俺はみほエリが見たかっただけなのに   作:車輪(元新作)

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菩隈さんからいただいたエミリカス斥候ver設定画
本当にありがとうございます


Hopes and Panzer's★

みそあ

ほれあ

エに・

リし・

がて・

欲も!

し  

い  

・  

・  

・  

!  

 

 

 

「……」

「おおーいエミリちゃん、頼まれてたもの持ってきたよー」

「あっ、ツチヤさん……あの、今何か聞こえませんでした?みほがなんとかって」

「へ? 聞かないけど」

「ですよね、すいません」

 

電話を終えた俺は突然脳裏に響いた声に困惑し、思わずツチヤさんの前でみほエリ、なんていいかけてしまったことに内心動揺していた。

 

(一晩我慢しただけでこれか)

 

そう、昨日の夜断髪した時に俺は迂闊にも、今だけはみほエリを捨てる的なことをみぽりんに口走っていた。

今、生涯をみほエリに捧げるというゲッシュを破った反動で、俺の中に潜むみほエリを求める魔物が騒ぎ出してしまっている……!

 

順を持って説明すると、俺はこの世界に来て中学一年生になってからは毎日過剰なほどのみほエリウム*1を補給することができていた

それの供給を絶たれた例の引越し以降慢性的みほエリウム不足に陥り、それを補うために俺は常に脳内でみほエリ妄想を生み出し続けることでなんとか耐えてきたのだ。

 

まあ、つまり、早い話が供給不足である。

みほエリ欲しい、みほエリないの?早くして。

昨日からわずかたりともみほエリ妄想を摂取していなかったせいで早速こんな具合である、これは試合にも影響があるのでは?エミリは訝しんだ。

 

『みほエリ……! みほエリ……!』

(ぐっ、また聞こえた…! 今度は聞き間違いじゃない………!)

 

こうなってしまったらもうみほエリ妄想で脳内を埋め尽くして三十分はじっとしていないと治らなくなってしまう。

しかし当然そんな暇はないのでなんとか衝動を飲み下して、俺はツチヤさんからワイヤーロープ付きの大きな鉄板を受け取った。

 

「どれどれ……うん、確かに注文通りの品です、ありがとうございます、お忙しい中」

「いいっていいって! 普段から力仕事手伝ってもらってたし。 でも本当にいいの?20キロ近くあるよ?」

「この程度軽いもんです」

 

湾曲した大楯のような鉄塊を受け取った俺はそいつを腰部ハンガーに取り付けた。

このハンガー付きベルトも自動車部の面々に作ってもらった装備で、クッソ重い物体を取り付けてもしっかり揺らさず固定してくれる逸品だ、また今度なんかいいものを差し入れしよう。

 

「さて、そろそろ試合開始だね、行かないと」

「そうですね。 うーん、こいつは骨が折れそうだ」

「物理的に折らないようにね、みんな心配してるよ、エミリちゃんは無茶をしすぎだって」

「無茶したつもりはないけどいつの間にか、こう、ね」

「うーん不安だなー……ダメだと思ったら逃げるんだよ」

「はい」

 

ダメだと思ったら逃げるんだよって戦車道で発していいセリフじゃないと思うんですけど……いや言うか、普通に。

たとえばセンチュリオンにCV33でご対面した時とか、無論逃げるのはセンチュリオンだ(ドリタン感

 

ツチヤさんと一緒に試合前の挨拶を行う平原に向かう。

しかし、無駄に広いな、ここ。

暫く歩くうちにメンバーが集合している場所にたどり着く。

もうちょっとこう……目印のある場所というかそういう手心を……

 

「あ、来た来た」

「天翔殿っ。 西住殿がお待ちですよ」

「へ?」

 

益体も無い事を考えていたら不意にそんなことを言われて、顔を上げると秋山殿が俺の手をキュッと握り引っ張っていく。

やぁらかぁーい……いやそうじゃなくて何で手を握られてるです(略してISTD)!?

は、はわわわわわわわわなんか心不全がおきそうなんですけぉ!?

 

「西住殿!」

「ありがとう、優花里さん! さぁ、エミリちゃん行こう!」

「え?行こうって何? え?」

「試合前に、ささっと謝っておこう! 私も一緒に行くよ!」

「?????????????????」

 

早くない?????? 待って??????

