皆さん手洗いうがいで健康第一っ!
「今年も流行りそうだなー、インフル」
「予防接種打った?」
「打つわけないじゃん、注射怖いし」
ここは人間の体内。
脳の聴覚野付近に、私は巡回に来ていた。
その時に聞いた会話がこれだ。
……宿主。健康管理しっかりしなさい!
と念じてみるも届かない。全く危機感ないんだから……と呆れた。
宿主は、注射嫌いだ。予防接種の度にわんわん泣いていたそうだ。至って健康体質と自負している……が。
自分の身体に負担かけてるのわかります?
ぺらぺら喋ってるうちに、インフルエンザウイルス体内に侵入するぞーー。
1回
そんな最中に連絡が入る。
『こちら
咽頭A-5地区は特に細菌・ウイルスの流入が激しい気管付近の
『マクロファージさんによる抗原提示は終わってるらしいからすぐにキラーT細胞さん達が来るはずだけど、増殖が速いから手伝ってくれってさ。ほら、
「了解」
とだけ言って遊走路に滑り込む。
咽頭方面は……あっちか。
咽頭A-5地区。
感染細胞による死屍累々の光景が広がっていた。
マクロファージさんによると、今回入ってきたのはB型インフルエンザウイルス。攻撃もそれなりに通りやすいのだが増殖力が高く、それを未然に防ぐべくキラーT細胞さん達と私達が多量に動員されたようだ。ヘルパー司令のお墨付きだからここで戦う分には問題ない、けど……
「うわあああああああ!?」
「あっ、コラっ!!逃げんなナイーブ!?」
「遁走しちゃったけど、いいんですかねアレ……」
「いいや全く良くない」
逃走者一人。
更にベランダから戦況覗き込んでそのまま感染する細胞多数。
コレ……もしかしなくてもヤバいかも。
その日からだった。激闘の1週間が幕を開けたのは……。