怠け者の迷宮ライフ   作:水上竜華

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……なんか、原作が、というより原作者がヤバい
あの人、ダンマチのコンテンツで書籍以外で何本書き下ろすつもりだよ、神か!(褒め言葉
お陰で筆が進みまくりよ!!

……えー、本題に入らせていただきます。
まず、原作十五巻でリューさんのダンジョンデビューがいつなのか判明しました。
少し悩んだのですが、話の進行的に問題ないと判断し、この作品の時系列を二大ファミリア解散から五年後から七年後へと変更します。
作者の自己満足に近いようなものですが、なるべく原作遵守の姿勢を貫きたいのでこういう対応を取らせていただきます。
色々とめんどくさい作者で申し訳ない(





第十六話 怠け者、顔に出さず。

 

 

 

 

「""黒霧""について、ですか?」

 

「ああ、最近上層で頻繁に出るって噂の""黒霧""だ。アンタは見たことあるかい?」

 

 ゲブの付き添いで【アストレア・ファミリア】に来ていたヴァンは、主神同士が話をしている間、客人用に出された茶菓子を食べながらリビングでライラと共に恒例の報告会を行っていた。

 大体の情報は予め紙にしたためて提出するため、報酬の受け渡しはすぐに終わったのだが、こうして人目を憚れずに話し合いができる機会があるとこれから調べてほしい情報について提案されることがあり、今まさにライラからそれに関連した話をされていた。

 話題に上がった""黒霧""。

 突如としてダンジョンで発生したと言われるその現象は目撃者達の証言を基に、そう名付けられた。

 未だに原因不明で、ギルドや正義感の強い【ファミリア】、大手の【ファミリア】、そしてもっとも痛手を食らっている闇派閥(イヴィルス)もその正体を暴くために動いているらしい。

 

 その正体は彼女の目の前にいるヴァンなのだが、バレていないのであれば態々教える必要もあるまい。

 ヴァンは当たり障りのない返答をする。

 

「まあ、偶然ですけど。」

 

「へぇー。じゃあ、()はデマなのかねぇー。」

 

 ヴァンの様子をじっと見つめた後、ライラは背中をソファーに預けるとそう言う。

 

「んー?なになにー?二人で何の話してるの?」

 

 リビングの出入り口から首をヒョッコリと出した赤髪のポニーテールの少女が会話に入り込んだ。

 

「おー、アリーゼ。""黒霧""だよ、あの有り難いんだが迷惑だかよく分からん、アレ。」

 

「あー、アレねー。」

 

 ロニーの一件以降、関係が希薄になっていたアリーゼとヴァンだったが、特別仲が悪くなったわけでもなく、今でもお節介をかけたり、かけられたりしている。

 アリーゼはリビングに入ると、うんうん、と頷きながら""黒霧""について語る。

 

「ちょっとやり過ぎな気はするけど、正体が分からない以上こちらから接触することもできないんだよね。まあ、""黒霧""は人間である可能性が高いってことで皆で探してる訳だけどあんまり成果もないし、ホントに困ったちゃんだよ、""黒霧""は。」

 

「……""黒霧""は人なんですか?ダンジョンのギミックとかじゃなくて?」

 

「最初はそっちの方面で考えてたけど、最近じゃこっちの説の方が信憑性が高くなってるな。一応、根拠はあるんだぜ。」

 

 さも、そう信じている風にヴァンは世間一般の""黒霧""に対する見方を出すが、ライラは間も開けずにそれを否定し、その根拠を述べる。

 

「まず、第一にダンジョンのギミックだったとして、それにまつわる情報が過去の歴史の中に全くないってのがおかしい。」

 

 数百年もの間に集まったダンジョンで生まれたモンスターや、階層に関する事柄、手に入るドロップアイテムなどの情報はダンジョンの管理者であるギルドに書面として保管されている。

 調査に協力してくれたギルドによると過去、ダンジョンにて同様の騒動が起こされた記録がないことからダンジョン特有のギミック、もしくはそういった能力を持つモンスターがいるという仮説は非常に信憑性がないと判断されたらしい。

 

