俺はみほエリが見たかっただけなのに   作:車輪(元新作)

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ガバガバなので初投稿です


本編 epic IF root
やはり転生先でも俺のフラグ建築は間違っていた


 ─月──日 晴れ

 

 本日から日記をつけることとする。

 この日記の目的は転生前の記憶のなかで重要なものを書き出し忘れてしまっても見返して確認することができるようにするためのついでである。

 盗み見られたりすると大変なことになるので携帯の日記機能に、自室に一人でいる時のみ書き記すこととする。

 

 転生して12年の月日が経過し、俺はもうすぐ黒森峰女学院に入学することとなる。

 頭がおかしくなるほど厳しかった受験勉強に戦車道の実績作り。

 それらは全てみぽりんを転校させず黒森峰に残すためだ。

 乗員の数は10万を超えるというマンモス校というのもはばかられるような場所だというのに戦車道だけでなく勉学の方でも凄まじいレベルを要求されるとはこの海のリハクの目をもってしても見抜けなかったが受かっちまえばこっちのもんだ。

 みぽりん同じクラスになれるかどうか、そもそもそんな人数のいる船の上で同じ校舎に割り振られるかすらも疑問だが、できるだけ早く接触して交友を深めたい。

 そしてゆくゆくは同じ戦車に乗せられる仲にまでなり、みぽりんの代わりに大荒れの川にダイブしてスケープゴートとなるのだ。

 

 そして忘れてはならないが俺は逸見エリカとも仲良くならねばならない。

 俺がみぽりんとエリカの二人と仲良くなって二人を巻き込んで絆を深めることでみほエリの土台を作り上げるのだ。

 

 そう、俺の転生人生はこの二人で百合の花園を作り上げるためにあると言っても過言ではない。

 

 この二人に、離れ離れになる運命など存在しない、それを証明してみせる……!

 

 

 

 ─月──日

 

 いやはや私は運がいい。

 大量の入学生でごった返したというのに、みぽりんと同じクラスに配属されることとなった。

 

 そんなわけで俺は一人でおずおずしてたみぽりんに声をかけて、一緒にお昼を食べつつ雑談を仕掛けてみた。

 そしたらもう即落ちよ、あっという間に友達になれました。

 みぽりんのガードが薄すぎて立場を忘れて少し心配になってしまった。

 でも大丈夫だよみぽりん、精神年齢30超えのJC (中身おっさん)が危ない人から守ってあげるからね…あれ?これじゃ俺が危ない人じゃん。

 我ながらキモすぎて吐くわ。

 

 

 

 ─月──日

 

 戦車道の練習が本格的に始まった。

 幼い頃からしっかり体を鍛えていた俺は、どういうわけかチビで細いのに怪力とかいうわけのわからない体質であり、即ち装填手として凄まじく高い適性を持っている。

 小さくて邪魔にならないのにあっという間にひょいひょい弾を込められるわけだからな。

 あと操縦と通信もそれなりにできる、車長適性は目を覆うレベルでないらしいが。くやしい。

 

 黒森峰の中学戦車道でも当然のごとく隊長を務めていた西住まほの元、俺はみぽりんにお願いされて同じ戦車に乗り込むメンバーとなった。

 そして俺は、続々とメンバーが固まりつつある中であぶれ気味になっていた生徒をとっ捕まえて5人パーティーを編成することに成功。

 なんとミラクルがおきてその中に逸見エリカが紛れ込んでいた。

 内心小躍りした俺はテンションアゲアゲで練習戦に臨みみぽりんの指揮のもと我らの戦車が一等の戦果を上げることに成功した。

 これにより5人の結束が深まる、即ちみぽりんとエリカに自然と交友を作ることに成功。

 うまく行きすぎて怖いくらいだ。

 

 

 

 ─月──日

 みぽりんが副隊長に指名された、みぽりんの顔が真っ青だ。

『フェイズエリカ』ではここでみぽりんの副隊長としての姿にエリカが不信感を抱き後々まで続く禍根を残してしまうわけだが俺がいる以上そんなことはさせない。

 エリカも巻き込んでみぽりんとシャレオツなカフェに雪崩れ込んだりノンアルビールをキメながら本音を吐き出させてみんなで話し合ったりすることでエリカも不安なみぽりんを支えてやろうというケツイを固めたようだ。

 

