それからボクは高町なのはの変わりにジュエルシードを刀で蹴散らして破壊して回った。そしてフェイト・テスタロッサがマンションに拠点を作ると、近所の住民のふりをして訪ねて騙し討ちをかまして暗殺した。思いっきり卑怯だけど、まともに戦うなんてハイリスクな事はしたくないからそうした。
凄まじく原作ブレイクだが、既に主人公が死んでいる以上原作はとっくに破綻している。ならば容赦無用だ。邪魔者を速攻で排除したことで次元震が起こることがなかったので、管理局も出ることなく、ジュエルシードの消去を進めていった。
ここで原作と異なるのは海中にジュエルシードが一つも落ちていなかったことだ。ボクはただの剣士なので海では戦闘など出来ないのでこれは有り難かった。もしかしたらみこが干渉しているかもしれない。そんなわけで21個のジュエルシードを破壊することで、無印終了。
次にヴォルケンリッターが出てくる前に、八神はやてを探し出して暗殺しておいたので、闇の書はどこかの世界に転生していった。これでA's終了。
容赦がないが、よくよく考えると60億人もの人々の命がかかっている。当事者として関わらざるを得ない立場になった以上、その辺りは甘い行動はできないわけで目障りだから潰した。
しかし、八神はやての殺害でグレアムに目を付けられて犯罪者として時空管理局に追われることになり管理局員と戦闘になった。その際、引狭によって向上したステータスにより管理局員の射撃魔法や砲撃魔法を防御と回避に成功して、逆にこちらの攻撃はシールドやバリアジャケットを紙の様に切り裂く等、ボクも奮戦して、時空管理局に激しく抵抗していたが、やはり数の差には負けてバインドで拘束されて捕らえられてしまう。
ステータスが上がってもミッドチルダ式魔法が使えるわけではないからバインドを解除できなかった。というのも、ミッドチルダ式魔法がオカルトサイドの魔法であれば対魔力でレジストできたのだが、あの魔法形式は魔法の癖に科学サイドであるからどうしようもなかったからだ。
こうなったのは、やはり身体能力が上がっていても未熟な子供の体で、技量も経験も伴わなかったのが大きかった。いうならば突然身体能力が上昇した子供が刃物で暴れているだけという状態だったのだからそれも無理もないだろう。
こうして時空管理局に捕らえられて本局に連行されたボクは重罪人として裁かれることになった。そんなボクの元に二人の人物が現れた。
「ひさしぶりですね。美月」
「やはり来ましたか」
「あら、予想済みかしら?」
「ええ、貴女にとってボクがこんな所で終わるのは面白くないでしょう?」
「なるほど、頭はそれなりに回るね。それでこそトリッパーに相応しいわ」
全能なる観察者こと姫神みこは上機嫌だった。どうやらボクはみこの眼鏡にかなったらしい。
「ところで、そちらの方は?」
ボクはみこの隣に立つ銀髪の美少女が気になり尋ねてみた。
「東条美月さんですね。私はカリン・エレメントと申します。私も貴女と同じトリッパーです。この度はみこがいろいろと迷惑をかけてしまい、すみませんでした」と頭を下げられた。
「ぶう、別にいいじゃない」
そんなカリンに対してみこは不満顔だった。
「そうですか。それより二人ともこちらに来られたということは、ここの連中は?」
ここは時空管理局本局だ。当然ながらそう簡単に部外者は入れない筈なのに二人がここまで来ることができたとなると…。
「ああ、あいつらなら邪魔だから別の下位世界に送っておいたわよ。自然が豊かで珍しい動物も一杯いる所だから彼らも気に入ると思うわ」
と、みこは事無しげに言う。
邪魔だからって、それは少しやりすぎじゃ? 大体どこの世界にとばしたのかな? などとボクは思わず疑問に思った。
「一応、美月を帰して欲しいといったんだけど、彼らは拒否した上に私に敵対的な行動をするから退かしたのよ」
まるで障害物を払いのけたかのような言い方である。前から思っていたけどみこは本当に容赦がない。管理局員も災難ですね。まあ、よく考えたら別にいいか。どうせ、被害にあったのは管理局員だろうし、彼らがどうなろうがボクの知ったことではない。
ちなみにカリンは溜息を零していた。苦労しているんですねと思わずカリンの境遇を察した。
「さて、ここから出るとしましょう」
みこの言葉にボクは頷く。ボクも好きでここにいるわけではない。拘束されて連行されているだけなのだ。こうして、ボクは解放された。
「それにしても美月は弱すぎるわね。チート過ぎるのは良くないけど、弱すぎるのも良くないわ」
と、みこがストレートに言ってきた。
「……」
管理局に捕まってしまい、みこにわざわざ助けに来て貰うという醜態を晒したボクは何も反論できない。
「ここはやはり強化計画を立てた方がいいわね」
「強化計画ですか?」
なんか嫌な予感がしたのでボクはみこに恐る恐る尋ねる。それによると、みこはトリッパー育成計画という物をたてていて、それは下位世界で試練を与えて、ボクを立派なトリッパーにする計画らしい。
拒否権? そんなものあるわけないでしょ(泣)。まあ、どのみち管理局に犯罪者として扱われている以上、この世界にはとどまれない。地球を離れるのは心苦しいが、やむを得ない。
そんなこんなでボク、東条美月は『ヤミと帽子と本の旅人』の東葉月の様に様々な世界を巡る事なる。はあ、これからどうなるものかな。
余談ではあるが、管理局本局ならびに次元航行艦隊の人員は残らず行方不明となり、大混乱になった時空管理局は崩壊した。こうして管理局の体制が崩壊して、次元世界は各世界が外交によって協力して運営されていくことになる。
後書き
美月は他のトリッパーとはタイプが違うようにしています。どうも今までのトリッパーはチート能力による力技で解決しがちというパターンに偏るみたいなので。これはチートオリ主なのに拒否権の無い試練を受けさらせる美月の受難の日々。前途多難ですね。
フェイトとはやてに関しては南無。でもよく考えると原作が跡形もなく崩壊してしまったあの状況で地球を最優先で守る為にはあの二人を暗殺するのが一番効率が良いワケなんですよね。他のオリ主はチート能力で解決しがちですが、美月は違います。危険を避け、安全に成果を出します。卑怯だけど(爆)。
でもマジであの二人って、六十億もの人々+その他の動植物+地球の滅びの原因になってしまっていますから、どこかの運命な世界なら抑止力で殺されています。まあ、たった二人の少女に対して天秤にかけるものがあまりにも重すぎたわけです。だから美月はそれを失う危険を少しでも減らす為に卑怯で非情な手段に出ています。まさに九を生かす為に一を殺すならぬ、六十億+αを生かすために二を速やかに始末するという衛宮切嗣ばりの外道な行動ですが、それでも地球は守れています。