東方罪妹録   作:百合好きなmerrick

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少し前にティアフラの話をしましたので、今回はレミティア回。

曖昧であっても、確実な感覚。
故に、ちょっとR15(


47話「曖昧な夢現」

 ──Remilia Scarlet──

 

「ふぁぁぁぁ⋯⋯疲れた⋯⋯」

 

 事務作業も終わり、日が昇り始めた頃。お風呂で疲れを癒した私は、部屋に戻ってきていた。

 

「はぁ⋯⋯今日もたくさん働いたわねえ⋯⋯」

 

 今日は朝遅くまで仕事をしていたせいか、三度目の食事以降、メイド以外の家族の誰とも出会う事なく1日が終わってしまった。もう200年以上も生きてるから、稀にこういう日がある。食事以外誰にも会わず、1日を終えてしまう。そんな悲しい日が。

 

 そんな時は次の日に一緒にお風呂に入ったり、寝たりして癒してもらう。フランや美鈴にも頼むのは恥ずかしいから、そんな事を一切気にしないティアに頼んで。とは言っても、それは明日の話。今日は何もできないから寝るしかない。

 

 そう思って、ベッドに倒れ込む。すると──

 

「あんっ⋯⋯!」

 

 ──ベッドから色っぽい声が聞こえた。

 

「ふぁっ!? な、何今の声⋯⋯って、ティア!?」

 

 毛布をめくると、そこに居たのは愛しくも可愛い私の(ティア)だった。さっきまで寝てたのか目を擦り、着ているネグリジェははだけ──ブラを付けてないせいで──そこから胸が若干見えている。当の本人はそんな事を気にする様子は見せず、呑気に欠伸をしてる。

 

「あ、お姉様⋯⋯。はろー⋯⋯」

「へ、変な声出さないでよ! ビックリしたじゃない! ⋯⋯いや、そもそもなんでここに居るの? ここ私の部屋よ?」

「え⋯⋯? あ、そうだ。お姉様に会いたくて、来たけど誰も居なくて⋯⋯。お姉様のベッド、いい香りがするから枕に顔を埋めてたら、眠たくなって⋯⋯」

 

 それでそのまま寝てしまった、と。なんとも天然な妹だ。そこがフランにない可愛い部分なのだが。

 

「あら、そう言えば、スクリタはどうしたの?」

「スクリタはお姉ちゃんと一緒だよ⋯⋯。今日は、別々で寝てみるんだって。何かあったら、お姉ちゃんがすぐに来てくれるから大丈夫⋯⋯」

「あらそう。⋯⋯眠い? もう部屋に戻れそうにない?」

「うん⋯⋯。眠いし、もう戻りたくない⋯⋯。お姉様と一緒に⋯⋯」

 

 今すぐにでも寝てしまいたい、という事かしら。まさに棚からぼたもち、ベッドからティアだ。思わぬところでティアが出てきてくれたから、内心とても嬉しい。今すぐにでも飛び込んで抱き締めたいけど、姉としての威厳があるからそんな事はできない。もしも私がティアの妹なら、気にせずに飛び込んでいたかもしれないが。

 

「そっか⋯⋯。なら、一緒に寝ましょうか。⋯⋯それとティア。胸見えてるからちゃんと着なさい。だらしないわよ?」

「ふぁーい⋯⋯。お姉様、着せてー⋯⋯」

「本当に夢現ねえ。仕方ないから着させてあげるけど」

 

 ベッドの上に座り込み、寝惚けてるティアの服を整える。

 

「はい、終わったわよ」

「ありがとう⋯⋯。ご褒美あげる⋯⋯」

「え? あ、何しっ⋯⋯もうっ⋯⋯」

 

 そう言って、ティアが前に倒れ込んできた。急な事に何もできず、そのまま受け入れるようにしてティアを抱き締める。自分から倒れてきたから、もちろんティアが私を拒絶するような事はしない。今日は会えないとばかり思ってたが、むしろ幸運な日だったらしい。

 

「お姉様、どう? あったかいでしょ⋯⋯」

「⋯⋯寝惚け過ぎよ。でも、そうね。温かいわ。ティア、このまま寝ましょうか」

「うん⋯⋯っ」

 

 足を使って器用に毛布を掴み取り、私とティアの上に覆い被せる。能天気な妹は気にする素振りも邪魔に思うような素振りも見せず、ただただ私を抱き締めてくれた。

 

「お姉様、大好き⋯⋯。ずーっとこのまま抱き締めてたい⋯⋯。永遠に、お姉様だけを⋯⋯」

「それじゃあご飯も食べれないし、私以外に会えないわよ? 本当にそれでいいの?」

「⋯⋯やっぱり、お姉ちゃんやスクリタも、美鈴も入れて、みんなで⋯⋯。でも、今はお姉様とだけ一緒に寝たい。誰にも邪魔されずに、お姉様とだけ⋯⋯」

 

