東方罪妹録   作:百合好きなmerrick

45 / 98
記念すべき(?)40話目はティアちゃんの誕生日。
まぁ、その誕生日は今日じゃないけどね。

どうやら⋯⋯楽しそうですね。ちなみに短め。
では、時間がある時にでもどぞ


40話「盛大な誕生日会」

 ──Hamartia Scarlet──

 

 今日、6月6日は私の誕生日。今年でちょうど150歳になる。紅魔館では50歳毎に目出度いからと、誕生日パーティーをしている。要は5年前と10年前にもお姉ちゃん達のパーティーをした。ちなみに、スクリタはお姉ちゃんと同じ誕生日にされたとか何とか。

 

 ともかく、前回や前々回の事を踏まえると、今日は楽しいパーティーになりそうだ。私はお姉ちゃん達とずっと一緒に居られるだけで幸せだから、別にいいんだけど。

 

「ティア! お誕生日おめでとう!」

「ティア様、おめでとうございます!」

 

 図書館を除き、紅魔館で一番広いと言われるパーティーホール。そのホールにお姉ちゃんや美鈴、妖精メイドなど、みんなの声が響き渡る。私を祝ってくれてるというのは気分が悪くない。むしろ、嬉しい気持ちでいっぱいになる。

 

「ありがとうっ!」

 

 そのお礼を感謝の言葉としてみんなに返す。それをどう受け取ったのかは知らないけど、私の言葉を聞いたお姉ちゃん達はとても上機嫌で、嬉しそうな顔をしていた。多分、良い意味という事は伝わったんだと思う。

 

「さあ、パーティーの始まりよ! 余興も前座も後回し。美鈴、誕生日ケーキを持ってきてちょうだい!」

「分かりました! しばしお待ちをっ!」

 

 その10数秒後、美鈴が大きなケーキの乗ったワゴンを運んできた。その後ろからは妖精メイド達が小さなケーキをハイティースタンドに乗せてやって来て、それをテーブルの上に並べていた。

 

 美鈴の持ってきたケーキは大きさは私の身長とほぼ同じ。お姉様やお姉ちゃんの誕生日にも見なかった特大サイズの誕生日ケーキだ。結婚式と勘違いしてるように見えるけど、どうやら私に対してのケーキというのは、これが一般的見解らしい。偏見を感じる。嬉しいけど。

 

「ティア、今日は好きなだけ食べていいわよ。あ、食料庫が尽きない程度に、だけど」

「⋯⋯え? いいの?」

「ええ、いいわよ。今日だけね」

 

 いつもはキリがないからと、ある程度までしか食べるのを許可されてない。昔、あるだけの食べ物を全て食べ尽くした事が原因だと思う。それは反省してるし、食べれないのも仕方ないと思ってた。

 

 だけど、今日だけでもいっぱい食べれるなら、そうしよう。許可されたからには、満たされるまで食べ尽くそう。食べても食べても、飢えも渇きも治まらないけど。

 

「ああ、あと、あのケーキも1人で食べていいわよ。どうせ食べれるんでしょ?」

「うん、まぁね。⋯⋯でも、なんかイヤミっぽい」

「イヤミじゃないわよ。それと、今年の誕生日プレゼント、何がいいかしら?」

 

 また今年も聞いてきた。またどうせ、いつも通りのぬいぐるみで変わらないのに。お姉様は毎年何かしらのぬいぐるみを送ってくれる。まだ私の事を子供とか思ってるのかな。まぁ、甘えれるし、それでもいいんだけど。正直な話、飽き飽きはしてるけど。

 

「お姉様からのプレゼントなら何でもいいよ。キスとかする?」

「嫌よ。こんな大衆の目の前でなんか。どうせなら寝る時ね。2人っきりの時」

「こらこら。本気にしちゃうでしょ? それに、2人にさせないからね? ティア、今年は何か欲しい物はあるー? また家具でもいいの?」

 

 お姉様に対してお姉ちゃんからはいつも色々な物を貰える。最近は主に家具を頼んでるけど、お姉ちゃんの部屋に無い物でも、何処からともなく持ってきて、プレゼントしてくれる。正直、出処が分からないのは怖いけど、お姉ちゃんだからいいかな、と思ってる。

 

「うーん⋯⋯じゃぁ、鏡が欲しい。大きな鏡」

「鏡⋯⋯? 写らないけどいいの?」

「うん、いいの。人間達がよく持ってるし、興味あるんだっ」

「ふーん。変なティア。分かったよ。後で部屋に持っていくね」

「ありがとっ!」

 

 おぉ、無意味だからと断られる事も考えてたけど、意外と聞いてくれるんだ。やっぱり、お姉ちゃんは優しいなぁ。本当に嬉しい。お姉ちゃんの誕生日の時、何かお返ししてあげないと。

 

「⋯⋯スクリタは、何かくれるよね? ねぇ?」

「何かあれバ、オネエチャンが助けてあげル。それでいいよネ?」

「ダーメ。いっつもそれ言って、プレゼントくれないじゃん。それじゃぁ、私もあげれないよ? 後、私がお姉ちゃんだから」

「はいはイ。プレゼントくれなくていいヨ? 代わりに、何かあったラ助け合おうネ」

 

 それを言われると、私は何も言えないや。プレゼントを貰えない事を上手く丸め込まれた気がする。これも一種の契約に入るだろうけど、具体的過ぎて簡単に破れそうだし。結局は何も約束してない事と同じだ。でも、他にプレゼントを貰う方法は何も思い付かないしなぁ。諦めるしかないか。いつか貰える事を信じて。

 

