カードファイト!!ヴァンガードG 再結成!世界に挑戦する3人 作:リー・D
参加者も観客も、これから始まる熱い戦いに、心を振るわせる。
しかし、その中で1人、不安を抱える者がいた。
彼の不安とは?
そして、このセカンドステージのルールとは?
令和最初の投稿になります。
今回はいままでと少し書き方を変えてみました。
これ以降の書き方はPixivでアンケートを行いますのでその結果しだいです。
感想で意見を述べていただいても良いですよ。
VF世界大会日本本予選の会場では、時間となったため、司会のミヤがその手にマイクを取った。
『VF世界大会日本本予選! そのセカンドステージがついに開幕です!』
会場中が熱狂に包まれる。
観客も、参加者も、今か今かと待ち焦がれている。
そんな期待に応えるように、責任者である伊吹がステージに立った。
『改めて、ここにVF世界大会日本本予選、セカンドステージの開始を宣言する。ここに集まった16チームの面々は、この日本において、最高クラスのヴァンガードファイター達だと自負している。そんな君たちに挑んでもらうステージは、これだ』
伊吹が指を上げると、その先にあるスクリーンに巨大な迷路が映し出された。
『名前は、ウォールトライメイズ。その名の通り、この中には、ファイター達にとって試練となるものが設置されている。これを順に解いていくことでゴールに辿り着ける』
スクリーンが切り替わると、そこにはファイトテーブルも映し出されていた。
『当然ながら、その中には、別のチームメンバーとのファイトも存在する。ファイトに敗北したり、問題が不正解であったりしても、必ずしも失格になるわけではない。しかし、その場合、自分だけで無く、チームメイトにも多大な悪影響が行われることになる』
「多大な悪影響?」
これを聞いていたクロノたちの疑問に答えるように、伊吹は話を続けた。
『これは迷路であるため、道が複数に分かれている箇所がある。通常はお前たち自身が選べば良いのだが、問題がある箇所や、ファイトを行う場所では、その結果に応じて進む道が限定される』
スクリーンには、デフォルトされた伊吹がT字路前の問題を間違えてしまったことで、片方の道がふさがれて、渋々ながら開いている道を歩き出した。
しかし、その伊吹はある程度歩くと、迷路の外に出てしまって、ショックを受けたところで映像が終了した。
『(毎度の事ながら何故俺のSDキャラなんだ?)進んだ道によっては、即時失格になるものもある。そして、チームメンバーの内1人がゴールに辿り着いた時点で、そのチームはセカンドステージ突破となる。ゴールした人間が4人になった時点で、セカンドステージは終了だ。つまり、このステージでは、ファイターとしての実力だけでなく、知力、行動力、そして運が試される』
一旦言葉を区切った伊吹がクロノたち参加者を指差して、説明を続ける。
『1部の箇所では、君たちが取った結果によって、チームメンバーの進む道にも影響がでる。これが先ほどの『多大な悪影響』の正体だ。これで即時失格となることは無いが、ゴールまでの道のりが険しくなることは確定だ。確実に勝ち抜きたいのなら、勝て! 己の栄光を己で勝ち取れ!』
伊吹の強い言葉に、会場は何度目か分からない歓声が巻き起こった。
その空気を断ち切るように、ステージに安城マモルが上がった。
『皆さん、こんにちは。大会副委員長の安城マモルです。これから僕が、セカンドステージの補足説明をさせていただきます』
マモルの補足説明を含めて、セカンドステージのルールをまとめると以下の通りとなる。
・会場に用意された迷宮を通り、ゴールを目指す。
・迷宮内は1人で進み、チームメンバーとの連絡は不可能。
・途中何らかの課題が割り振られ、その結果により道順が変更される。
・失敗した場合のペナルティはゴールへの遠回り。そのまま失格になることは無い。
・基本的に道を戻ることは可能だが、ゴール以外の場所で迷宮から出てしまう道を通った場合、逆順は不可能。そのまま失格となる。
・課題直後にふさがった道も開くことがないため進めない。
・課題はファイト以外にも様々なものが用意されている。
・他の参加者との遭遇は基本的に課題がある場所でのみ行われる。
・先着4チームが決勝トーナメントへの出場権を得る。
・セカンドステージは、今日1日のみ。
・4チーム出そろわなければ、敗者復活戦で残りのチームを決める。
『大会内での質問は、ファイバで受け付けます。観客の皆さんには、これからパンフレットを配りますので、参照にしてください』
一通り伊吹とマモルの説明が終わったので、会場にtheワtheワと声が響き始めた。
その中で、トライスリーを始めとした各チームは、作戦会議を始めていた。
「いや~。まさかこんな形になるとわね~」
トコハはルールの内容に若干呆れているように両手を広げていた。
「基本的に相談不可能となると、文字通り1人1人が全速力でゴールを目指すしか攻略方法がないね。シンプル故にかなりやっかいだ」
シオンはルールの複雑さに頭を悩ませる。
「ファイトで負けたりすると、チームの足を引っ張ることにもなる。ホント、メンドクサイルールだな」
クロノは、ルールを考えた人たちがどんな思いでこのルールを作ったのか考えながら、自分の意見を述べる。
少々呆れた口調で話しながらも、彼らの表情は笑顔でいっぱいだった。
「クロノ君」
そこに、アイチがやってきた。
「アイチさん、お久しぶりです」
先輩であるアイチに話しかけられて、クロノは嬉しそうに応えた。
「うん。久しぶり。勉強は順調?」
「ええ。おかげさまで」
「そっか」
答えを聞いたアイチは何故か複雑そうな顔をしたが、クロノは気がつかなかった。
「ねえ、クロノ君。ちょっと……」
「アイチお兄さん! もう、始まりますよ」
「ええ!?」
話を進めようとした所で、カムイからの呼びかけにより、2人は伊吹が話を進めていることに気がついた。
すでに行われた伊吹の合図により、全選手が何時もの謎技術により、スタート位置に移動する。
「あっ! クロノ君!」
「じゃあ、アイチさん。また会いましょう」