え、ちょ、まさか試合前のアイサツのタイミングでもう愛里寿と会うの?

まままままままってこころのじゅんびががががががががががが、い、いかんれれれれいせいになれ俺!

そ、そうだよな、謝るのは早い方がいいよな!

みぽりんやエリカは頑張って謝ったぞ!

自分の番になったら拒否するとはあかんやろ、頑張れ天翔エミリ30超えJK!

 

ガタガタと震える歯の根を必死に押さえ込みながらみぽりんに引っ張られていく。

そしてろくに歩かないうちに、愛里寿の元へとたどり着いた。

 

「さ、エミリちゃん」

「あ、あぁ」

「……」

 

愛里寿のガラス玉のような目がこちらを見据えている。

え、怖い……怖くない?

さながら蛇に睨まれた蛙のように、エピオンに張り付かれたケルディムのように俺の頭の中は完全に真っ白になった。

でもあかんやろ、何か言わなくちゃ! 地雷は踏まないであろう何か!! ナニカ!!!

 

「愛里寿、その……えーと……」

「無理しなくてもいいよ、エミリ」

 

アイエ?

 

「時間がないときに何か言おうとしても混乱しちゃうよ。 だから今はいい」

「え、えーと」

「コレ終わったらたくさん時間はあるよ。 ……いくらでも。 だから、後のことは後で話そうね」

 

ニコリと笑った愛里寿は、俺を諭すようにそう言った。

 

「え、えーと、コレっていうのは……」

「ん? この茶番劇のことだよ」

「なっ……」

「だって、そうでしょ?30対8の殲滅戦なんて。 試合じゃなくて、コレは見せしめだよ。大洗の人たち、かわいそうだね。 でも私も大変なんだよ、エミリ。 こんな試合受けちゃったせいで、世間から色々言われてるの。 なにも知らないくせに、ね」

「お、おう……」

 

絶句するみぽりんを他所に俺に朗らかな笑顔のまま語る愛里寿。

なんだろう、この、なに?素の愛里寿でも仮面愛里寿でもないこの、なに?

あ、これ怒ってるわ(確信)。 ていうか言外に俺が養子入り断ったからこんなことになったんやで(憤怒)みたいな感じで怒り狂ってる。

アイエエエエエ恐怖……しめやかに失禁しないのはカケラ程度に残ったプライド、ではなくそんなことしたら人としてアウトだからである。

そしたらもうみほとエリカの前に顔だせんからね……ってそんなこと考えてる場合じゃねーぞホイ!

 

「そ、その、愛里寿、本当に私のせいで、迷惑をかけて……」

「迷惑なんかじゃないよ。 少し面倒なだけ。 ……でもね、エミリ。 一つだけ、心の準備はしておいて」

「う、うん?」

「試合が終わったら、大洗学園艦はなくなっちゃう。 そしたら、エミリは帰る場所がなくなっちゃう。 ……そしたら私が、引き取ってあげるからね」

「あ、それは……」

「ね?」

「……うん」

『両チームの隊長、試合前の挨拶を行ないます、来てください!』

「……じゃあ、行こうか」

「」

 

……はい、押し切られました、ごめんなさい。

いやまあ引き取る云々は置いといて、13歳に圧倒される三十路って……生きてて恥ずかしくないのか……

 

「ごめん、みほ、私結局なにも……」

「……」

「……みほ、みほ?」

 

とにかく無様を晒してしまい気遣いを無下にしてしまったことをみぽりんに謝罪する。

しかし返事がないので見上げてみると、なんだか顔色が悪く、しかも何か考え込んでいる。

あ、我しってる、これこの後やばいことが起きる奴だ、みぽりんの悪い予感は当たる(経験則

 

「……エミリちゃん、ごめん。 私、仲直りのこと気軽に考えてたけど……その……笑顔のまま終われる解決法が全然見えない」

「ほんとやめてくれみほ頼むから」

 

だから、みぽりんがそういうこと言っちゃダメでしょーが!! やめてハラワタぶちまけそう! あっ

 

……セーフ、飲み込んだ。

 


 

「それではこれより、大学選抜チーム 対 大洗女子学園の試合を始めます!」

 

ついにこの時が来たか……

愛里寿ショックから立ち直る時間もないまま俺は他チームメイトが集まっていた場所へと戻り、審判たちの前で向かい合うみほと愛里寿を眺めていた。

 