 しかし、いいことばかりではない。

 俺がまほ隊長の乗る戦車に引き抜かれそうである。

 いやまあ、確かに試合開始から最後まで一切衰えを見せず高速で装填を行えるってJC一年生としてはヤベーレベルの筋力とスタミナであるのはわかる。

 しかしそうなるとみぽりんとエリカと触れ合える機会が減ってしまうだろう。

 それに先輩方の視線が痛い。

 悪い結果にならなければいいのだが……実力主義の弊害というやつだ。

 

 

 

 ─月──日

 

 引き抜きは阻止された。

 みぽりんが必死で懇願して計画は潰れたのだ。

 これまでと変わらず動けることに俺は安堵した。

 やっぱりまほ姉ちゃんは妹に甘い、ゲロ甘である。

 

 それはそれとして、まほ隊長に普段どんなトレーニングを積んでるのか根掘り葉掘り聞かれた。

 なので俺の普段の食事メニューとトレーニング表を見せたら深刻なレベルで心配された。

 仕方ないんですよ転生特典がない身ではこれくらいやらなきゃ黒森峰は入れなかったんすよ。

 

 

 

 ─月──日

 

 みぽりんが俺の部屋に遊びに来たいと言った。

 何もない部屋だと前置きした上で招いたら本当に何もないーーー!?と驚かれた。

 生まれてこのかた勉強と戦車道以外の全てを投げ捨ててきた俺の部屋は最低限の家電とベッドとテーブル以外はせいぜいノートパソコンと今まで使ってきた教科書やノートくらいしかない。

 

 なぜそこまで戦車道に全てを賭するのかとみぽりんに聞かれた。

 まさか本当のことを言えるわけもないので適当に全身全霊をかけてもいいほど楽しいからだと伝えておいた。

 納得してくれたようで良かった。

 

 

 

 ─月──日

 

 中等部の全国大会が始まった。

 特別思い入れがあるわけではないが俺も戦車道を嗜むものとして全力で勝利を掴みに行こうと思う。

 

 

 

 ──月──日

 

 優勝した。

 圧倒的ではないか我が軍は。

 

 

 

 ──月──日

 

 全国大会を優勝で飾り、黒森峰中等部はノリに乗っている。最近はみぽりんも自信がついてきたのかたまにドジはするものの副隊長としての威厳がついてきたように思う。

 なんか、原作と違くない?

 

 それはともかくとして大会が終わったため二人と一緒に遊ぶ機会も増えてきた。

 最近ではエリカの車長適性が見抜かれ別戦車に移されてしまったため練習中はなかなか一緒にはいられないが、その分俺とみぽりんの戦車とエリカの戦車は特に共闘の練度が高い。

 この二輌に乗る合計10人で遊んだり泊まりに行ったり勉強会を開いたりはしょっちゅうだ。

 その中でみぽりんとエリカもますます仲が良くなってきたと思う。

 ちょいツンなエリカとにこやかなみぽりんの絡みを間近でみられる、これだけで転生して良かったと思える。

 

 

 

 ─月─日

 

 二年生になった、今年も二人をくっつけるために頑張ろう!

 今年はみぽりんと別のクラスになってしまったがエリカと同じクラスになった。

 

 二年生になってくるとそろそろ高等部に向けての勉強も忙しく予定が合わない日も多くなってくる。

 エリカがおらず俺とみぽりんで、あるいはその逆でエリカと俺で遊んだり勉強したりする機会も増えてきた。

 多分俺の予定が合わない日も二人で勉強してたりするんだろう。

 二年生には修学旅行というビッグイベントもある、それを活かしてますます二人の仲を深めてあげたいところだ。

 みほエリは正義、なさねばならぬ。

 あんたもそう思うだろう?

 

 

 

 ─月──日

 

 取材を受けた。

 なんでも装填手として俺は注目の的らしい。

 慣れないのですごく緊張した。

 まさかミポリンに笑われる羽目になるとは。

 エリカにも思いっきり笑われた。

 雑誌に俺のしどろもどろな問答が乗せられてて悶絶する羽目になった。

 

 

 

 ─月──日

 みぽりんに誘われて買い物に行った。

 最近ではみぽりんと人形や服を買ったりといったショッピングの機会が増えている。

 みぽりん侵食を受けて俺の部屋にもボコが溢れかえり始めている。

 ボコは…まずい…。

 

 

 

 ─月──日

 

 全国大会が始まった。

 今年も勝ってみせよう。

 それと同時に最近ではエリカと練習をする機会が増えてきた。

 エリカの戦車に乗り込み装填の指導をしたりするのだがそのたびにこっちに乗換えろと言われたりする。

 その辺りはみぽりんと相談してください。

 

 一通りのやりとりを終えてみぽりんの元に戻るとみぽりんはむすっとしていた。

 俺とエリカが仲良くしてることにジェラシー感じたんだね?わかるとも!