アイチの制止も効かず、無情にも2人はそれぞれのチームのスタート地点に送られてしまった。
『では、これよりVF世界大会日本本予選、セカンドステージを開始する! スタンドアップ・ザ!』
伊吹がカードを掲げたのと同じように、観客も自信のカードを掲げる。
そして、会場に居る全員の声が重なった。
『『ヴァンガード!!』』
セカンドステージ開始の合図と共に、迷宮の扉も開いた。
トライスリーは、その1つの前に居る。
その道は、早速3本に分かれていた。
「ここからは、連絡が取れないのね」
「ルール通りだしね。ところで2人とも。僕たちだけで勝負しないかい?」
「「勝負?」」
シオンの突然の提案にクロノもトコハも首を傾げる。
「そう。失格になった人間は、他の2人に何か奢るって感じで」
シオンの提案にクロノもトコハも不敵に笑った。
「面白そうね」
「その話乗った」
「ついでにゴールした人へのご褒美もありってことで」
2人も自信満々に答えた。
トライスリーは似た者同士だからこその答えだろう。
「じゃあ」
クロノの合図の元、3人は拳を合わせる。
『勝負!』
それぞれの健闘を祈って3人は別々の道を走り出した。
クロノが走り出して、しばらくすると、開けた場所に出た。
「ここが最初の課題ポイントか?」
そこには2つの扉があり、その間の壁には、「イマジナリーギフト。フォース2の効果は?」と書かれており、その下にはディスプレイが置かれていた。
「ここに書けってことか。えーっと、サークルに置いて、そのサークルのユニットの元々のクリティカルが2になるっと」
設置されていたディスプレイに答えを書くと、正解を示すマークが現れ、片方の扉が開いた。
クロノがもう片方の扉を弄ってみても、開く気配は無い。
「なるほどな。こうやって正解し続ければゴールに近づくわけか。ルール事態はシンプルだな」
拓かれた道をクロノは迷うことなく進んで行く。
同じころ、トコハもまた迷路を進んでいた。
しかし――
「あれ? 行き止まり?」
こちらは何故か行き止まりに着いてしまった。
本来なら、引き返して別の道を進むのが正しいのだが。
「私、1本道を通って来た筈よね」
自分が通ってきた道の記憶が間違っていないか、トコハは頭を悩ませた。
こうしている間にも時間はどんどん過ぎていくことも彼女の混乱を進ませた。
トコハ「あ~! もう、どうしてこうなるのよ!」
頭を抱えたトコハはとうとう自棄になって正面の壁を蹴りつけた。
その瞬間、ボコォという大きな音が鳴り響いた。
「……え?」
なんとトコハが蹴った壁が壊れてしまったのだ。
これにはモニターしていた会場側も唖然とした空気が漂った。
「え? うそ? なんで……あれ?」
混乱したトコハが恐る恐る壊した壁に近づいて、さわってみた。
すると、不思議なことにそれはとても簡単に持ち上げることができた。
「これ……発泡スチロール?」
自信が壊した物の正体にトコハは唖然としてしまう。
「いや、もしかして……」
そう言ってトコハは他の壁を叩いてみる。
しかし、残念ながらそれらが壊れることはなかった。
「……ここの壁を壊して先に進めってことだったのね。分かりづらい。でも何処かで同じようなことやったような……何処だっけ?」
疑問に思いながらもトコハも前に進む。
そして、今度は大きく開けた場所に着いた。
そこには、ファイトテーブルと、2つの扉があった。
「ファイトテーブル。と言うことは、ここでファイトか。相手は?」
「みゅみゅ~!」
後ろから声がしたので、トコハは振り返る。
「トコハお姉ちゃんだみゅ!」
「サーヤ!」
そこに居たのは、チームラミーラビリンスwithサーヤの弥富サヤだった。
トコハに懐いている彼女は、嬉しそうに近づいてきた。
「久しぶりだみゅ~。元気だみゅ?」
「もちろん。サーヤこそ、元気そうね」
「アイドルが、ファンに疲れてるところなんて見せないみゅ!」
元気良くポーズを取り、まるでカメラの位置が見えているようにファンサービスを行う姿は、まさにアイドルの鑑である。
「流石はサーヤね。サーヤが此処に来たって事は、私の相手はサーヤなのね」
「多分そういうことだみゅ。さあ、トコハお姉ちゃん。サーヤとファイトだみゅ!」
「もちろん!」
2人はデッキを取り出した。
さあ、ファイトの開始だ。
「「スタンドアップ! ヴァンガード!!」」
「《偉才の声音 ローリス》!」
「《栽植の乙女 オズ》!」
それぞれがFVにライドする。
2人のファイトが開始されたのは当然司会席にも伝わっていた。
『おおっと、安城トコハと、弥富サヤのファイトが始まったぞ!』
どうやら、2人のファイトが中継されるようだ。
「《トランセンドアイドル アクア》にライドだみゅ! 先駆で移動するみゅ!」
サーヤ手札:5→6→5枚
サーヤデッキ:44→43枚
アクアソウル:1→0
「ターンエンドだみゅ」
サーヤダメージ:0
サーヤ手札:5枚
アクアソウル:0
サーヤデッキ:43枚
サーヤドロップ:0
〈 〉〈ア〉〈 〉
〈ロ〉〈 〉〈 〉
サーヤの順調な滑り出しに応えるように、トコハもカードを手に取る。
「私のターン、ドロー。ライド、《盛運の乙女 ディアン》。先駆で移動」
トコハ手札:5→6→5枚
トコハデッキ:44→43枚
ディアンソウル:0→1
〈 〉〈デ〉〈 〉
〈 〉〈オ〉〈 〉
サーヤとは違い、真後ろに送ったFV。
トコハはそのカードを横向きに変え、バトルフェイズに入った。
「さっそく行くよ、サーヤ。ヴァンガードでアタック!」
ディアン+オズパワー:7000+5000=12000
「ガードしないみゅ」
「なら、ドライブチェック」
プルメリアの花乙女 シャルル(なし)
トコハデッキ:43→42枚
トコハ手札:5→6枚
「ダメージチェックみゅ」
喝采の美声 ローリス(なし)
サーヤデッキ:43→42枚
サーヤダメージ:0→1
「ターンエンドよ」
サーヤダメージ:1
サーヤ手札:5枚
アクアソウル:0
サーヤデッキ:42枚
サーヤドロップ:0
〈 〉〈ア〉〈 〉
〈ロ〉〈 〉〈 〉
トコハダメージ:0
トコハ手札:6枚
ディアンソウル:0
