怠け者の迷宮ライフ   作:水上竜華

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今回は前回の続きです。
そんでもって唐突にボス戦です。

ああ、はやくアルゴノウト後編が見たい……。





第十七話 怠け者、爆発する。

 

 

 

 

 白い霧の壁を越え、二人は走る。

 悲鳴のもとまであと少しというところで、霧の先の景色が開けた。

 そこには血だらけで倒れている四人の男の冒険者達と、片膝を付き、杖を支えに震える深々とフードを被った魔導師らしき少女の姿が見える。

 少女の前には灰色で少しスリムな体型のオークらしき大型モンスターがおり、その手に持つ血で彩られた木の棍棒を少女に振り下ろさんとしていた。

 

 その姿をとらえた瞬間、ジュリは背にしていた弓を取りだし、流れる動作で矢をつがえ、速射。

 漆黒の矢は狙い通り灰色のオークの右目へ目掛けて飛んでいく。

 愚鈍なオークであれば完全に避けることの出来るはずがない一矢。

 

 だが、驚くほど速く、それは動いてみせた。

 

 背中を後ろに反らすように頭部へと迫る矢を避けた灰色のオークは迫り来るヴァン達を視界に入れた後、逃げようとした目の前の少女の片足を踏み潰す。

 少女の口から小さい悲鳴が漏れる。

 

 その悲鳴を聞き、オークの口角が上げた。

 まるで愉快そうに、下卑た笑みを浮かべている。

 機械的に人間を虐殺するモンスターにあるまじき顔にジュリは嫌悪感を抱いたが、ヴァンは冷静に状況を分析し、足を止めずに詠唱を始める。

 目の前にいるオークは今まで彼らが相対したモノと姿形だけでも異様な個体であり、ほぼ十中八九オークの強化種か稀にみる突然変異した個体なのだろう。

 しかし、このオークは根本的に他の個体と身に纏う空気が違う。

 そう肌で感じたヴァンは、始めから出し惜しみなしで行く。

 

「【レイズィペスト】」

 

 出来て当然のように並行詠唱を実行し、魔法を直ぐ様完成させると背中に背負った剣を抜き放ち、漆黒の霧を纏わせる。

 ヴァンは装いを黒くすると、走る勢いそのままでオークへと剣を振るう。

 

 少女の足を潰し、獲物の逃走手段を絶ったオークは少女を意識の外に置き、その巨体に似合わぬ軽やかなフットワークでヴァンの一撃を回避。

 ヴァンの魔法を警戒しているのか、剣を包む黒の魔力すら触れないように避けていた。

 続けざまに振るわれる斬撃も、時折飛んでくる黒い矢も、必要最低限の動きで避け続ける。

 反撃することなく回避を続けるオークは、どこか見下すような目でヴァン達が何をしてくるのか、観察していた。

 十数秒間、この状態は続き、先に動きを止めたのはヴァンだった。

 大振り気味に剣を横に一閃し、オークが後ろに下がったのと同時に距離を取り、一呼吸入れる。

 戦闘開始からずっと移動していた両者であったが、不思議と最初の位置からほとんど離れていない。

 考えられないが回避行動を取っていたオークによって、誘導されていたのだろう。

 

 魔法の維持にも精神力(マインド)を使うため、一回の戦闘にあまり時間をかけたくないのだが目の前のオーク相手にそんなことも言っていられなかった。

 明らかに階層に適していないポテンシャルに、伏兵を警戒できるほどの広い視野、上層でも高い知性を持つとされるインプなど目にならないくらいハッキリとした知性。

 これまで遭遇したことのないタイプのモンスターを前にヴァンは内心辟易しながらも、取り敢えず死にたくないので本気で戦うことにした。

 別にヴァンは今まで本気を出していなかったわけではない。

 ただ、多少の無茶(・・・・・)を許容する覚悟を決めただけである。

 

 とはいえ、むやみに突っ込んで勝てる相手ではない。

 

