俺はみほエリが見たかっただけなのに   作:車輪(元新作)

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やあエリカ、久しぶりに会ったねようこそ私の新しいねぐらへ。
ハンバーグおたべ?いらない?そう……あとで食べる?そう!
ところで急に用事なんて何が会ったんだい?あぁ言わなくても実はわかってる、みほのことだろ?ほらビンゴ。
エリカは本当に心配性だなあ私が見てるんだからみほに心配はいらないよ、まあみほは可愛いから気持ちはわかるけどね。
気が気じゃないんでしょうみほが変なのにたぶらかされてないか、私もその気持ちは重々、え?そうじゃない?
みほに私が食べられてないか心配?エリカ熱でもあるの?
そんなこと起きるわけないだろニンジャだぞ私。
まあ照れ隠ししなくともみほは変なのになびいたりしないさそこは私が保証する。
ところでみほが帰宅するまでまだ時間があるけどその間何する?チェスでもするかい?え、なに?なんで迫ってくるの?ちょ、ま、エリ


パンツァーエムブレム

 キャタピラが地を削りながら突き進む騒音が辺りを満たす。

 もう、子供の頃からずっと聞きなれた音だ。

 赤ん坊の頃から聞かされ続けてきたせいか、聞いていればむしろ落ち着いてくるような気さえする始末。

 

 しかし、自分は未だかつてないほどの悪寒に苛まれている。

 絶対的な防壁といってもいい戦車の中にいるというのに、なぜこんなにも不安なのか。

 

 トンッと、何かを蹴る音がする。

 

「……」

 

 視線の先には何もなかった。

 いや、たった今屋根の陰に何か黒い尾のようなものが隠れたような気がする。

 鳥や猫か、しかしこんな鉄の獣が突き進む側に獣が寄ってくるものか。

 

 だとすれば

 

「見られているな」

 

 手元にMG42あたりがあればハチの巣にしてやるのに。

 益体も無いことを考えてしまう自分に少し笑みがこぼれた。

 そうだ、はっきり言おう、こんな状況は完全に想定外だ。

 そもそも戦車に追いつけるほどの速度で屋根の上を移動し続けられる存在なんて普通は考慮しない。

 そしてその役目を任せてしまう相手の度胸も恐れ入る。

 みほがエミを完全に信頼しているからこそこの役目を任せ、そして成功させた。

 

 なんて面白いんだろうとまほは思う。

 もしみほとエミが今年もまだ黒森峰にいて、そしてみほがこんな作戦を提案して、エミがそれを引き受けた場合、実際にこの作戦を実行しただろうか。

 

 いや、間違いなく潰されていただろう。

 そんな戦い方は黒森峰の、西住流の流儀に反しているからだ。

 だから、これは彼女たちが大洗に戦場を移さなければ決して目にすることのできなかった光景なのだろう。

 皮肉な話だ。

 大切な妹とその友人が自分の元から離れてしまったからこそ、こんな愉快な経験ができているのだから。

 全く人生とは皮肉屋で面白い。

 

「……ょう、隊長?」

「ん、あぁ、大丈夫だ」

 

 いかんいかん、とまほは頭を振って気を取り直した。

 試合の最中に考え事とは何事か。

 改めてまほは地図をにらみ、現在の状況の整理をし直す。

 

 戦場となったのは市街地。

 戦力は13対6。

 機体性能も乗員の平均練度もこちらが上。

 相手の指揮官はみほであり、相手には妨害不可能な上空からの偵察者がいる。

 

 なるほど、認めよう不利だ(・・・・)

 まほは自身の実力を疑ってはいない。

 そんじょそこらの策士気取りなど鎧袖一触にしてやる自信もある。

 だが、みほに宿る才能が自分を上回ることも昔から考えていた。

 

 しかし、負けるのはやだ。

 

 まほは今更になって自分が負けず嫌いなことに気がついた。

 妹に勝ちを譲ってやろうなんて大人びた発想なんてかけらもないし、なんなら姉としての威厳を見せつけてやるとすら考えている。

 

(いいだろう、勝負だ)