トコハデッキ:42枚
トコハドロップ:0
〈 〉〈デ〉〈 〉
〈 〉〈オ〉〈 〉
互いに可もなく不可もない最初のターン。
ファイトはまだ始まったばかりだと言わんばかりに、サーヤは勢い良くカードを手に取る。
「サーヤのターン! ドローみゅ! 《愛の集大成 エレノア》にライドみゅ!」
サーヤ手札:5→6→5枚
サーヤデッキ:42→41枚
サーヤがライドしたのは、水着姿が良く似合う人魚のユニット。
このカードの真価を発揮させようと、サーヤは手札の2枚のカードを手に取った。
「さらに、《新品の衣装 アカリ》を2枚コールだみゅ。エレノアとローリスのハーモニー発動みゅ!」
サーヤ手札:5→3枚
〈ア〉〈エ〉〈 〉
〈ロ〉〈ア〉〈 〉
「ハーモニー。同じ縦列に他のユニットが現れることで条件を満たす、バミューダ△の固有スキル。他のユニットが登場することで歌いだし、それに釣られるように2体のユニットがメロディーを奏でる。まさにアイドルに相応しいスキルね」
トコハの目には、4人の人魚たちが1つの合唱を行っているように見えた。
「ここで、偉才の声音 ローリスのスキル発動だみゅ。4体がハーモニーになったことで、SC1みゅ」
サーヤデッキ:41→40枚
エレノアソウル:1→2
SC:Chouchou ミレーナ
『サーヤは、着実にコストを確保しているみゅ!』
「バトルみゅ。ローリスのブーストで、アカリでアタックみゅ」
アカリ+ローリスパワー:7000+5000=12000
「ノーガード。ダメージチェック」
播種の乙女 ティアニー(なし)
トコハデッキ:42→41枚
トコハダメージ:0→1
トコハのダメージを確認したサーヤは、続けてヴァンガードのエレノアで攻撃を行った。
エレノア+アカリパワー:9000+7000=16000
この攻撃に対して、トコハは悩むそぶりを見せた。
「(ガードしても良いけど、トリガーがなぁ。もったいないし、ここは……)ノーガードよ。来なさい、サーヤ」
トコハの宣言に対して、サーヤも笑顔で応えた。
「じゃあ、ドライブチェックだみゅ」
がんばる才能 シャンディー(なし)
サーヤデッキ:40→39枚
サーヤ手札:3→4枚
何もトリガーが出なかったことにサーヤは肩を落とした。
目に見えて落ち込んだサーヤをトコハは苦笑するしかなかった。
「ダメージチェック」
理想の乙女 トゥーリア(なし)
トコハデッキ:41→40枚
トコハダメージ:1→2
「みゅ~。でも、ここでアカリのスキルが発動みゅ。アカリをソウルに送って、1枚ドローして、ハーモニーを持つユニットを手札に戻すみゅ。もう1体のアカリを手札に」
エレノアソウル:2→3
サーヤデッキ:39→38枚
サーヤ手札:4→5→6枚
『出ました! バミューダお得意の手札戻し! これで、サーヤは再びハーモニーを発動できるみゅ!』
「これでアタック対象がヴァンガードしか居なくなっちゃったか」
トコハはサーヤがターンを終えた所で互いの場の状況を確認した。
トコハダメージ:2
トコハ手札:6枚
ディアンソウル:0
トコハデッキ:40枚
トコハドロップ:0
〈 〉〈デ〉〈 〉
〈 〉〈オ〉〈 〉
サーヤダメージ:1
サーヤ手札:6枚
エレノアソウル:3
サーヤデッキ:38枚
サーヤドロップ:0
〈 〉〈エ〉〈 〉
〈ロ〉〈 〉〈 〉
「スタンド&ドロー。ライド、《共に咲く乙女 ケラ》」
トコハ手札:6→7→6枚
トコハデッキ:40→39枚
トコハも負けじとG2にライドした。
だが、ここで一旦手を止めた。
「(どうしよう。場に出せるカードはあるけど、展開する意味あるかな? 私のデッキに除去カードなんて入ってないし、下手にダメージコントロールされると怖いわね。なら)このままバトルよ!」
長いようで短い思考を終えたトコハは、バトルフェイズに入った。
「ケラで、ヴァンガードにアタック!」
ケラ+オズパワー:9000+5000=14000
「ノーガードだみゅ」
対して、サーヤは迷うことなくノーガードを宣言した。
「ドライブチェック」
花園の乙女 マイリス(☆)
トコハデッキ:39→38枚
トコハ手札:6→7枚
ドライブチェックで出たカードをトコハは嬉しそうに宣言する。
「ゲット、クリティカルトリガー! 効果は全て、ヴァンガード!」
ケラパワー:9000→14000/☆2
ケラ+オズパワー:14000+5000=19000/☆2
「ダメージチェックみゅ~」
とびきりの新入生 シズク(なし)
ポッピングメロディー レイラ(☆)
サーヤデッキ:38→36枚
サーヤダメージ:1→3
流石にダメージ2は大きかったのか、サーヤは残念そうにカードを置いた。
ころころ顔が変わり、楽しそうにファイトを続けるサーヤの姿にトコハも影響されて笑っていた。
「ふふ。ターンエンドよ」
サーヤダメージ:3
サーヤ手札:6枚
エレノアソウル:3
サーヤデッキ:36枚
サーヤドロップ:0
〈 〉〈エ〉〈 〉
〈ロ〉〈 〉〈 〉
トコハダメージ:2
トコハ手札:7枚
ケラソウル:1
トコハデッキ:38枚
トコハドロップ:0
〈 〉〈ケ〉〈 〉
〈 〉〈オ〉〈 〉
そんなトコハの笑顔に満足そうに、サーヤはファイトを続ける。
「サーヤのターンみゅ。スタンド&ドロー。ライド、《未来の呼び声 ローリス》!」
サーヤ手札:6→7→6枚
サーヤデッキ:36→35枚
ここでサーヤがライドしたのは、彼女の分身といえるカードであり、FV偉才の声音 ローリスの成長後の姿、未来の呼び声 ローリスだ。
「まだまだ行くみゅ! 《とびきりの新入生 シズク》をコールみゅ」
サーヤ手札:6→5枚
〈 〉〈ロ〉〈 〉
〈ロ〉〈シ〉〈 〉
Vの後ろにコールしたことで、ローリスがお互いをハーモニー状態に変える。
サーヤの展開は止まらない。
「エレノアをコールみゅ。ローリスのハーモニー! そして、SC1みゅ」
サーヤ手札:5→4枚
〈エ〉〈ロ〉〈 〉
〈ロ〉〈シ〉〈 〉
サーヤデッキ:35→34枚
ローリスソウル:4→5
SC:トランセンドアイドル アクア
さらにコストが確保されていくことに、トコハは苦い顔をしてしまう。