「流石に誕生してから一度も起きてないイレギュラーだったら、どうしようもないけど最近になって状況が変わったのさ。」

 

 それが二つ目の根拠。

 ""黒霧""には意志がある、ということだ。

 ヴァンは内心、ビビりながらもどこが判断材料になったのか。それを彼女達に問う。

 

「なぜそう思うんですか?わりと無差別に発生しているようにも見えますけど。」

 

「そうでもないんだなー、これが。」

 

 ライラはチッチッチッ、と舌を鳴らしながら指を振る。

 

「アタシラが手に入れた情報によると、10ヶ月くらい前に出現した""黒霧""はとある時を境に姿を消し、ここ数週間でまた頻繁に出るようになった。……五階層から九階層の間にかけてね。」

 

 少し間を開けて、ライラは核心に迫る。

 

「ここからが重要で、再び現れた""黒霧""は人を殺したのさ。明らかに明確な意思を持ってね。」

 

 ライラに続き、アリーゼが言葉を紡ぐ。

 

「""黒霧""に襲われたと思われる闇派閥(イヴィルス)の上級冒険者達が軒並み脳ミソを抉られて殺されてたの。」

 

 モンスターによって付けられた傷もあったのだが、遺体を調べた結果、直接的な死因は鋭利な刃物による頭部の激しい損傷だったらしい。

 あまりにも徹底して上級冒険者でも弱点足りうる眼球を執拗に攻撃し、確実に相手を殺そうとする""黒霧""の意思を、彼女達は遺体を通じて感じ取ったのだ。

 ちなみにLv.1の構成員はモンスターに食い殺されているか、保護され言葉通り(・・・・)、死んだように生きている。

 ""黒霧""の正体がモンスターなのであれば、闇派閥(イヴィルス)の構成員であるか、そして、上級冒険者であるかいなかなど判断せずにもっと無差別に冒険者達が殺されているはずだ。

 そう考えた時点で彼女らの中からダンジョンのギミック説はほぼ消え去った。

 

「もちろん、闇派閥(イヴィルス)以外にも被害者はいるけどその数はあまり多くないわ。」

 

 殺されたのはあくまで闇派閥(イヴィルス)の主戦力になりうる人材のみ。

 こうなってくると他の被害者達はただ単に運悪く巻き込まれただけなのではないか。

 そう言う風に考えることもできる。

 

「行動範囲が狭すぎるからフェイクなんじゃないかって声も出たけど、色んな【ファミリア】の人達とも話し合いをした結果、""黒霧""の正体はヴァンと同じ下級冒険者である可能性が高いって結論がでたんだよ。」

 

 ……この人達、本当は俺が""黒霧""だって気が付いているんじゃなかろうか。

 ヴァンは真面目にそう思った。

 

 やはり直接手を出したのは不味かったのだろうか?

 いや、格上の相手は確実に殺せるときに殺した方が良いに決まっている。

 下級冒険者を殺さなかったのは、時間の問題もあったし、生き残っても使い物に(・・・・)ならない(・・・・)ことが分かっていたから放置していたのだ。

 自分の判断に間違いはないはず。

 ……少なからず、調子に乗って狩りすぎた気もしなくはないが、とヴァンは表情を一切変化させることなく思考の海に浸っていた。

 

「動機は分からないけど少なくとも、""黒霧""は闇派閥(イヴィルス)に何らかの因縁がある人物で私達の敵じゃないっていうのが私達の見解なの。」

 

 確かに敵ではない。

 だってその人、あなた達の庇護下に入る気満々ですもん。

 ヴァンは心の中でつぶやく。

 

「味方かは判断しかねるけどな。まだ、十数人とはいえ普通の冒険者達にも被害が出てるし。」

 

 いくらヴァンの索敵能力が高くとも、遠距離からの魔法制御に関してはまだまだ粗のあるヴァンでは関係のない冒険者を巻き込まないように調整するのは難しく、時折予期せぬ被害者が出ていることは知っていた。

 ""黒霧""はよくも悪くも有名だ。

 それに関する噂も普通に暮らしていれば、道行く人々から自然と入ってくる。

 自分の魔法を食らった人間がどうなるのかも、知っていた。

 

 

