〈ハチマン Side〉
俺は現在拠点へと向かっていた。
拠点での作戦会議が終わり次第、壁外任務を開始することになっている。
まあ、すでに壁外に出ているんだが、周りの巨人どもは俺とリヴァイさん達を含めた精鋭で既に駆逐して安全を確保してあるので問題ない。
壁外って言葉を使ったが、この世界は少々特殊である。そこでこの世界について少し話をしよう。
まあ、俺もそこまで詳しい訳ではないんだが………。
この世界には、普通の人間(人類)と『巨人』と呼ばれる謎の生命体がいる。
100年ぐらい前なや突如として現れた謎の生命体「巨人」は、人々を捕食し人類は絶滅の危惧に立たされる。
巨人の大きさについては、2メートル級~15メートル級までの種類がおり中には例外もある。
大別すると「通常種」、「奇行種」に分けられる。
ルーツは不明で壁の外には至る所に巨人が蔓延っている。基本的に意思疎通が不可能な存在で人間を容赦なく食い襲う。隠れていても人間の存在を感知する機能があるが詳細は不明。生殖機能はなく、基本的には日光が出ている間だけ活動するが例外もある。再生力はずば抜けており、急所のうなじ以外を攻撃しても一瞬で元通りとなる。これを討伐するにはうなじを破壊する必要がある。
生き残った人類は「ウォール・マリア」「ウォール・ローゼ」「ウォール・シーナ」と呼ばれる三重の強固な壁に中を作り難を逃れ、そこで百年の平和を実現させた。
壁外ってのは、文字通り壁の外のことだ。
壁の外は、巨人の巣になっているため大変危険だ。
まあ、俺はその壁の外の世界から来たんだけどな。
壁の外にも様々な事情があるのは勿論分かっている。
俺もある命令で壁の中に侵入したのだが、その人物達とは未だに会えてないし、兵士として巨人と戦っているまである。
いつからこんな社畜根性になったのかが分からない………。
はあ、働きたくないな………。
こんなこと言っても無駄なんだけどな。
ペトラに怒られてしまうし、ペトラを本気でキレさせると死んじゃうからな、俺が。
何でか知らないが、訓練生の教官している時に罰ゲームかどうか知らないがやたら女の子に話しかけられている時なんか特にヤバかった………。
阿修羅ペトラ神が降臨なさったからな。
あの時は、流石に死を覚悟したぞ………。
あの時ペトラは何であんなに怒っていたのかが全く分からないんだが。
それ以来怒らせないように気をつけているのだが、俺が女性と話す時には度々降臨なさるのだ
………。
俺がこの世界に来る前に知っていたペトラさんはこんなキャラでは無かった気がするが、俺というイレギュラーが入ったせいでこうなったんだろうと思うことにした。
ちなみに俺は『進撃の巨人』原作知識はあったが、この世界に来てからほとんど忘れてしまった。
なので行き当たりばったりでいってるが、何とか死なずにここまで生きることができた。
あわよくば大事な人達が長生きして、幸せに暮らすことのできる世界になってから死にたいものだ。
それまでは死ぬことは許されないな。
次に俺が所属している組織について話したいと思う。
この世界には軍隊的なものがあり、「憲兵団」、「駐屯兵団」、「調査兵団」と呼ばれる3つの組織から成り立っている。
「憲兵団」とは、
良い成績を残せたものが入れる駐屯兵団の上位組織。一角獣(ユニコーン)のシンボルを持つ。また、他の兵団と違って「師団」を名乗っている。対人のスペシャリストで刑事や捜査・捜索、兵団内部の監視、駐屯兵へ指示の仕事を行う高等警察組織。主に内地にのみ在留しており、最前線地区では見かけない。優秀なものが多いとはいえ対巨人にはやはり無力で、壁外調査を一度経験した兵士に劣る。各兵団の中でも権力や待遇に厚く、発言力も強い。王政とも癒着しており、実質的には王政の犬に等しく腐敗が目立つ。それと関連して王族や貴族、政治に関連する犯罪には特に厳しく取り締まる。安泰に暮らしたい人間が憧れ志すエリートへの道。
