「ふたり」の「他愛のない」日々   作:刃波海苔

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はい今回は前回と前々回の予告通り剣士さんと巫女さんの話となっております。正直イチャラブ成分は薄いですが。
他に、安易なキャラ付けとして廓言葉と京言葉を使っています。正直言って自信が無いので誰か取締りに来て……。誤字脱字報告で教えていただけると幸いです。ついでに誤字脱字も。
あ、それと今回は地の文無し縛りを一つのエピソード限定で解きました。技量不足が原因ですね、大変申し訳無い。
ていうか人が求めるものにはなってないかもです、はい。
更に設定がいつも以上に長いです。なにやってんだ。

今回は下ネタとは別の意味で食事中の閲覧には適さない要素が含まれています。
今回は過度の罵倒が含まれます。
今回は胸糞注意です。
今回は残酷な描写が有ります。


剣士さんと巫女さんの日常

◯日常回

 

『焼け死ねっ、しねしねしねしねぇーっ! あひゃっ、ひゃーはっはっはっ!』

「ぐっ、うおおっ!」

「剣士さま!」

「くっ……! 大丈夫だ……」

「! そんな、足が……」

『おいおいおいおい、人様の目の前でいちゃつくなんて、随分と余裕みてぇだな……。まさかおいらの鬼火で焼け死んでねえからって良い気になって慢心してんのかぁ? 今のはとろ火なんだ……本気で焼こうと思えばお前らなんて炭にできらあ……』

「ふん……。その言葉、そっくり貴様に返すぞ」

『なにい……?』

「……(剣士さま、こういうことですよね……!)」

「敵の目の前でベラベラと講釈を垂れる。如何にもお前のような雑魚がやりそうなことだ」

『なんだと……! おいらが雑魚だと……!』

「貴様以外の誰が雑魚だと? それすら分からないのか……雑魚めが」

『てめぇ……!』

「どうした、腹が立ったか? 図星を付いてしまったか?」

『楽に死ねると思うんじゃねえぞ!』

「吠えるな、実に。……ならさっさとかかって来い、腰抜けの雑魚が」

『死ねぇーっ!』

「今だ!」

「封結!」

『な、な、なんだ、こりゃ!』

「貴様のような雑魚には良く効く檻だ、人喰い狐」

『こんなもんおいらの炎で、うおおおお……ぎゃあぁぁぁ!』

「この結界がそんな炎で破れると思いましたか!」

『熱い、熱いぃ……』

「楽に死なせてやる」

『ひっ、い、嫌だ! 地獄はもう、嫌だ……!』

「ぬんっ!」

『(親方様、おいらは、おいらは……!)ぎぇっ!』

 

◯非日常回

 

「まーま」

「どうしたの、なっちゃ、っ! 剣士さま、大変です!」

「っ! どうした⁉」

「夏花が支えも無く立っています、歩いているのですよ!」

「なにっ、お……おおお……!」

「なっちゃん、ママはこっち、こっちですよ!」

「まーま!」

「おおおお……!」

 

◯非日常回その二

 

「ふふ、可愛い……」

「ああ……。しかし、ついこの間まで這っていると思ったのに、もう歩きだすとは……未だ乳飲み子とはいえ、凄まじいな」

「そうですね……言葉を話すようになったのだって結構最近な気がします」

「それは確かに最近のことじゃなかったか?」

「そう、でしたか?」

「そうだったはずだ」

「そうでしたか……」

「成長が早い、ということだ……夏花、夏花よ」

「なっちゃん、パパのおてて握ってあげて?」

「ん、ぱーぱ!」

「おおおお……!」

 

◯日常回その二

 

「ふむ、夜な夜な墓場で啜り泣く声がする、と……?」

「ええ、その通りでございます、剣士様……」

「あの……つかぬ事をお聞きいたしますが、最近、どなたか亡くなられましたか?」

「ええ、巫女様。……とても気立ての良い娘でした。しかし、事故から弟を庇って……」

「なるほど……。引き受けよう」

「おお、やっていただけますか!」

「無論、任せると良い……ン、鐘の音か?」

「ええ、良い音色でしょう? 五時の時報として鳴るようにしているのです」

「確かに……なんだかとっても清らかな音色ですね……」

 

◯日常と非日常の狭間

 

『そっか……あたし、もう死んでたんですね……だからみんな無視したんだ、だから家じゃなくて自分のお墓に帰ってたんだ……。うん、だんだん思い出してきた。……あの子は、うちのリクは?』