 

 

 

 ─月──日

 

 修学旅行に行ってきた。

 ……日本全国を学園艦で行き来して割と他県に行くことも多いのでそこまでスペシャルな感じはなかった。

 というか前世の感覚からすると修学旅行より学園艦での生活の方が明らかにスペシャル感あると思うの。

 

 自由行動ではクラス内で割り振られた班で行動しなければならなかったが普通に例の10人で固まって行動した。

 鹿にスカートをもしゃられるみぽりんは可愛かったですはい。

 エリカはお土産買いすぎだと思うの。

 

 部屋割りはエリカと同じ部屋だった。

 俺もエリカも持ってきちゃいけないもの持ってくるタイプではなかったので適当に雑談しながら普通に早めに寝た。

 しかしまさかエリカに恋バナを振られるとは思わなかった。

 しかも好きな人がいると言われた。……本命まほ隊長だけどみぽりんだとうれしい。

 まあ無理矢理にでもみぽりんにしてやるがな!!(ゲス顔

 

 

 

 ──日──日

 全国大会二連覇。

 特に書くことはない。

 

 

 

 ──月──日

 まほ隊長は高等部に上がり、みぽりんが新たな隊長に任命。

 エリカは当然副隊長に。

 これにより二人は作戦会議などでますます親密な仲になるだろう。

 笑いが止まらない。

 俺もみぽりんの戦車から降ろされないよう装填テクニックに磨きをかけよう。

 どんなに揺れる戦車の中でも一発3秒で装填できるようにしてやる。

 

 みぽりんが隊長に任命されたあとまほ隊長に呼び出され、二人を頼むと告げられた。

 お任せください、俺が恋のキューピットにってやります。

 

 

 

 ─月─日

 三年生の生活が始まった。

 全ては来年だ。

 高校の全国大会までに二人の絆をなるべく深めてあげよう。

 俺がいなくても二人がくっつくようにね!

 

 

 

 ─月──日

 

 受験勉強が辛い。

 戦車道と一緒にやるのが辛い。

 つくづく俺は努力型の人間ですよ……転生特典が欲しいなクソッタレが。

 エリカは俺より要領がいいのかとても勉強ができる、教えてくれと頼んだらやれやれと言いつつも教えてもらえた、やっぱりツンデレじゃないですか(微笑

 せっかくなのでみぽりんも呼んで勉強会をした。

 楽しかったです。

 

 ……14歳に教えてもらう中身アラサーってどうよ????????

 

 

 

 ─月──日

 

 今日はみぽりんと一緒に徹底的に戦車道の訓練を行った。

 勉強のストレスは戦車道で発散するに限る。

 装填スピードが最近伸び悩んでいるのでトレーニングを見直そうと思ったがみんなに止められた。

 冷静になって見るとこのトレーニングメニューは平たく言って拷問だと気づいた。

 そりゃ止めるわ……

 

 訓練終了後にお茶に誘われたのでエリカも巻き込んで久々にゆったりとした時間を過ごした。

 しかし二人がどこかぎこちないように見える。

 俺の知らない間に何か行き違いでもあったのだろうか、だとしたら解消しなければ。

 

 

 

 ──月──日

 

 全国大会で優勝した。

 三連覇できちゃいました、二人ともすげー

 その日はみんなで盛大な優勝パーティを開いた。

 盛大に飲んで騒いで盛り上がった後に二人を誘って公園に行く。

 二人に会えてよかったことを伝え、高等部でもみんなで頑張ろうと誓い合った。

 ふふふふふ、これで二人の絆は俺が欠けても途切れることはないだろう。

 

 

 

 ─月──日

 

 ついに高等部に上がる日がきた。

 クラス割はなんと俺もみぽりんもエリカも同じクラス!

