんは初めて見る。それほど難しい言葉なのかな。この『接吻』って。

 

「えーっとねぇ⋯⋯。でもなぁ、まだ教えるには早いしなぁ」

「どうして? どうして早いの?」

「あ、やばっ。⋯⋯心の声漏れてた?」

「うん、ばっちり」

 

 お姉ちゃんの難しい顔の理由が分かった。教えるべきか否かで迷っていたんだ。でも、知識に早いとか遅いなんてあるのかな。私にはよく分からない。

 

「流石に私だけで決めるのもね。後でお姉様に判断を仰ぐから、それまで待ってて。⋯⋯1つ教えたらその次もまた次も教える必要が出てくるしね。だから、きっとお姉様も教えてくれないとは思うなぁ⋯⋯」

 

 

 

 

 

「いいじゃない、それくらい教えてあげたら」

「いいんだ⋯⋯」

 

 食事の時間、その終わり。机にはお肉や血のワインの食べかけが残るも、私の前だけは骨すらも残っていない。三姉妹が揃うその時間にお姉ちゃんがお姉様に聞くと、平気な顔で許可を貰っていた。お姉様はお姉ちゃんほど重大なこととは考えていないらしい。余計に、どうしてお姉ちゃんが頑なに教えるのを拒んでいたのか分からなくなる。

 

「簡単に言えば口付けよ。ただ口を付けるだけでしょ。昔人間が忠義を示すためにしてたわ」

「⋯⋯間違ってはないけど、ティアが言ってるのはそっちじゃないと思うよ。愛情表現の一種で、唇と唇を重ねること。それがキスね」

「⋯⋯え?」

「え? じゃないでしょっ! って、もしかして分かってなかったの!?」

 

 食事の時間だというのに騒がしくなる。それにしても、実際のところ『キス』のことを知ってたのはお姉ちゃんだけだったんだ。どうしてお姉ちゃんだけが知ってたのかな。

 

「長女なのに何も知らないんだね、お姉様って⋯⋯」

「そ、そんな哀れむような目で見ないでくれない!? そ、それに別に知らなかったとかじゃないし」

「へぇー? 知ってたの? 普通は愛情表現の方が先に出てくると思うけどなぁ?」

 

 まぁ、何でもいっか。それよりも、お姉ちゃんはキスを愛情表現と言っていた。いつもお姉ちゃんにする抱擁と同じなのかな。もしそうなら、キスも心地良いのかな、温かくて気持ちいいのかな。確か、唇と唇を重ねると言っていた。唇を重ねることで本当にそうなるとは思えない。

 

「私は普通じゃないのよ。偉大な吸血鬼だから」

「あ、ふーん。そっかー。偉大な吸血鬼だもんねー」

「こらっ。笑いながら言わないの。まるで私が道化みたいじゃない」

「まるで、じゃなくて道化なんだと思うけど」

 

 とりあえず、それを知るには試してみるしかない。なら、試すならどちらにするべきか。⋯⋯知ってる人よりも、知らない人の方が純粋に伝わりそうだ。よし、じゃあお姉様に試してみよう。

 

「言ったわね?」

「言ったけど?」

「⋯⋯遊んでる時にごめんね」

「遊んでな──んぅっ!?」

 

 喧嘩遊びになる前に、感情が高ぶって椅子から立ち上がったお姉様の肩を掴み、力づくで引き寄せて唇を奪う。何か喋ろうとしていたけど、そんなこと気にしていたら試すことができない。お姉ちゃんも驚きのあまり声が出ない、という顔になっていた。

 

「ん⋯⋯んんんっ!」

 

 お姉様は私から逃れようと必死に手足をばたつかせている。だけど、しばらくそのままキスを続けていると、お姉様は騒ぐのもやめて力を抜いた。そうして、されるがままに、私に身を委ねてくれた。

 

「あ──はぁっ! はぁ、はぁ、はぁ⋯⋯!」

「うんっ、美味しい! これは好きになりそう」

 

 キスを終えると、お姉様は息を切らしながら床に手をつく。力を吸い取られたみたいに疲れているけど、お姉ちゃんと同じようにお姉様にも私の能力は効かないから、ただ疲れただけだと思う。キスしてる時、息しづらいし。

 

「⋯⋯呆気に取られて魅入ってた。ティアティアー! 次は舌を絡めてみよっ? もっと味が分かると思うよー」

「と、とんでもないことを提案するわね!? ティア! つ、次私の許可なくしたら、本気で怒るわよ!?」

 

 顔を真っ赤にしながら言われても説得力はない。やっぱり、お姉様も美味しかったのかな。嬉しかったのかな。私はどっちもだから、きっとお姉様も一緒なんだろうなぁ。⋯⋯とっても嬉しい。それに、キスが心地良いものだと知ることもできた。またやってみよう。次はお姉ちゃんにも。

 

「はいはい。最後の方はお姉様も気持ち良さそうに目を瞑ってたじゃん。後でゆっくり楽しんでいいんだよ?」

「だ、誰が⋯⋯っ!」

「お姉様。そんなに私とするの⋯⋯嫌だった?」

 

 念の為に確認すると、お姉様は恥ずかしそうに顔をうずめ、赤くする。そして、気恥ずかしそうに口を開いた。

 

「っ! そ、それは⋯⋯い、嫌じゃないけど⋯⋯」

「なら良かった! またしようね!」

「うわぉ! 相思相愛だね! お姉様、私もしていい?」

「──貴方達ねぇ⋯⋯!」

 

 からかいすぎた。このお姉様の顔は怒っている時の顔だ。⋯⋯ああ、でも、そんな顔でもやっぱり可愛い。もっと愛したい。お姉ちゃんがさっき言ったみたいに、キスする時に舌を絡めれば、もっと美味しい味がするのかな。もっと、私の愛し(食べ)たいという気持ちが⋯⋯愛が伝わってくれるのかな。

