招カザル来訪シャ~頼れる相棒は世界を喰らう者~ 作:あったかお風呂
砕ケユクモノ
長い夜はやがて明け、昇った朝日が海賊船を照らす。
カイル一家の海賊船はいつも通りの朝を迎えていた。
ベルフラウが立ち直り、イリが帰ったことでようやくいつも通りの日常に戻ったのだ。
心なしか雰囲気が明るくなったような海賊船に明るく元気な声が響く。
「おはよう!」
その挨拶とともに明るい笑顔を浮かべて食堂の扉を開いたのはベルフラウだ。
イリを抱え、金色の髪を揺らしながらテーブルの前に並べられた椅子まで歩くとイリを抱えたままそのうちの一つに腰を下ろした。
何が楽しいのか、ベルフラウは床から浮いた足をパタパタと動かし何やらご機嫌な様子だ。
「ベルフラウが元気になったのはいいんだけどさ……顔、ニヤケすぎ」
ソノラの指摘通り、ベルフラウの表情はだらしなく緩みきっていた。
閉じこもりふさぎ込んでいたがベルフラウ元気になり、部屋から出てきてくれたことは素直に嬉しい。
だが一人の女の子としてはベルフラウの表情に思うところがあるのか、ソノラの目は複雑そうだ。
「そうねぇ……。乙女としてはどうなのよ、とは思うわ。両想いになったんだから嬉しいのは解るんだケド」
両想いという表現が正しいのかはさて置き、スカーレルもある程度の理解は示しつつもソノラに同意していた。
「イリが好きって……イリが好きって……ふふふ」
当の本人は自身に向けられる視線も話題も気にしていないようで、相変わらず緩ませた口元から今度は何事か呟き始めた。
その腕に抱かれるイリの目にも見える発光体に光はない。
ベルフラウは一晩中こんな様子で、耳元で『イリは私が好き』と囁き続けられたイリは既に考えることを止めていた。
ベルフラウとイリの様子を見てだいたいの事情を察したのか、カイルとヤードは心の中でイリへ黙祷を捧げる。
海賊たちがベルフラウの家庭教師がニヤケながら呟く彼女を止めてくれることを切に願っているとそれが届いたのか、食堂の扉が金具の軋む音を立てて開いていく。
「おはようございます!」
その優しげな声が食堂に広がるとアティにベルフラウ以外の視線が集まる。
食堂内を見渡し、自身に集まった視線に気づくとアティは首を傾げた。
「どうしたんですか? なにかあったんですか?」
その問いに答えてカイルたちの視線はベルフラウに向けられる。
無言での『どうにかしろ』という訴えはアティに届いたのだろうか。
自分の次に向けられた視線の先がベルフラウであることに気が付いたアティはその傍まで近づいていく。
「おはようございます、ベルフラウさん」
「イリが好きって言ってくれた……うふふ、私も好きよ」
挨拶に返ってきたのは頓珍漢な返し。
それに困ったように笑ったアティが優しく注意する──と海賊たちは予想していた。
だがアティが浮かべたのは困ったような笑みではなく──嬉しそうな笑み。
「よかったですね、本当に。ベルフラウさんの想いがイリに届いたんですよ!」
「そうよ、そうよね! 私の想いが届いたのよ!!」
ばっと顔を上げてアティを見上げたベルフラウは興奮したような声色で今度はちゃんと返事を返す。
アティはベルフラウの隣の椅子に座るとそのままベルフラウと談笑を始めた。
ベルフラウを止めるどころか自分も仲間に入った女教師にジト目が突き刺さる。
もはやブレーキをかけるものはいない。
女二人のきゃいきゃい話す声が諦めて朝食を食べ始めたカイル一家の耳に聞こえていた。
カイルたちが食事を終えて出ていってから少しすると話題は別の物に変わっていた。
「先生……ごめんなさい。ずっと閉じこもって……心配かけたわよね」