 確実な隙ができるまで、隠し玉はとっておかねばならない。

 しかし、時間を掛ければ他のモンスターが乱入してくる可能性も出てくる。

 そうなると手負いの冒険者がいる現状の戦力では敗戦濃厚、それはどうにかして避けたい。

 さて、どうしたものか、と考えていると今度は先にオークが動き出す。

 引き締まった筋肉を唸らせ、ヴァンへと突進を仕掛ける。

 風を切りながら、猛スピードで跳んでくるオークのことを真正面からいなせるほどヴァンの""(アビリティー)""は高くない。

 勢いのままに振り落とされる木の棍棒を""敏捷(アビリティー)""を全開にし、ギリギリで避ける。

 先程の様子とは一変し、攻勢に出たオークの攻撃を辛くも避け続けるヴァン。

 

 あまりにも力の差がありすぎる敵を前に、自身の霧を相手にピンポイントで纏わす余裕は今のヴァンにはなかった。

 かと言って、人目も憚らずに霧を使っても開けた空間の多い十階層では確実に相手を捉えられず、魔法の特性上、瞬時に行動不能に出来ないため霧の範囲外に逃げられてしまう可能性の方が高い。

 その隙に負傷者を置いて逃げてもいいが、万が一にも救援の冒険者が現れ、彼らが助け出されでもしたら間違いなく黒霧の正体はバレる。

 そうなればこの場を生き残ろうと、地獄街道まっしぐら。

 平穏とは程遠い、昼寝も出来ない騒動の日々にヴァンは投げ出されるだろう。

 あまりにも使ってもデメリットしかない状況下で、身に纏う霧を展開するのはハッキリ言って愚行だ。

 現状、ヴァンの魔法はただの目眩まし程度の効力しか発揮していない。

 もはや、精神力(マインド)の無駄使いをしているような状態である。

 

 故に、ヴァンは魔法を解除した。

 

 体を覆う霧は大気に溶けるように消え去り、黒装束を纏うヴァンの姿が現れる。

 オークは一瞬だけ怪訝な表情を見せるがすぐに余裕な表情へと戻し、その手に握る棍棒を振り回す。

 大気を削るように縦横無尽に振り回される棍棒をヴァンはひたすらに避けた。

 体から力を抜き、体勢を崩すように横一線の攻撃を避けた。

 体勢を低くし、滞空時間を少しでも減らしながら横に跳び、避けた。

 投擲用ナイフを投げながら相手の注意を引き、その隙を突いて避けた。

 

 しかし、ヴァンの変則的な避け方に対応し始めたオークの攻撃はより洗練されていき、ついに完全に避けきれないコースからの攻撃が繰り出される。

 

 下から掬い上げるように振るわれた強力な一撃。

 避けられないと悟ったヴァンは片手にしていた剣の刃の側面に手を添え、真正面から受ける。

 棍棒による一撃はヴァンが盾とした剣を軽々と打ち砕き、ヴァンの胴体へと直撃。

 その勢いのまま、数メートル先の壁の近くまでヴァンは吹き飛ばされる。

 

 並みの下級冒険者であれば臓器を潰され、血反吐を吐き、地に伏していただろう。

 しかし、ヴァンは生きて膝を付くだけに留まっていた。

 

 ヴァンが生き長らえているのは""偶然""ではなく、計算によって引き起こされた""必然""である。

 

 第二級冒険者のリオンによって手加減なしの攻撃を喰らった際、あばらに罅が入るだけで済んでいたヴァンの""耐久(アビリティー)""であれば、オークの攻撃は一撃くらいなら耐えられる自信があった。

 それに加え、オークの持つ武器はすでに他の冒険者との戦闘でボロボロで耐久値もギリギリの状態だった。

 故にヴァンに攻撃が通ったと同時に砕け散り、威力が減退したおかげでヴァンは吹き飛ばされるだけで済んだのだ。

 

 生まれてからまだ日が浅いのか、武器の耐久性など考慮していなかったオークは折れた棍棒に目をやり、少しの間、動揺をあらわにする。

 その隙を逃さずにヴァンはオークへと真っ直ぐに走り出す。

 

 武器も構えずに右手に意識を集中し、走りながら詠唱を始める。

 移動と魔力を集中させる、二つの行動を同時に行う並行詠唱。

 全精神力を込めるかのように、右腕に集まる魔力は攻撃性を伴う魔法であれば遠距離からでも十分にオークを討伐できただろう。

 しかし、ヴァンの魔法は非攻撃性の魔法だけであり、常識的に考えればこのまま放ってもその効力が出る前に叩き殺されるのが落ちだ。

 