 

「これから1週間は魔法も武器練習も厳しくしようかしら?」

「えぇー! それとこれとは違うじゃん! それにお姉様だって嬉しそうにしてたし」

「あのねぇ⋯⋯。やっていい時と悪い時があるでしょ!? しかも何も言わず唐突に!」

「なら、後でいっぱいやってもいい? お姉様の力を全部吸い取るまで」

「貴女が言うとシャレになんないわよっ」

 

 否定はしない。ということは、裏を返せばやってもいいという──

 

「やっていいとも言ってないからね!?」

「え⋯⋯! お姉様は、心を読めるの?」

 

 絶対に口には出していないはずなのに、お姉様は完璧に私の考えを言い当てた。お姉ちゃんが言ってたことだけど、相思相愛になれば考えていることを口に出さなくても分かるようになれるらしい。どこの情報かは知らないけど。だから、お姉様と私はすでに相思相愛⋯⋯。まぁ、まだ違うだろうけど、勝手にそう思っておこう。

 

「顔に出てたわよ、思いっ切り。そうじゃなくても貴女のことならだいたい分かるわ」

「それ、やっぱり好きだからじゃん。ねぇねぇ、お姉様は私のことも好きなの? それともやっぱり嫌い?」

「何を言ってるのよ。嫌いなわけないじゃない」

「⋯⋯え、マジ? ほ、本当に?」

 

 場の雰囲気が少し変わった。冗談交じりだったお姉ちゃんは、予想外のお姉様の言葉に驚いている。

 

「逆に嫌いだと思っていたのかしら。貴方達は私のただ2人だけの妹。好きに決まっているわ。⋯⋯あ、恋愛的な意味とかじゃなくて⋯⋯!」

「あ、うん。それはそれで必死で言われるのも困るから。でも、ふふっ。なら私もたまには教えてあげよっかな。私も2人のこと大好きだよ! ⋯⋯じゃ、そういうわけで。先にお風呂入っとくからー」

「あ、逃げちゃった」

 

 お姉ちゃんは早足でその場を立ち去り、私はお姉様と2人、残されることになった。

 

「あの娘は本当に自由ね。⋯⋯ティアもティアで自由だけど」

「そう?」

「そうよ。突然キスしたのが何よりの証拠じゃない。ま、あれは喧嘩の仲裁をしてくれた、っていう捉え方もありはするけど」

 

 実際は喧嘩とも思ってなかったんだけど、それは置いておくとしよう。言ったら言ったで怒られることになるだろうしね。今のお姉様を怒らせたいほど、私の好奇心は強くない。

 

「まあ、過ぎたことをあれこれ言うつもりはないわ」

「うん、ありがとう」

「⋯⋯ただね。やられっぱなしも性にあわないのよ」

「え──」

 

 今度はお姉様が突然私の肩と頭を掴み、引き寄せてきた。顔が近付き、身体は密着して、口が触れ合い、さらには舌が絡み合う。歯が当たったのかチクッと痛みもあったけど、そこは心地良さの方が上回った。いや、心地良さとはまた違うのかもしれない。私は今、味わったことのない深く美味しい()()()()を体験しているのかもしれない。それに加えて、ルーン魔法を使って物を破壊した時のような『快感』も得られた。

 

 しばらくの間、静かに抱き合っていると、流石に疲れたのかお姉様の方から私を引き離した。唾液が糸を引きながら、お姉様の顔が離れていく。もう少し続けていたかったから名残惜しいけど、最高の満足感は得られたから良しとしよう。

 

「んぁ⋯⋯お終い?」

「ええ、あまり長くフランを待たせるのも悪いし、ご飯の片付けもまだ終わってないのよ。早く終わらせないとね」

「またしてくれる? 次は、もっと長くしたい⋯⋯」

「わがままねぇ⋯⋯。わがままなのは身体だけにしてほしいわ。でも、そうね」

 

 お姉様は子どもの相手をするように私の頭を撫で、微笑ましい笑顔を見せる。

 

「ダメとは言わないわ。もちろんフランには内緒にしなさいよ? バレたら何を言われるか分かったものじゃないわ」

「うん! 2人だけの秘密だねっ! あ、でも、お姉ちゃんにもいつかするから大丈夫だと思うよ」

「あら、そうなの。⋯⋯ティアは私とフラン、どっちの方が好き?」

「どっちも好き! お姉様も、お姉ちゃんも⋯⋯だぁい好き!」

 

 どうしてだろう。お姉様の表情が少し寂しくなる。私にはどっちか選べと言われても選べないし、何があってもどっちも選ぶつもりだ。そもそも『どちらか』という選択肢が間違ってるとも思っている。どちらかしか選びないなんて、不条理にも程がある。

 

「そっか。ティアは本当に⋯⋯可愛い娘ね。それを聞けて嬉しいわ。さ、フランが待ちくたびれてるでしょうし、急いで片付けましょうか」

「うん、分かった!」

 

 ああ、次はお姉ちゃんのを奪ってみたいな。反応が楽しみだ。お姉様のもとっても美味しかった。次はもっと強く感じてみたい。でも、やっぱり主導権は私が握りたいかな。急に奪った時のあの顔が、堪らないから⋯⋯。

 

 色々と想像しながら、私達はお姉ちゃんの待つお風呂へと向かう────




稀にこんなギリギリの話もありますが、R18にまではいかないです。希望が多ければ最終回後に別作品として出すかもしれませんが、基本的にR18の作品は出さない予定です。

あっと。ちなみにそれからキス以上のことを教えられたかどうかはご想像にお任せします。ティアちゃんはこれからも食べる=愛する発想になります故()
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