「トコハお姉ちゃん。笑顔、笑顔。サーヤはまだ動くよ。《元気の魔法 ウィータ》と《大切なフレーズ レイナ》をコールみゅ。ウィータのハーモニー!」
サーヤ手札:4→2枚
〈エ〉〈ロ〉〈ウ〉
〈ロ〉〈シ〉〈レ〉
(これで全てのユニットがハーモニー状態に。GBがあるから効果の発動はしないけど、次のターン、あのユニットたちのスキルが発動してしまう。放置しておくとやっかいね)
トコハは特に、サーヤの右列のカードに注目しながら対処法を考えていた。
「行くみゅ! ウィータでヴァンガードにアタックみゅ!」
ウィータ+レイナパワー:9000+4000=13000
アイドルたちの歌による攻撃が迫り来る。
トコハはこれを受けるわけにはいかないと、カードを切る。
「ガード、《プルメリアの花乙女 シャルル》!」
トコハ手札:7→6枚
トコハドロップ:0→1
ケラ+シャルルシールド:9000+5000=14000
「なら、ヴァンガードでアタックみゅ! ここでレイナのスキル発動みゅ。ソウルに送って、1枚ドローみゅ。ローリスのパワー+5000!」
ローリスソウル:5→6
サーヤデッキ:34→33枚
サーヤ手札:2→3枚
ローリスパワー:11000→16000
ローリス+シズクパワー:16000+7000=23000
トコハの使う花園の乙女 マイリスと同じスキルでサーヤは手札を整える。
パワーも上がったためガードが難しくなってしまった。
「ノーガードよ」
このアタックをトコハは迷うことなくノーガードで受けることを宣言。
ダメージが2つしか受けていないのだから、当然だろう。
「ツインドライブみゅ」
トランセンドアイドル アクア(なし)
Chouchou ミレーナ(治)
サーヤデッキ:33→31枚
サーヤ手札:3→5枚
『ここでサーヤがヒールトリガーを引いたみゅ! 完全ガードとヒールトリガーで、守りも万全だ!』
「ヒールトリガーゲットみゅ! ダメージを1回復して、パワーはエレノアみゅ」
サーヤダメージ:3→2
サーヤドロップ:0→1
エレノアパワー:9000→14000
ローリスの歌に魅了されてしまったトコハは、デッキをめくってダメージを確認する。
「ダメージチェック」
モンキーポッド・ドラゴン(引)
トコハデッキ:38→37枚
トコハダメージ:2→3
「ゲット、ドロートリガー。パワーはケラに、1枚ドロー」
トコハデッキ:37→36枚
トコハ手札:6→7枚
ケラパワー:9000→14000
『ここでダメージトリガーが乗ったぁ!』
「うう、ガードされるみゅ? エレノアでアタックみゅ」
エレノア+ローリスパワー:14000+5000=19000
「《花園の乙女 マイリス》でガード」
トコハ手札:7→6枚
トコハドロップ:1→2
ケラ+マイリスシールド:14000+10000=24000
トコハが先ほど手札に加えたカードでガードを行った。
「(これでトコハお姉ちゃんの手札、分かんなくなっちゃったみゅ)ターンエンドみゅ」
トコハダメージ:3
トコハ手札:6枚
ケラソウル:1
トコハデッキ:36枚
トコハドロップ:2
〈 〉〈ケ〉〈 〉
〈 〉〈オ〉〈 〉
サーヤダメージ:2
サーヤ手札:5枚
ローリスソウル:6
サーヤデッキ:31枚
サーヤドロップ:1
〈エ〉〈ロ〉〈ウ〉
〈ロ〉〈シ〉〈 〉
「スタンド&ドロー! 全ての蕾よ、今こそ花開け! ライド! 《幻蒼のラナンキュラス アーシャ》!」
トコハ手札:6→7→6枚
トコハデッキ:36→35枚
今度はトコハが自信の分身であるアーシャにライドした。
そして、更なる未来を掴むために、彼女は手札に手を添えた。
「手札の《開墾の戦乙女 パドミニ》は超越コスト時にG3となるスキルを持っているわ。わたしは、このカードをコストに、ストライドジェネレーション! 《四季の花乙姫 ヴェルヘミーナ》!」
トコハ手札:6→5枚
トコハドロップ:2→3
トコハGB:0→1
超越したのは、彼女の愛用のGユニットでもあるヴェルヘミーナ。
Gユニットが登場したここからがファイトの本番だ。
「超越スキル! CB1で山札から開花をもつユニットをコールする。ディアンをSコール! ラナンキュラスがVにいるため、ディアンのパワー+1000、抵抗を得る!」
トコハダメージ:3(裏0→1)
トコハデッキ:35→34枚
ディアンパワー:7000→8000
「ここで、オズのスキル発動。開花持ちがRに登場したため、CB1、このカードをソウルに送って、1枚ドロー!」
トコハダメージ:3(裏1→2)
ヴェルヘミーナソウル:2→3
トコハデッキ:34→33枚
トコハ手札:5→6枚
FVのスキルで手札を整えたトコハはメインフェイズに移った。
「《理想の乙女 トゥーリア》をディアンとして扱ってコール。ディアンの開花。パワー+10000」
トコハ手札:6→5枚
ディアンパワー:8000→18000
「さらに、マイリスをコール」
トコハ手札:5→4枚
〈マ〉〈ヴ〉〈ト〉
〈デ〉〈 〉〈 〉
「2枚目みゅ!?」
サーヤは先ほどガードに使用したカードと同じカードが使用されたことに驚く。
このままトコハはバトルフェイズに入った。
「ディアンのブースト、マイリスでウィータにアタック!」
マイリス+ディアンパワー:4000+18000=22000
「みゅ!? ウィータの方みゅ!?」
ヴァンガードではなく、Rが攻撃されたことに驚きながら、サーヤは手札を切った。
「ちょっと勿体ないけど……Gガード! 《ラグジュアリーウェーブ エリー》! スキルは使わないみゅ!」
サーヤ手札:5→4枚
サーヤドロップ:1→2
サーヤGB:0→1
ウィータ+エリーシールド:9000+15000=24000
「なら、ヴェルヘミーナでヴァンガードにアタック! マイリスもレイナと同じスキルを持っている!」
ヴェルヘミーナソウル:3→4
トコハデッキ:33→32枚
トコハ手札:4→5枚
ヴェルヘミーナパワー:26000→31000
Vの攻撃力を上げ、手札を増やしたが、トコハのアタックステップは終わっていない。
