カードファイト!!ヴァンガードG 再結成!世界に挑戦する3人 作:リー・D
トライスリーに立ちふさがるのは、予想もしない強敵達だった。
MCミヤの口調間違っていたら、申し訳ありません。
U-20の会場にもなった、日本が誇るヴァンガードスタジアムで今日、VF世界大会日本本予選が開催した。
MC『VF世界大会。今年から始まった、文字通り世界一のヴァンガードファイターチームを決めるビッグイベントが今日ここに開催しにゃす!』
数々の大会のMCを勤めてきたミヤが今大会の開催を高らかに宣言した。
その様子をトライスリーの3人は、会場内のホールで真剣な表情で見ていた。
クロノ「U-20以来か。またここに来れるなんてな」
シオン「しかも、今度は同じチームで。あの時は、別々だったね」
トコハ「あの時は、2人とファイトするのが楽しみだった。でも、やっぱりこのチームで立てることがとても安心できて、嬉しいな」
クロノ「本当にな」
トコハが笑ったことにつられて、クロノもシオンも笑った。
ミヤ『今大会、注目すべきチームは数多く居ますが、最初に紹介するべきは、やはりこのチーム!』
ミヤの合図により、会場の電気が落とされた。
そして、正面スクリーンにかつての活躍が映し出される。
ミヤ『数多くの試練をくぐり抜け、初代ジェネレーションマスターに輝き、3年前のU-20では、それぞれが、それぞれのチームをベスト4以上にゃで導いた彼らが今! 再び戻って来た!』
そして、スポットライトが彼らを照らし出し、会場中が歓声に包まれた。
ミヤ『チームトライスリー! プロファイターとして活躍中の安城トコハ選手以外は、ここ最近ヴァンガード大会への出場がありにゃせんでしたが、再び、リーダー新導クロノを中心に改めてチームを組み、世界に挑戦しにきにゃした! 彼らがどれほど成長したのか注目が集にゃるぞ!』
ミヤのプレゼンにより、客席はまたしても大きな歓声をあげた。
これを聞いたクロノは少し照れくさそうだ。
ミヤ『注目すべきは、彼らだけではありにゃせん。今年のU-20優勝チームがこのVF世界大会に殴り込みだ! チームジャスティス・ヴィクトリーズ!』
次はタイヨウたちを照らし出す。
ミヤ『リーダー、明日川タイヨウは、かつて、チームストライダーズとして、新導クロノの右腕を務めていにゃしたが、翌年からは一転、打倒新導選手を目指してこのチームを結成! 残念ながら公式大会での対戦機会はこれにゃで1度もありにゃせんが、今回こそは対戦が期待されにゃす!』
クロノ「やっぱり出てきたな、タイヨウ」
トコハ「渕高君や守山君も強敵だもん。予選ぐらいは突破してくるわよね」
シオン「U-20の優勝チーム。当然ながら、要注意だね」
ミヤ『そして、かつてのストライダーズの最後のメンバー! 東海林カズマが新チーム、ニューオーガを率いて堂々参戦だ!』
スクリーンに、カズマとそのメンバー、ベルノと東雲が映し出される。
クロノ「カズマ!? それにあの2人は!」
トコハ「ベルノさん!? オーガってことは、鬼丸さんが当ての人!? それにもう1人は!」
2人は最後の1人との因縁がある人物、シオンの方に振り向いた。
シオン「……東雲……ショウマ……」
ミヤ『東海林カズマのチームメンバーは、兄、鬼丸カズミのチームメイト、ベルノ・ファーレンハートと元チームディマイズのメンバー、東雲ショウマだ! 5年前の全国大会以来の公式大会出場となる東雲ショウマですが、その実力がどれほど上がっているのか、注目が集まりにゃす!』
シオンは、ただジッとスクリーンを見つめるだけだった。
トコハ「シオン……」
クロノ「……大丈夫か?」
2人は、因縁の相手の出現に、シオンが何を感じているのか分からず、心配する。
だが、シオンは笑った。
シオン「大丈夫だよ。驚きはしたけど、彼とはもう決着が着いている。ただ、大会中に会って見るよ。何のために出場したのかを」
その真直ぐな瞳にクロノもトコハも安心して笑い、3人はスクリーンに向き合った。
シオン(来るなら来い。東雲ショウマ。僕は逃げも隠れもしない。4年と言う歳月が貴方にどのような影響を与えたのか、ファイトで見極めてあげます!)