 

 まほは、戦車の進行方向に向けて鋭い視線を向けた。

 おそらく、そろそろ仕掛けてくる。

 何が起きても対応できるように、神経を研ぎ澄ませて、心を凪にする。

 

 

 

 そして、数秒後。

 

『こちら第二小隊、敵戦車の襲撃を受けました、数はおそらく1!』

『こちら第三小隊! こちらも同様1輌に攻撃を受けました、1輌が履帯を破損!』

『第四小隊、敵を捕捉!』

(やはり同時に来たか)

 

 予測した展開になったことにまほはほんのわずかに安堵した。

 すぐさま各小隊長に的確な指示を飛ばし始める。

 

「全小隊、発見した車輌の種類を答えよ」

『こちら第二部隊、おそらく相手は八九式!』

『第三小隊、敵はM3中戦車!』

『第四小隊はIII号突撃砲捉えました!!』

「ふむ……」

 

 発見したのは3車両。

 隊員の知識は深く、しかも相手の戦車は全て特徴も生産国も別々のもの、見間違いはないだろう。

 そうなると残るのは、フラッグ車のIV号戦車に38t、そして要注意対象のポルシェティーガー。

 仮に相手がそれぞれ1輌で襲撃を仕掛けたのならこのまま各小隊が反撃に転じた場合確実に撃破できるだろう。

 みほだってそんなのはわかってるはず。

 つまりこれは

 

「罠だ」「罠ですね」

 

 エリカと声が被った。

 互いに少し笑いあってから、そして再び思考を巡らせる。

 相手の罠であることは疑いようがない、しかしだからと言って慎重にすぎるのも問題だ。

 市街地での乱戦となった今、相手の車両の半数を捕捉している今は好機であることも間違いない。

 ならば

 

「各小隊、発見した戦車を追え! ただし、高火力のポルシェティーガーが待ち伏せをしている可能性がある、十分に警戒せよ。 発見した三種以外の戦車を確認した場合速やかに報告しろ!」

『了解!』

 

 緊張感のある声が帰ってきてまほは安堵した。

 もはや黒森峰の中に相手を弱小と侮るものはいない。

 

「エリカ、こちらも行動を開始するぞ。私の後ろにつけ。3番車と4番車はそれぞれ先頭と最後尾に!」

「了解しました!」

 

 まほはフラッグ車の前後を守る列を作り、行動を開始した。

 おそらく天翔エミはこのフラッグ車が所属する第1小隊を最注視している。

 それぞれの小隊が敵を追って戦力が分散している今は間違いなく好機だろうから今すぐにでも襲撃されてもおかしくはない。

 さぁ、どうくるか……

 わずかなエンジン音も見逃すまいとまほが神経を張り巡らせる。

 そして次の瞬間、自分の目の前に鳥が降りてきた。

 

「……は?」

「グーテンターク!」

 

 舞い降りた黒い鳥はキューポラから上半身をのぞかせるまほの手に恭しく一輪の花を握らせて素早く飛び立った。

 渡されたのは紫色のアネモネ。

 意味は『あなたを信じて待つ』

 ご丁寧に花言葉のカードが添えてある。

 

「……ふ、ふふふふふ」

「隊長、落ち着いて!」

「いいだろう、信頼に応えてやるぞエリカ!!」

「ああぁぁもう!! みほぉ!! エミィ!! あんたらは悪魔か!!!!」

 

 こんな安い挑発に乗るなんてどうかしてるがまほの闘争本能が完全に燃え上がってしまったから仕方がない。

 しかし脳内のどこか冷静な部分は戦車から離れて再び建物の上を飛び跳ねていくエミを見つめて、その進行方向と地図をにらみ合わせて相手が打ってきそうな策を想像する。

 

(突入するのは住宅街、背の高い建物はないが家屋が密集していて見晴らしが悪い。 曲がり角に相手が待ち伏せている可能性はかなり高い)

 

 で、あれば。

 まほは現在進んでいるルートから危険な地点を直感で割り出し、そしてすぐさま指示を出した。

 

「全車止まれぇ!!」

 

 キャタピラがガリガリと一瞬破砕音を奏でた直後に、たった今通ろうとしていた十字路の右手側から壮絶な発射音が叩きつけられる。

 

(やはり来た!)