「ここで、ヴェルヘミーナのスキル発動。CB1とGゾーンのカードを表にして、山札から開花持ちを前列と後列にコールするわ」
トコハはここで、デッキに残っている残りのディアンをそれぞれSコールした。
2体のディアンはそれぞれの開花により、攻撃力を上げる。
トコハダメージ:3(裏2→3)
トコハGB:1→2
トコハデッキ:32→30枚
ディアンパワー:7000→18000
ディアンパワー:7000→18000
〈デ〉〈ヴ〉〈ト〉
〈デ〉〈 〉〈デ〉
『出みゃした! 安城トコハお得意の、開花による連続攻撃! 圧倒的パワァーがサーヤに襲いかかる!』
残り2回に増えた攻撃を前にサーヤはファイターとして冷静な判断を下す。
「ノーガードみゅ」
「トリプルドライブ」
幻蒼のラナンキュラス アーシャ(なし)
播種の乙女 ティアニー(なし)
孔雀草の銃士 ラケーレ(☆)
トコハデッキ:30→27枚
トコハ手札:5→8枚
「ゲット、クリティカルトリガー。パワーはトゥーリアに、クリティカルはヴァンガード!」
トゥーリアパワー:9000→14000
ヴェルヘミーナ:☆2
トリガーの力を借りたヴェルヘミーナの2連撃がローリスを襲った。
「ダメージチェックみゅ」
照り映える輝石 サンディー(なし)
未来の呼び声 ローリス(なし)
サーヤデッキ:31→29枚
サーヤダメージ:2→4
「ディアンでヴァンガードにアタック!」
ディアンパワー:18000
「うう。ノーガードみゅ。ダメージチェックみゅ」」
喝采の美声 ローリス(なし)
サーヤデッキ:29→28枚
サーヤダメージ:4→5
防ぎ難い攻撃にサーヤは涙目になりながら、ノーガードを行い、ダメージを受けた。
『サーヤのダメージ5! だが、攻撃は残っているぞ!』
「トゥーリアでヴァンガードにアタック!」
トゥーリア+ディアンパワー:14000+18000=32000
ディアンの力を受けたトゥーリアがサーヤに襲いかかる。
すでにダメージ5のサーヤは、この攻撃を受けることができない。
「《トランセンドアイドル アクア》。完全ガードみゅ。コストで手札1枚をソウルに送るみゅ」
サーヤ手札:4→2枚
ローリスソウル:6→7
サーヤドロップ:2→3
手札コストをソウルに送るという珍しいカードでトコハの攻撃を防ぎきったサーヤは、笑って見せた。
「トコハお姉ちゃん。やっぱりすごいみゅ」
ピンチな状況でも簡単に笑ってみせるサーヤに、トコハもつられて笑う。
「ふふ。今度はサーヤの番だよ。ターンエンド」
トコハダメージ:3(裏3)
トコハ手札:8枚
アーシャソウル:4
トコハデッキ:27枚
トコハドロップ:3
トコハGB:2
〈デ〉〈ア〉〈ト〉
〈デ〉〈 〉〈デ〉
サーヤダメージ:5
サーヤ手札:2枚
ローリスソウル:7
サーヤデッキ:28枚
サーヤドロップ:3
サーヤGB:1
〈エ〉〈ロ〉〈ウ〉
〈ロ〉〈シ〉〈 〉
トコハからターンを渡されたサーヤは、それに応えるようにカードを引いた。
「スタンド&ドロー。征くみゅ! 手札の《がんばる才能 シャンディー》は、超越コストとする時に、G3として扱うみゅ! ストライドジェネレーション! 《念願の晴れ舞台 シャンディー》!」
サーヤ手札:2→3→2枚
サーヤデッキ:28→27枚
サーヤドロップ:3→4
サーヤGB:1→2
『出たああ!! サーヤが新たなるGユニットに超越したああ!!』
サーヤが全く新しいGユニットを登場させたことで会場は大きく湧き上がる。
「これが、5月17日にヴァンガード公認店舗限定で発売された『プレミアムコレクション2019』で登場したバミューダ△のGユニット」
トコハも始めてみるカードに、警戒心を大きくした。
「宣伝お疲れ様みゅ。このGユニットと一緒に、サーヤは新たなる未来に進むみゅ。そしてその未来でのサーヤの夢は、ホップ、ステップ……」
「「宇宙征服!!」」
手を握ってポーズを決めたサーヤにあわせるようにトコハも腕を大きく上げた。
変わらないサーヤの夢に、2人は大きく笑いこげた。
「ふふふ。本気でサーヤが宇宙を征服しちゃったら、世の中平和になるかもね」
トコハは遠い惑星クレイのことも考えながら、言った。
「当然みゅ。さあ、トコハお姉ちゃん、覚悟するみゅ。ローリスの超越スキルで、CB1してRを手札に戻して、1枚ドローみゅ。サーヤはエレノアを手札に」
サーヤダメージ:5(裏0→1)
サーヤ手札:2→3→4枚
サーヤデッキ:27→26枚
サーヤは減っていた手札を増やした。
しかし、サーヤのコンボは、ここからが始まりだ。
「手札に戻ったエレノアのスキルをCB1とSB1で発動みゅ。場のハーモニーを持つユニットと同じ枚数だけ山札の上を見て、その中の1枚を手札に加えるみゅ。サーヤの場には4体居るみゅ。よって4枚確認して、《照り映える輝石 サンディー》を手札に、残りは山札の下に置くみゅ」
サーヤダメージ:5(裏1→2)
シャンディーソウル:7→6
SB:トランセンドアイドル アクア
サーヤドロップ:4→5
サーヤデッキ:26→25枚
サーヤ手札:4→5枚
「さらに、シズクがハーモニーになったためスキル発動みゅ。山札の上5枚を見て、G3以上のカードを手札に加えるみゅ。未来の呼び声 ローリスがあったみゅ」
サーヤデッキ:25→24枚
サーヤ手札;5→6枚
シャンディーが現れたことにより、シズクから始まったデュエットがシズクの力を解放させた。
トコハはサーヤのデッキをシャッフルしながら、あっと言う間に手札を3倍に増やしてしまったことに下を巻いた。
「メインフェイズに入るみゅ。ここで、ウィータのスキル発動みゅ。SB1でこのカードを手札に戻して、手札のG1以下のカードをコールするみゅ。サーヤはアカリをSコールするみゅ。さらに、VがG4なので、CC1みゅ」
シャンディーソウル:6→5
SB:トランセンドアイドル アクア
サーヤドロップ:5→6
サーヤ手札:6→7→6枚
サーヤダメージ:5(裏2→1)
〈 〉〈シ〉〈 〉
〈ロ〉〈シ〉〈ア〉
「もう1度エレノアとウィータをコールみゅ」
サーヤ手札:6→4枚
〈ウ〉〈シ〉〈エ〉