 

 ならば、非常識(・・・)な方法(・・・)を用いれば良いだけのこと。

 

 

 再び近場の木から武器を調達する間もなく、ヴァンと対峙したオークはその行動に面食らいながらもその屈強な肉体を武器とし、ヴァンを迎え撃つ。

 既に戦ってきた冒険者の中にも(うた)を歌い、炎の弾を放つ魔導師がいた経験から詠唱さえ止めてしまえば、それは効力を発揮しないことをオークは知っていた。

 どんな小細工を用いてこようがやられる前に殺ってしまえば問題はない。

 そう考えたオークは少し離れた所から自分を狙う者を警戒しつつ、足を前に踏み出し加速する。

 

 互いの距離は一瞬で埋められた。

 

 先にリーチの長いオークの攻撃範囲に入る。

 オークは走りながら腕をしならせ、強烈な右ストレートをヴァンに放つ。

 元より接近戦であれば、速さも力も相手より上回っている自分の方が有利。

 よしんば相手がこの一撃を避けても、残る左手からの一撃で仕留められる。

 そう、オークは考えた。

 

 ヴァンの脳天を狙った一撃はギリギリで避けられ、頭部につけられた額当てを削るだけに終わる。

 オークの懐に入り込んだ時、既に詠唱は完了しており、ヴァンの右腕には膨大な魔力が込められた。

 右腕は既にオークの目の前に突き出され、あとはその名を告げるだけでそれは放たれる。

 しかし、そうはさせんっ、と言うようにその大きな体で隠された左手がヴァンの腹を撃ち抜かんと繰り出そうとしていた。

 その一撃は言葉を紡ぐよりも速く、ヴァンの魔法は完成することはなかった。

 

 

 ーーいや、そもそも、ヴァンは魔法を完成させる気がなかった。

 

 

 突き出された右腕に宿る魔力は意図的(・・・)に狂わされ、暴走(・・)する。

 魔法とは非常に繊細な技術で産み出される現象であり、少しでも魔力に乱れが生じると術者を巻き込んだ暴走を始める。

 

 魔法暴発(イグニス・ファトゥス)

 

 込められた魔力が多いほど広範囲を巻きんだ爆発を起こし、最悪の場合、術者が死ぬこともある危険な現象である。

 故に、駆け出しの魔導師は魔力が乱れないよう立ち止まったまま詠唱するのがメジャーであり、そもそも並行詠唱を修得できるのは上級冒険者でも指折りの実力者ばかりで、冒険者を初めて数ヵ月と経たずに自分のモノにしているヴァンが異常だったのだ。

 

 ヴァンは自分の攻撃力の低さをどうにかして補わねばならないと、ウォーシャドーと初めて戦ってから考え続けていた。

 その過程で魔法の暴発について知ったのだが、実践で取り入れるには自分への被害が大きすぎて使い物にならないと、最初は断念していた。

 しかし、数ヵ月ほど前、裏路地でアリーゼ達に助けられた後に魔法を握りつぶした時のことを思いだし、「自分への衝撃をどうにか軽減できれば使えるのでは?」というアホな思考に陥ったヴァンは暇潰し程度に行った実験を重ねた結果、理論上、腕を一本犠牲にすればそれなりの火力を出すことに成功してしまったのだ。

 

 ヴァンはスキルの補正によって""耐久""が高くなっていると言っても、この手段は非常に痛い上にコストが悪すぎるため常用には至らなかったがこうした一撃で動きを止めたい相手がいる場合、有効であると記憶していた。

 そして、今がその手段を使う時だとヴァンは判断し、オークが無手で攻撃してくるように誘導したのだ。

 最悪の場合、顔面を撃ち抜かれて殺されていた可能性もあったが、まあ、その時はそのまま死ぬしかないか、とヴァンは開き直っていた。

 