「無事だ。貴方が亡くなって悲しみ、落ち込んでいるが、身体には傷一つ無い」

『本当? ……よかった。……本当に、よかった……』

「どうする、あの子と顔を合わせてから逝くか? ……巫女の力があれば、只人にも見えるようになる」

『……なら、会いたいです。お母さんとお父さんの代わりに一緒に居るって約束を破っちゃったこと、謝ってから成仏したいですから』

 

◯日常回その三

 

「……往くぞ、彼女の仇を討つんだ」

「はい……!」

「事故とはよく言ったものだな、町長……妖と手を組む、畜生にも劣る下衆が……!」

「……生かしておくわけにはいきません」

 

◯日常回その四

 

「どうなっている?」

「はい、これを……」

「なるほど……」

「ええ、記憶と認識を操る呪具です。……音に効果を乗せることができるタイプの」

「それで妖に襲われた人々の被害を事故だとまやかしていたということだな、町長?」

「むー、むーっ!」

「妖の居場所を言いなさい。言えば慈悲を与えます……嘘偽り無く明かすと誓えますか?」

「むうっ、むうっ! ぶはっ……!」

「言え」

「ひっ! 言います、言います! ですから剣を……」

「早く言いなさい、私はあなたが思っているほど気の長い人間ではありませんから」

「ひいっ……。お、御狐様は……いえ、奴はマンション建設予定地に潜んでおります……はい」

「ふうん、だがあれはどうやら何年も建設予定のままのようだな、え?」

「それをこの呪具で誤魔化していたのですね、あなたは」

「……い、命は助けていただけるのですよね⁉」

「……私、そんなこと一言でも言いましたか?」

「えっ」

「貴様のような下衆は首を晒すが似合いの末路よ」

 

◯狐火(地の文注意)

 

「異界を作っている……それなりの力は持っているようだな、御狐とやらは」

「なんという妖気……!」

 結界を解除し、横断幕をくぐり抜けた二人の視界には、異様な風景が広がっていた。

 炎と血に沈む町。あえて呼ぶなら、恐らくそれが尤も適切だろう。空襲を受けた町並みにも似ているかもしれない。

「……急ぐぞ」

「はいっ」

 鼻を刺す、鉄分とタンパク質が焦げた煙の香りを堪え、犠牲者の魂が素になっているであろう動死体を剣と術で蹴散らしながら奥へ、奥へと走る。

 ――二人が邪悪な妖気を放つ小さな祭壇を見つけたのは、揃って返り血(まみ)れになった頃だった。

「これが源になっているようだな」

「はい、間違い有りません……結界、始動しました!」

 剣士は手にした打刀に、包むように〈破魔の気〉を纏わせる。高度に練られた〈破魔の気〉は物理的な破壊力を有し、鉄槌にも似た威力を発揮するということは、彼とその界隈にとって常識だった。

 剣士は、それによって祭壇を木っ端微塵にするつもりで剣を振りかぶる……!

「終わりだ、御狐とやら……!」

『おやおや……人間風情が。戯言を言いなんすな……』

 少女のように愛らしい、しかし遠くから響くような異質な声が場を支配したのは、今まさに鉄槌をくださんとした剣が不自然に静止させられたのと殆ど同じタイミングだった。

「お前は……!」

「っ!」

 息を、呑む。まさかこれほどの存在だとは……! 夫妻は目の前の豪奢な着物を艶やかに着崩した、見目麗しい少女を見てそう思った。

『あきちはお紺。ほんの短い一瞬(ひととき)ですが、どうぞよろしゅう……』

 炎が舞う。全てを焼き焦がすように、激しく。外から内までを舐め溶かすように、艶やかに。

「あ……! ぐっ、げほ、けほっ!」

「すまない!」

「だい、丈夫です、やれます……から」

 人間離れした身体能力を持つ剣士は巫女を抱えたまま大きな跳躍を繰り出すことで高波のような形で放たれた炎を回避していた。

 だが咄嗟であったから、巫女へ警句を発するといったことができず、急激な加重を与えることになってしまったのだった。

『ほほ、やりますなぁ……その犬畜生の吐瀉にも劣る好かねえ臭いに、あきちらのような動き、主さん討妖の剣士でござりんすか。それも面倒を見てる男衆が世話んなった……』

 臭いと言わんばかりの仕草をする御狐に、剣士は呆れた風に言葉を返す。

「だったらどうした? 肥溜め以下の汚臭を撒き散らす、汚らわしい妖が」

「それがわかったところであなたが私達に敗れ、地獄に還ることに変わりありません」

『ほほ……冗談は顔だけにしておくんなんし?』

 罵倒の応酬の末、狐は炎を舞わせ、剣士は剣を構え、巫女はしゃらんと手鈴を鳴らす。

 ……人知を超えた超自然の戦いが始まろうとしていた。

「封!」

 誰よりも先に動いたのは巫女だった。掛け声に連動して現れた板のような結界が押し潰さんと前後左右から御狐に迫るが、それは御狐が発した炎の嵐に焼かれ、ガラスのように砕け散る。