ミヤ『VF世界大会にもやはりアイドルは必要だ! チームラミーラビンリスwithサーヤ! 今大会にも堂々参戦!』
人気アイドルである彼女たちの紹介は、これまで以上に会場を沸き立てた。
シオン「アム……」
クロノ「どうやら、知ってたみたいだな」
トコハ「この間、電話でもしたんじゃない? 次の日から機嫌よかったし」
シオン「まあね。彼女とのファイトもちゃんとしないといけないね」
そんなことを言ったシオンの顔は、これまで以上に嬉しそうだった。
そんなシオンを見たクロノとトコハの顔は、とてもニヤついていた。
ミヤ『U-20からの資格はまだまだいにゃす! チーム新ニッポン! 今年のU-20は惜しくも準優勝でしたが、敗退したジャスティス・ヴィクトリーズにリベンジなるか!』
クロノ「あいつらの目標は、世界だったもんな。そりゃ出るか」
3年前にお好み焼きを一緒に食べた時、彼らが語った夢のことを思い出していた。
トコハ「ライブお義父さんたちが叶えられなかった目標を、自分たちがやり遂げるって何時も言ってるもんね」
クロノ「ああ。マコトなんて、親父が帰ってきてからは、U-20前は必ずファイトしてもらってるからな。俺もたまにやるし」
シオン「でも今回はライバルだ。必ず勝とう」
3人は大きくうなずいた。
ミヤ『女性の顔は笑顔だけではありにゃせん! このチーム名は、その証か!? チームガールズラース!』
スクリーンに映し出された3人を見て、多くの人が驚愕の感情をあらわにした。
トコハ「クミちゃん!? なんで!?」
シオン「あれって……先導エミさん!?」
クロノ「ナギサ……さん」
カズマ「ちょっ、えっ? ……えっ?」
ミヤ『3年前はチームヘル&ヘブンとしてU-20に参加した先導エミと大文字ナギサが今度は、チームハイメフラワーズの岡崎クミを迎えて再挑戦! いったいどんなファイトを見せてくれるのか!』
観客席は可愛い女性の登場に大きく沸きあがった。
しかし、トライスリーの3人を始め、知り合いのものたちのテンションは低かった。
トコハ「クミちゃん。最近連絡が取れないときが多かったけど、こんなことやってたのね」
クロノ「ラースってなんだよ。ラースって。カムイさんやカズマなんかしたのか?」
シオン「ラースは間違いなく憤怒だろうけど。本当にどうしてこんなチーム名をつけたんだろうね」
トコハ「私、クミちゃんに問いただすね」
クロノ「おう、頑張れよ。こういう時、女は強いぞ」
シオン「経験談?」
苦笑するしかなかったシオンが聞いた言葉にクロノは肯いた。
彼が思い浮かべるは5回連続クリティカルだ。
ミヤ『そして、伝説のチームの復活は、トライスリーだけではありません。かつて、アジアサーキット優勝を果たした、このチームも復活だ! チームQ4!』
スクリーンには、アイチ、櫂、カムイが映し出された。
これにも大きな歓声が上がった。
ミヤ『メンバーの1人、戸倉ミサキは、今回は不参加と言うことで、他の3人が出場だ! 特に、櫂トシキはユーロリーグで、葛木カムイはアジアリーグでの活躍からか、今大会優勝候補筆頭に名が上げられているぞ!』
クロノ「カムイさん! 戻ってきてたんだ。それにアイチさんまで」
トコハ「櫂さんも参戦か。まあ、同じユーロリーグ所属の私が参加してるんだもん。櫂さんが出てても不思議じゃないよね」
2人が嬉しそうに話している中、シオンは、黙って彼らへの対処法を考えていた。
この内容は、開始直前に2人に伝えられることになる。
シオン(ところで、櫂さんの顔が若干青いのはなんでなんだろう? カムイさんが青いのは何時ものことだけど)
ミヤ『続いては、チームトリニティ・ドラゴン! トライスリーと互角に渡り合える実力を持ちながらも、組み合わせの悪さ故に、全国以上の大会は何時も逃してきた彼らがついにこの舞台に上がって来た!』
トコハ「多度君たち、勝ち抜けたんだ。良かった」
クロノ「あいつらは2号店の予選突破組みだぜ。俺が司会やってたから良く知ってる」
シオン「知ってるなら教えてくれればよかったのに」