そうだ、ついに始まるのだ……

劇場版ガールズ&パンツァーの最大のメインイベント、大学選抜チーム戦が……俺の、ガバのせいで……ウゴゴゴ

 

30vs8、まあ、もちろんこのまま始まったら勝てるわけのない戦いだ。

というかそもそも、愛里寿が言っていたようにコレは戦いですらない、まさしく見せしめ。

事実世間からは文科省に対して凄まじい勢いで非難の声が浴びせかけられておりその対応でてんやわんやだとか。

それでもなお強行するあたり、何としても大洗学園艦を廃校にしたいんだろうなあ、大人って大変。

 

だけど、もちろん、このまま踏みにじられるわけでは終わらないのだ。

なぜならみぽりんには、たくさんの友達がいるから、な。

 

「両者、礼!」

『……よろしくお願いし』

『待ったぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!』

 

うぉ!? すげえ音量……調整ミスかな?

なんか思ってたよりもだいぶ凄まじい爆音が鳴り響いた。

俺も周りの面子もおもわず耳を塞いで何事かとその方向へと目を向けると……

 

「あれは……黒森峰の戦車」

「ティーガーⅠ……」

「まほ隊長のだな、ていうか顔だしてるし」

 

そう、そこにはキュラキュラとキャタピラを走らせながらこちらへと向かってくる黒森峰カラーの戦車部隊があったのだ!(知ってた

片耳を塞ぎながらメガホンを睨みつけているあたりやっぱり調整ミスったくさい、あれ、あの人こんなにお茶目だっけ……?

 

「お姉ちゃん、なんで」

「驚かせてすまなかったな、みほ」

 

そのままみほのそばに戦車をつけた黒森峰の一団は、戦車から降りてみほへと駆け寄った。

しかし、その身に纏うは大洗の制服。

すなわち、それは……

 

「遅れてしまって申し訳ない、大洗女子学園所属、三年、西住まほ、増援に駆けつけた」

「同じく、大洗女子学園所属、逸見エリカ!」

「同じく、大洗女子学園所属、赤星小梅!」

 

その後もぞろぞろと降りてきた面子がピシリと敬礼をする。

うーん、かっこいいぜ。

事態が飲み込めず呆然とする面子をよそに、流石に挨拶しておくかと俺は一人旧友たちに歩み寄る。

 

「おーみんな、ひさしぶり」

「あ、エミリちゃん!」

 

かつて同じ戦車に乗り込んでいたいつめん10人たちが俺に駆け寄ってきて、似合う?似合う?みたいなこと言いながら大洗の制服を見せつけてくる。

眼福だね……ピロシキ案件では?

 

「エミリ」

「あ、まほ隊長。 ずいぶん派手に登場しましたね」

「実は間に合うかどうかの瀬戸際だったんだ」

「え〜本当ですか?」

「ふふ、本当だ……エミリ」

 

そこまで言ったところで、なぜかまほ隊長はがしりと、俺の手を握ってきた。

え、な、なに?

 

「かつて、私は隊長という立場でありながら、君を守ることができなかった。 自らの不甲斐なさに呆れ果てた。 その上、後のことで君に散々助けられて……思えば、先輩らしいことをなにもしてあげられなかったな」

「いや、そんなことは」

「だから、約束しよう。 今日の試合、たとえなにがあろうと、西住まほの名にかけて君を守ろう。 存分に頼ってくれ」

 

イケメンかよ……

俺の目を見つめてそんなことを言ってくるまぽりんに、内心罪悪感が滲み出てきた。

拙者普段から欲望のままに生きてるからそういう真摯な態度で謝られたりすると普通に気まずい……

 

「エミリ、なんだか大変なことになっちゃったわね」

「おお、エリカもありがとうな」

「いいのよ。 ていうか、みほばっかに任せてたら不安だからね。 なんせ夢中になったら目の前のことしか見えない猪突猛進タイプだし」

「ひどいよエリカさん!」

 

あっ、たったいまみほエリウム摂取したわ(恍惚

さっきまで漂っていたどんよりとした空気は一気に吹き飛び、みぽりんもまほ隊長やエリカに声をかけられて一気に気分が回復したようだ。

 