「いいんですよ、ちゃんと立ち直って出てきてくれたじゃないですか。それにね、実は私にも閉じこもっていた時期があったんですよ」
「え? 先生にも?」
「軍を辞めた時に、落ち込んで引きこもっていたんですよ。その時にベルフラウさんのお父様から手紙が届いて誘われたんです。娘の家庭教師になってくれないかってね」
「それで私の家庭教師に……。そういえば、先生はどうして軍を辞めたの? お父様は軍人時代のあなたを大層褒めていたけれど」
「……場所を変えましょうか」
アティに誘われて、ベルフラウは場所を変えるために食堂を出ることとなった。
アティの後ろに着いていくベルフラウがたどり着いたのは見覚えのある浜辺。
ベルフラウがイリと出会った場所であり、初めてアティが魔剣を使用した場所でもある。
ベルフラウとイリ、アティの三者にとっての始まりの場所。
浜辺に座ったアティは右手で砂を叩き、ベルフラウに隣へ座るように促す。
ベルフラウが砂浜に腰を下ろして、イリを右側に置いたのを確認したアティは語り始めた。
「帝国軍の任務で旧王国の諜報員を捜索していた私はついに諜報員を発見して追い詰めました。でもその諜報員に命乞いをされて、見逃したんです」
「先生らしいといえばらしいですわね」
「でも逃げた諜報員は召喚鉄道を乗っ取って乗客を人質に取ったんです。……その乗客の中の一人がベルフラウさんのお父様でした」
「なっ……!?」
「その後はお父様から聞いたかもしれませんね。私は無我夢中で戦って人質を解放しました」
ベルフラウはアティの話を聞いて唖然としているようだった。
それも無理のない話だろう。
ベルフラウが父親から聞いたのは最後の部分のみ。
父親は自身を助けた勇気ある軍人を大層気に入り、その軍人の武勇伝を娘に話して聞かせたのだ。
何故なら、アティに助けられた当の本人も事の真相を知らないからだ。
軍部は真相を隠し、アティを英雄に祀り上げることを選んでいたのだ。
「……お父様は本当に感謝していたわ。自分が生きているのは先生のお蔭だって。……私にとってはそれが真実ですわ」
「ベルフラウさん……」
ベルフラウが目を閉じて自分が出した答えを告げる。
アティは失敗したかもしれないが、責任をもってそれを取り返してみせた。
ベルフラウにとってはそれで充分で、アティを責める言葉など無かった。
「ギィイ……」
「あら、ようやくお目覚めなの? お寝坊さんね」
しばしの沈黙の後、イリが意識を取り戻したのか身じろぎを始める。
光の灯った赤い発光体はジト目で見るかのようにベルフラウへと向けられていた。
「私……本当はわかっているんです。自分が甘いって……。今回失敗したらきっと取り返しがつきません。オルドレイクやイスラたちを放っておけば、多くの島の人たちが犠牲になると思います」
「……先生」
「だから……今度こそ、全力で戦います。……安心して、前みたいなことはしないようにするから……」
言い終わって立ち上がったアティをベルフラウは不安げに見つめる。
アティはベルフラウを安心させるように微笑むと船のある方向へ歩き始めた。
ベルフラウにはアティの心がその足で踏みしめる砂のように脆く、儚いものに思えてしまう。
「……本当に……それでいいの……?」
「ギィイ……?」
「イリ……私、不安なのよ。なんだか……先生が壊れてしまいそうで……」
岩槍の断壁。
そこはその名の通り、槍のように尖ったような形をした崖だ。
崖に打ち付けられた波が激しく音を立て、飛沫が舞う。
イスラは無色の派閥の兵を引き連れて崖の傍を歩いていた。
「なぁ……本当に独断で兵を動かしても良かったのか?」
先頭を歩くイスラに不安げに聞いたのはビジュだ。
ビジュの言う通り、イスラはオルドレイクの許可をとらずに勝手に兵を引き連れていたのだ。
