とある少女の支配領域   作:ADONIS+

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BETA大戦 その二(九月六日)

 日米同盟。日本国とアメリカ合衆国との間に結ばれている軍事同盟で、この世界でもそれは存在しており、その内容は日本が他国に侵略されたらアメリカ軍が守るというものだった。

 

 ここで問題なのが地球外生命体からの侵略など想定していないという事だった。他国ではないので法的に動けず、そうこうしている内に在日米軍に本国に帰還するように命令が下った。

 

 何しろアメリカ本土にもBETAが現れて物量戦をやる羽目になってしまっているのだ。少しでも戦力を回すために海外に展開している部隊も呼び戻すというのは間違っていない。

 

 しかし、日本としてはたまったものではなかった。それはそうだろう。頼みの綱の米軍に見捨てられた形になったからだ。

 

 しかも、自衛隊はBETAに歯が立たずあっさりと壊滅。その時の日本政府の動揺は凄まじい物だった。

 普通に考えれば、それば当たり前の事だ。そもそも日米同盟にしてもアメリカはあくまで国益のためにそれを結んでいるに過ぎない。国益が絡めば見捨てられるのはおかしな話ではない。

 

 結局、自分たちの国は自分たちで守るのが当たり前だが、当時の日本はそれを忘れていた。

 追いつめられた日本政府はなりふり構わずに学園都市に救援を求めた。

 

 実は日本政府は学園都市を苦々しく思っていた。学園都市は日本国内でありながらも実質的には独立国として機能していた。

 

 一応、形式上では日本をたてているものの実利はなく、ただ国土を切り取られただけの形となっていた為に学園都市を嫌っていたのだが、この際贅沢を言っていられなかった。

 しかし、学園都市としてもこれには困った。実は学園都市には正規軍というものはない。アンチスキルという警備員を兼業している教師がいるだけだ。おまけに数も少ない。

 

 そもそも学園都市には一機250億もする高性能攻撃ヘリや高性能戦闘機などがあるが光線級により使用不能であった。かといって駆動鎧(パワードスーツ)では役不足。つまり決定的に戦力が足りなかった。そこで彼等は切り札を投入した。

 

 

 横浜ハイヴ。横浜に出現したそれは日本の脅威であった。自衛隊が為す術もなく敗退して周辺住民が虐殺させる。そんなハイヴに上空から高速接近する物体が存在した。

 

 いうまでもなくハイヴはBETAたちの拠点であり、光線級と重光線級も多数存在していた。そんな中に空から接近するなど普通なら自殺行為であった。実際多数のレーザーが飛行物体に襲いかかる。レーザーの命中率は実体弾の数千倍にも及び、最新鋭のジェット戦闘機ですらのろまな亀にすぎなかった。

 

 しかし、着弾したレーザーは呆気なく屈折し拡散した。それは窓ガラスに水鉄砲が弾かれてしまったかのような呆気なさだった。

 

 ディストーション・フィールド。空間歪曲を利用した防御兵器でレーザーなどの光学兵器に対して極めて効果的なバリアであった。そのフィールドを展開しているのは航空機ではなく、生身の人間にすぎない佐天令子であった。

「邪魔よ!」

 

 令子は能力を振るう。BETAの気を把握して、その身体を構成している素粒子に干渉して、あっという間に地上に展開していたBETAの大軍は塵にした。

「とっとと失せろ」

 

 更に地下にいるBETAと反応炉を消した。支配領域その攻撃範囲は極めて広い。何しろ地球上何処にいても気配を感じたりアカシックレコードを応用して攻撃できるのだ。極端な話を言えば学園都市にとどまったままで地球各地のBETAを遠隔攻撃が可能であった。

 

 それでもハイヴの近くまで来てから潰しているのは、佐天令子が自らやったと認識させる為だった。このハイヴは衛星を初めとする様々な観測機器で監視されている。この戦いも当然知れ渡るだろう。

「さてと、後三つ」

 

 日本国内に存在するハイヴは合計四つ。残り三つだ。BETA普通の人間にとっては極めて脅威だが、私にとっては害虫駆除にようなものだ。もはや戦いにもならない。

「さっさと片づけて、おかしでも食べるとしましょう」

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