 昔から独占欲が強い娘だとは思ってたが、ここまでとは。だが、私も同じ気持ちだ。誰にも邪魔されず、この時間を過ごしたい。ティアと2人っきり。今なら例の如くフランに邪魔される事もないだろうし、本当に2人だけの時間。この時間をもっと噛み締めたい。でも、今日は働き過ぎたせいでかなり眠い。

 

「⋯⋯ティア、私もう眠たいの。このままずっと過ごしたいという気持ちもあるけど、寝るのを許してくれるかしら? それとも、私の目が覚めるような事をしてくれる? 私はどちらでもいいわよ。今は私と貴女、2人だけの時間だから」

「んー⋯⋯なら、一緒に寝よっ⋯⋯?」

「あ、あら、そうするの?」

 

 わざわざ誘ったのに、まさか寝る方を選ぶとは。いつものティアならキスとか⋯⋯それ以上の事を要求するはずなのに。わざわざ決意して誘った私が馬鹿みたいだ。この際、私の方から誘って戯れるのも⋯⋯。

 

「うん⋯⋯。お姉様となら、危ない事もしていいけど、眠いなら眠れなくなるような激しい事はできないし⋯⋯」

「ま、待って。⋯⋯私より色々知ってそうで怖いんだけど、誰に教えてもらったのかしら?」

「え? お姉ちゃんだけど⋯⋯」

 

 何故妹に、人間だと成人してるとはいえ、危ない知識を教えたのか。確かに昔、軽いのは教えてもいいと言ったような気もするけど。それでも、妹に性知識を教えるのは良いものか。いや、ほぼ確実に悪い気しかしない。やろうとした私も私だけど。

 

 というか、最早しなくても目が覚めてしまった。先ほどまでは眠かったのに今では目が冴えてる。

 

「あ。もしかしてだけど、既にフランと何か、人に言えない事をしたとかは⋯⋯?」

「ううん⋯⋯人に言えない事はしてないよ⋯⋯」

「そ、そっか⋯⋯」

 

 一先ずは安心だ。妹に、それもフランとティアに先を越されたとなれば、姉としての威厳が全く無い。それどころか、1人だけ疎外感を味わう事になる。長女なのに。妹よりも強くて、頼られる存在でありたいのに。そっち方面で負けているとなれば、その時が来れば妹に頼る事になってしまう。

 

「でも、深いキスとか、触り合ったりとか、あとは⋯⋯」

「ストップ。それ以上は言わないで。本当に虚しくなるから⋯⋯」

 

 ティアが人前で言えるというだけで、全然言えない事をしてたみたいだ。いや、まだ決まったわけじゃないが、これ以上は聞きたくない。妹だけには絶対に負けたくないし、負けたと知りたくもない。

 

「うん、分かった⋯⋯。それはそうとお姉様」

「どうしたの?」

「結婚ってどう思う? 私としたいと、思う⋯⋯? それと、赤ちゃんも。お姉様と私の子なら、絶対に可愛いと思うんだ⋯⋯」

 

 寝惚けてるとはいえ、何を言ってるんだこの娘は。赤ちゃん⋯⋯という事は、私とし、したいと言ってるのだろうか。⋯⋯女同士だという事は置いといて、もしも本気なら、私は全力で受け止めてもいいと思ってる。ティアは父親が死んでからずっと一緒に居る存在。それに、妹として以上に、1人の女性として好きだから。

 

 だが、少しでも冗談が混ざってるなら、将来のためにも断った方がいい。以前出会ったヴラド公の息子ミフネアの事もある。彼はティアに好意を抱いてたわけだし、吸血鬼の繁栄のために私と結婚するより、彼と結婚した方が良いだろう。もちろん、彼と結婚したいかどうかはティア次第だが。

 

「⋯⋯それ、本気で言ってる? 私の目を見て答えて。⋯⋯本気で、私と結婚したい?」

「ん? もちろん本気だよ⋯⋯? 証拠、見せた方がいい⋯⋯?」

 

 朧気な目をして、色っぽい笑みを浮かべる。悪魔らしいと言えばらしいが、いつも見るティアとは少し違う。いつも以上に魅力的で、色っぽくて⋯⋯今ここで間違いを犯しても、仕方が無いと思ってしまう程だ。

 

「⋯⋯証拠とは何かしら? それ次第によるわね」

「ディープなキス⋯⋯。お姉様となら、何分でも、何十分でもできるよ⋯⋯。望むなら、それから先の事も⋯⋯。お姉様、どうする? 私の全て、受け止めてくれる⋯⋯?」

 