〈ロ〉〈シ〉〈ア〉
「ここで、偉才の声音 ローリスのスキル発動みゅ。このカードソウルに送って、CB1でエレノアを手札に、1枚ドローみゅ」
サーヤダメージ:5(裏1→2)
シャンディーソウル:5→6
サーヤ手札:4→5→6枚
サーヤデッキ:24→23枚
〈ウ〉〈シ〉〈 〉
〈 〉〈シ〉〈ア〉
「エレノアが手札に戻ったってことは……」
「当然! エレノアのスキル発動みゅ。また4枚見るみゅ。……シャンディーを手札に」
サーヤダメージ:5(2→3)
シャンディーソウル:6→5
SB:大切なフレーズ レイナ
サーヤドロップ:6→7
サーヤデッキ:23→22枚
サーヤ手札:6→7枚
「コールみゅ。シャンディーとエレノアみゅ!」
サーヤ手札:7→5枚
〈ウ〉〈シ〉〈エ〉
〈シ〉〈シ〉〈ア〉
3度エレノアがコールされたことで、全てのユニットが再びハーモニー状態になった。
ここでサーヤは臨戦態勢に入った。
「ウィータでトゥーリアにアタックみゅ」
ウィータ+シャンディーパワー:9000+7000=16000
Rへの攻撃宣言を聞いたトコハは真剣に悩んだ。
「う~ん。ここは――」
悩んだ末の答えはノーガード。
トコハはおとなしくトゥーリアをドロップゾーンに送った。
トコハドロップ:3→4
「続けるみゅ。エレノアで……(ヒール2枚使われると面倒だみゅ)ディアンにアタックみゅ!」
エレノア+アカリパワー:9000+7000=16000
トコハは、今度は迷うことなくノーガードを宣言した。
これでトコハの前列にはヴァンガードしかいないことになる。
トコハドロップ:4→5
「ここでアカリのスキル発動みゅ。エレノアを手札に」
シャンディーソウル:5→6
サーヤ手札:5→6→7枚
サーヤデッキ:22→21枚
「念願の晴れ舞台 シャンディーでヴァンガードにアタックみゅ! ここでシャンディーのスキルみゅ。CB1とGゾーンのカードを表にして、山札の上10枚を見て、ハーモニー状態のユニットの数と同じだけコールするみゅ。今ハーモニーなのは4枚。《熱き羨望 マロニエ》、喝采の美声 ローリス、《ポッピングメロディー レイラ》、《お寝坊注意! クルク》をSコールみゅ!」
サーヤダメージ:5(裏3→4)
サーヤGB:2→3
サーヤデッキ:21→17枚
サーヤドロップ:7→9
〈ロ〉〈シ〉〈マ〉
〈ク〉〈シ〉〈レ〉
シャンディー+シズクパワー:26000+7000=33000
「Sコールしたユニットがハーモニー! これで6体のユニットがハーモニーになったことで、シャンディーはGゾーンの表のカード分クリティカル+1するみゅ!」
ローリスパワー:11000→16000
シャンディー:☆3
マロニエパワー:9000→12000→21000
ハーモニーによりライブを始めた人魚達がその力を高めていく。
シャンディーはその高まった力でアーシャに向けて歌を歌う。
「《播種の乙女 ティアニー》で完全ガード!」
トコハ手札:8→6枚
トコハドロップ:5→7
これに対し、トコハは完全ガードで迎え撃つ。
「征くみゅ! トリプルドライブ!」
大切なフレーズ レイナ(☆)
サーヤデッキ:17→16枚
サーヤ手札:7→8枚
「ファーストチェック! クリティカルトリガー! パワーはマロニエ、クリティカルはローリスみゅ!」
マロニエパワー:21000→26000
ローリス:☆2
ポッピングメロディー レイラ(☆)
サーヤデッキ:16→15枚
サーヤ手札:8→9枚
「セカンドチェック! クリティカルトリガーみゅ! 効果は全て、マロニエへ!」
マロニエパワー:26000→31000/☆2
トランセンドアイドル アクア
サーヤデッキ:15→14枚
サーヤ手札:9→10枚
「サードチェック! トリガーじゃなかったみゅ!」
「ほっ」
デッキ圧縮を続けていたので、全てトリガーが出てくる可能性もあった。
それがなくて、安心したトコハはティアニーを退却させながら、次のガード方法を考える。
「マロニエでヴァンガードにアタックみゅ! ここで、レイラのスキル発動みゅ! このカードを手札に戻して、ブーストしたユニットのパワーを倍にするみゅ! さらに、GB2をもっているため、クリティカル+1みゅ!」
サーヤ手札:10→11枚
マロニエパワー:31000/☆2→25000/☆2→50000/☆3
後列がいなくなったため、ハーモニー状態ではなくなったが、それを補って余りある攻撃力が生まれた。
トコハはこれを防ぐために温存していたカードを切った。
「Gガード! 《秋景の花乙姫 ヴェルナ》! スキルで、ディアンを選んで、同名カード1枚につき、シールド+5000! 2体いるため、10000よ!」
トコハ手札:6→5枚
トコハドロップ:7→8
トコハGB:2→3
ヴェルナシールド:15000→25000
アーシャ+ヴェルナシールド:11000+25000=36000
まだガード値が足りないため、トコハはさらにカードを切る。
「さらに、Gガード! 《聖樹竜 レインブレス・ドラゴン》! スキルは使わないわ!」
トコハ手札:5→4枚
トコハドロップ:8→9
トコハGB:3→4
アーシャ+ヴェルナ+レインブレスシールド:11000+25000+15000=51000
『凌いだ! 安城トコハ、2枚のGガーディアンを使って、サーヤの攻撃を凌ぎきりました!』
2人の女性ファイターによる素晴らしいファイトに会場は大いに盛り上がる。
その中には、トコハの兄マモルも妹の成長を喜びながら見ている姿も有った。
「みゅ~。喝采の美声 ローリスでアタックみゅ」
ローリス+クルクパワー:16000+4000=20000/☆2
悔しそうにサーヤはRのローリスをレストした。
「ノーガード。ダメージチェック」
共に咲く乙女 ケラ(なし)
開墾の戦乙女 パドミニ(なし)
トコハデッキ:27→25枚
トコハダメージ:3→5(裏3)
「ここで、クルクのスキル発動みゅ。ハーモニー状態のクルクがブーストしたバトルの終了時、クルクをデッキに戻して、ローリスを手札に、手札のマロニエをSコールみゅ!」
サーヤデッキ:14→15枚