「もらった!」

 しかし本命は巫女の巫術で更に強化された剣士の剣閃である。跳躍で炎を一息に駆け抜けると、肩がけに振り切り――空振る。御狐が身を反らしたからだ。

『ふふ……おっと!』

 返す刀で横に薙ぐ。しかし、それも小刀を思わせる爪で止められる。

「っ、破っ!」

 反撃を予感した剣士は飛び退くと同時に破魔の光弾を撃ち込む。が、お狐は高速で飛来する鉄球に等しい威力を持つそれを、貫手の一撃で四散させた。

 それでむわりと拡がった破魔の気が煙幕として機能し、御狐の動作、剣士へと飛びかかる準備を隠す。

「ぐっ……!」

『あらら、止められてもうた……』

 剣士は襲いかかった爪――剥がして逆手に構えている――を先に自分が防がれたように受け止め、弾く。

『ちょっとばかし付き合っておくんなんし?』

「う、ぐっ! ぬおおっ!」

「剣士さま!」

 目鼻耳、喉胸腹。剣士のそれらを狙った高速の斬撃が何度も放たれ、その度に刀で弾く。

 悲鳴染みた叫びを上げながら見守る巫女の目には火花が何度も散っているとしか見えない、激しい剣戟。それは唐突に終わった。

『おい、しょと』

「なにをっ⁉」

 剣士がまさか、と思ったとおり、巫女に向かってなにかが飛んでいた。剣閃を空いていた片手で握り込んで止めてから投げたのだ。その手に握った鋭い、小刀のような爪を。

「避けろーっ!」

「あっ……」

 反応は――間に合わない。空気を裂いて殺到したそれは、巫女の右腕を骨ごと切り落とした。

「あぐっ、うああああッ!」

「貴様ぁぁぁぁーっ!」

『ああ、ああ……! なんて、なんて素敵な悲鳴、なんて心地良い憎悪……!』

 気絶した巫女の腕からは鮮血が、剣士から怒りに満ちた破魔の気が、御狐からは悦びの炎が迸る。

「貴様っ、貴様ァッ!」

『ああん……澄ましてばかりのさっきより、ずうっといい男になりんした……♡ 素敵……♡』

 大切な人を傷付けられた怒りと、失う恐怖に動かされて振るう剣は、閃きとは言えないほど出鱈目で、先程まで発揮されていた技巧は欠片も存在していなかった。

 その様子は、ほう……、と恍惚とした息を漏らしながら、余裕を持って剣を捌く御狐とは対照的で、それが二人の間に有る力の差を顕著にしているようだった。

『では……そろそろお開きにしなんす』

「おぐっ⁉」

 腹への拳打。その一撃で剣士は呆気なく意識を刈り取られ、倒れ伏す。

 ――そして、炎が豪、と音を立てた。夫妻を灰燼として尚燃え続けるであろう炎獄が、上げた手にならってか天高く……さながら竜巻のように燃え盛る。

『おさらばえ……』

 手が振り下ろされると同時に若い夫婦は子を残して天に召される――はずだった。

 ひゅっ、と風が吹く。一度では無い。二度、三度、四度。何度も、幾度も。

 ――風……否、剣圧によって炎の竜巻が消えたあとには初老の男が一人佇んでいた。

『……麻灯(まとう)の? 退いたんじゃ……まさか』

「左様……。久しいな、九尾……いや、今は六尾か……。まさかここまで早く復活しているとは……どうだ、ここは一つ、儂と盃でも傾けんか?」

 怒りを顕にする御狐と、提案とは反対に剣呑な雰囲気を放つ男の様子が二人の間に横たわる遺恨を物語っていた。

 

◯ダディグランパと六尾とときどき誰かのおかん

 

「ふむぅ、安酒と侮っていたが……これはなかなか!」

『……良い味』

「どうだ、この酒に免じてあの二人は見逃してやってくれんか」

『それはあちきの気分しだいでありんす。……手当をさせてやっただけありがたく思っておくんなんし』

「……お前さん、なんで慣れない廓言葉なんて使ってるんだ? 」

『あきちの〈一部〉……主さんも知ってるあの子が……昔で言う、遊女のようなことまでして子供を育てていたからでありんす。……ウチには理解でけへん、好きでもない男に身体を弄ばれる……そないな屈辱、耐えられへん』