「むぅ⋯⋯分かった。約束だよ?」

「約束。でモ、姉妹だかラ、協力は当たり前だけどネ」

「⋯⋯やっぱり、プレゼント貰うのダメ?」

「遅いヨ。それに用意してないからネ」

 

 凄く騙された気分。⋯⋯後で夢の中で仕返ししよう。姉として、妹にはお仕置きしないとね。夢と気付くまで時間がかかれば、思考を読まれてスクリタに好き放題されちゃうけど。まぁ、その時は後で奪っちゃえばいっか。

 

「あのー、ティア様。実を言うと、私も何がいいか分からず買ってないのですが⋯⋯」

「え? 美鈴はいいよ。いつもご飯作ってくれてるし」

「そうね。わざわざ買う必要も無いわ。それに、美鈴(貴女)の誕生日にプレゼント渡せてないのよ? それなのに貰うのは傲慢過ぎない?」

 

 それでも遠慮がちに話す美鈴に、お姉様は「気にしないで」と諌めていた。私も美鈴にプレゼントを絶対に貰いたいとは思わないし、プレゼントは強要して貰う物でもないと思ってる。それに、本当に欲しい物は文字通り奪い取るから問題無い。

 

「じゃぁ、自由にしていい?」

「ええ、もちろんいいわよ。今日は貴女の好きになさい。ああ、もちろん誰にも迷惑をかけない事前提ね。それと、何か困った事があれば言ってちょうだい」

「うん、分かった!」

 

 お姉様は話し終えると、メイドの1人に呼ばれて何処かに行った。それを横目に、私はありったけの食事に目を向ける。大量にある食べ物は、見てるだけで食欲をそそられる。

 

「もう食べていいんだよね?」

「いいんじゃない?」

「気にしないデ、食べれバ? ワタシは幾ら食べても気にしないかラ」

「そっか。じゃぁ、いただきまーす!」

 

 許可を得た私は、目に付く物から手を伸ばし、たらふく食い漁った────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──Remilia Scarlet──

 

 ティアの誕生日会。プレゼントの話を終えた私は、それを待ってたらしいメイドに呼ばれていた。

 

「お嬢様。お客様です。なんでも、誕生日を祝いに来たとか」

「客? 怪しい人じゃないわよね?」

「あ、いえ。1人は知ってる方でしたよ。もう1人居ましたが、息子らしいとか⋯⋯ともかく、応接室にてお待ちいただいてるので、会ってみれば分かります」

「ふーん。分かったわ。持ち場に戻っていいわよ」

 

 誰か言わずに会えば分かるなど、変な事を言うメイドだ。そう思いながらも下がらせ、1人で応接室へと向かった。応接室は入り口に近い場所に設置してある。その名の通り来客に応対する部屋で、テーブルと椅子しかない質素な部屋だ。誰かは知らないが、待たせるのも失礼になる。

 

「あら? 2人、だけど⋯⋯」

 

 目の前から2人の人影が歩いてくるのが見えた。片方は白い短髪で見た事のある顔だ。名前は確か⋯⋯ウラだったか。もう1人の赤い髪の方に見覚えがないが、何処と無く、誰かに似てる気がする。

 

「はろー。こんにちは。レミリア」

「あら、来客って貴方達かしら? 1人は見覚えないし⋯⋯」

「誰にも会わずに入ってきたから違うと思いますよ。あ、ごめんなさい。勝手に入って」

「それは⋯⋯まあ、いいわ。知らない奴だったら追い返してたところよ」

 

 正直片方は知らないし、ウラの方も詳しいわけじゃない。だけど、ティアがお世話になってるようだし、祝いに来たであろう彼女達を追い返すわけにもいかない。勝手に入った事は本来許されない事だが、今日は機嫌が良いから許すとしよう。

 

「今日はお祝いに来たのよね? ティアはこの先のパーティーホールに居るわよ。場所は⋯⋯」

「大丈夫です。分かりますので」

「あらそう。⋯⋯ところで、そっちの娘は誰かしら? 一応、素性は知っておかないと何かあった時にね?」

 

 疑ってるわけじゃないが、流石に素性の分からない人を妹に会わせれない。姉として、当主として、危険は起きる前に排除する必要があるのだ。

 

「やっぱり、人じゃ気付かないのですね。この人はイラ。昔貴女を殺した竜ですよ」

「い、言うか、ここで⋯⋯。イラだ。久しぶりだな、吸血鬼」

 

 私に攻撃できないようにされてる竜だった記憶があるけど、どうしてこんなにも傲慢な態度なのか。竜としての矜恃でもあるのだろうか。無意味としか思えないが。

 

「あら、あの時の⋯⋯。久しぶりね。元気だった?」

「貴様の妹のせいで散々な目に遭ってるが、元気だぞ」

「そうなの? それは大変ね。まあ、ここに来てくれたという事は、それなりに好感が持てるのかしら。ありがとうね、イラ」

「は、はあ!? だ、誰があんな奴⋯⋯!」

 

 顔を赤くして否定されても、説得力に欠ける。やはり、何処かで見た光景だ。それにしても、ティアもお人好しね。想像してたよりは、仲良くしてるらしい。不安の種が1つ消えたが、逆に仲良くし過ぎて私との距離が離れそうで心配な気持ちがある。ティア相手に、大して気にする必要は無いだろうが。

 

「レミリア。あまりイラを弄らないであげて。ティアにいつもされてるから」

「ああ⋯⋯それは本当に大変ね。分かったわ。じゃあ、私は人を待たせてるから行くわね」

「うん。またね」

「⋯⋯またな」

 

 別れを告げ、私は2人が来た方向──エントランス近くにある応接室へと向かった────

オリキャラ生存or死亡ルート(詳しくは50話で)

  • 生存ルート
  • 死亡ルート
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。