 それでも、ヴァンはこの魔法を使い続ける。

 

 

 名前も顔も知らない被害者の冒険者達のことなど知らん。

 ダンジョンでの狩りも続けるつもりだ。

 この話を聞いてからやめたら、自分が疑われることは想像に固くない。

 というか、絶対に容疑者の一人に数えられてるに決まってる。

 ならば、ほどほどに続けていき、徐々に姿を消していくことがこの状況下での最適解だろう。……たぶん。

 若干、自信なさげにヴァンは自分の行動方針を固めた。

 

 ……最後にヴァンは一つ、これだけは聞かねばならぬと少し興味が出た風を装って、質問する。

 

「もし、見つけたらどうするんですか?」

 

「んー、ちょっとお話(・・)して今後について話し合う感じかな?なるべく、手荒な真似はしたくないんだけどねー。」

 

「ま、最低限の落とし前はつけてもらわなくちゃな。」

 

 作り笑いを浮かべるアリーゼに悪い笑顔を浮かべるライラ。

 二つの笑みを見たヴァンは面倒な相手に目を付けられた哀れな""黒霧""に同情するように見せかけながら、絶対に隠し通さねばっ、と人知れず決意していた。

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

「……で、どう思うよ、我らが団長さんよ。」

 

 ヴァンがゲブと共にホームへと帰り、ホームに身内だけしかいない状態になるとライラはアリーゼに問いかける。

 アリーゼは腕を組むとムー、と考え込み、しばらくしてからこう告げた。

 

「確定じゃなくても、黒よりの灰色かな?」

 

「それ、ほぼ確定じゃね?」

 

「そうとも言うわ!」

 

 えっへん、と胸を張りながら、アリーゼは自信満々な様子を見せる。

 

「アタシはさっぱりだね。アイツ、全然顔に出さねぇし、自然体過ぎなんだよ。」

 

 ライラにとってヴァンはいつもただ眠そうな顔をしていて、何を考えているのか分からない。そんな印象を持った人物だった。

 かと言って全くの無感情でもなく、驚くときには驚くし、嫌なときには表情を歪めることだってある。

 ただ生来の気質のお陰というか、所為と言うべきか、意図的に感情を隠すことになまじ()けており、真実を隠すのが上手いのだ。

 事実、今回の話をしてもヴァンは表面上、決定的なポカをやらかすことなく切り抜けている。

 

 しかし、アリーゼからしてみれば怪しさが深まったらしい。

 

「まあ、態度には出てないけど、色々と違和感があったわ。」

 

「ほう、例えば?」

 

「自分に関係のないはずの""黒霧""の処分を聞いてきた所かな?」

 

「……あー、なるほど。」

 

 ライラも気づいたのか、アリーゼの意見に共感した。

 

「確かにアイツ、そんなことに興味示すようなタマじゃねぇしな。」

 

「むしろ、どうでもいいと思ってても不思議じゃないしね。」

 

 ヴァンはとことん自分が関わらない事柄について無関心である。

 その気性を考えれば、わざわざ興味のない話を自分から聞きにいくのは普段の彼からは想像ができない。

 確実な証拠とはなり得なくとも、ヴァンが""黒霧""に関して何かしら関与している可能性が高くなった。

 

 

 【アストレア・ファミリア】の中では""黒霧""の正体はヴァンなのではないかと、疑われている。

 

 

 オラリオに来た時期、ダンジョン探索の進行状況、そして、本人が好みそうもない装備を進んで身に付けていることや、その理由が彼女達の知らない彼のスキルにあることを当の本人が失言したことを加味した結果である。

 状況下証拠的にはヴァンは確実に""黒霧""だと思われるのだが、とある情報によりその判断に待ったがかけられていた。

 それは、ロニーのことである。

 

 ロニーはヴァンの用いる魔法で行動不能にさせられていた。

 これは現場で自暴自棄になっていた本人が口にしていたので間違いないだろう。

 ヴァンが件の""黒霧""であれば、ロニーに用いた魔法も同一のモノであると考えられるのだが、ロニーは他の被害者達とは異なり普通に生活が出来ている。

 ロニーが例外である可能性もあるのだが、それを証明することもできない。

 