イスラはそれをもっともらしい言い訳で誤魔化し、ビジュを言いくるめると近づく一人の気配に気が付いたのか後ろを振り向いた。
「オルドレイクに頼まれたのだよ。結末を見届けろ、とな。封印の剣同士の激突には剣士としても鍛冶師としても興味がある……見物させてもらうぞ」
どうやらイスラの独断行動はオルドレイクに気付かれていたようだった。
それを知った上でウィゼルというお目付け役を寄越し、イスラの勝手な行動自体には目を瞑るようだった。
──勿論、結果を出せればという前提は付くが。
「イスラ!」
アティの姿と声が聞こえるとイスラは深い笑みを浮かべる。
まさか自分のほうから出向いてくれるとは思わず、思わぬ僥倖に嗤い声を上げた。
「あははは! 自分から出向いてくれるとはね! 村を襲う手間が省けたよ!」
「……前口上はいりません。決着をつけましょう!」
「へえ……。覚悟が出来たんだ? それなら……僕も本気を出そうか!」
イスラの挑発をばっさりと切り捨てたアティの目に浮かぶ覚悟。
それを悟ったイスラは隠し持っていた切り札を切る。
イスラが紅い光に包まれたかと思うと、その手には血のように紅く光る剣が握られていた。
「まさか……あの魔力……!?」
「間違いありません……もう一本の魔剣、紅の暴君<キルスレス>!!」
驚愕に目を見開いたアルディラの言葉を継いだのは無色の派閥から剣を持ち出した本人であるヤード。
ようやく判明したもう一本の在処にベルフラウたちが驚くが、もう片割れの魔剣の持ち主であるアティは真剣な眼差しで構えた。
「そんなの……! 関係ありません! あなたが何を持ち出そうとも、私は負けませんから!」
「ははは! そうこなくっちゃ! さあ、僕を殺しに来いよ! アティ!」
帝国軍の船で別れた二本の魔剣。
再会した碧と紅の魔剣が激突する。
魔剣の適格者同士が戦いを始めると、傍観に徹するつもりのウィゼルを除いた者たちが戦いに向けて動き始める。
「ヒヒヒ……こっちも決着をつけようぜぇ、ガキぃ」
ベルフラウとイリの目の前に現れたのは二人に何度も辛酸を舐めさせられたビジュだ。
投具・ジョーカースローを構えて見せつけるように舌なめずりをしてみせる
ビジュは殺意を込めた目でベルフラウを睨むが、ベルフラウは狼狽えない。
ベルフラウが短弓をとりだすとビジュはほう、と声を漏らした。
「弓ねぇ……。いいじゃねェか! 遠距離武器対決と行こうぜェ!」
そう言い終わる前にビジュが鋭い針を投擲する。
それは咄嗟に避けようとしたベルフラウの左肩に突き刺さり、ベルフラウは痛みに顔を顰める。
痛みに耐えながらもベルフラウは弓を引き絞り、矢を放つ。
ビジュの足元へと向かっていく矢にビジュはせせら笑った。
「おいおい、どこを狙って……」
だがその言葉は続かない。
ビジュの足元に着弾した矢が魔力の爆発を起こしたのだ。
魔力を武器に込めて攻撃する『マジックアタック』。
武器を扱う希有な召喚師が使うとされるそれを使用し、矢に魔力を込めたベルフラウが狙ったのは矢そのものによる点攻撃ではなく、魔力の爆発による面攻撃。
矢による直撃ほど威力はないが、攻撃が面である分命中はしやすい。
魔力の爆発がビジュの脚にダメージを与えて動きを止める。
大きなダメージが無くとも、動きを止めれば充分だった。
──何故なら、ベルフラウは一人ではないのだから。
「ギシギシッ! 誅殺!!」
何時かのようにビジュの頭上から現れた魔力の閃光が、何時かの時よりも増した威力をもって降り注ぐ。
「クソッ……! クソがぁああああああああ!」
迫る一条の光を見上げ、叫ぶビジュは光に貫かれる。