「Ⅳ号!他に戦車がいないか確認を!」

 

 すぐさま先頭車両のIV号駆逐戦車が十字路内に突入し、安全を確認する。

 

『ポルシェティーガー確認しましたが逃げていきます、他に機影はありません!!』

「焦るな、罠の可能性もある。 しかしここで撃破できれば一気に流れをこちらに傾けられるか」

 

 まほは一瞬思案する。

 ポルシェティーガーを追うか、追わないか。

 追うならばどう仕留めるか。

 現状戦力でもやや手こずるだろうが足回りの悪いポルシェティーガーなら間違いなく撃破できる。

 リスクとリターン、そして成功確率の全てを考えた上で……

 

「後ろだ!!」

 

 答えが出た。

 

「なっ!?」

『きゃあああ!!』

 

 叫んだ瞬間に腹の底を震わす衝撃が迸った。

「パンター、被害は!?」すぐさまエリカが被害を確認する指示を飛ばすが、今のタイミングは……

 

「ぱ、パンター履帯を破壊されました!」

「くそ、忌々しい!」

「先回りされ続けるのは厄介だな」

 

 ここで1輌が足を失ったのは痛い。

 まほは顔をしかめつつもさらに戦況を分析する。

 

(恐らくここで足を止める目的でポルシェティーガーを配置した。

 そしてその瞬間を後ろから突くためにあらかじめ背後にも伏兵を潜めていた、か。)

「Ⅳ号はそのまま敵を警戒しろ。 パンター、襲撃を仕掛けてきた戦車はわかるか」

『に、二輌でした!IV号D型と38t!』

「なんだと?」

 

 この段階で全ての車両を晒してきたことにまほは違和感を覚えた。

 わざわざフラッグ車が出張ってこなくても問題はないはず。

 エリカが各戦車と交戦中の小隊にむけて矢継ぎ早に情報を伝える中まほはさらに高速で頭を回転させる。

 無線からは今も各小隊が大洗の戦車を追いかけて、少しずつ追い詰めつつある報告がなされている。

 それぞれの戦車は距離も遠く、連携は望める状況にはない。

 

(押せるか……押せないか……)

 

 この判断は間違いなく戦局を左右する。

 十中八九、いまフラッグ車を前面に押してきたのは罠だ。

 焦らずとも、そう経たないうち小隊が敵戦車たちを撃破しこちらに合流できる。

 ここは守りが手堅い一手だ。

 

 とはいえ、とまほは自分たちの現在地を見てみる。

 狭い道路の後ろは履帯を破壊された自軍戦車にふさがれ、前方の十字路の三方向にしか向かう道はない。

 ここで仮に十字路の交差部を占拠されて前方から集中砲火を受けるのはまずい、そして今もこちらの状況をエミが報告し続けているはずだからここに留まるのは間違いなく悪手だ。

 

「IV号戦車、まずはここを離脱するぞ、広場がある右手側へ向かう、先行しろ。 エリカは後ろを。 今のように後ろからの奇襲もありうる、注意しろ」

『了解!』

 

 まほの指示に従って、1輌減って3輌となった第一小隊が進軍する。

 

(くそ、苦戦は覚悟していたがここまでとはな)

 

 こちらの行動の全てを先回りされることにまほは歯噛みする。

 ちらりと視線を屋根に向ければ高く跳ねるエミの姿が見えた。

 それはもう別のスポーツだろうといよいよ文句をつけたくなる。

 なんならいっそのこと主砲であたりの家屋を全部丸ごとぶっ飛ばしてやりたい気分だ。

 

(焦るな、広場に出てさえしまえば不意を突かれる確率は低くなる。 そこで防衛に徹すればたとえ相手の3輌がまとめてかかってきたとしても凌ぎ切って増援を待てる……)

「前方フラッグ車!!」

「何!?」

 