『ちょっとちょっとーー!まだ本番はこれからだよーー!』

 

しかもそう、これだけじゃないのだ。

再び声が響いた方へと視線を向ければ、サンダースの戦車部隊が、プラウダの部隊が、聖グロが、知波単が、アンツィオが、そしてなぜか継続までもが勢ぞろいしているじゃないか!(知ってた

 

『今から私たちもチームメイトだから!』

『もう、一番乗り逃しちゃったじゃない!』

『やっぱり試合にはいつのもタンクジャケットで挑みますか……奴と一緒の制服なのは気に入らないものね、気に入らないものね!!』

『大洗諸君、ノリと勢いとパスタの国からドゥーチェ参戦だ! 恐れ入れ!!』

『今日はみなさん、継続高校から転校してきました!』

『お待たせしました!昨日の敵は今日の盟友!!』

 

「……みほ、いい友達もったな」

「……うん!」

 

涙ぐみながらそれに両手を振って答えるみぽりんをみて、幸せな気分に浸るとともになんというか罪悪感が込み上げてくる。

俺場違いじゃない?ここにいていいの?この名シーンに混じっていい存在じゃなくない?

いや!今はそういうの忘れよう、俺も今はこの連合チームの一員なんだから!!

 

「異議を唱えられるのは相手チームだけです」

 

おっ。 どうやら後ろでは例の悪役メガネ兄貴の苦情をサラリと流して愛里寿に意見を求めるところらしい。

さて、あとは愛里寿がこの急な増援を承認するかどうかだが……おそらく飲むはずだ、愛里寿にも選抜チームの看板としての世間体とかの面で流石にこれは拒否できないはずだ。

まさか、まさか俺が原因でこれを拒否するなんてことは、ことは、ことははははははははははは!!

 

『これでもう、負けた言い訳もできないね』

「……我々は構いません」

 

勝った!!!!第3部完!!!!

内心竜巻スピンガッツポーズを決めながら、その条件を飲んでくれた愛里寿に感謝の意を込めて軽く頭を下げる。

 

 

 

……ところで突然だが俺は耳がいい。

触覚や味覚がやや鈍かった俺はしかし視力や聴力に関しては一般平均よりも結構優れていたりするのだ。

え?なんでそんなことをいきなり言うかって?

……深く詮索しない方が身のためだ。

 

「……ところでエミリ、ずっと気になってたんだがその髪は……」

「あ、イメチェンです」

「イメチェンか」

「はい」

 

やめてみぽりんジト目で俺をみないで、あぁ! エリカに耳打ちしないで!

 

 

 

さて、お互いのチームが拠点へと赴き作戦会議のお時間である。

作戦立案に関しては他の追随を許さぬほどのポンコツさを誇る俺は、とりあえず長旅をしてきたアンツィオのCV33の最終メンテのお手伝いでもしておこうとそちらへ足を向けて。

 

「少しいいかい? 君が、天翔エミリだね」

「へ?」

 

振り向くと、ミカがいた。

……え、なんで?

 

「ふんふん、へぇ……ふふ、なるほど」

「え、はい、なんですか?」

「……ひとつお願いがあるんだ。 コレを貸してあげよう」

 

そう言ってミカが手渡してきたこれは……なに?これ

 

「これは指向性マイク。 これを使って一つ、仕事をこなして欲しいのさ。 できるだろう? 『島田の養子の話を持ちかけられるほど』らしいじゃないか」

 

……

 

……

 

……なんで????

 

*1
みほとエリカがイチャイチャする際放出されるみほエリストの必須栄養素




「ガルパン推し百合カプ三銃士を連れてきたよ」
「ガルパン推し百合カプ三銃士!?」
「体格差に反して実は主導権はカチューシャ、に見せかけてやっぱりノンナ、ノンカチュ」『変態からシリアスまで幅広い』
「王道中の王道、公式からの供給過多でamsから光が逆流するみほゆか」『名前で呼び合ってるのほんと尊い』
「マイナーとか言った奴表出ろ、まほミカ」『言うほどマイナーではない』

いまからエミリカスにこのどれか一つを選んでもらい、残り二つを捨ててもらう
エミリカスはどうなる?
1.エラーが起きて死ぬ
2.死んだ方がマシだと首を切って死ぬ
3.死ぬ
※回答は胸の内に秘めておきましょう
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