トコハ「そうよ」
少し攻められた言葉にクロノは頬をかきながら苦笑した。
クロノ「あいつらに頼まれたんだよ。会場で驚かせてやるから黙ってろって。1号店で負けたって言ってたから、たぶんアイチさんたちに敗れたんだろうな」
シオン「戦歴は?」
クロノ「決勝で、チーム下克上って言う、石田さん、三和さん、小茂井さんのチームと戦って、三和さんにカルが負けて、それ以外が勝ったって感じだ」
クロノは嬉しそうに、その大会のことを思い出している。
シオン「石田さんは比較的強いほうだから、トリドラもやっぱり強敵だね」
トコハ「本人たちは何時もどおりだけどね」
スクリーンには、何時ものポーズを決めたトリドラが映っている。
紹介されてからずっとこのままなので、苦笑により会場の熱が少し冷めてしまった。
ミヤ『そして、今大会最重要のチームを紹介いたしにゃしょう! あの、伝説のチームが本当に復活しにゃした!』
スクリーンに大きく映し出された彼らは――
トライスリー『えっ!?』
ミヤ『かつて、日本を制し、世界に挑戦する機会を与えられたにも関わらず、突如として解散してしまった伝説のチーム。その名は……チーム! NIPPON!』
ライブ、シン、そしてマークの姿があった。
会場は、1度困惑したものの、すぐに彼らの正体に気づき、これまでで1番大きな歓声が上がった。
クロノ「お……親父!? シンさん!? マークさんまで!? なんで!? えっ!? えーっ!???」
トコハ「おおお、おち……おち……落ち着いて、クロノ!」
シオン「2人とも落ち着いて。まずは深呼吸だ」
シオンの言葉の通り、深呼吸をした2人は、改めて状況を確認した。
クロノ「親父……確かG5って言ってたのに。何で参加してるんだ?」
シオン「冷静に考えれば、参加までにグレードを上げたんだろうね。シンさんが急に仕事を休むって言っていたけど、合流するためだったんだ」
トコハ「私たちに話が来なかったのは、ミクルさんが口止めしてたからよね。やられたわ」
全員が溜め息をつくぐらい呆れたのは仕方が無いだろう。
クロノ「てか、マークさん。ニンジャマスターじゃないんだな。珍しい」
シオン・トコハ「「えっ? ニンジャマスターって何?」」
クロノ「マークさんはファイトする時は兜被ってニンジャマスターMを名乗るんだ。ちなみにぬばたま使いな」
へーっと2人はクロノの友好関係に感心した。
そして、もう1度、スクリーンを見る。
クロノ「日本を制しただけあって、親父たちは本当に強い。間違いなくこの大会、優勝への壁として立ち塞がるのは親父たちだ」
トコハ「お義父さん強いもんね。私あんまりファイトしたことないけど、すると結構負けるし」
シオン「それは強いね。でも、アイチさんや櫂さんも強敵だ。いや、ここに居る全員が僕たちの壁だ」
クロノ「なら、壊して進むだけだ。これまでとなんら変わりない」
トコハ「そうね。必ず優勝しましょう」
ミヤ『名前は挙げませんでしたが、彼ら以外のチームも、強豪がたくさんいにゃす! 優勝するのは、いったい、誰だ!!』
MCミヤのプレゼンにより、会場中が活気に満ち溢れた。
その空気のまま、再び照明が落ち、1つのスポットライトのみが残った。
それは中央ステージを示しており、ある人影を映し出した。
伊吹『ヴァンガード・ファイト世界大会の実行委員長を務める伊吹コウジだ。これより、VF世界大会日本本予選、ファーストステージを行う。諸君らに挑んでもらうのは、「クレイスクランブル」だ』
伊吹の合図に合わせ、スクリーンに複数の風景が映し出される。
それは、1度U-20で降り立ったものと同じ風景だった。
伊吹『諸君らには、この惑星クレイをモチーフにした会場で、ファイトを行ってもらう。諸君らのファイターズバングル。通称ファイバは、対戦相手と一定の距離に近づけば、自動的にファイト申請が入るようにしてある。ファイトを拒絶することはできないので注意するように』
参加者の多くが、受付で受け取り、自身の腕に取り付けたファイバを確認する。