 論争をした結果、あくまで候補止まりとして経過観測をすることになったのだ。 

 

「アストレア様に聞いてもらえば早いと思ったんだけどねー。」

 

 愚痴るようにそう言うアリーゼ。

 もし、ヴァンが""黒霧""だった場合、早めに対処をしておかねば、周囲にとっても、そしてなによりも彼にとって面倒なことになるのは間違いない。

 彼女らは自体の早期解決に向け、手段を選んでいなかった。

 下界の住人(子供)の嘘を見抜くことができる自分達の主神、アストレアに協力してもらい、ヴァンから言質を取ろうとしたのだ。

 しかし、結果は(かんば)しくなかった。

 

「上手い具合に躱されたらしいからな。」

 

 世間話の中で冗談混じりに「貴方、噂の""黒霧""さんなんじゃないの?」と主神が聞いたところ、

 

「アストレア様も冗談なんて言うんですねー」

 

 と、言われたらしい。

 別に嘘は言ってはいない。まともに返していないだけ。

 それ以上の追求は本人を刺激するだけなので、そのまま雑談を終えたということだ。

 神から真実を隠す方法は無いわけでもない。

 質問にもよるがあくまで真実さえ言わなければバレはしないわけで、返答に気を付ければどうにかなってしまうのだ。

 

「とにかく、ヴァンのことは先方(・・)から情報が入るまでは置いときましょ。今のオラリオには""黒霧""以外にも厄介事の種なんて山ほどあるんだから。」

 

 極東のことわざに「餅は餅屋に」というものがあるように、そもそも素性が知れないヴァンの身辺調査などは実行部隊である自分達ではなく本業の情報屋の仕事だ。

 時間はかかるだろうが、今は待つしかない。

 

「まあ、あちらさんも他のことで忙しそうだし、気長に待つとするか~。」

 

 その場で解散すると彼女達はそれぞれ自分の仕事に移るのであった。

 

 

 

 

 

◇◆

 

 

 

 

 

 ヴァンが【アストレア・ファミリア】を訪ねてから、一週間が経ったある日、ヴァンとその専属鍛冶師のジュリは共にダンジョンへと潜っていた。

 

「ヴァァンよ、我が肉体に宿りし天上の血脈を分け与えられた盟友(たち)が帰還しつつある。しかし、アヤツらの魂の穢れは未だ完全に祓われてはおらん。貴様には今しばらく、我の血の晩餐に付き合ってもらおう。」

 

「……えー、と。うん、大体ワカッタ。」

 

 ヴァンはジュリの話の内容をある程度理解しつつ、最後は考えるのをやめ、適当に返した。

 

「フッ、分かればよいのだ。」

 

 そんなことなどつゆ知らず、気分をよくしたジュリは綺麗な灰色の髪を払いながらそう言い放つ。

 ヴァンの翻訳によると「怪我をした同僚達がそろそろ戻ってきそうだけど、なんやかんやあってまだ来れそうもないから、しばらくは今までと同じ感じでよろしくね!」と、まあ同僚がなぜ戻ってこれないのかは分からなかったが、重要な部分はほぼ完璧に理解しているので問題はない。

 変に重い話をされても困るだけなので、問いただす必要などないのだ。

 

 今ではだいぶ様になったパーティーでの戦闘をこなしながら十階層の白い霧の中を進む真っ黒な二人。

 二人で報酬は分散するものの、初日以降戦闘や探索方針を効率化したため、ソロで活動していた時よりも稼ぎは着実に増えていた。

 しばらくはジュリと一緒に行動できるためいいのだが、彼の同僚が戻った時、また自分はソロだけの活動が主になってしまう。

 ヴァンは真剣にサポーターを雇うことを考え始めた。

 

 サポーターとは以前、ヴァンがロニーを自分と一緒に行動させるため使った、存在のことだ。

 戦闘センスやステイタス的な問題で戦うことのできない人間が就くような役柄であり、回復アイテムや武器の管理、ドロップアイテムの回収及び運搬などが主な仕事である。

 足手まとい、荷物運び、雑用係、役立たずなど、あまりよく言われない立ち位置だがその有用性を理解している一部の冒険者からは「最後の後衛」とまで表される重要な役割だ。

 