サーヤ手札:11→12→11枚
〈マ〉〈シ〉〈マ〉
〈 〉〈シ〉〈 〉
マロニエパワー:9000→12000
「マロニエでアタックみゅ!」
サーヤの最後の攻撃がトコハに襲いかかる。
「《孔雀草の銃士 ラケーレ》でガードよ」
トコハ手札:4→3枚
トコハドロップ:9→10
アーシャ+ラケーレシールド:11000+10000=21000
トコハが難なくこれを防いだことで、サーヤのバトルは全て終了。
やることがなくなったサーヤはおとなしく自身のターンを終了した。
サーヤダメージ:5(裏)
サーヤ手札:11枚
ローリスソウル:6
サーヤデッキ:15枚
サーヤドロップ:9
サーヤGB:3
〈マ〉〈ロ〉〈マ〉
〈 〉〈シ〉〈 〉
トコハダメージ:5(裏3)
トコハ手札:3枚
アーシャソウル:4
トコハデッキ:25枚
トコハドロップ:10
トコハGB:4
〈 〉〈ア〉〈 〉
〈デ〉〈 〉〈デ〉
「スタンド&ドロー。ライドステップ、アーシャのスキル発動。サークルのディアンを山札の下へ送るわ」
トコハ手札:3→4枚
トコハデッキ:25→24→25枚
〈 〉〈ア〉〈 〉
〈デ〉〈 〉〈 〉
本来ならここで墓地のカードもデッキに戻せるのだが、その後の強制効果のコールを嫌ったトコハは場のカードだけを処理した。
そして、手札の幻蒼のアーシャを捨てた。
「征くよ! Gゾーン解放! 今こそ咲き誇れ、我が輝ける未来に! ストライド! ジェネレーション! 《穢れなき聖女 グリンカトリーナ》!」
トコハ手札:4→3枚
トコハドロップ:10→11
トコハGB:4→5
「来たみゅ。トコハお姉ちゃんの新しいGユニットみゅ」
今度はトコハが新カードを使ったことで、サーヤは警戒心を強める。
「超越スキルは使わないで、グリンカトリーナのスキル。Gゾーンのカードを表にして、Gゾーンの表のカードと同じ枚数だけ、プラントトークンをコールする!」
トコハのGゾーンの表のカードはたった今表にしたカードを含めて5枚。
よって、全てのRサークルにプラントトークンがコールされる。
当然ながら、残っていたディアンは上書きにより墓地に送られる。
トコハGB:5→6
トコハドロップ:11→12
〈プ〉〈グ〉〈プ〉
〈プ〉〈プ〉〈プ〉
プラントトークンがどこからともなく現れたことに1部の観客が疑問に思う。
ここでMCミヤが説明を開始した。
『安城トコハ、ここでプラントトークンをコールした! トークンは、カード効果でのみ現れる特殊なユニットのことだ! デッキにも、Gゾーンにも存在しないため、場から離れると消滅してしまうが、手札やデッキを減らすこと無く、攻撃が可能となるぞ!』
「プラントトークンのパワーは5000。ブーストをもっているわ。さらに、グリンカトリーナのスキルにより、すべてのプラントトークンのパワー+10000!」
プラントトークンパワー:5000→15000
プラントトークンパワー:5000→15000
プラントトークンパワー:5000→15000
プラントトークンパワー:5000→15000
プラントトークンパワー:5000→15000
「みゅ!? 全部の列のパワー、3万以上みゅ!?」
「バトルよ! 右のプラントトークンでヴァンガードにアタック!」
プラントトークン+プラントトークンパワー:15000+15000=30000
Gユニット以上の攻撃力でトークンがサーヤに襲いかかる。
「レイラでガードみゅ。さらにマロニエ2体でインターセプトみゅ!」
サーヤ手札:11→10枚
〈 〉〈ロ〉〈 〉
〈 〉〈シ〉〈 〉
サーヤドロップ:9→12
ローリス+レイラ+マロニエ+マロニエシールド:11000+10000+5000+5000=31000
3体の人魚が力を合わせてトークンの攻撃を防ぐ。
その影からもう1体のトークンがサーヤに攻撃を開始した。
プラントトークン+プラントトークンパワー:15000+15000=30000
「レイナとレイラでガードみゅ!」
サーヤ手札:10→8枚
サーヤドロップ:12→14
ローリス+レイナ+レイラシールド:11000+10000+10000=31000
続く攻撃も防がれたが、これでサーヤは先のターンに手札に加えていたトリガーを全て消費したことになる。
サーヤは攻撃が防ぎ辛くなったが、逆にトコハには手札のカードが読み辛くなったことを意味する。
「グリンカトリーナでヴァンガードにアタック!」
グリンカトリーナパワー:26000
それが分かっていながらも、トコハは攻撃を続ける。
「グリンカトリーナのスキル! CB1で、山札から場のプラントトークンと同じ数だけカードをコールする! 私のフィールドには、プラントトークンが5体。よって、山札から《純潔の乙女 カトリーナ》4体と、トゥーリアをカトリーナとして1体、Sコール!」
トコハダメージ:5(裏3→4)
トコハデッキ:25→21枚
〈ト〉〈グ〉〈カ〉
〈カ〉〈カ〉〈カ〉
「ちょ、ちょっと待つみゅ! カトリーナ4体を同時にコールみゅ!?」
サーヤは嘗てのファイトを思い出して、青い顔になる。
「見せてあげる。私の輝きを! カトリーナの開花! 他のカトリーナがコールされた時、カトリーナ5体のパワー+4000! 4体同時にコールされたため、16000アップする!」
そして――とトコハは続ける。
「このスキルを4回行う!」
この発言に、サーヤも観客も驚く。
『なんと、なんと! カトリーナの開花が、驚異の16回行われるぞ!』
「カトリーナの開花、開花、開花、開花!」
トゥーリアパワー:9000→25000→41000→57000→73000
カトリーナパワー:7000→23000→39000→55000→71000
カトリーナパワー:7000→23000→39000→55000→71000
カトリーナパワー:7000→23000→39000→55000→71000
カトリーナパワー:7000→23000→39000→55000→71000
全てのカトリーナとトゥーリアの攻撃力が驚異的に伸びていく。
