ブリタイ艦隊と交戦する事になったマクロスは、地表付近でフォールド行い南アタリア島にいる人々を巻き添えにして、冥王星付近にまでフォールドしてしまう。しかし、こうして見ると本当に無茶な事をしますね。
ブリタニア帝国の技術ならばともかく信頼性が欠片もない拾い物でそんな出鱈目な行動をするなんて自殺行為ですよ。
ホシノ・ルリから両親の生態パターンがマクロス艦内で確認されたと連絡が来ました。やはりシェルターに避難してフォールドに巻き込まれた所をマクロスに回収してもらいましたか。とりあえず一安心です。
「ではルリさん。手筈通りにお願いします」
『わかったわ』
私はナデシコCに乗っているルリと通信を行い最終的な打ち合わせをしていた。
本当は単独でやるつもりでしたが、いくら全周波通信で歌を流してもブリタイ艦隊全員に歌が聞こえるわけではありません。空気がない宇宙空間だからフォールドスピーカーで広範囲に歌を届かせるという手段が使えないのが痛いですね。これが大気圏内だったら楽でしたよ(溜息)。
折角、私のマクロス世界での初ライブです。(監察軍ではライブはすでにやっている)
だから聞いていない人がいると困ります。何としてもブリタイ艦隊の人たちには全員聞いて貰います。その為にルリのナデシコCが事前に冥王星近郊に待機していた。
さてと、ブリタイ艦隊の座標は確認しています。すでにデータ領域から換装装備のスーパーフォールドブースターを呼び出して装着しているのでこれからフォールドします。
こうしてデフォールドした地点はブリタイ艦隊の上方です。デフォールドしたので用済みになったスーパーフォールドブースターを瞬時にデータ領域に戻します。
いきなりフォールドしてきたルシファーにブリタイ艦隊は慌てて迎撃に入った。
ゼントラーディ艦隊の誘導収束ビーム砲や迎撃に回ったリガードの中口径荷電粒子ビーム砲や小口径レーザー対空機銃が発射されたが私はそれを軽々とかわした。
このルシファーはシールドエネルギーによって強力なGからパイロットを守れる強みを活かして、機械的限界までポテンシャルを追求した急激な機動性を誇る。またルカはイメージ・インターフェイス(IS 〈インフィニット・ストラトス〉)で思考をダイレクトに機体に伝えて操縦することが出来る上に、ハイパーセンサー(IS 〈インフィニット・ストラトス〉)によって機械よりも早く判断でき、ゼロシステム(新機動戦記ガンダムW)による未来予測などを駆使して異様なまでの回避能力を発揮させていた。
それにルシファーは防御力でも優れており、例え攻撃が命中したとしても荷電粒子ビーム砲やレーザー砲では、ルシファーが展開しているディストーション・フィールド(機動戦艦ナデシコ)を破る事はできない。おまけにエネルギー転換装甲(マクロスF)で強化された超合金ニューZα(マジンカイザー)という化け物じみた装甲を採用しているので、フィールドを突破できたとしてもルシファーを撃破するのは難しいだろう。
暫く回避していると、いきなり敵艦隊の動きが止まった。それはルリがブリタイ艦隊のシステム掌握を行ったからだ。手順どおりに私は全周波通信を開く。
「さあ、ゼントラーディのみなさん、私の歌を聞いて下さい!」
私はゼントラン語でブリタイ艦隊の人たちにそう言う。事前にゼントラン語を学習装置で頭に入れておいたので会話は問題ありませんよ。歌う曲名は<僕ら、駆け行く空へ>。この曲は映画『ハヤテのごとく!』でのルカの持ち歌で、いい曲なので本当に好きですよ。
ちなみに私の歌はブリタイ艦隊に存在する全ての艦艇と戦闘ポッドの通信機から流れている。更に艦艇の各部に存在するスピーカーから全艦艇のあらゆる場所に歌が聞こえるようにしています。
さあ、ライブスタート!
ブリタイside
先ほど攻撃した艦がこれまで相手にしていた敵とは全く違うことに気付いた事から殲滅せずに様子を見ることにしていたが、いきなり艦隊の近くにデフォールドしてきた機体に驚いた。
細かい形状は異なる物の、それは先ほど戦ったマイクローン達の機体と共通点があった。しかし、それは戦闘ポッドほどの大きさにも関わらず単独でフォールドしてきたのだ。その機体は迎撃に出たリガードの攻撃を容易く回避し続けていた。
そうしていると、いきなり艦が制御不能になった。
「司令! 駄目です。動きません!」
「どういうことだ!」
「艦艇だけでなく、戦闘ポットも制御不能になっています!」
ノプティ・バガニス5631は現在大混乱になっていた。それもそうだろう。いきなり全艦隊が制御不能になったのだから。
「どういうことだ?」
「敵の攻撃と見るべきでしょう」
ブリタイの呟きにエキセドル記録参謀は冷静に答えた。確かにそうとしか考えられない。
「敵機から通信が来ています」
「なに?」
それは強制的に開かれた通信には敵機のパイロットと思われる少女が映っていた。
『さあ、ゼントラーディのみなさん、私の歌を聞いて下さい!』
そうして流れ出した声を聞いていると、今まで感じたことのない不思議な気持ちになる。なんだ、これは?