「なら、なぜ使っておる」

『……子供』

「子供ぉ?」

『ウチの尻尾に選ばれたあの子は、そうまでして子供を……これまたどうしようもない下衆に乱暴されて孕んだ子供を育てようと頑張っとった。……その気持ちがな……ちびっっとだけ気になって、だから真似した。……それだけの話や』

「なにか方向性を間違えとらんか、お前……」

『そうかもしらんね。でもな、初めてなんや……母親だった娘がウチの一部になるなんて……そやしね、むちゃ気になってん。あのな……あの子、聞きたいことが有るっぽいから変わるわ』

「ン、相分かった」

『……あの子は、ハルくんはどうしてますか?』

「ン……(入れ替わった、か)ああ、生きている。少なくとも死んではいないとも」

『その、どういう様子ですか?』

「そうさな……前に合った様子だとヘラヘラと頼りない男だった……今は知らん。こちらで決めた婚約者と住ませているがな」

『元気……でしたか?』

「知らん」

『…………そうですか』

「だが住所は知っている。教えてやるから、会いにいったらどうだ?」

『ほ、本当ですか⁉』

「嘘を言って、儂になんの得が有る……」

 

◯討妖の御三家には屑しかいないのか……(絶句)

 

『見逃せっちゅう話、まあ乗ったる。あの子が元気で機嫌良いからな』

「そうか。なら疾く消えろ……斬りたくてしょうがないのでな」

『……一つ聞いてもええか?』

「なんだ」

『ウチがあの子の子供を……あのクズの跡取り息子を婚約者ごと殺したらって、かんがえなかったん?』

「……そんな話か」

『どうなん、実際』

「かかかっ。別に、奴の息子が死んだところで問題は無い。婚約者に充てがっているのも巫女の素質が薄い、出来損ないのカスよ……お前の手にかかったところで誰も痛くも痒くも無いわ」

『ふぅん……やっぱり人間ってさっさと消えたほうがええわ。じゃ、ウチは行くから』

「ああ、儂もな、我々が手を下すことなくお前が滅ぶことを祈っているぞ」

『いなくならんよ。あんたら人間がいる限り、ウチは何度でも蘇る……ふふ、うふふふふふ……あははははは!』

「……消えたか(しかし、奴の戦い方……明らかに手心が有った。いたぶるような余裕が有るならばあっさりと殺し、断末魔を楽しむあいつが……。気にかけているらしい、〈あの子〉とやらの影響を受けているのは確かか……ふふ、面白い)

「ぐ……」

「(おっと、いかんいかん。小童どもを連れて帰らねば……。しかし、獅子身中の虫だとばかり思っていたが、あいつも鍛冶仕事以外でもたまには役に立つか。まさか九尾に甘さができるとはな……格段に与しやすい……!)ふ、ふ、ふ……くく、く、……かっかっかっかっ!」

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。
いやね、久しぶりに書きました、地の文。だからなんだって話ですが。
劣化するほどの腕前が無くて良かったです。下手糞であることに感謝。
スマブラでは敗北者。
お寒い自分語りはここまでにしておきます。

以下どうでも良い設定

「開幕で雑魚にあんよをこんがりされたくせにイキってた剣士さん」
実際大したダメージになってないのでイキっても問題無い。
前まで巫女さんだけが大好きだったけど自分の娘のことも産まれたときから大好きになった。
妖とそれに味方するものに対して尋常じゃないSっ気を発揮してるのはそういう教育を受けてきたから。これは巫女さんも一緒。
強さで語ると普通に強キャラだけど相手が悪過ぎた感じ。強者は戦う前からどんだけ強いか計れるんじゃ無いの? と思うかもですが、分かってても退くという選択肢は無い感じです。そういう教育を受けてきましたから。

「自分の子供を抱きしめるのが大好きな巫女さん」
切り飛ばされた腕は治ります。大丈夫。
幸せの絶頂期にいます。でも戦場に立たねばならない。風習なので。
下世話な話をすると子供の関係でFからGになったとか。何がとは言わない。ちなみに妹はA。格差社会。世知辛い。

「夏花」
剣士さまと巫女さんの子供。無論赤ん坊。最近パパ、ママと言うようになった。
可愛い女の子。父親似なのでクールビューティーな女の子に育つっぽい。
長女なので五つになると親元から離れて暮らすことになる。悲しい。