少し操作を行うと、自分の状況が映し出される。
伊吹『ファイバには、自身とチームの現在のポイントが映し出される。時間は限定されるが、他のチームのポイントも映し出されるので、参考にするようにしろ。ポイントは、最初は全員5ポイントずつ渡されている。このポイントを賭けてファイトをしてもらう』
トコハ「3年前のU-20と同じルールね」
ここでスクリーンにデフォルトされた伊吹とヴァンガ朗君が映し出される。
伊吹『(何故これなんだ)ファイトに勝利すれば、勝利ポイント1ポイントと対戦相手のポイントの半分を得る。ファイトに敗北すれば、所有ポイントの半分を失い、ドロップゾーンに送られる。チーム全メンバーがドロップゾーンに送られれば、その時点で失格となる。逆にチームメンバー何れかが勝利すれば、ドロップに送られていたメンバーは全員復活できる。万が一、ポイントが0になった場合は、その場で失格。チームが勝ち上がらなければ復帰できない。チームで50ポイントを獲得すればファーストステージ突破だ。さて、ここまでは、3年前のU-20と同じルールだ』
伊吹が言葉を句切ったところで、スクリーンも切り替わる。
伊吹『今回は、諸君らに相性と言うものを設定している』
参加者全員が、伊吹が何を言っているのか分からないという反応をした。
伊吹『ランダムに対戦する相手との相性が良いか悪いかを設定してある。諸君らと対戦する相手と相性が良いのなら、勝利時に通常よりもポイントが多くもらえる。悪いのなら敗退時にポイントを多く失うことになる。それぞれの逆は通常と変わらない』
シオン「つまり、相性が良い相手に負けてもペナルティは通常通りだけど、相性が悪い相手に勝ってもボーナスは無いってわけか」
クロノ「結構複雑だな。勝ち続ければ良いだけだけど。あれ? トコハどうした?」
横を見てみると、トコハが何か考え込んでいた。
トコハ「これ、私とクロノの相性を見せてもらえないかしら」
考えていたことを知った2人は、完全に呆れの表情に変わった。
シオン「……悪かったら落ち込むと思うから、やらない方が良いよ」
クロノ「同感。シオン、頑張れ」
クロノがシオンの肩に手を置き、慰めた。
そう、シオンは恋人であるアムと戦うつもりなのだ。
機械がランダムに選んだとはいえ、恋人同士で相性最悪などと出れば、落ち込むのは必然だろう。
シオン「……せめて、相性普通と出て欲しいね」
伊吹『相性が良い相手を引き当てるのも、強さの1つだ。このステージでは、諸君らのあらゆる引き運を見せてもらう。ルール説明はここまでだ。諸君らの健闘を祈る。さあ、舞台に降り立て! ヴァンガードファイターたちよ!』
伊吹の合図に合わせ、ファイターたちは次々とクレイスクランブルの会場内へと送られた。
トライスリーはそれぞれを見て、ただ肯くだけ。
言葉にする必要は無い。
狙うはただ、優勝だけだ。
クロノ「ここは……前にカオスブレイカーと戦った場所か」
クロノが着いたのは、以前のクレイスクランブルで最後にファイトした場所である、滝のある自然豊かなところだった。
懐かしんで、周りを見渡していると、クロノのファイバが音を出し、ファイトが受理したことを示す、エクスクラメーションマークが映し出される。
クロノ「おっ、早速か」
クロノは相手を確認するために、周りを見渡す。
?「あっ! クロノさんだ!」
対戦相手は、すぐ傍に居たのだった。
続く
次回予告
「伊吹君お疲れ」
「ああ。毎度のことだが、この役目は疲れる」
「そうだね。ねえ、伊吹君。あの相性システムって僕たちも使えるの?」
「は? 登録すれば、使えるが?」
「ならよかった。伊吹君、登録してきてよ。そして相性が良い人を探して付き合ってみたら?」
「お前は何を言っている。安城マモル。あれはファイターとしての相性を見るためのシステムだぞ。恋愛相談用じゃ無い」
次回、第8ターン:リベンジ
「だいたい。お前の方が年上だろ!」
「いやいや、君は万年独身のような気がしてならないんだよ」
「よけいなお世話だ!」