総数は2000名ほど。指揮下に入っている駐屯兵を合わせると5000名程度の実働兵力に及ぶ。各城壁都市には200名程度の憲兵が配備されており、消防や駐屯兵の指揮を行っている。調査兵団とは設立の起源が違うためか水と油のような関係。
また、中央憲兵は全くの別物の組織である。
「駐屯兵団」とは
薔薇の紋章を持つ兵士たちが所属する。街の警護、壁の補強作業、大砲などの設置兵器の扱いを担当することが多い。街の防衛を任されている。卒業した訓練兵の大半は駐屯兵団へと進路を決める。
「調査兵団」とは、
自由の翼のシンボルを持つ兵団。巨人領域へと積極的に足を踏み込み、未知たる情報の解明に挑むのを目的とする。その性質上、もっとも巨人を相手にすることとなるため精鋭が多い。その代わりに生存率は極めて低い。巨人を倒すのが目的というのとは少し違う。大局的見地から調査兵団が最終的に求めているのは対症療法ではなく原因療法である。
ちなみに俺が現在所属しているのもこの調査兵団だ。
人使いが荒いブラック企業でもある。
それに変わり者も多い。
そして、この3つの集団に入る前に「訓練兵団」という組織に所属し訓練を受けなければならない。
駐屯兵、調査兵、憲兵になるための必要課程であり、12歳から入団でき3年で卒業となり進路が選べる。
憲兵になる為には上位10位に入らなければいけない。
俺は、7年前から2年間調査兵団の手伝い的なことをしていて、5年前に入団させられ、卒業して調査兵団に入った。
17歳になって既に社畜生活とか終わっているだろう…………。
おっと、長々と考え事をしている間に拠点に着いたみたいだな。
俺は拠点に入り、人が集まっている所に向かい
黒人の背の高い男性に話しかけた。
「すいません、遅くなりました。」
???「遅いぞ、ハチマン。集合命令かけてどのくらいたったと思っている?
全く、エルヴィン、リヴァイは比較的指示に従ってくれるのにお前と来たら相変わらずマイペースだな。」
「いやいや、キース団長やエルヴィンさん達が几帳面すぎるだけですよ。もうちょい、ゆったりしないと息が詰まってやれないですよ。」
キース「全く、お前というやつは。作戦会議の前に説教が必要か?」
こめかみに青筋を浮かべながら、俺に話しかけている彼は、調査兵団のトップである『キース・シャーディス』団長だ。
「すいません、説教はマジで勘弁してください。ここに来る前にペトラにも怒られたので。」
俺は即座に頭を下げて謝った。
キース「………はぁ。やはり、お前の扱いは、女性に任せるのが効果的だな。俺や、エルヴィン、リヴァイや他のベテランが言っても聞きもしないからな。」
「貴方ですか。ペトラを俺専属の部下にしたのは。おかげで、ペトラ神がいつ降臨するかヒヤヒヤものなんですが…………。」
キース「 文句を言うな。本人からの希望でもあるし、扱いが上手い奴に任せるのがベストだろう。それとお前の所には今回、ペトラ以外にも新兵を1人つけるからな。お前の近くの方が一番生存率が高いし、安心だからな。」
「マジすか………。新兵の面倒っていつもの倍以上に神経使うんですが………。ってか、今年入った新兵ってペトラ含めて3人でしたよね?
え、何で3人のうち2人が俺の所なんですか?
エルヴィンさんやリヴァイさん達もいますよね?
俺だけ強制労働なの?」
キース「遅刻した罰だと思え。ちなみにリヴァイの所には1人いるから心配するな。
時間も無いし、作戦会議を始めるぞ!」
キース団長は集合をかけて、俺は肩を落としながら作戦会議へと参加するのだった。