 突然の事態に心臓が跳ね上がった。

 視線の先には自分たちの前に躍り出て、38tを引き連れながら砲塔をこちらにむけて疾走するフラッグ車、キューポラからは明るい茶色の髪をした自分の妹がケツイに満ちた瞳でこちらを見据えている。

 

「回避運動!!!」

「ってー!!」

 

 瞬間上半身がぐんと振り回されると同時に発射音がこだました。

 五輌が団子状に連なり、同じ路地を走っている状況だ、もはやまほに猶予はない。

 

「IV号戦車、相手と距離を開きつつ攻撃を開始しろ!」

『了解!』

 目の鼻の先と言えるほどだったIV号駆逐戦車と38tの距離が開きつつ、Ⅳ号の火砲が唸りを上げて吐き出される。

 狭い道いっぱいに使い器用に回避されるのをみる、流石に練度が高い。

 

「落ち着け、外してもいいから弾幕を浴びせて圧をかけろ! 」

「隊長、ポルシェティーガーの姿が見えませんが」

「わかっている。だがフラッグ車とチェイスしている以上流石に尻尾巻いて逃げるわけにはいかない! 各小隊に報告、敵フラッグ車を発見した!! 各小隊のうち1輌を今から指定するポイントに回せ!!」

 

 前方で砲撃を交わしながらひたすらに疾駆する大洗の戦車を見据えつつ、まほは状況が有利に転じつつあり、そして『みほの思うがままに』自体が運ばれつつあることを悟る。

 

(不利な状況を背負ってまで敢行する策とはなんだ、みほ)

 

 やがて、一度のダメージも発生しないまま広場に突入した5輌。

 大洗チームがトンネルの中に潜り込んだのを確認したまほはその先が出口のない広場となっていたことを思い出す。

 

 ぞくりと、背筋が震えた。

 

(なんだ?あそこに入り込んだら何か不味い事態が起きる気がする)

 

 おかしな話だ。

 あの広場に突入すれば相手に逃げ場はなく、仮にポルシェティーガー含めて3輌で戦闘を開始することとなってもおよそ戦力ではこちらが優っている。

 間も無く駆けつける増援部隊も加わればいよいよ勝利は盤石だ。

 この場で引き下がり増援を待つのも弱腰が過ぎる。

 

(どうする。ここで増援を待てば勝利は確実だが、そうはさせてはもらえない気もする。一刻も早く追撃したほうがいい予感がある。 どうする、どうする、どうする)

 

 遭遇したことのない状況にまほが困惑する中、エリカは進言した。

 

「隊長追撃しましょう! ここで逃す手はありません! 仮に失敗した時はもう猪突撃を命じた大人どもに罪を被せます!!!」

「エ、エリカ?」

 

 思わぬ発言に目を丸くしたまほにエリカはどう猛な笑みを浮かべて答えた。

 

 ……なるほど、西住流のお偉い方の戯言はともかく、ここで逃げるのはらしくないかもしれない。

 賭けだ。

 

「みほの誘いに乗る。 エリカ、先頭をいけ、四号は私の後ろに──」

 

 その瞬間Ⅳ号駆逐戦車が吹き飛ばされた。

 

「っ!?」

「ポルシェティーガー!!」

 

 なんてことだ、先ほど待ち伏せをしていたポルシェティーガーが後ろについている。

 足の遅さを考慮すると、あらかじめまほたちをここに誘い込み攻撃を仕掛けさせるつもりだったのだ。

 叩くか、しかし撃破に時間がかかる、その間にトンネル内から戻ってきた大洗の2輌に挟み撃ちにされたら────

 

「エリカ、もう前に行くしかない!!」

「チクショーーー!!!」

 

 すぐさまトンネルに飛び込んだ2輌は、その先に戦車がいないことを確認すると全力でトンネルを走り抜けた。

 まほはトンネルの入ってきた道に視線を送る。

 ポルシェティーガーの巨体がズッシリと立ちふさがり道を塞ぐのが視認できた。

 

(蓋をされたか……)

 

