「みんなエデンでの初ライブに来てくれてありがとうー!」
「うおおーっ。ルカちゃん!」
「ルカちゃん。愛してるよー!」
惑星エデンに用意した簡易的なライブ会場は満員です。巨人サイズのゼントラーディやマイクローンになったゼントラーディだけでなく、エデンに移民した地球人もライブに来てくれています。ゼントラーディと地球人が分け隔てなく問題なく共存できている状況は感涙ものですよ。本当に苦労したかいがありました。
「じゃあ、まずは<善き少女のためのパヴァーヌ>です」
メロディーに合わせて私は最初の曲をノリノリで歌います。ゼントラーディも地球人も関係なくみんな私の歌に聞き惚れるがいい。
この惑星エデンは、後のマクロスプラスの舞台となる地球から10.4光年先のグルームブリッジ恒星系に存在する居住可能な惑星。そこは原作で新統合政府の宇宙移民計画で最初に入植した惑星であった。
地球人とゼントラーディ人との共存の場として、ルカはその惑星に目を付けていた。ルカは当初原作のように地球で地球人とゼントラーディの共同生活を送らせようと思っていたが、よくよく考えると問題が多いのでエデンに変更したのだ。ここで何が問題かわからないという人の為に軽く記載しておきます。
1.地球の人口密度
この当時、地球には100億人近くの人口がいて、既に人口過密状態だ。その為、新たに大勢の移民者を受け入れる余地がない。
原作ではゼントラーディ軍によって地球人が100万人にまで激減したので皮肉にもゼントラーディ人が地球に移民できるようになった。
2.地球人との確執
言うまでもないが地球人にとって地球は特別な惑星であるし、自分たちの領域と強く認識している惑星だ。そんな地球に異星人、それもつい最近まで地球と戦争をやっていた者たちを快く受け入れてくれるとは考えにくい。
実行した場合、先住民の地球人と移民のゼントラーディとの間で厄介な問題が発生する恐れがある。
3.新統合政府の不成立
原作では統合政府も統合軍も崩壊してゼントラーディと地球人が共同で新統合政府を樹立したことで双方の共存が進められていたが、この世界では統合政府も統合軍も健在であるため、新統合政府が樹立されることはない。この為、共存が余計にやりにくいと判断される。
というわけで原作を変えすぎた影響で地球移民は避けたほうがいいという結論になりました。まさに自業自得ですね(汗)。
そこで、次善策として惑星エデンに地球人の移民を集い、またゼントラーディからもエデンで地球人と共存することを希望する者限定でエデンに入植させるという計画を立ち上げた。ルカにとって何も地球に拘る必要はないし、エデンなら余計なしがらみがないから文字通り一から好きなように弄れるというのも魅力的です。
地球人の移民者が来れば彼らが勝手に文化を持ち込んでいく、そうすれば地球人と一緒に暮らすうちにゼントラーディ人も地球の文化に触れていくというわけですね。
この為、まずボドル基幹艦隊の者から地球人と共存を望む者を惑星エデンに送り込んで実際に地球の文化に触れさせる。それに馴染める者はそのまま生活させて、合わない者は基幹艦隊に戻すことにした。
ルカは、ゼントラーディ人たちに強制的に地球の文化に慣れろと言うつもりはない。何しろ彼らゼントラーディはこれまで破壊しかしてこなかったのだ。これでいきなり地球人の社会生活をやるように言ってもかなりキツイことは分かりきっている。
それは原作でも地球の文化に馴染めなかったゼントラーディが暴動を起こしたりしていたことが証明していた。
だから地球の文化に馴染める者だけエデンに居住させて、それ以外はボドル基幹艦隊に所属させることで平和的に住み分け行う事にした。
ある意味隔離政策紛いに見えますが、一応本人の自由意思で選択できるようにしているので問題はないでしょう。エデンで内部対立をさせるよりは遥かにマシですから。
勿論、これは和平のときに統合政府とも合意済みです。彼らからすれば異星人が地球に大挙して乗り込んできて地球を乗っ取られるという恐れがないし、増えすぎた人口を捌く為に移民先があるのは好都合だったので、エデン計画は問題なく進むこととなった。
このエデン移住に関しては提案者である私は勿論参加していますが、驚いたことで両親を初めとした旧マクロス市民もそれなりに参加していました。よく考えてみれば地球に帰還できただけでなく統合政府の捏造が公になって和平も成立したから彼らが軍艦であるマクロスにいる必要はありません。というよりも軍にとってもマクロスに居座られたら迷惑なので積極的に外部に送り出したのでしょう。
しかし、元々住んでいた南アタリア島はマクロスのフォールドに巻き込まれて消滅しています。こうなると土地も住む場所もないという状況だったので、ある者は親類縁者を頼り各地に散り、ある者はエデン移民に活路を見出して参加するようになったわけです。
こうして、歴史が変化していく中でリン・ミンメイはその煽りを受けています。原作の彼女はゼントラーディのファンが大勢いましたが、この世界ではゼントラーディは私のファンになっています。
そういえば原作では第一次星間大戦後には何百万人というゼントラーディがミンメイのファンになっていたようですが、この世界ではボドル基幹艦隊全てにカルチャーショックを起こさせた私は何億人というゼントラーディのファンができました。まさに桁違いですが、この結果としてミンメイはファンが大幅に減っています。
そんな彼女ですが、原作通り従兄のリン・カイフンと合流して、カイフンがミンメイの婚約者兼マネージャーになっているようです。しかし、原作でも思ったけど、いくら従兄とはいえアイドルが男を近づけるのはいかがなものでしょう?
アイドルというのはイメージが命です。特に日本ではアイドルファンは「処女性を前提とした疑似恋愛の対象としてのアイドル」を求める気持ちがあります。日本のアイドルは、擬似恋愛の対象として成立してきました。
この為、カイフンがミンメイに近づいて婚約者になったのは明らかに拙かった。原作でもミンメイのファンだったワレラ・ナンテス、ロリー・ドセル、コンダ・ブロムコの三人はミンメイの婚約に大ショックを受けています。ファンの夢に配慮するのもアイドルの仕事なんですよ。
私? 私は勿論注意していますよ。前回は某プロデューサーの所為で酷い目にあったので不必要に男を近づけていません。
ミンメイの人気が凋落したのはこれがあったからでしょうし、それにカイフンはトラブルメーカーだから問題を起こすのは目に見えています。まぁ私には関係ないから別にいいですけどね。
解説
■善き少女のためのパヴァーヌ
アニメ第三期『ハヤテのごとく!』のエンディング曲。
■増えすぎた人口
当時の地球人は100億人もおり、一惑星が抱える人口としては多すぎていたので、移民させて人口を減らすのは統合政府にとっても魅力的だった。
■リン・カイフン
作者がマクロスシリーズで一番嫌いなキャラ。ぶっちゃけると原作でミンメイの人気が落ちた原因はこいつじゃないの?と思っています。
■アイドルのイメージ
よく考えるとミンメイはカイフンと大っぴらにキスをしていたり、カイフンという婚約者がありながら一条輝に対する恋心を捨てきれなかったりしたところが、はたから見ると爛れている様に見えていた。