怨嗟の残響が風にのって海へと運ばれていった。
碧の賢帝と紅の暴君が何度もぶつかり合う。
繰り返し振るわれる二本の魔剣は激突する毎に辺りに衝撃を生むため、他の者は近づけずにいた。
「はあっ!」
「ぐぅっ……!?」
イスラの隙をうまく突くように振るわれたアティの剣がイスラを追い詰めていく。
最初は互角かに思われた両者だったが次第に素の技量の差が表れてきていた。
帝国軍学校の首席とは伊達で成れるものではない。
帝国軍の名門であるレヴィノス家の長女であり、イスラの姉でもあるアズリアを差し置いて主席となったアティの技量はイスラを上回っていた。
やがてイスラはアティの攻めに対応するのに手一杯になっていく。
切り札を切っておいてこの様。
自身の無様さを自覚したイスラが吼える。
「なめるなぁっ!」
「隙だらけですよ!」
冷静さを失ったイスラの一撃を軽やかに躱したアティの一撃はイスラに直撃する。
口から唾を舞わせながら吹き飛んだイスラはゴツゴツとした地面を転がっていく。
「ははは……君もその気になれば出来るじゃないか……」
上半身を起こし、痛みが走る体に顔を顰めたイスラは乾いた嗤い声を上げる。
その前に立ち、イスラを見下ろすアティは魔剣をイスラの鼻先に突きつける。
「勝負ありましたね」
「君の勝ちだ……でもね、継承した者を殺さない限り魔剣は持ち主から離れないんだ。みんなの笑顔を守るために……僕を殺して剣を奪ってみせなよ!」
アティはイスラに突きつけた魔剣でイスラの首を刎ねなければならない。
そうしなければ魔剣の適格者という脅威が再びこの島を脅かすことだろう。
だが──出来ない。
アズリアを殺したオルドレイクには怒りと憎しみを抱くことが出来た。
だがイスラには誰かを奪われた訳ではない。
アティの心から怒りや憎しみが湧かない。
怒りや憎しみがなければ魔剣から殺意が流れてくることはなく──魔剣から与えられる殺意がなければ、アティに人を殺すことなど出来なかった。
「……出来ません。私には誰かの命を奪うなんて……」
「馬鹿だね……! 君は!」
迷い、揺らいだアティの心の剣をイスラの剣が打ち付ける。
アティの心に呼応して脆くなった碧の賢帝に次第に亀裂が入っていき──。
──アティの心と共にガラスの様に砕け散った。
碧の賢帝が砕けると共にアティの髪は白から赤へと戻っていく。
ビジュとの戦いを終えてアティへと目を向けたベルフラウにはその光景がとてもスローに感じられた。
碧の破片が辺りに飛び散り、太陽の光を受けてキラキラと光る。
「あ……? あああああああああっ!? うああああああああああっ!」
封印の魔剣とは心の刃だ。
それを砕かれるとは即ち、心を砕かれるのと同義。
心を砕かれたアティは虚ろな瞳で赤子のように泣き出してしまった。
「嘘……だろ……剣が砕けちまった」
大の大人であるアティが赤子の様に泣きわめくその光景は異様。
狼狽えるカイルたちは呆けたようにその光景を見るしかなかった。
動けない仲間たちを置いてベルフラウは駆け出す。
自身の教師のあんな姿は見ていられなかった。
だから──自分が止めるのだ。
先生を泣かして嗤い声を上げるあの男を。
「あはは! お似合いだよ! 赤ん坊みたいに泣いてさ! でもそんなんじゃ先生として恥ずかしいよね……? 楽にしてあげるよ!」
「『串刺シノ刑ニ処ス』!」
アティに止めを刺そうとするイスラだったが、感じた召喚術の気配に咄嗟に後ろへと飛び退く。
アティとイスラの間に現れた巨大な爪のようなものが消えると、アティを庇うようにベルフラウとイリがイスラの前に割り込んだ。
「行くわよイリ! 私たちが先生を守るの!」
「ギィイ!」