 あれでは仮にポルシェティーガーを破壊できても回収車が来るまで増援は立ち往生するだろう。

 

 

 

 情けない、まほはもういっそ笑い出したくなった。

 情報を全て知られていたとはいえ、やることなすこと何もかもみほに先を越されてしまった。

 

(負けだなこれは)

 

 もう誰がなんと言おうとまほはみほに負けた。

 自分自身がそう感じてしまった。

 情けない。 嫌になってくる。

 必死こいて今まで修練を積んできたのはなんだったのか。

 

(あぁ負けたよ、勝負には負けた)

 

 まほは自嘲するようなため息をついてから……パチンっと自分の両頬を叩いた。

 

(だがまだ試合には負けてない)

 

 そうだ。 まほはまだ負けてない。

 確かに8輌しかいない学校相手に散々に翻弄されていいとこ無しという醜態だが、まだ試合には負けてない。

 今から始まるのは、逃げ場のない2対2の空間での、邪魔の入らない決闘だ。

 互角、否、戦車の性能でいうと未だ有利だというから笑えてくる。

 

「隊長」

「なんだ、エリカ」

「私、隊長についてきてよかったです。 みほとエミが向こうで仲良くしてたのは羨ましいし嫉妬してましたけど、こうして隊長と肩を並べて戦える経験を積めたから悔しくはなかったです。 ありがとうございます」

 

 エリカの言葉に、まほは柔らかく微笑んだ。

 せめて、悔いを残さないようにしてあげたい。

 

 

 

 

 

 

 

 まほとエリカが駆け込んだ閉鎖された広場。

 そこには大洗チームの2輌が先に足を止めてこちらを待ち構えていた。

 無線からは大洗チームの残っていた4輌が破壊されたこと、路が塞がれて通れないことが告げられている。

 通信を切った。

 

 ストンッと、黒い影が降ってきた。

 エミだ。

 おそらく今回の戦いで最も黒森峰を苦しませたであろう人型偵察機。

 彼女がポンポンっと跳ねて38tのキューポラからは車内に滑り込み……すぐに引きずり出された。

 

「痛い痛い!何するんですか桃ちゃん先輩!」

「桃ちゃん言うな!! ここはお前が出る空気だろうが!」

 そのままぴょこんと、小さな背丈ゆえ頭しかキューポラからのぞけないエミがこちらを見て、こほんと一つ咳払いをした。

 

 まほが、みほが、エリカが、エミが、顔を見合わせる。

 

 

 

「みほ、この勝負は私の負けだ」

 

 まずまほが口を開いた。

 

「これだけの戦力差でありながらここまで追い詰められてしまった。 情けない限りだ、穴があったら入りたい」

  「お姉ちゃん……」

「だがまだだ! まだ試合は終わってない!! みほ、今この瞬間は、各々が持ちうる力こそが全てだ!! 私を、超えてみせろ!!」

「──!!」

 

「みほ、あんたにはとことんヤラレっぱなしだったわね」

 

 エリカが、言葉を紡ぐ。

 

「私は1人だけ置いてけぼりにされるわ電話はカットされるわ試合ではボコボコにされるわ……」

「……」

「でも、いいわ、今勝てばいい。 黒森峰と大洗の戦いでは負けたけど……この戦いで、どちらが本物なのか、分かる気がする。 あんたたちを倒して、最後に私たちが勝ち残った、その時に!」

 

 エミが口を開いた。

 

「言葉などもはや意味をなさない」

「うん」

 

 みほが答えた。

 

 

 

 『Panzer vor!』

 

 最終決戦、開始

 

 

 

 

 

 

 

「バッカお前天翔お前ほんっとバカだな!! ここはおまえが車長として出張る場面だろーが!!」

「だって私が指揮したら3秒で撃破されるよ、桃ちゃん先輩おーねがい」

「桃ちゃんゆーなー!!」

 

 緊張感は少し足りなかった。

 




おまけでifルートとか書いたら需要あるのかな、その時はちゃんと作者ページに跳べるようにしないとね

ところで評価よろしくって催促するのは女々か?
女々しくてもいいから評価してくだち。

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