〈ペトラ Side〉
隊長と別れてから、私は作戦に備え待機していた。今回の壁外調査任務は、私が訓練兵を卒業してから初めての任務となる。
初めての任務なので、とても緊張している。
憧れの人の下で、任務することも緊張している理由の1つである。
その憧れの人というのが、『ハチマン・ヒキガヤ』先輩だ。
彼は調査兵団内で一番最強の兵士と言われているいる。いや、『人類最強の兵士』と言われているリヴァイ兵士長より、強いと言われているので、軍隊内で一番最強の兵士であると私は思う。
まあ、普段の生活態度からして全然見えないんだけどね…………。
先ほどの、周辺にいる巨人をリヴァイ兵士長と共に駆逐している姿を見て、ハチマンさんの強さの片鱗を見て、考えを改め更に憧れるようになったんだけどね//
任務中に不謹慎かもしれないが私は、ハチマン先輩との出会いや今までの関係を思い出していた。
あれはちょうど一年前のことだ。
私が訓練兵として、昼間の訓練が終わった後、宿舎の近くの森に自主練習をしに行った時に、木ノ上で寝ているハチマンさんを見つけたのが、初めての出会いだった。
私は真面目だったため、私と歳が近いであろう男性を起こしながら注意をした。
「こんな所で寝たらダメですよ! ここは
訓練する場所なんですから、起きてください!」
ハチマン「んあ? ……………って、うお!
ビックリした!」
「起きましたか? 訓練兵が、こんな所で堂々と寝てたらダメですよ! 」
ハチマン「訓練兵? って、もう夕方じゃねぇか。俺がここで寝始めた時は、昼だったのに………。 結構寝てたみたいだな。」
え、何なの? この人堂々と訓練サボってた訳?
私がいる班では無いから、他の班なんだろうけど訓練兵が訓練サボるなんて前代未聞よ!?
私と同期であろう男性が、昼間から寝てたと聞き私は怒りが沸いてきて更に注意した。
「貴方のこんな所で訓練サボってちゃダメじゃない! 何考えてるの!?
ってか貴方の名前は?」
私の説教に対して彼は、最初は驚いていたが面倒くさそうに答えた。
「何で俺説教されてんの? ってか、人に名前を聞く前に自分から名乗るって親から習わなかったのか?」
コ………コイツは……………。
どうして私の方が説教されてるのかしら?
おかしなこと言ったかしら?
ダメよ、ペトラ。
こんなことでいちいち腹を立てていたら、優秀な調査兵になんてなれないわ!
ここは我慢よ、我慢。
私はできるだけ笑顔を浮かべながら、彼に問いかけた。
「ごめんね。私が悪かったわ。私はペトラ・ラル。歳は14歳で、第101期訓練兵よ。貴方の名前は?」
すると彼は、こう答えた。
ハチマン「俺は、別に名乗るほどでもない。」
はい? 何て言ったの?
別に名乗るほどでも無いですって?
コイツは……… いい加減にしなさいよ!
私は笑顔で彼にもう一度問いかけた。
「もう一度言うわね。貴方の名前は?」
回りから見たら、有無を言わさない覇気を放っているペトラであった。
そう、ペトラ神初めての降臨である。
ハチマン「ひえっ! ハチマン・ヒキガヤでしゅ。す、すみませんでした。」
ハチマンくんは、怖がりながらも私の問いに答えてくれた。
どうして怖がっているのかしら?
失礼しちゃうわね。
ハチマン・ヒキガヤってどこかで聞いたことがある気がするんだけど、気のせいね。
そうだ。あと年齢も確認しておかないと!
「ハチマンくんね。年齢は?」
ハチマン「…………16歳です。」
え?
私より歳上で先輩じゃないの!
完全に私の方がやらかしてるじゃないの!
確認してから謝らないと。
「16歳って私より歳上じゃない! えっと、ついハチマンくんって呼んじゃったけど大丈夫だった? 」
ハチマン「別に大丈夫だ。遠慮しない話し方で話してくれ。ってか、ペトラさんは自主練しに来てたんじゃないのか?」
「そっか、ありがとう!
ペトラで大丈夫よ、ハチマンくん。
そうね。今日の昼の立体起動の訓練で、失敗しちゃったのよね……………。
失敗しちゃったから自主練しようと思ってここに来たの。」
ハチマン「そうなのか。どんな失敗だったんだ?」
「えっと、立体起動装置でワイヤー出してたら挙動が変で、体が逆さまになったのよ。
点検しても異常箇所も無かったから、私のミスだったんだと思う。ミスを繰り返さないようにするために、自主練に来たのよ。」
私はハチマンくんに今日の出来事をスラスラと話していた。
どうしてなのかな? 今日初めてあったばかりなんだけど、ついつい話しちゃったわ。
なぜかハチマンくんは話しやすいと感じたのよね。なぜなのかはよく分からないけど………
私の言葉を聞き彼は、考える素振りを見せながら言った。
ハチマン「…………そうか。点検した時立体起動装置のベルトとかその周辺の金具とか調べてみたか?」
「ベルト? えっと、点検項目には無いから、調べて無いけど…………。」
いったいどういうことなの?
彼の言葉を不思議に思っていると
ハチマン「なら点検項目に無い箇所も調べてみるといい。おそらく、ベルト周辺とかが怪しいだろう。俺も昔同じようなことがあったからな。さてと、腹も減ったし飯でも食いに行くわ。邪魔して悪かったな。それじゃあ。」
そう言い木ノ上から飛び降り、去ってく彼に私は、聞こえるように大声でお礼を言った。
「あ、ありがとう! 明日から訓練サボったらダメよ!それと、またねハチマンくん!」
彼は手をあげて振りながら去っていった。
アドバイスもくれるなんて優しいじゃない。
まあ、訓練サボったのは減点だけど。
よし! 彼のアドバイスどおりに、点検項目に無い箇所も点検してみて自主練しようっと。
ふふ、彼とはまた会いたいわね。
私は彼と再会できることを楽しみにしながら、自主練習に取りかかるのだった。
すみません、思ったより話が長くなりそうなので今回はここで区切らせてもらいますm(__)m