「う、うおおおっーーー!?」
「ヤック・デカルチャー!」
「ヤック・デカルチャー!」
気が付けば回りの兵士達は異様に興奮していた。こ、これは一体どうなっているのだ?
ブリタイは混乱するなか、ブリタイ艦隊は熱狂の渦に包まれていった。
ルカside
私は<僕ら、駆け行く空へ>を歌い終えましたが、まだまだ続きますよ。
「さあ、みんな。まだまだいくよーーー!」
次は<Forever Star>です。私が歌いそれがブリタイ艦隊全体に伝わっていきます。
私の歌がブリタイ艦隊の人たちにカルチャーショックを与えているのは分かっています。何しろ、私は歌エネルギー変換システムを使っているので彼らのスピーカーから流れる歌はよりリアルで臨場感が溢れるものでしょうからね。
観客には最高の歌を聴かせて上げるのも歌手の務めですね。こうして私はノリノリで歌い続けた。
後年において、この敵艦隊にバルキリーで突撃して歌を歌うという常識外れな行動は、『水蓮寺ルカ物語』においても語られることになり、後の熱気バサラの戦場ライブも水蓮寺ルカが原型になっているといわれるようになった。
まあ、実際はバサラが戦場ライブの本家本元であったが、それは誰にも知られることはなかった。
解説
■ホシノ・ルリ
機動戦艦ナデシコの世界に転生したトリッパー。(トリッパー列伝 ホシノ・ルリ参照)監察軍に所属しているトリッパーの中でもハッキング能力に長けており、特に艦隊戦闘などの集団戦闘では破格の能力を持っている。
■ナデシコC
劇場版機動戦艦ナデシコに登場した戦艦を元ネタに監察軍で魔改造された三千世界航行艦。バイドの旗艦として使うことを前提にしているので色々と汚染させている。
■フォールドスピーカー
フォールド波を利用して広範囲に音を伝えるスピーカー。ルカの機体に搭載している特殊装備で、原作ではVF-25(マクロスF)で使用されたことがある。
■データ領域
IS世界の技術で武器やオプションパーツを量子変換して格納する事ができる。これを利用することで武装やオプションパーツを瞬時に切り替えられる。
■スーパーフォールドブースター
マクロスFで登場したフォールド断層をダイレクトに越えるだけでなく、タイムラグなしでフォールドできるというチートな装備。ルカのルシファーのオプションパーツとして使われている。
■リガード
ゼントラーディ軍が使用している標準的な戦闘ポード。ボールに二本の足がくっついたような極めてシンプルな形状をしており、武装はレーザーやビームが主体。
■ゼロシステム
ウイングガンダムゼロ(新機動戦記ガンダムW)に搭載されていたコクピットシステム。原作のゼロシステムは危険すぎるので、一般兵士が扱えるように改良が施されたゼロシステムVer.2.5(新機動戦記ガンダムW~ティエルの衝動~)をベースに改良しているゼロシステムを採用している。
■ディストーション・フィールド
エステバリス(機動戦艦ナデシコ)に使われているバリア。レールガンやミサイルなどの質量攻撃には弱いがレーザーやビームなどにはかなり効果的。
■超合金ニューZα
マジンカイザーの装甲に使用されている超合金。『スーパーロボット大戦F完結編』で初出し、後に『マジンカイザー』というアニメでも登場した。マグマの熱にも耐え、衛星軌道上からの落下の衝撃にも無傷と言う破格の防御力をマジンカイザーに与えていた。作中でもボディに傷一つ付いてないことから、超合金Zや超合金ニューZをさらに上回る桁違いの防御力を誇る。
■エネルギー転換装甲
エネルギーを流すことで、強度が上昇する装甲で、超合金ニューZαの強度を高めるのに使用されている。これによってルシファーの装甲とメインフレームの強度が上がっている。
■学習装置(テスタメント)
とある魔術の禁書目録の世界で使われている脳に直接知識を書き込む装置。
■僕ら、駆け行く空へ
水蓮寺ルカが歌った劇場版ハヤテのごとく!のオープニング曲。
■Forever Star
劇場版ハヤテのごとく!の挿入歌。
■水蓮寺ルカ物語
戦後に放送されたドラマ。これによってルカの不信点が山ほど出てきた(汗)。それに対してルカは「女の子は秘密が多いほうが魅力的ですよ」とコメントしている。