〈アニ Side〉
私、ミカサ、クリスタの3人は、ペトラさん、イルゼさん、ルフィアさんに怒られていた。
ペトラ「貴女たちは何を朝から騒いでいるのかな? 」
イルゼ「もう、朝から騒いだら近所迷惑でしょー!」
ルフィア「こら! ハチマンくんの近くで騒いでいたらダメでしょう! クリスタには朝ごはんだから、アニちゃん達を呼んできてってお願いして、全然戻って来ないから様子を見に来てみればアニちゃん達と騒いでいるし…………」
クリスタ「うー、お姉ちゃんごめんなさい」
ペトラ「まったく、貴女たちは…………。
何が原因で言い合っていたか教えてもらえるかしら?」
「それは…………」
ミカサ「私達3人の中で誰が一番ハチマンさんに愛されているか競っていた」
ペトラ「貴方達は一体何をしているのよ、もう。そんなことばかりしていたらハチマンさんが困るし嫌われるわよ?」
3人「…………はい。ごめんなさい」
私達3人は、ハチ兄に嫌われるのだけは絶対に嫌だったので反省し謝った。
ペトラ「よろしい。それじゃあ、ご飯を食べて稽古するわよ。3人ともハチマンさんと同じ調査兵団に入りたいんでしょう? あの人の隣に立ちたいのなら、訓練して実力付けないとダメよ。あの人は、調査兵団内でもトップクラスだからね」
私達3人は、ペトラさんにそう言われ、未だに眠っている大好きな人の為に頑張ると誓い、朝食を食べて稽古に向かうのだった………。
そんな毎日をひたすら繰り返していると、時間は早くたっていき、あっという間に月日がたち訓練兵団に入団する日の朝がきた。
私達は、2年前に比べ体は大きくなり精神的にも成長したと思いたい。
私は起きて身支度をして、リビングへと向かいもう起きていた二人に挨拶をした。
一人はミカサで、もう一人は、つい最近まで眠っていた私達が愛する人だ。彼が目覚めた時に私達は全員揃って涙を流し彼に抱きついて、当分離れなかった。
ペトラさん達お姉さん組も同様だった。
彼は状況が掴めずキョトンとして、調査兵団の協力により、私、ミカサ、クリスタ、ルフィアさんがハチ兄と同棲することになったと伝えた時は顔を赤くして大慌てしていた。あの時のハチ兄は可愛かったかな。
起きたばかりのハチ兄は、筋肉が衰えており全然歩けることが出来なかったが、リハビリも兼ねて筋力トレーニングを行い日常生活に支障が無いぐらいの筋力を戻すことができた。
しかし、調査兵団に復帰できるほどの筋力は未だに戻っていない。復帰できるまでにはもうすぐかかるらしい。
ハチ兄本人は、「極力働きたく無いから、体が元通りになるまでもっとかかって欲しい。むしろ、このまま働きたくないままでもある」などと言っていたが、それをペトラさん達に聞かれ怒られていた。
そして、体を元の状態に戻す為に彼は率先して家事を行うようになった。
カルラさんの手伝いも行っているようで、たびたび良い雰囲気になりカルラさんも満更では無いように見える時がある。
いつの間に仲良くなったんだろう?
まあ、ハチ兄の場合グリシャさんに頼まれて、その約束を守る意味も込めてそうしているんだろうけど。
ちょっと仲良くなりすぎじゃないかな?
カルラさんも含め、ルフィアさん、ペトラさんの3人は、要注意人物として認識して警戒しておこう。
本当、ハチ兄の無自覚に色々な女性と仲良くなるのだけはどうにかならないもんかね。
彼の不器用な優しさを好きになる気持ちは、私自身よく分かるから既に諦めている。
とにかく、数週間前からそんな幸せな日常が再開された訳だ。私はこの戻ってきた幸せを噛み締めながらハチ兄とミカサに朝の挨拶をした。
「おはよう」
ミカサ「おはよう、アニ」
ハチマン「おう。もうすぐ朝飯出来るから待ってろ。クリスタとルフィアはまだ寝てるみたいだから起こしてきてくれないか、ミカサ?」
ミカサ「分かった。すぐに起こしてくる」
ハチマン「ありがとな、ミカサ」
ミカサはハチ兄に頭を撫でられすごく嬉しそうにして、クリスタ達を起こしに向かった。
「何か手伝うことある、ハチ兄?」
ハチマン「そうだな。えっと、皿等の食器を出すのを手伝ってもらえるか?」
「分かった」
私はそう言い食器をテーブルに並べていった。
こうしてハチ兄の手伝いをするのが私達の日課になっている。
しかし、私、ミカサ、クリスタ、エレン、アルミンの5人は、今日から訓練兵団に入隊するため家を出ていく。
ハチ兄、ルフィアさん、カルラさんはこちらに残り離れて暮らすようになる。
私は離ればなれになるのが悲しいのと、要注意人物のルフィアさんとは1つ屋根の下で、カルラさんは隣の家だが一人になる為ハチ兄達と会う機会がおそらく増えるだろう。
その状況が私にとっては非常に心配なんだ………。
ミカサとクリスタもおそらく同じことを思っているはずだ。
私は不安げにハチ兄の方を見ていると、頭をワシャワシャとされた。
ハチマン「どうした? 泣きそうな顔をして」
「別に。ただ今日からハチ兄と離ればなれになるんだなって思っていただけ。」
ハチマン「もしかして寂しいのか?」
ハチ兄は、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながら言った。
「その顔気持ち悪いよ」
ハチマン「なっ!? き、気持ち悪い!?」
ハチ兄は私の言葉にショックを受けていじけていた。
……はぁ。悩むのも馬鹿らしいね。
「ハチ兄、私達が訓練兵団に入ってから、結婚しましたとかの報告は無しにしてよ? 私とミカサ、クリスタへのダメージが尋常じゃないから」
ハチマン「はぁ? 何でお前達がいない間に結婚なんかするんだ? 俺のことを好きになる奴なんかいないだろう。もしいたとしたら、余程見る目が無いか、只のアホだぞ?」
こ、コイツは………! 私は腹がたち、彼の足を思いっきり踏んだ。
ハチマン「痛! 何する…………ってアニさん? 足を踏んでるのですが…………」
ハチ兄は、私が怒っていることに気づいたみたいだ。
全く、この人は私達の好意にも全然気づいてないし、私以外の人に聞かれでもしたらって………あ…………。
私は知らないよ、ハチ兄。
???「へー。ハチマンくんを好きになる人って只のアホなんだねー」
???「アニばかりずるい。ハチマンさん、それは聞き捨てならない。ハチマンさんの考え方は治すべき」
???「むー。アニばかりずるいよー。それにハチマンさん、さっきの言葉はどういうことかな?」
私達の背後から声がして、ハチ兄はこの後みんなから説教されるのだった…………。
〈アニ Side out〉