その数値はもはや他のカードゲームでも見ることができないぐらい膨れ上がった。
「はわわわわ」
サーヤは残った自分の手札と、トコハの場を何度も見返しているが、その様子はどう見ても慌てふためいているようにしか見えない。
青い顔のサーヤはそれでも勝つことを考えて、思考を重ねる。
そして、彼女が出した結論は――
「手札の《照り映える輝石 サンディー》は、Gガードのコストにできるみゅ。2体目のエリーをコールみゅ。エリーのスキルで、ドロップゾーンの守護者と、Gゾーンの表のエリー1枚につき、シールド+10000みゅ。サーヤには、3枚の守護者と1枚のエリーが居るみゅ。合計40000みゅ」
ギリギリまで耐えることだった。
喰らうダメージを少しでも少なくすることでノーガードによるヒールトリガー狙いの確率を少しでも上げることを選んだのだ。
サーヤ手札:8→7枚
サーヤドロップ:14→15
サーヤGB:3→4
エリーシールド:15000→55000
ローリス+エリーシールド:11000+55000=66000
こちらもまた驚異的な守備力でトコハの攻撃を防御した。
これでトコハは3回トリガーが出てもヴァンガードの攻撃を通すことができない。
「トリプルドライブ」
そんな彼女の意気込みを感じたのか、トコハも堂々とデッキを捲り始めた。
共に咲く乙女 ケラ(なし)
播種の乙女 ティアニー(なし)
メイデン・オブ・ゼフィランサス(☆)
トコハデッキ:21→18枚
トコハ手札:3→6枚
「ゲット! クリティカルトリガー! パワーはトゥーリアに、クリティカルはカトリーナに!」
トゥーリアパワー:73000→78000
カトリーナ:☆2
トゥーリアのパワーとカトリーナのクリティカルがさらに上がり、グリンカトリーナに憑依していたトコハはそのままサーヤに斬りつけたが、防がれた。
その攻撃を陽動としたカトリーナの攻撃が始まった。
カトリーナ+カトリーナパワー:71000+71000=142000/☆2
「完全ガードみゅ!」
サーヤ手札:7→5枚
ローリスソウル:6→7
サーヤドロップ:15→16
こちらは完全ガードで防ぎきる。
残る攻撃は1回だけだ。
(これでサーヤの手札は5枚。もしあの中に完全ガードがあるか、ヒールもしくはサンディーが2枚あれば防がれる)
サーヤのエリーはスキルで大きく守備力が上がる。
現在の上昇値は6万で、合計7万5千となる。
これもまた驚異的な守備力だが、トコハの攻撃を防ぐには足りない。
だが、2枚あれば防ぎきられる。
「(でも、止まるわけにはいかない!)カトリーナでアタック!」
トゥーリア+カトリーナパワー:78000+71000=149000
最後の攻撃がサーヤに襲いかかる。
全てはサーヤの手札にかかっていた。
「ノーガードみゅ! もうどうにでもなれみゅ!」
ガードは、できなかった。
ダメージに苦しみながら、サーヤはデッキに手を置いた。
「ダメージチェックみゅ」
未来の呼び声 ローリス(なし)
サーヤデッキ:15→14枚
サーヤダメージ:5→6
トコハWIN
結局ヒールトリガーもでなかったことで、サーヤは項垂れながらダメージを置いた。
だが、時間をおかずにサーヤは顔を上げた。
「やっぱりトコハお姉ちゃんは強いみゅ~。負けちゃったけど、サーヤとっても楽しかったみゅ~」
顔を上げたサーヤはいつも以上の笑顔でトコハを称えた。
そんなサーヤにトコハも同じように応える。
「サーヤもとっても強かったよ。もしGガードが2回使えたら、防がれてたもん」
トコハは最後の攻撃の際に懸念していたことを告白しながらサーヤを称えた。
あれだけのパワーをたたき出しながらも防ぎきられる恐れがあるとは、やはりバミューダ△は恐ろしい。
「みゅ~。完全ガードもヒールもなかったみゅ~」
その懸念が杞憂であったことをサーヤは少し苦笑しながら伝えた。
そうして笑い合っていると、2つの扉が同時に開き、その上に勝者と敗者とそれぞれ書かれた。
「勝ったわたしがこっち。負けたサーヤはそっちに進めばいいのね」
「そうみたいだみゅ。じゃあトコハお姉ちゃん、サーヤたちと決勝トーナメントで戦うためにも、頑張るみゅ!」
サーヤは両手を挙げて宣言した後、自分の道を全力で走って行った。
「うん。そうだね。サーヤも頑張って。さて、行きますか」
トコハはそんなサーヤを見送った後、聞こえないことも分かったうえでサーヤを激励しながら自らの道を進み始めた。
VF世界大会日本本予選、セカンドステージは始まったばかりだ。
ちなみに。
「サーヤ頑張るみゅ~! あれ?」
トコハと別れたサーヤが全力で道を走っていると……何故か観客席についてしまった。
「あれ? サーヤだ」
「ホントだ。どうしたんだろ?」
偶然後ろを向いた観客がサーヤに気づき、ざわめきだす。
この意味に気づいたサーヤの顔は青くなる。
「もしかして……サーヤ失格みゅ!?」
「サーヤだ! サインくれー!」
「握手してくれー!」
嘆くサーヤを無視してファンたちはサーヤに群がる。
サーヤはプロ根性で対応しながら自分がセカンドステージ最初の失格者であることを受け入れたのだった。
弥富サヤ、失格。
続く。
そのころ、シオンは迷宮内を走っていた。
「それにしても、この迷路はよくできているね」
周囲を確認しながら進む姿は迷宮に良く似合う。
突然、シオンは立ち止まって迷路の壁を良く観察してみた。
「この迷路、どこかで見たことあるような?」
彼の疑惑が解決する時、それはそんなに時間もかからずに来るのだった。
次回予告
「みゅ~! もう失格みゅ~」
「おしかったね、弥富君。良いファイトだったよ」
「ありがとうみゅ~。でもチームとしては負けてないみゅ。サーヤはルーナちゃんとアムちゃんを信じるみゅ」
「うん。それでこそ、チームと言うものだね」
「トコハお姉ちゃんも、前にそういうの学んだって言ってたみゅ」
次回、第18ターン:ダークゾーンの儀式
「トコハが何処でそれを学んだのかは、気になるけど。それよりも弥富君、仕事の話をしていいかな?」
「もちろんみゅ。またドラエンをサーヤが盛り上げてみせるみゅ」
「よろしくお願いするよ。詳しい話は別室でね」