 ティアは私に胸を押し付け、誘惑してくる。毛布の中だから逃げ場なんて無い。それに今私はティアと抱き締め合ってる。だから、ティアのするがまま、私はされるがままになるしかない。

 

「⋯⋯はあ。分かったわよ。本気なのは分かったわ。私の負けね。⋯⋯キスはしたいのなら、していいわよ。私からはしないから。まあ、もちろん。されたらやり返すわよ? この際どうせなら、落ちるまでやってもいいわねえ」

「そっか。なら、遠慮なく⋯⋯しよっか⋯⋯?」

 

 突如、ティアの肩を掴む力が増し、力づくで引き寄せられる。私が抵抗せずに受け入れた次の瞬間、舌をねじ込まれた。朧気な目をしてるくせに、本当に眠たいのか疑問を持つ行動だ。だが、このまま押し負けるわけにもいかないので、負けじと舌を入れ返す。

 

 互いの手に入る力も強まり、爪が食い込み傷付け合う。それでも気にせずに舐め合い、絡め合う。

 

「んぁ⋯⋯っ。お姉様ァ⋯⋯。もっとぉっ⋯⋯!」

「このっ⋯⋯。本当に、んっ⋯⋯悪い娘に育ったわねえ⋯⋯っ」

 

 ティアが私を深く侵してくる。ティアが私の中で、私がティアの中で溶け合うような感覚に陥る。そのせいか何も考えられずになり、ただただ本能に従って、ティアだけを求めていた。

 

「もっと、もっとぉ⋯⋯お姉様、好きぃ⋯⋯」

「んぁっ⋯⋯はっ⋯⋯あっ⋯⋯」

 

 声も出ないほど、必死になってティアを貪る。舌が私の上顎や歯茎を刺激したり、稀に私の舌を軽く噛んだりと、ティアも積極的に私を攻めてくる。負ける負けない以上に、ティアを飽きさせないように、ティアの真似をしようと舌を軽く──

 

「おねえ⋯⋯あっ⋯⋯さまぁ⋯⋯いっ!? あぁ⋯⋯」

「え? あっ!!」

 

 ──噛もうとしたが、知性が落ちていた私は、思わず強く噛んでしまった。慌ててティアを引き離して口元を見ると、口からは赤い液体が流れていた。

 

「ご、ごめんなさいっ! だ、大丈夫⋯⋯?」

「うん⋯⋯大丈夫。でも、それよりさ、お姉様、負けちゃったね。自分から引き剥がしたから、お姉様の負けだね?」

「え? そ、それは⋯⋯」

 

 言い訳ができない事は私が一番よく知ってる。ルールを明確に設定してたわけではないが、逃げたという事は、負けを認めたというのと同意。ティアを心配して負けたのは損した気分だが、心配せずに続けるというのは、私の信条に反する。

 

「⋯⋯はあ。分かったわ。私の負けね。でも、落とされたわけじゃないから。気にせずにしてたら、私が勝ってたから。で、どうしてほしいの? 勝った貴女の命令なら、何でも聞いてあげるわ」

「ん、なら⋯⋯この傷付いた舌を、血を舐めて」

 

 ティアはこれみよがしに舌を出して見せ、再び求めてきた。私は命令通りに優しく舌を舐め、口に付いたものも含め、全ての血を飲み干した。それを黙って見ていたティアは、とても嬉しそうな笑顔を見せる。

 

「あぁっ⋯⋯ふふっ。ありがと、お姉様。⋯⋯このまま続けるのもいいけど、明日も仕事あるよね? なら、今日は終わりにして、また今度続きしよっか。今度は、本当に落ちるまで⋯⋯とか面白そうだね」

「ふふふ。ええ、そうね。今度こそは本気で相手してあげるわ。⋯⋯さて、そろそろ寝ないと本当にヤバイわね。⋯⋯ティア、抱き締めてくれる? できれば、さっきよりも強く」

 

 私がそう言うと、ティアは頷き、私の背中に手を回して抱き締めてくれた。毛布の中で2人だから、というのもあるが、抱き締めてくれたお陰でより一層温かい。これでようやく熟睡できる。そう確信できるほどだった。

 

「ティア、おやすみ。良い夢を⋯⋯」

「うん⋯⋯おやすみ、お姉様。きっと、良い夢が見れるよ⋯⋯」

 

 その言葉を最後に、すぐ隣で静かな寝息が聞こえ始めた。ティアが眠ったと確信した私は、ティアを抱き締めながら目を瞑る。そして、幸せを感じながら、深い眠りについた────




なおレミリアのネーミングセンスは以下略

レミティアも徐々に距離が縮まりましたね。だからこそ、それ故に⋯⋯。

オリキャラ生存or死亡ルート(詳しくは50話で)

  • 生存ルート
  • 死亡ルート
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