「レベルアップですか?」
「はい。学園都市第一位である貴女なら何かご存じでしょうか、とミサカは聞いてみます」
令子はミサカ達に質問を受けた。
何でも先日オリジナルである御坂御琴の力を見て、流石に力の差を痛感した彼女たちはレベルアップに興味を示したらしい。妹達のスペックはオリジナルの百分の一以下だから無理もないけどね。
「それは分かりましたが、何故私に聞くのです?」
いくら学園都市第一位でも学生にすぎない令子に聞きにくることではない。
「確かに現在の学園都市ではレベルアップは望めませんが、貴女は学園都市の能力とは別の法則による力を発明しているらしいので聞いてみました」
道(タオ)か。まあ、あれだけ派手にやると分かりやすいでしょう。それに別に隠しているわけでもない。星の使徒の連中ならば誰でも知っている事だし、その噂も結構盛大に流れている。
「でも能力の強化ですか……」
結構難しい事だ。幻想御手のような事をすれば一時的に能力を上昇できるが、あれでは紛い物に過ぎないし、副作用もバカにならない。
かといって道(タオ)も無理だ。オリジナルの御坂と、そのクローンであるミサカには道(タオ)の才能がない。
むっ、パワーアップ? そういえば、この間監察軍で手に入れたポタラがあった。あれなら能力の向上ができるかもしれない。
ポタラはあるトリッパーが『ドラゴンボール』の世界で入手した合体アイテムで、監察軍が解析して、生産が可能となった物だ。あれならば合体する二人の相性さえ良ければかなりのパワーアップになるだろう。
「合体ですか?」
「まあ、試しにこれを付けてみて」とミサカにポタラを付けさせた。
「ああっ」
「ぶ、ぶつか…」
二人のミサカがぶつかり、一人の少女が現れた。それはミサカそっくりで服装も変わりはなかった。ポタラによる合体は二人の外見と服装を混ぜ合わせた様な物になるが、二人ともそっくりな外見で服装も同じであれば変化は見られないようだ。
ちなみにこういう合体とかはトリッパーにはできない。何故かというと“トリッパーの魂には下位世界に存在する者は干渉できない”という法則があるからだ。だから破壊神ベヅァーでもトリッパーの魂に攻撃する事はできない。
できるとしたら上位世界の死神や神々ぐらいなものだろう。そのため、ギニュー隊長(ドラゴンボール)のように他人と肉体を入れ替えるという事もできないし、別人の肉体や人形に魂を移すという事も無理。これはトリッパーの長所でもあるが短所でもある。
その後いろいろ試してみたが、想像以上に能力が上がっていた。なんとオリジナルよりもパワーが上になったのだ。正直ポタラでここまで強くなるとは思わなかった。戦闘力ならともかく学園都市の能力は脳の出来が肝心だからね。
まあ、ミサカ達はまったく同じ種類の能力で、同じくらいの強さだったから相乗効果があったのだろう。
これが違う種類の能力者同士だったら脳の関係で、多重能力などという便利な者になるどころか、衝突して自滅しかねなかっただろう。何しろ人間の脳では多重能力は不可能というのは学園都市では実証済みな事だしね。
「興味深いデータも取れたし、めでたしです」
令子はミサカに元の二人に戻りたかったら、上条当麻に右手で身体を触って貰えばいいと伝えておいた。
ポタラによる合体の解除は原作では魔人ブウの体内の空気がなければできなかったが、幻想の力が働いているので、幻想殺し(イマジンブレイカー)ならば簡単に解除できるのは実験で実証されている。
ちなみに、ミサカもしばらくは超能力者(レベル5)をやっていたが、後日当麻に合体を解除して貰ったらしい。