〈ハチマン Side〉
おいおい、コニーさんよ? どうしてそんな質問をしてくれるんですかね? 当てる奴間違たな。うん、絶対に間違えたな。
コニーは空気を読めないタイプというか、どちらかと言えば頭が悪いタイプか? きっとそうに違いない。
「コニーだっけか? 今回は多めに見るが、私生活に突っ込みすぎる質問をされたら困るからなるべく控えるようにな。俺が人気者ってのはよく分からんし、実感もない。人付き合いが苦手で人とあまり関わらないようにしてるからな。こんな奴だから人気があるってのは恐らく何かの間違いだろう。
それと彼女についてだがいないぞ。先ほど言った同じ理由でな。ちなみに俺は専業主婦になりたいから、養って結婚してくれる人を絶賛募集中なんだが………………ひっ! いや、何でもない。先ほどの言葉は忘れてくれ。
次に強くなれるかっていう点についてだが、俺は自分が強いと一度も思ったことはない。常に自分の身や誰かの身を守るってのに必死なだけだ。目の前では誰にも死んでほしくないって想いと大事な人達を護ってその人達が幸せに暮らせることが出来ればなと必死に毎日を生きているだけだ。今まで判断をたくさん間違えてきて、そして今でも間違え続けている。それでも生き続けていくしかないんだ。俺は護りたいものを取りこぼさないように力を付けて頑張ってきただけだ。コニー、お前も経験を積んでいけばいずれ分かるようになる。良い返答になってないかもしれないがこんなところで良いか?」
「はい! ありがとうございます! とても参考になりました!」
コニーは俺の返答に満足したみたいだな。
俺の理想を語りすぎたな。完全に中二病じゃねぇか。黒歴史確定だわ。ってか、結婚してくれる人募集中とかって言った時の訓練生達の何人か(女子)が目キラキラさせたり、ミカサやペトラ達何名かの殺気が俺に向けられて冷や汗が出たんだが…………。あの人達は巨人より怖すぎるだろ。どうしてあんなに殺気放ってたんだ?俺と結婚してくれる人はいないだろ!ってことだったのか……………。ちくしょう、泣けてきた。
流石に次の質問は安全そうな奴を選ばないと、何故かは分からないが俺の命が尽きる気がする……………。
よし、ここはあの馬面の奴にしよう。アイツなら安全そうだ。その人物を指差しながら言った。
「次は、そこの…………えっと」
「はっ! ジャン・キルシュタインです!」
「すまなかった、ジャン。何か質問はあるか?」
「はっ! ハチマンさんはそれだけの実力がありながらもどうして調査兵団に入られたのでしょうか? 貴方のような方なら憲兵団に入り王を護るという重要な仕事に就くことも充分出来たのでは無いでしょうか?」
「ふむ。普通の考えならそうだな。王の近くで守護する憲兵団なら内地と呼ばれる安全な地域に行くことも出来るしやりがいがあると感じるだろうな。
だけど俺は内地に行って楽したりしようとかは思わなかったんだよ。壁の外が地獄なのはよく知ってるが俺は壁の外の世界を見たかったし、調査兵団は何だかんだで面倒見が良い人ばかりで世話になった恩を返したかったってのもある。壁の外に出てたくさんの修羅場を潜ることにより、実力を付けてたくさんの命を助けることも出来た。
それにな? 知ってるか? 壁の外の世界は巨人がはびこっていて残酷かもしれないが、自然とかまだ見れてない景色など美しいものがたくさんあるんだぜ。
そういう『本物』を知ったら、いつかたくさんの人々で壁の外に住めるようになったら良いなという思いが強くなったんだよ。
俺が小さい時にとても大切な人と約束した内容も関係しているって理由もあるけどな。まあ、一番はその約束を守るようにする為に調査兵団で頑張ってるって訳だ。悪いが約束の内容については教えれないけどな。
調査兵団に行く奴は死ぬ確率が高いから死にたがりという考えは持たないでくれよ。調査兵団内でも死にたい奴なんていないし、皆自分だけの目的を持って頑張ってるんだ。理解しろとまでは求めないが、そういう事情もあるんだということだけは知っててくれ。
長話になってしまったがこんな所で充分か、ジャン?」
「はっ! ハチマン教官の考えを知ることが出来て嬉しかったです! ありがとうございました!」
このまま続けていくとキリが無いな。仕方ないから別の機会を設けるとするか…………。
「他にも質問とかある人もいるだろうが、今日は時間が無いからここで質問タイムを終わりにする。訓練の合間の休憩中とかにでも聞きにきてくれ! 次に紹介する2人は調査兵団内では俺の部下で、お前らの訓練をサポートしてもらうことになっている。ペトラから自己紹介を頼む」
「はっ! 調査兵団所属のペトラ・ラルよ! ハチマンさんのサポートしながら、貴方達の指導をしっかりしていくから、よろしくね!
聞きたいこととかあったら休憩中とかいつでも聞いてね」
「「はっ!!」」
「こほん。次は私の番ね。ペトラと同じ調査兵団所属のイルゼ・ラングナーよ。みんな宜しくね。ペトラ同様ビシビシいくつもりだから覚悟しておいてね!」
「「はっ!!」」
ペトラとイルゼの自己紹介が終わり、調査兵達が大きな声で返事をした後、キース教官が話し始めた。
「今日は以上で解散とする! 問題行動などを起こした場合は、先ほどのサシャのように罰を与えていく! 充分注意するように! 以上だ!」
「「「はっ!!」」」
訓練生の解散を見送り、キース教官から今日は帰って良いと言われたので、俺たちも解散し調査兵団の屯所へ向かうのだった…………。