東方罪妹録   作:百合好きなmerrick

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自暴自棄にしようとしたら、ただの自分語りになってしまったお話。そして、今回はとても短め。
難しいですね、自暴自棄(

ともかく、いつもの投稿予定時間の9時には番外編です。
ティアちゃんのことをもっと知りたい方はどうぞー


番外編⑴「幼女な末妹」
番外編1「ひとりぼっちな末妹」


 ──Hamartia Scarlet──

 

 生まれて初めて『私』という存在を認識した時から、私はこの暗い部屋(世界)に居た。そこは生活に必要最低限のものしかなく、私以外は誰もいない。たまに眷属という人が本や食べ物を持ってくる時だけ、自分以外にも人が居ると認識できる。でも、それ以外は本当に誰も居ないし何もない。私はただ生きているだけ。何の目的も得られず、何の理由もなく⋯⋯ただ生きているだけが辛い。

 

 だから、何か欲しい。ありとあらゆるもの全てが欲しい。

 

 そう眷属やお父様にお願いしても、何も貰えない。こんな少ない本じゃ足りない。こんな少ない食べ物だけじゃ足りない。もっと、もっともっともっと! ⋯⋯私は何かを求めている。それが食べ物なのか、他の何かかは分からない。ただ、飢えを感じる。渇きを感じる。私1人の世界というのは、あまりにも退屈で憂鬱だ。飢えを、乾きを⋯⋯ありとあらゆるものを満たせる何かが欲しい。もちろんそれが何かという答えはないから自分で探す必要がある。

 

 でも、探すのは面倒だから嫌だ。私の求めるモノの方からやって来てほしい。

 

「⋯⋯お腹、空いた」

 

 考え事をしているとすぐにお腹が空く。その空腹に耐え切れず、骨だけになった食べ物に齧り付く。

 

 今なら飢えと渇きを癒せるモノなら何だって食べたいけど、食べ物が来るのはいつも遅い。食べ物が来るのは1日にたった3回だけ。やっぱり足りない。量も少ないから、いつも4倍、5倍の数を頼んでいるのに、その量は多いといつも貰えない。どうして貰えないのか、お父様や眷属が独り占めしているのかもしれない。

 

 そう考えると途端に腹立たしくなる。もし本当なら、怒りしか湧いてこない。

 

 もちろんただ無いだけの可能性もあるけど、それなら私を外に出してほしい。もしくは、生きたままでもいいから、食べ物をここに連れてきてほしい。生きたままの食べ物を喰うのも美味しいと思うから。首に噛み付いて、手足をもいで⋯⋯想像するだけでも楽しそう。叫び声を聞きながら生きたまま食べる、というのも面白そうだ。でも、退屈しのぎにしかならなさそう。

 

 人間(食べ物)は私達吸血鬼よりも遥かに劣っている生き物だから、首に噛み付いた時点で死んじゃうかもしれないし。

 

 それでも少しは満足感を得ることができるかもしれない。少しだけ飢えと渇きを癒してくれるかもしれない。そう考えると、試したくなってきた。今度眷属の人に頼んでみよう。無理だったら無理で仕方はない。まあ、生きている食べ物はまだ見たことないから、叶えたい夢ではあるけど。

 

 そう言えば、人間(食べ物)達は他の人を『愛する』という行為があるらしい。私にとっての『食べる』という行為に近い感情だと思っているけど、もしかしたら私も誰かを愛する時が来るかもしれない。そう考えて、その感情を知るためにもその類の本を要求したら、眷属の人に変な目を向けられた。何故かは分からないけど、結局そういう本を貰うことはなかった。今思うと、眷属の人のあの顔は何か勘違いしていたのかもしれない。本を読むことはできなかったが、まだ私は『愛する』という感情を諦めたわけではない。

 

 可能性の話だけど、もし外の世界を見ることが叶うなら、私も誰かを食べて(愛して)みたい。

 

 そして、肉の一片から血まで全てを美味しく頂きたい。もちろん私が誰かを食べてみたいと、本当に思うことがあればの話。私はお父様も眷属の人も食べてみたいとは思わないから、本当に食べたい人ができるかも疑わしいけど。

 

 だから、食べたいと⋯⋯愛したいと思える人がいる人間(食べ物)達が羨ましいし、妬ましい。

 

 私も叶うことなら、誰かを食べてみたいのに、外で自由にしている人が羨ましい。自由に食べ物を食べれる人が羨ましい。飢えも渇きも感じていない人が羨ましい。こんな不公平な世界に閉じ込められているから、私は全てが欲しい。もし誰か他の人が私の欲望を否定したり、邪魔するというなら容赦しないし、その人を私は喰い殺すと思う。

 

 

【これから姉と出会い、自らの過ちに気付くことになろうとも、根底にあるモノは変わらず】

 

 だって、私は飢えも渇きも癒せていない。だから、その全てを癒すまではありとあらゆるモノを求めてもいいと思っている────

 

 

【少女は全てを望み続ける】




今回テーマの罪。意味が分かった人も多いのでは?
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