 3人ではしゃぎあった。

 戦車の車庫に向かった俺たちをまほ隊長が歓迎してくれた。

 さて、残り少ない時間をこのメンバーで目一杯楽しもう。

 ケツイは微塵も揺らがないが、多分しばらくの間は連絡も取れない間柄になるだろうしね。

 

 

 

 ─月──日

 

 高等部は中等部とレベルが違ったが、俺はなんとか装填手としてレギュラーメンバーの座を勝ち取った。

 一芸に秀でるものは身を救うってやつだ。

 あいも変わらずみほの車両の装填手としてガシャンガシャンと装填してやろうと思う。

 しかし先輩方に俺の装填速度でドン引きされ、トレーニングメニューを教えたらすごく哀れなものを見るような目で見られた。

 そこまでか……?

 

 

 ─月──日

 

 全国大会が始まった。

 

 まずは決勝戦まで勝ち抜かなければならない。

 全力で挑もう、負けは許されない。

 

 果たして、決勝戦であの事件は起こるのだろうか。

 起こらないのならそれでいい、みぽりんがここを離れる理由はなくなるからだ。

 起こったのならその時はその時だ。

 ただまぁ、できればあんな事故は起こってほしくないなーとは思う。

 

 

 

 ─月──日

 

 決勝戦だ。

 

 

 

 ─月──日

 

 事故は、起きた。

 原作通り悪天候の中で始まった試合、土砂崩れに巻き込まれて戦車が川に落ちる。

 助けに行こうとしたみぽりんを引き止め代わりに俺が救助に向かう。

 車長を失わなかったわけだからワンチャンそのまま優勝するんじゃね?とも思ったが、原作の強制力なのか、それとも案外俺の役割は大きかったのか、そのまま押されて負けてしまった。

 

 まぁ、しょうがない。

 この重荷からみぽりんを守れたんだからそれでよしとしよう、そもそもこれが元々の目的だしネ!

 

 

 

 ──月──日

 

 みぽりんを守れて本当に良かったと思う。

 あの日以来黒森峰に俺の居場所は無くなってしまった。

 方々から怒鳴り散らされ生徒たちからは非難の眼差しを向けられる。

 親しかった友達も大半は離れた。

 嫌がらせも受け始めた、いじめも近いだろう。

 

 本当に、ほんとーーーにみぽりんをかばえてよかった!!

 そりゃ転校するよこんな目に合えば!!

 

 今や俺と接してくれるのはエリカとみぽりん含む、かつて中等部で関わっていた9人くらいである。

 それも前に比べればずっとよそよそしくなってしまったしみぽりんはすっかりふさぎ込んでしまった。

 

 こりゃあ、なるべく早めに黒森峰を出て行ったほうがいいだろう。

 

 

 

 ──月──日

 

 しほさん

 

 こわい

 

 

 

 ──月──日

 

 昨日はまさかしほさんが直々に学園艦を訪れて叱咤されるとは夢にも思ってなかった。

 みぽりんは庇ってくれようとしたがなんとか根性でそれを宥め、スゴイ=コワイしほさんのお叱りを受ける。

 ただただ伏してそれを耐えるしかできなかった。

 いやあんなん逆らえないで?

 

 みぽりんに泣きながら謝られた。

 みぽりんは悪くないんやけどなあ。

 

 

 

 ──月──日

 

 エリカに、みぽりんを頼むと告げた。

 どういうことだと詰め寄られたがやんわりと引き剥がして逃げた。

 ……我ながらもうちょっと要領よく別れを告げられんかったのか?

 そしてみぽりんに転校することを考えてると伝えた。

 あとは転校の準備を済ませて、黒森峰を去ろう。

 俺にできることはやった。

 どうか、二人が俺のことを乗り越えて二人で黒森峰の学園生活を仲良く終えてくれることを祈る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─月─日

 

 ぼくは いま

 

 おおあらいにいます

 

 みぽりんとるーむしぇあです

 

 

 

 なんで?????????

 




    スッカスカ!
        スッカスカ!
            本文の密度スッカスカ!
     ∩∩ ∩∩ ∩∩ ∩∩
     ( ・x・) ・x・) ・x・) ・x・)  本文の中
    /    \  \  \  \    スッカスカ
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  ε≡Ξ ノノ `Jノ `J ノ `J ノ `J

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