「九尾もとい六尾」
強い。
地獄上がりではないので正確には妖では無い。でもそれ以外はあんまり変わらないので妖扱い。
尻尾が多いほど強くなるので九尾になると最強になる。ちょっと世界が危ない。Keter。
他にも色々語ることは有るけど今回は元は人間だったことを明言するに留める。

「先代討妖の剣士」
強い。前回復活した九尾を倒したのはこの人。ただし妻に迎えるはずだった恋人と引き換え。
酒が好き。
割とろくでなし。

「あの子」
色々悲しい人生を送ってきた人。たぶん今作でも屈指の不幸っぷり。

「鍛冶士」
今回かなりディスられた人。下衆で屑。鍛冶に関しては自分でやるぶんには神。
でもそれ以外だとネグレクトとDVも上等な人。
なにやら怪しい動きが有るらしい。

「妖のいろいろ」
身体能力がやばい。これだけでも脅威なのに耐性が無い人=常人が目にすると恐怖で発狂するか、防衛反応で魅了されたり心酔したりする。
ニンジャか神話生物かな?

「妖と地獄」
地獄……生きてる間に悪いことをした人達が行くところだね。
妖……の元になる魂たちはみんな地獄が嫌い。だって熱いから。生きてるだけで外から中まで大火傷。でも死ねない。
だから地上まで出てきて、妖としての形を得るんだけど……そのままだとせっかく手にした体が霧散してしまう。
魂だけだと現世に存在することは難しくて、結局地獄に逆戻り。それを防ぐためには各々色々しなくちゃいけないんだけど……揃いも揃って人畜の害になるので討伐されてしまう。
例えば爛れ広げさんはどうしようとしたかと言うと、人を元に自分の新しい体を作ってそっちに意識を移すことで生き続けようとしたんですね。
うん、害だね!

「破魔の気」
妖に特効の生体エネルギー。人なら誰しも持ってる。死ぬと身体に妖の養分になる残り滓を残して消える。
これが強いと死んでから幽霊になったりする。
人が触れてもほんのり暖かい程度だけど妖が触れると焼けた鉄の如く熱い。だから妖が触れると地獄を思い出して凄く辛いし、何より大ダメージ。
ちなみに妖は普通に熱を感じる能力を自分で消すので普通の炎ではダメージを受けない。
破魔の気だけが地獄を思いださせることができる。

「討妖の御三家」
結構昔からいる妖を殺す人達。ヨウカイスレイヤー=サン。
剣士と巫女と鍛冶士を合わせてそう呼ぶ。
人員はあちこちで天狗の如く拉致……もとい事務所まで連れて行って勧誘したりして補充する。
日本各地に割といる。ひっそりと。
破魔の気が常人より多くて常人より扱える人たち。スポンサーは国。
実は実働開始後の数年も修行の一部で九尾とかの一部の強い妖のことを教えてもらってない状態で頑張ることになってる。
バカか?

「討妖の剣士」
実は必ず剣士という訳では無い。
大元の血筋の影響で身体能力が異常に高い。更に破魔の気も強いのでそれと相性の良い剣術とか武術を学んだりする。
今作の剣士さまは治めていないが界隈だと、身神流星辰剣術とか杜主流鞭術が有名。

「討妖の巫師」
実は必ず女性という訳では無い。
破魔の気の強さより扱いの上手さと妖にとどめをさせる特殊な素質、浄化性が求められる。
身体能力は求められないが先述した特殊な素質は血で受け継がれるので特に血筋を求められる。
使う巫術は相手の逃亡を防ぐ結界を始めとして、妖相手に絶大な効果を発揮するけど高速戦闘に使うには難しく、レベルが高い戦いでは剣士の武器に浄化性を与える係になりがち。
頭の中で祝詞を紡いだりとか座標を指定したりとかが必要なので。
……やっぱり身体能力が有ったほうが良いのでは?

「討妖の鍛冶士」
槌を通して破魔の気を鉄に練り込むという高等とも下等とも言えない、ただただ特殊なセンスが必要な技術が求められる。
作ったものをテストする為にみんな剣術を収めている。
剣士に比べて破魔の気を戦闘に使う技術は治めていないので総合力では劣るが近接戦ではそこまで引けを取らないらしい。
しかし何故か戦いにはあんまり出ない。まあ最終防衛ラインなんでしょ。

「剣士さまと巫女さんと先輩と後輩の御三家」
由緒正しい、閉じた家計。親族同士で契りを結ぶけど閉じ過ぎて血が濃くなり過ぎないように見込みがある人を見つけて外の血を入れたりしてる。
この四人の母親は外の人。漏れなく故人。

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