やはり俺の進撃ラブコメはまちがっている。   作:Seli

33 / 45
33話

〈ハチマン Side〉

 

俺はカルラさんに逃げろと言われたが、言うことを聞かず、こちらに向かっている巨人と対峙した。

カルラさんは絶対に守ってみせる!

俺は腰に付けていた太刀を抜き、こちらに向かっている巨人に切っ先を向けた。

 

その巨人は俺の姿を確認した瞬間、動きが停止し驚いた顔をしていた。

 

そして言葉を発した。

 

 

巨人「…………アチ…………アン。オエンネ………。」

 

 

巨人は言葉を発すると、方向転換をして俺達がいる場所から離れていった…………。

 

 

……………! どうして!? 貴女という人は、そこまで優しいのですか? もう、何も覚えてないでしょうに………。

 

「………! 待ってください!

どうして………貴女が謝るんですか…………!

謝らなければならないのは、私の方なのに……………。」

 

 

俺は歯を食い縛りながら言った。しかし、巨人には届かず、そのまま去っていくのだった。

 

 

俺のその姿を、カルラさんが心配しながら言った。

 

 

カルラ「ハチマンくん………大丈夫?

それにさっきの巨人は? 何か知っているの?」

 

 

「……………はい、大丈夫です。先ほどの巨人については……………よく分かりません………。ただ、知り合いに似ていたものでしたから、ついつい話しかけてしまいました………。壁が壊されて少し動揺していたみたいです。

とりあえず、巨人も去りましたしエレン達と合流しましょう。すみませんが、もう一回抱き抱えますね。失礼します。」

 

 

カルラ「ありがとう…………。」

 

俺は真実を話さず、カルラさんを再び抱えて移動を開始するのだった………。

 

 

〈ミカサ Side〉

 

 

私達は避難船の所まで逃げてきた。

私は辺りを見回した。ここにハチマンさんがいるのだろうと信じて……………。

しかし、彼の姿は無かった。

そんな……………。

 

「ハチマンさん、どこにいるの…………? 私の側からいなくならないで………。目の前で家族がいなくなるのはもう嫌だよ……………。」

 

 

私はハチマンさんがいないことにショックを受けていると、誰かが私を呼んでいた。

 

???「ミカサちゃん! 良かった! 無事だったんだね。ペトラー! ミカサちゃん達いたよ!」

 

 

???「本当なの!? 良かった! ハチマンさんとは連絡つかないし、心配してたのよ。」

 

 

私を呼んでいた人物は、ペトラさんとイルゼさんだった。

 

 

私は二人を見て安心し、二人に抱きつき、さっき起こったことを泣きながら話した。

 

 

 

イルゼ「うわっ! っとと。ミカサちゃん?」

 

 

ペトラ「きゃっ! ミカサちゃんどうしたの?」

 

「ひっぐ。カルラさんが、巨人に…………。そして、ハチマンさんがどこにも見当たらないの…………。」

 

 

 

イルゼ「そんな…………! 」

 

 

ペトラ「カルラさん………………。」

 

 

私の言葉に二人はショックを受けていた。

 

 

ペトラ「ハチマンさんはミカサちゃんの所に来ていないの?」

 

 

「ぐすっ………………うん………。」

 

 

イルゼ「ハチマンさんがミカサちゃんの所に来

てないってことは、何かあったのかな? まさか、ハチマンさんに限って巨人にやられたとかは無いよね………?」

 

 

ペトラ「ちょっと! 何言ってるのよ、イルゼ! ハチマンさんがやられる訳ないでしょう! きっと、人を守りながら戦っていて来れていないだけよ!」

 

 

 

嘘だよね………? ハチマンさんが巨人にやられただなんて。ハチマンさんに会いたいよ……。

私がそんなことを思っていると、壁の門の方からすごい音がしてその方向を見た。

 

 

ペトラ「何が起こったの!? 門の方から、凄い音がしたけど………。」

 

 

イルゼ「わっ! 何……………!? ペトラ! 門の所を見て! 巨人がいるよ! 奇行種っぽいけど………………」

 

 

ペトラ「…………そんな! 門が破壊されているわ! これじゃあ、ウォールマリアは………。

イルゼ! 市民を出来るだけ避難させるわよ!

ミカサちゃん達は、避難船に乗りなさい。分かったわね?」

 

イルゼ「了解! ってエレンくんどうしたの?」

 

 

エレンが巨人の方向を見ながら叫んだ。

 

 

エレン「駆逐してやる!巨人達をこの世から一匹残らず!」

 

エレンがそう言った瞬間、こちらに人が飛んできて目の前に降りてきた。

 

 

 

???「いったい何を駆逐するんだ、エレン?」

 

 

???「エレン! ミカサ! 無事でよかったわ!」

 

 

私が一番会いたかった人が、もう会えない人を連れて来てくれたのだった。

私はそれを見た瞬間、涙を流しながら彼の元へと駆け出していくのだった……………。

 

 

〈ミカサ Side out〉

 

 

〈ハチマン Side〉

 

鎧のようなものを纏っている奇行種の巨人が、門をつきやぶって壁の中に侵入したのを目撃した俺は、その巨人が通ったルートを使い、壁の中に侵入し避難船がある場所に向かっていた。

 

 

カルラ「ハチマンくん! 壁が壊されたわ!」

 

 

「そうですね…………。流石にまずいことになりましたね。 このままだと、このウォールマリアを放棄することになりそうですね。そういえば、ミカサ達は逃がしたと聞いたし、逃げることを見たのですが、グリシャさんはどうされたんですか?」

 

 

カルラ「グリシャは、朝の時点では礼拝堂にお参りに行くと行っていたわ。今はそれどころではなく、逃げていたら、避難船付近に行くと会えるかなとは思うんだけど………。

ってハチマンくん…………?」

 

 

礼拝堂………? まさか…………!?

レイス家に会いに行ったのか?

フリーダが危ないし、グリシャさんを止めないと!

 

 

「カルラさん、急用が出来たので、すみませんが急ぎます!」

 

 

俺は全速力で、避難船の場所へと向かった。

そこでミカサ達を見つけ、エレンが駆逐してやる!と叫んでいたので、俺は

 

「いったい何を駆逐するんだ、エレン?」

 

と言い、カルラさんも嬉しさのあまりエレン達に話しかけていた。

 

カルラ「エレン! ミカサ! 」

 

 

その瞬間、俺の元へミカサが駆け出してきて、受けとめるのだった………………。

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。