 ヴァンとしては荷物の管理ができる人間さえいればある程度の勝手が分かる十階層までは、自分の力量でどうにかなると考えている。

 だから、自分の魔法について口外しない人材さえいれば即採用したいのだが、そんな夢のような人材は中々いない。

 今のオラリオには所属していた【ファミリア】が壊滅して放浪していたり、親の冒険者がダンジョンで命を落とし孤児となったり、田舎から出てきたものの【ファミリア】に入ることが出来なかったり、などなど様々な理由でフリーのサポーターになる者がたくさんいる。

 その多くの者が同行する冒険者達から役立たずと冷遇され、満足に報酬を与えらることがなくその日暮らしの生活を余儀なくされている。

 その所為か、冒険者に復讐せんと詐欺師紛いのことをするサポーターが最近急増していた。

 長年サポーターをしている人間ほどその傾向にあり、十階層までついて来てくれるほどの人材自体がそもそも少なくのだ。

 

 面倒ではあるがいっそのこと、新しく団員を増やしてある程度の基本を叩き込んで無理やりつれていった方が良いのではないか。

 今、【ゲブ・ファミリア】はホームのローンの心配もなく、空き部屋もあり武器の貸し出しもヴァンの手持ちから出せばある。

 先輩からの指導もしてやらなくもないのでそんじょそこらの【ファミリア】よか、条件がいいと言っても過言ではない。

 今ならそれなりに人が集まるのではないか。

 

 ちなみにロニーを連れていくのは最終手段だ。

 最近ではだいぶましになったとはいえ、アレはサポーターには向いていない。

 アレは前衛で戦わせて真価を発揮するタイプなので自分の補佐として連れていき、その分の稼ぎを減らすのは下策と言ってもいい。

 今となってはロニーも【ゲブ・ファミリア】の稼ぎに貢献している人材である。

 腐らせるのは持ったいなさ過ぎる。

 ヴァンは今のロニーをそう評価していた。

 

 今更ながら以前ギルドのアドバイザーから送られた助言がヴァンの脳裏に浮かぶ。

 彼女が言っていたようにソロだと色々と限界がある。

 ジュリと共に行動するようになり、それを身をもって実感していたヴァンは今夜の食卓でこの事について相談しようと心に決めた。

 

 ヴァンがそんなことを考えていると、前方の方から悲鳴がするのを耳にする。

 あまり距離はなく、ヴァンほどの聴覚を持っていなくても聞こえるくらいの悲鳴で、助けを呼ぶ声も少し聞こえる。

 もちろん、ヴァンの横にいるジュリにも聞こえている。

 

「!?、ヴァァンよ!我が信念が告げている。今こそ、我らが矮小で偽善なる心を奮い立たせる時だと!!」

 

 ……なんとも面倒なことに同業者のピンチを知ると、助けに行こうとするのだ。

 前に一度、同じようなことがあり、その時助けたパーティーメンバーの只人(ヒューマン)の少女が颯爽と駆けつけたジュリに一目惚れし、その内面を知って一瞬で恋から覚めるという面白いことがあったりした。

 今回は野太い声しか今のとこ聞こえてこず、その声も減っていることを考えると全滅寸前か?とヴァンは分析する。

 あまり誉められたことではないが、もう少ししてから行った方が色々と揉めずに済むため、ヴァンとしては行きたくないのだがジュリは行く気満々である。

 下手に拒んで今後の関係を拗らせるよりも、相棒の機嫌取りのために自分は付いていくしか有るまい。

 

 ヴァンは心底めんどくさそうに溜め息をつくと、行くぞ、と言葉少なげに走り出す。

 ジュリはその返事を聞き、大層嬉しそうにその後ろを付いていった。

 

 

 

 







……ほんま、リューさん、なんで十一歳にオラリオ来るねん。
九歳でもええやんかぁぁぁあああ!!(作者の叫び
これを言いたいがために更新したと言っても過言ではない。


……いやー、これだから二次創作ってのは、楽しいんだよね!(情緒不安定


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