三度目の歌   作:ADONIS+

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3.地球滅亡の危機

 話は長くなりましたが、今は三度目の転生です。ちなみにまた水蓮寺ルカとして転生しました。二度目と同じで両親はまた別人でしたが、私の名前と容姿は同じです。ここまで来ると無限転生の影響と判断するしかないでしょうね。

 

 はあ、こうして振り返ると本当に憂鬱ですね。不幸体質の改善という特典があまり役に立っていないように感じられますよ。まあ、いいですけど。

 

 結論をいえば弱小の芸能事務所では芽はでない。しかし、大手でアイドルになったからといって安泰と言うわけではない。不都合があればあっさりと切り捨てられる訳です。実際に切り捨てられて嫌になるほどそれが身にしみました。

 

 正直一度目と二度目で散々な眼にあいましたからもう芸能界に関わらずに普通に生活しようかと思った私でしたが、その考えはすぐに放棄する事になりました。

 

 それは何故かというと、この世界が『超時空要塞マクロス』の世界だからですよ(汗)。

 

 五年前の西暦1999年に、突如として宇宙から太平洋上の南アタリア等に全長1200mもの宇宙戦艦が墜落した。これで異星人の実在を知った地球人は異星人との戦争に備えて地球統合政府を樹立して墜落艦を回収してマクロスと命名するわけですが、現在は地球統合政府が樹立した為に統合に反発する諸勢力との世界規模の紛争(統合戦争)をやっています。

 

 つまり、第一次星間大戦が勃発するマクロス進宙式まで後五年しかありません。それに対して10歳(西暦2004年時)の少女でしかない私にできることなど何もありません。

 

 マクロス世界では地球上の生物の99%以上の生命が死滅して地球が壊滅しています。当然ですが、このままでは私も私の家族もおしまいです。

 

 まあ、私の場合は無限転生の特典がありますから開き直って今回の人生を捨てるという選択もありますが、その場合は家族やこの世界に人々を見殺しにするという事です。それはさすがに後味が悪すぎます。

 

 それに一度目と二度目では結局親孝行が出来ませんでしたから、今回ぐらいはちゃんと親孝行しておかないといけません。となるとどうすればいいでしょうか? ここであれこれ考えて結論を出しました。

 

 そう、歌で戦争を止めればいいのです! いえ、冗談ではないですよ(汗)。

 

 マクロス世界では本当にそうするしかないのです。大体、ボドル基幹艦隊総数480万隻というキチガイな大艦隊に軍事力で真っ向勝負をしようなんて出来るわけがないでしょう。と言うと大真面目に異星人の侵攻に備えようとしている統合軍をバカにしているように聞こえるかもしれませんが、これは仕方がないのです。

 

「戦争は数だよ、兄貴!」という某アニメの有名なセリフが示すように、ここまで戦力差があるとどうしようもありません。多少兵器性能を向上させようが、戦術を工夫しようが、呆気なく踏み潰されるのは目に見えています。(ゼントラーディ軍の基幹艦隊はそれ以外にも銀河系に1000個以上存在する)

 

 そういえば原作では統合軍はゼントラーディ軍との戦力差も認識できずに無謀な戦いをやっていましたね。実際彼らの楽観論と石頭振りにはイライラした視聴者もいたかもしれません。

 

 まあ、彼らの場合現実があまりにも深刻すぎて信じられなかったのでしょう。ゼントラーディ軍第118基幹艦隊が地球に展開されてやっと事態の深刻さを理解したぐらいですから。

 

 当然ながら原作知識を持つ私としては基幹艦隊と正々堂々と戦うなどという無理ゲーなんかやりませんよ。

 

 そうなると、私自身の歌手としての能力を磨くしかない訳で、二度目と同じく歌やダンスの自己練習に励む日々を過ごしていました。といっても肝心のゼントラーディに歌を聞かせる手段がない。私も熱気バサラ(マクロス7)みたいにバルキリーに乗って「俺の歌を聞けぇぇーーーー!」とかできればいいのですが、バルキリーを民間人が入手できるわけがないしね。本当にどうしようもないよ。(この時代では可変戦闘機はまだ開発中で統合軍ですら保有していない)

 

 

 

「ねえ、君」

 

 そんな訳で、役に立つのか良く分からないけど、他にできることはないので、一人でレッスンをしていた私に女性が声をかけて来ました。はて誰だろうと思って、その人を見て私は驚いた。

 

「ラ、ランカ・リー!?」

 

 そう、そこにいたのは『マクロスF』の歌姫ランカ・リーだった。そんなバカな。ありえない。だって『マクロスF』は『超時空要塞マクロス』の50年後の物語のはず、当然ながらヒロインであるランカがこの時代にいるわけがない。

 

「やっぱりあたしを知っているんだね」

 

 ランカは私の言葉に笑みを浮かべた。どういうことでしょう。

 

「あたしは貴女と同じトリッパーなんです」

 

 トリッパーその言葉に私は得心した。そうかこの人は……。

 

「なるほど三千世界監察軍の方ですか。貴方達の事は死神から聞いています」

 

 実際、死神から三千世界監察軍についてはいろいろと聞いているが、接触するのは今回が初めてです。

 

「そう、知っているなら話は早くていいね。じゃあ、ちょっといいかな?」

 

「ええ、かまいませんよ」

 

 こうして、私は三度目の転生で私と同じトリッパーたちと接触する事になった。




解説

■無限転生の影響
 無限転生という特典によって転生特典を持ったままで様々な世界に転生を繰り返すことになるが、ついでに水蓮寺ルカ(ハヤテのごとく!)の名前、容姿、才能を継承して転生をするようになった。

■ランカ・リー
 オリジナルではなく『トリッパー列伝 ランカ・リー』で登場する転生型トリッパー。原作とは違ってオズマ・リーに引き取られなかったので本当は名字が違うが、分かりにくいので監察軍ではランカ・リーで通している。
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