とある少女の支配領域   作:ADONIS+

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BETA大戦 その三(九月八日)

 原作では科学サイドと魔術サイドの対立から第三次世界大戦が起こるはずであった。

 

 しかし、現在では地球外からの侵略者との全面戦争に突入していた。といっても各国はBETAに対抗できずに一方的に敗退していたが。

 そんな中、学園都市最強の絶対能力者(レベル6)が日本国内に存在する四つのハイヴをたった一人で陥落させたという情報が入り、世界中で衝撃が走った。

 

 軍隊が束になっても歯が立たない化け物の大軍をいとも容易く殲滅する能力者。絶対能力者(レベル6)。学園都市にて、“神の領域の能力”と定義されるそれは凄まじい物だった。

 

(注)佐天令子は絶対能力を使わずに、あくまで超能力とアカシックレコードでBETAを殲滅していたが、部外者はそれを知らなかった。

 絶対能力者の凄まじい力を見せ付けられた各国は対応を二分させる。それは、なりふり構わず学園都市に救援を求める国と、ローマ正教に助けを求める国だった。そして学園都市は自分たちに助けを求める国を支援すると表明した。

 

 勿論、学園都市に救援を求めた国は学園都市に大きな借りを作ることになる事は承知していたが、今はそんな悠長な事といってる場合ではない。彼等からすればまさに国家存亡の危機であった。

 そして、学園都市最強の圧倒的な力は当の学園都市にも波紋を及ぼしていた。能力者である学生達は、その次元違いの能力に戦慄した。

 

 一歩一歩進んでいけば必ず超能力者になれると信じて頑張っている学生が多い中で、これは刺激が強かった。

 

 倒せるかも知れないではない。戦いを挑むことすらも考えられない程に圧倒的な力。最強(レベル5)すら超越した無敵(レベル6)。

 

 その結果、絶対能力者(レベル6)を己の最終目標とする者、それを目指すことを諦める者など様々な学生が出た。

 

 上層部もあまりにも想定外のことが立て続けに起きている事からかなり動揺が広がっている。正直これ以上の問題は起きて欲しくないと思っている筈だ。

 

 

『それで俺達に自重しろと?』

「ええ、統括理事会も今回のことでピリピリしているから下手な動きをすれば暗部が動きかねないわ。それは貴方達にとってもマズイでしょう」

『……そうだな』

 

 令子の言葉に、駒場も頷かざるを得ない。この非常時に統括理事会に目を付けられると、容赦なくやられる可能性が高いのだ。

 

 これまで駒場たち星の使徒は上手く活動できていたが、それも相手がそこそこの能力を持った能力者個人であったからだ。そもそも無能力者狩りなどやる能力者は大概強能力者(レベル3)か異能力者(レベル2)ぐらいなものであった。

 

 大能力者(レベル4)辺りになると無能力者(レベル0)には関わらなくなる。だから彼等は中途半端な能力者ばかり撃退していたに過ぎなかった。

 

 しかし、暗部が動くと言うことは学園都市そのものを敵に回すという事だ。そうなれば戦力的に圧倒的に不利になるだろう。

「幸い活動資金はまだあるのだから、無駄遣いをせずに大人しくしておけば問題ないでしょう?」

 

 令子は駒場たちにかなりの量の金塊を活動資金として渡していた。つまり、駒場にとって令子は最高のスポンサーだった。

「いっておくけど、私は貴方達が学園都市に目を付けられても庇い立てはしないから、生き残りたかったら最適な行動を取ることね」

 

 話はそれだけだと、言うだけ言って令子は通信を切った。駒場には問題が起これば見捨てると言外に伝えておいたのだ。それを理解した上で行動せざるをえないだろう。

 

 原作のように学園都市の混乱に乗じて派手な行動をとるとやはり暗部が動くだろう。彼等は使い捨ての実験台にすぎないが、それでも投資した以上データはできるだけ取っておきたい。元はとらないといけないからね。

「さてあいつ等は上手くいくかしら?」

 

 令子は薄く笑みを浮かべた。

 

 

駒場side

「駒場さんどうしますか?」

 

 メンバーの一人がそう尋ねてきた。

 

「仕方がない。しばらくは大人しくしておこう」

 

 あいつがわざわざ警告してきたということは本当に危険なのだろう。それに凶暴な能力者は既に撃退している。現在の彼等は無理に行動すべき事はなかった。

 彼等は以前やっていた車の盗難やATM強盗なども現在ではやっていない。十分な活動資金があるのでわざわざ盗む必要がないのだ。

 

 その資金の出所は佐天令子が渡した大量の金塊だった。それは優に数百億円分もあり、それほどの金塊をぽいと渡す令子に唖然としたものだった。

 

 その金の出所も気になったし、そこまでする理由も分からず困惑したが、目的のためには資金が必要であるため断る事はできなかった。

 令子が何を目的としているかまったく分からず警戒していたが、その化け物じみた強さには敵対だけは避けたいと心底思っていた。

 

 確かに俺達は道使い(タオつかい)であるためそこそこの強さがある。例え相手が大能力者(レベル4)であっても、戦い方次第では十分勝てる。

 

 しかし、佐天令子は別格だ。能力者としても道使いとしても次元が違う。

「しかし、あいつの化け物ぶりはまるで怪獣だよ」

「確かに軍隊相手に勝てる何てレベルではなくて、軍隊でも相手にならないだろうな」

「外見だけではとてもそうは見えないけどな」

 能力が幅をきかせる学園都市では外見と強さは比例しない。いかにも強そうという不良などザコに過ぎないのだ。不良とは所詮出来が悪い弱者で、本当に恐ろしいのは優等生。それが学園都市の常識だった。

 実のところ学園都市では佐天令子に憧れる者は多い。これはなまじ能力開発により常人には持ち得ない力を手にいれている為だった。より強い力を求めているが為に、分かり易い力を持つ彼女を崇拝するのだろう。

 

 これには令子の人間離れしたというよりも人形のような美貌も関係していた。(令子はファティマの特性を持つが故にそういう容姿をしていた)

 

 何時の世も美人は特をするということだろう。

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