 何はともあれ、オークの攻撃を辛くも避けたヴァンは計画通り、捨て身の一手を発動する。

 右腕に宿る魔力は一瞬で暴発し、黒い波動を伴った爆発がヴァンの右腕を中心にして放たれた。

 計算され尽くした暴発は成功し、主に爆発による衝撃の大半はオークへと向かうものの、少なくない衝撃がヴァンにも加えられた。

 突然目の前で起きた爆発に対応できなかったオークは左手による攻撃を繰り出す前に後方へ吹き飛び、ヴァンも反動で後ろに飛ばされる。

 

 強烈な爆発により爆発源周辺の霧が晴れ、十階層では珍しく霧の存在しない区画が十数秒間生まれる。

 

 オークは爆発に巻き込まれた上半身の損傷が非常に酷く、全体的に火傷の痕が目立ち、頭部は所々肉が抉れて右目は瞼ごと吹き飛んでいた。

 魔法暴発を引き起こした張本人のヴァンは、爆発の中心である右腕の装備は吹き飛び、腕そのものは裂傷に火傷、内出血でボロボロになっていて、すぐに動かすのは厳しく見える。

 腕以外にも怪我はしているが、オークほど目立った外傷はない。

 

 両者ともにボロボロの状態で地に伏しており、数秒間動きを見せなかったがほぼ同じタイミングで地に腕を立て、体を震わせながら上体を起こし始める。

 そこで初めて互いが互いに相手を仕留められていないことを確認し、完全に調子が戻る前に息の根を止めねばと徐々に動き始める。

 特にステイタスの差から完全に油断し、今まさに窮地に立たされているオークの瞳は自分に痛手を負わせたヴァンへの怒りで血走っていて、先程までの余裕が完全に失われていた。

 

「ーーグゥゥアアアアアアアア!!」

 

「………。」

 

 咆哮を上げ、怒りのままに全身に力を巡らせたオークはヴァンよりも早く混濁した意識を回復させ、動き出す。

 殺してやる、殺してやる、殺してヤる、ころしてヤる、コロシテヤルッ!!

 オークの頭の中はヴァンへの殺意に満ちていた。

 オークの視界にはヴァンしか映っていない。

 

 

 だからこそ、オークは気が付かなかった。

 

 

 背後から剣を突き立てようとする、伏兵の存在に……。

 

 

 オークの喉から刃が生える。

 それを認識した時には、手遅れだった。

 一度捻った後に勢いよく引き抜かれた漆黒の刃。

 止めどなく流れ出るオークの血液。

 怒りに燃える心の意思に反し、力を失う体。

 オークは最後の力を振り絞り、ヴァンへと手を伸ばすも、それが届くことはなかった。

 

「ーーグギィッ………!!」

 

 怨嗟を混じらせた最後の鳴き声を上げ、オークは完全に力尽きる。

 残ったのはオークだったモノ()と魔石、ドロップアイテムの『オークの硬皮』だけだった。

 

 オークの死骸の近くにいた男、ジュリ・ブラナイドは腰に下げていた鞘に剣を納刀する。

 

「おい、ヴァァンよ!天に向かうには早すぎるぞ!」

 

「……うるさいから耳元で叫ぶな。頭に響くだろうが。」

 

 オークに止めを刺したジュリは、未だに立ち上がらないヴァンの元に慌てて駆け寄るが、いつもより若干低い声で邪険にされる。

 

「……ふっ、己が身を割き、あの醜悪な化け物に痛手を負わせたのだ。無理もあるまい。」

 

 姿はボロボロとはいえ平常運転なヴァンの様子に安心したのか、優しい笑みを浮かべて労いの言葉をかける。

 

「今、我の生命の恵みを分け与えよう。……少しの痛みは受け入れるがいい。」

 

「……ああ、頼む。」

 

 自前のポーションを使ってくれるようだが手元にあるものでは足りないため、荷物を置いている所に移動させたいらしい。

 ヴァンはどうでもいいから少し休みたかったため、言われた通りに肩を貸してもらいその場を後にした。

 

 

 

 

 

◆◇

 

 

 

 

 

 灰色のオーク討伐から二日後、右腕の傷がすっかり治ったヴァンは休日をエンジョイしようとしていた。

 

 

 

「わ、私を、ファミリアに入れてください!お願いします!」

 

 

 

 そう、しようとしていたのだ、この時までは……。

 

