〈ハチマン Side〉
「ヒストリア様? 良かったです。どちらに行かれたのか心配してたのですよ。」
ヒストリア「嘘ばっかり! 私のこと探しに来てくれるかと思ってたのに、来なかったじゃない! それでいつまでたっても来ないから戻って来てみれば…………。
むー。こんなキレイなお姉さんとお話していて忘れてたんでしょ!」
「……………いえ、そんなことは無いですよ。私がヒストリア様のことを忘れるなどあるわけないじゃないですか………。」
はい、嘘です。正直フリーダと出会ってからは完全に忘れてました、すみません。
俺は目を逸らしながらいうと、ヒストリアが涙目になり更に怒り始めた。
ヒストリア「あー! 目を逸らした!
やっぱり忘れてたんだ! ヴァレイのバカ!」
ヒストリアは俺の体をポコポコと叩いている。
あー、ほっこりするなー。癒されるな。
やっぱりヒストリアは女神だな! 前世の戸塚と並ぶレベルで世界遺産にすべきだと私は思います。
俺はヒストリアの行動に微笑みながら、ヒストリアの頭を撫でた。
ヒストリア「笑うなー!しかも、頭を撫でるなー!そんなことで私の機嫌が治るわけ無いでしょ……………………………………………えへへ。」
はい、ヒストリアさん満面の笑みで凄くご機嫌になりました。
ちょっとチョロすぎません?
将来が心配になるのですが…………。
フリーダ「ヒストリア!? 言ってることと態度が全然違うよ!? それにヴァレイも、誤魔化せて助かったみたいな顔してるよ!」
あっ、いたんですね。フリーダさん。
フリーダ「私がいたの絶対忘れてたよね!?
すっごく、顔に出てるよ! はっきり態度に出されると流石の私でも傷つくかな!」
「これは申し訳ありませんでした。ヒストリア様のお姿しか目に入っておりませんでした。今後は気をつけます。」
フリーダ「分かれば良いのよ、分かれば。ふふっ、こんな会話をしたのは生まれて初めてだわ。楽しいわね!」
フリーダは、怒りながらツッコミをしていたが、すぐに笑顔になっていた。
ふむ。ちょっと仕事がたて込んでるから、フリーダにヒストリアの相手をしてもらうようにお願いするか。
「ヒストリア様、こちらのフリーダ様が本を読んでくださるそうですよ。私が仕事をしている間は、フリーダ様と遊んでおいてください。
フリーダ様、急で申し訳無いのですが、ヒストリア様の面倒を見ていただけないでしょうか?」
ヒストリア「本当なの!? えっと…………?」
フリーダ「唐突すぎるよね! ここまで自由な使用人なんてなかなかいないよ!?
………………はぁ、分かったわよ。もともとそのつもりで来たしね。
私の名前はフリーダよ。よろしくねヒストリア!」
フリーダは俺の言葉にあきれつつも、ヒストリアに笑顔を向けて挨拶していた。
ヒストリア「私はヒストリアっていうの! よろしくね、お姉ちゃん!」
フリーダ「もう! 本当に可愛いわね、ヒストリアは! それじゃあ、外に行きましょうか。案内してもらえるかしら?」
ヒストリア「うん! 行こう、お姉ちゃん!」
フリーダ「あっ、ちょっと引っ張らないで! 転けちゃうから!
お願いだから落ちついてよ、ヒストリア~」
ヒストリアは嬉しそうにフリーダと手を繋ぎ、外に向かっていった。
俺はその二人を笑顔で見送るのだった………。
やれやれ。これでようやく仕事に集中できるな。早く終わらせるとしますかね。
それにしても、ヒストリアの方は、フリーダのことを知らないみたいだったな………。フリーダがヒストリアに対して何かしているのか?
まさかな…………………
まあ、良いか。聞く機会があれば聞いてみよう。
俺はヒストリア達の所へ行く為に、急いで仕事を片付けるのだった…………。
〈ハチマン Side out〉
〈フリーダ Side〉
私はヒストリアと外に出て、本の読み聞かせをし終えて話をしていた。
ヴァレイのことについて聞いてみると、ヒストリアは終始嬉しそうにしており、彼が来てからの生活がすごく楽しいと言っていた。
まさか、ここまでヒストリアが明るくなるとはね…………。彼の存在がとても大きいのだろう。
私もヒストリアと同じで彼には好感を持っている。なぜなら、私の仮面を見破ったからだ。私はレイス家の長女として生まれ、王族としての意識を小さい時から叩き込まれ教育された。そして、私個人の意思というものは無かった為、いつしか仮面を被るようになっていた。しかし、家族や周囲の人たちには、仮面をつけているのがバレないほど完璧だったのに、彼は少し顔を合わせただけで仮面に気づいたのだ。その時点で彼への興味が出始め、もっと知りたいと思った。
ホント彼は何者なのかしら? 私の本当の姿を知った時彼はどんな反応するのかな?など、彼への興味が凄いことになってきているわね………。まあ、良いわ。またの機会に話をして色々と聞いてみましょう。
彼は面白くて、私が色々知りたいと思った初めての人物だからね!
私は嬉しそうに話しているヒストリアに話しかけた。
「そうなのね。ヴァレイが来て良かったね、ヒストリア。ちゃんと大事にしないとダメだよ?」
ヒストリア「もちろんだよ! ヴァレイは私の家族だからね!」
「偉い子ね。って、そろそろ帰らないといけない時間だわ。ヒストリアと話しているとあっという間に時間がたつわね。
それじゃあ、またね。ヒストリア。」
私はヒストリアを抱きしめ、おでこを合わせ力を使った。すると、彼女はぼうっとしている様子になった。
…………ごめんね。
私は立ちあがり帰ろうとしたら、チャキンと音がして、2~3人の斧や刀などの武器を持った人物達が、私達を取り囲みながら言った。
強盗達「動くな。フリーダ・レイスだな?
達に殺されたくなかったら言うことを聞け。分かったな?」
不味いわね。ヒストリアには手を出させないようにしないと。力を解放して戦うのはまずいわね………。周りに被害が出てしまうし、どうしたら良いの?
この場を切り抜ける、対処法をかんがえていると、強盗達は武器をこちらに向けて近づいてきた。その瞬間、強盗達の一人が急に吹き飛んだ………。
ハチマン「大丈夫でございますか、二人とも?」
それと同時に、先ほど話した使用人の男性が私達を庇うようにしていつの間にか、目の前に立っていたのだった…………。
〈フリーダ Side out〉