「へぇ……君たちか。生徒に守られるなんて、本当に情けない先生だね! あはは!」
生徒に庇われて後ろで泣きわめくアティを見て、イスラは嘲笑を浮かべる。
教師失格なその姿が滑稽で仕方なかった。
「確かに先生は情けないわ。生徒の私に叱られるし、人の心配も知らないで無茶ばっかりするもの。それでも……私はそんな先生が好きなのよ! 私の大好きな先生を泣かせたあなたを、私は許さない!」
「言うねぇ……! それじゃあ……君を殺して先生をもっと泣かせてあげようか!」
イスラは紅の暴君を構えてベルフラウへと振り下ろすべく飛び出そうとした。
しかしその位置は動かず、身体も振り下ろそうとした体勢から動かなかった。
「……動ケマイ」
イスラの動きを封じていたのは遺跡でベルフラウたちを動けなくしたものと同一のもの。
魔力の糸がイスラの身体を縛り動きを封じていたのだ。
「なっ……体が!?」
自由が利かなくなった体に驚愕するイスラの目の前でベルフラウが目を閉じて集中し、魔力が集まっていく。
それと同時にイリの口元にも魔力の粒が集まり、小さな球体を形成していた。
「クソッ! 動け! 動けよ!」
イスラは糸から抜け出そうともがくが、ビクともしないその糸は余計にきつくイスラを締め上げる。
「ギシッ! ギシギシ! モガケ! 苦シメ!」
イスラの無駄な足掻きを嗤うイリの口元にある魔力の球は次第に大きくなっていく。
もがき続けるイスラは一回りずつ大きくなっていく球を見て顔を引き攣らせた。
「ひっ!? 嘘だろっ!? 動けよぉ! 逃げれない……ひっひぃい」
歪んだ笑顔であるかのように口の端を引き攣らせたイスラは自身の末路を悟った。
やがて球がイリの顔程の大きさになるとベルフラウは目を見開いた。
「受けて見なさい!! 『破滅セヨ』!!」
眼の端から涙を零し、顔を引き攣らせたままイスラは力の奔流に呑まれた。
イリの放ったビームが消え去ると、ベルフラウの視界に倒れ伏したイスラが見えた。
放った召喚術の疲れと安堵から溜息をついたベルフラウは後ろを振り向き、泣きわめくアティに近づいていく。
「……先生」
「ごふぅ……ごあっ……。ぐあああっ……ちく……畜生……」
後ろから聞こえたのは血を吐く音。
後ろを振り向いたベルフラウが見たのは口から血を吐き、身体からも血を流し息も絶え絶えな様子のイスラだった。
剣による治癒力で無理やり立ち上がったイスラはベルフラウとイリを恐怖に染まった瞳で見つめる。
「なんなんだよお前たち……。正統な適格者である僕にはもう敵はいないはずなのに……」
二人の魔剣の適格者の内一人は剣を砕かれた。
唯一の適格者となったイスラにはもはや敵となり得るものはいない──はずだった。
それなのに自信を一方的に叩きのめした者が存在する。
イスラには幼い少女ベルフラウとその護衛獣イリがとても恐ろしい存在に思えてしまう。
ベルフラウが強い意志の篭った眼差しで怯えるイスラの瞳を見つめるとイスラは悲鳴を漏らして転びそうによろけながらも森の中へと逃げ出していった。
その結末を見届けたウィゼルは無色の兵士たちを連れて撤退し、残ったのは泣きわめくアティとベルフラウたちのみ。
魔剣が砕けるなど誰も予想していない事態だった。
仲間たちはこの事態にどうすればいいのか分からず立ち尽くすのみ。
「先生……」
「ギィイ……」
ベルフラウはアティに近づくが自分が何をするべきか全くわからない。
今のベルフラウに出来るのは心を壊されたアティをただ抱きしめることだけだった。
・name ベルフラウ
class おてんば繭姫
ベルフラウはMAT型ビルド。
無属性で高威力な召喚術(イリ)があるためMATを伸ばしています。
マジックアタックも習得済み。