とある少女の支配領域   作:ADONIS+

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 八月三十一日。夏休みの最終日。

 

 この日は学生にとって特別な意味がある。そう、夏休みの宿題の最終期限だ。未だに宿題を終わらせていない学生が結構いて焦っている者も毎年それなりにいる。上条当麻も原作では宿題を終わらせていなかった。今回はどうだったかは知らないけどね。

 私? 私の所属する常盤台中学は夏休みの宿題なんかないので、そもそも関係ないですね。

 

 まあ、変わりに普段の授業などがハイレベルだよ。世界でも通用する人材を育てるという方針ですから。

 

 当麻は、この夏休みはいろいろイベントが盛りだくさんで、錬金術師と戦ったり、大天使と遭遇していたりと波瀾万丈でしたが、私は意味もなく散歩をしていた。

「う~ん、今日は何かイベントあったかな?」

 

 確か打ち止め(ラストオーダー)の一件も終わらせているし、闇咲 逢魔(やみさか おうま)が想いを寄せる女にかけられた呪いも以前に当麻と一緒に壊している。

 

 いや、当麻っていい人だよね。呪いに苦しめられている人がいるから、助けにいこう。で話がすむ。普通はこうはいかないよ。と考え事をしていたのが悪かったのか、誰かとぶつかってしまった。

 

「あっ、ごめんなさい」

「いえ」

 

 ぶつかったのはさわやか青年という感じの男だった。確か海原光貴(うみばらみつき)だったかな? それに側に御坂もいた。

 

 御坂さんの近くにいる海原から妙な圧迫感を感じる。これは絶対能力者に起こる魔術の拒絶反応。ということはあの男は魔術を使っているということだ。

 あっ、そういえば海原って偽物なアステカ魔術師だった。ということは他人に化ける変装の魔術をつかっているのだろう。

 

 海原は、私には関係ないかもと思うけど、確かあいつは上条グループを始末するのが目的だったね。となると私も上条グループの一員扱いされているでしょうから無関係というわけにはいかない。邪魔かもしれないから始末するか?

 

 いや、確か当麻がほっといても解決していたね。ならほっといても良いと思うけど、一応対処しておくか。なんて考えていると、いきなり御坂が当麻にアタックしていった。あれ、ずいぶんと積極的だね。

 

 

御坂美琴side

 何か散歩でもしていようかと思っていたら海原という男にあった。どういうワケかこの男、私に気があるらしい。

 

 この男は苦手だ。誘われているのは分かるが断りにくいのだ。誰か適当な相手でもと思っていたらあいつが目に留まった。

 上条当麻。彼を意識したのは、私そっくりなクローンを見つけたのが切欠だ。それ以前から、私の軍用クローンが作られているという噂があった。しかし、所詮は根拠もないデタラメだと思っていた。

 なのに。そう、認めざるを得ない。クローンが実在している事を。彼女を問いただしたが機密だから話せないといわれ、詳しい事情は佐天令子に聞くように言われた。佐天は彼女に伝言を頼んでいたのだ。

 

 そして、佐天から一連の実験の事を知らされた。衝撃だった。あのツンツン頭の男、上条当麻が私のクローン達を助けるためにあの一方通行(アクセラレータ)に戦いを挑んでいたなんて知らなかった。

 

 私は彼に能力が通用しないことにむきになって普通ならば死んでしまうような攻撃を繰り返した。まるでケンカを売るような振る舞いばかりしていたのに、そんな私の妹とも言える彼女たちを守るために戦ってくれていたのだ。

 あんな事をした私は、彼に会わせる顔がないと思った。それでも、何も言わないわけにはいかない。しどろもどろになりながらも私は何とか礼を言う。

「まあ、御坂妹が無事だったからそれでいいさ」

 

 彼はことなしげにそういった。まるで恩にきせたような言い方ではなく、無事だったから良いという考え。その時感じた。ああ、この人はいい人なんだと。底なしの善人なんだと。

 それからだろうか彼のことを意識するようになったのは。最初は借りを返したいと思っているだけだと考えていたが、次第に異性として懸想しているのだと気付いた。その事を思い出した私は顔を赤くした。テレ隠しもかねて当麻にアタックした。

 

 

令子side

 いきなりな御坂の行動に呆気にとられている海原。気を取り直して御坂だけでなく私や当麻に話しかけてきた。

「そういえば海原さんショチトルさんはお元気ですか?」

「ああ、元気だ……!?」

 

 さりげなく爆弾発言をした。正体がばれている事に気がついたのだろう。海原の表情が硬くなる。

「御坂さんに当麻、ちょっと私が彼と話しておきたいことがあるので、すみませんが席を外して貰って構いませんか?」

「えっ? まあ、いいけど」

「佐天どういうことだ?」

 

 流石に疑問に思ったのか当麻が聞いてきた。

 

「いいから、言うとおりにしてね」

「……わかった」

 

 戸惑いながらも御坂と当麻はその場を離れていく。

「随分と上手く化けたものですね。魔術というのは以外に便利ですね」

 

 二人だけになると私は海原に話しかけた。

「本名はエツァリ。中米の魔術結社「翼ある者の帰還」に所属しているアステカの魔術師。上条当麻が科学サイドと魔術サイドと繋がりができたことで上条勢力という新たなる団体ができことを警戒した組織の命令により、学園都市に潜入して、上条の仲間関係を壊すことを計画中である。以上、相違はあるかしら?」

「……貴女はなにもかもお見通しというわけですか。その通りですよ」

 

 誤魔化すことはできないと悟ったのだろう。海原は諦めたように言いながら、海原がナイフの様な物を取り出すが、即座にそれが消滅した。

「なっ!?」

「無駄よ。霊装を使わせると思ったの?」

 

 支配領域(テリトリー)はあらゆる素粒子に干渉してありとあらゆる物質を操る。当然霊装であろうと原子レベルで消し去ることが可能である。

「がはっ!?」

 

 令子は、海原の周囲の気圧をいきなり下げた。気圧の低下により高山病で海原は倒れた。

 

 こいつは魔術サイドの人間なので、私が始末するのはマズイでしょうね。だから別の者に始末させる。

「アレイスター、聞いていると思うけど彼に関しては貴方が適切に対処してね」

 

 アレイスターは滞空回線(アンダーライン)で学園都市中の情報を集めている。当然ながらここで起こったこともアレイスターが把握している筈だ。

 

 さてと、これでイベント完了です。




後書き

 うっかり海原と上条の約束イベントを潰してしまう佐天ちゃん。(笑)
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