 いつも通り、アリーゼが襲撃してこない昼寝の場所に向かおうとしていたヴァンなのだが、屋台で昼食を買おうとした時、目の前にいる片腕を前に突きだし頭を下げるアマゾネスの少女に遭遇してしまったのだ。

 この少女は二日前のオークに襲われていたパーティーの一員で、ヴァンがオークを相手取る前に足を潰されていた子だ。

 彼女は治癒、攻撃、妨害、身体強化など、幅広いジャンルの魔法を使えるタイプの魔導師で、自分が負った怪我も自力で治しているため、今ではしっかりと両足で立っている。

 ちなみにヴァンの右腕も御礼の代わりにと、彼女がその場で治していた。

 

 後遺症がないことから、かなり腕のいい治療師なのは分かるのだが、これほどの実力者であれば所属する【ファミリア】が彼女のことを手放したくないはずだ。

 そう考えたヴァンは疑惑に満ちた目で彼女を見ながらその事について質問すると、すぐに返事が返ってきた。

 

「私、無所属ですから、その事については心配ありませんよ。」

 

「元は何処に所属していた?」

 

「【ボレアース・ファミリア】です。主神のボレアース様が不慮の事故で天界に帰られてしまって、自然と【ファミリア】は解散しました。今はフリーで行動中でデメテル様に神の恩恵をいただいて貰ってます。」

 

「その事故っていうのは?」

 

「えーと、信じられないかもしれないんですけど、……お食事を喉につまらせて呼吸困難で遥かなる高みへと登られました。」

 

「……ふーん。」

 

「ほ、ホントなんです!信じてください!」

 

「いや、別にその事件のことは聞いたことがあるから、その話は疑っちゃいないよ。」

 

 【ボレアース・ファミリア】で起きた事件はオラリオでは割りと有名である。

 主神のボレアースが多くの団員がダンジョンに潜っている最中、今のオラリオでは珍しい極東の餅料理を食したところ餅が器官に入り、息ができなくなり団員に助けられる前にポックリと逝ってしまったという、実にバカバカらしく、恐ろしい事件だ。

 その恐ろしい部分というのは、ダンジョンに潜っていた団員の背中に刻まれていたファルナが主神の死と共に消え去ったことで、常人と変わらない身体能力になりモンスター達になすすべなく殺されてしまったことだ。

 正確にはダンジョンで行方不明になっている、なのだが彼らは中層を中心に活動していたこともあって、生存の可能性は絶望的だろう。

 丁度、ロニーが入団した頃に起きた事件で、その事件が公になって以降、各ファミリアが主神の食事に気を使うようになったためヴァンにとっても記憶に新しい事件である。

 

 非番で地上にいた団員しか生存が確認されていないため、彼女がそこに所属していた可能性はなくもない。

 かといって、彼女のような人材が数ヶ月もの間、未だに所属する【ファミリア】を決めていないというのも不思議な話だ。

 本当に彼女が【ボレアース・ファミリア】の元団員であるにしろ、ある程度こちら側で調べをつけなくては安心して入団を許可することは出来ない。

 取り敢えず、昼時のピークが差し迫っていることもあり、彼女とはこの場で別れることにしたヴァンは最後に質問をした。

 

「俺の一存で決められる話じゃないので、三日後くらいにウチのホームに来てください。そこで神様とも顔を合わせて、採用するか話し合います。あと、参考までに名前とウチのファミリアに入りたい理由を簡単に教えてください。」

 

「はい、分かりました。」

 

 さて、これで折角の休日も情報収集でおじゃんか、とヴァンは内心うんざりしていたが、次の彼女の言葉を聞くと柄にもなく動揺すると共に、面倒事の気配を感じとるのであった。

 

 

 

 

「シャラス・ラスリィー、16才。ファミリアを選んだ理由はヴァン様と婚約したいからです。」

 

 

 

 

 アマゾネスの少女は、にこやかにそう告げた。

 

 

 

 

 

 

 







おのれ、リア充め!爆発しろ!!!(タイトル回収

今回出てきたオークさんは原作知ってる人なら分かるアレです。
にしても、ボス戦、難産やった……。(戦闘描写くそ雑魚作者


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