続きを思い付ければ書きます…多分
篠ノ之束は激怒した。必ず、かの無知無能の研究者を除かなければならぬと決意した。篠ノ之束には常識がわからぬ。篠ノ之束は、高校生である。親友に甘え、殴り飛ばされながら生きてきた。けれども優秀な頭だけは、人一倍であった。
「ちくしょう!あの凡人共!何が『机上の空論〜』『妄想は勝手にやるならいいが大人を巻き込むな〜』だ!束さんの足下にも及ばない程度のお粗末な頭のクセに!」
頭だけ人一倍で常識がない篠ノ之束は学会に乗り込んで自分の作ったパワードスーツ兼宇宙服についてぶち撒けてきたのだ。
もちろん、ただの名も無き学生である篠ノ之束の言う事を聞くわけがないのだが…凡人の常識など知らない天才にはムカつくだけであった。
「学会とかやっててえらーい奴らなら少しは束さんの頭について行けるかと思ったのに、ガッカリだよ!束さんにはやっぱりちーちゃんとほーきちゃんといっくんしか居ないんだ!」
天才は決意した。世界に自分が間違っていないと思い知らせると決意したのだ。
「ま、待ってくださいうさ耳カチューシャさん!」
「およ?」
が、そんな決意を止めにかかる勇気ある阿呆が
よく見ればうさ耳カチューシャワンピースで学会に乗り込んだ人物と年齢は同じ程度だろうが、止めた阿呆はピッチリした黒いズボンタイプのスーツを着てTPOバッチリ。大人に見える
「何、お前」
「先程の発表を聞いていた一人です!」
篠ノ之束は考えた。
もしかしたら凡人がやっと理解して追ってきたのだろうかと。
そういえば相手は凡人だったね!ということは理解するのにも時間がかかるんだ!やっぱ凡人は凡人か!
篠ノ之束は頷いた。
だが時間が経って理解したらしい凡人は一人しか追ってきていない。もしやこの年齢かさ増し女は凡人の中でもマシ…少しは分かるやつなのかもしれない。なら御褒美に少しは話してやっていいかも
「……ま、どうでもいいや。束さんに何のよう?」
「貴方の話したISについて詳しく聞きたくて来たんです!」
「ふーん…ま、他の凡人より見る目があるね」
「それで、貴方が同志だと見込んでお話があります!」
「は?」
同志?
同志とは、こころざしや主義・主張を同じくすること。また、その人。類語は仲間
「なに、お前…この束さんが凡人と仲間だとか言うわけ?」
冗談じゃない!ありえない!自分の中、心が怒りでゴチャゴチャする。ISを笑われたのよりもずっとだ。これが怒り狂うやらキレるという状態なのだと理解した。
なるほど、凡人ではなく怒らせる天才だったのかコイツは
「はい!その格好……とてもお似合いのうさ耳カチューシャと水色のワンピース…追って追われるお姫様ですね!」
「……………何が言いたいのか言わせてあげる」
確かに不思議の国のアリスという御伽話のように、ちーちゃんを追いかけてちーちゃんに追いかけられるのが私だ。それを意識してないとは言わないけど、何で今言うのか分からない。凡人の思考回路なのに読めないのは初めてだ。どう考えてもISと関係ないし
「ISの力です!ふわりと飛べるんですよね!」
「そう言ったけど」
「何もない所から展開できるんですよね!」
「言ったけど」
「容量があればなんでも量子化して入れられて、展開したら最初から手に持ってたり着てたりできるんですよね!」
「言った」
「それでそれで、展開したパワードスーツで体を痛めたりしないんですよね!」
「…何、お前。さっき凡人たちの前で言ったことばっかりで」
束さんが折角話してやってるのに一回言った事ばっかり聞いてくる凡人に辟易する。
何だコイツは
やはり天才を怒らせる天才なのか?
「すいません!あの、あと一つだけ質問させてください!」
厚かましくも勝手に話す。もういいやと背中を向けかけた時に聞こえた言葉に足を止めてしまった。
「ゴスロリを展開できますか!」
「………束さんが凡人の言葉が理解できないのは初めてだよ」
凡人に思考停止させられたなどとは考えられない篠ノ之束は必死に考える。
ゴスロリ…正式名称ゴシック・アンド・ロリータ
簡単に纏めればヨーロッパ貴族のドレスを大オタク国日本のサブカルチャーが魔改造したファッション。
篠ノ之束には西洋人形のフリを人間がやるための服という認識しか無いが、否定はしない。何故なら今着ているワンピースもロリータ・ファッションの分類に入るからだ。
同志と呼ばれた理由はやっと察した。
この年齢かさ増し女はスーツでカッコイイにしていても中身はフリフリゴスゴスな格好をやりたがるオタクなのだろう。
よく観察すれば凡人顔の女は凡人なりに結構スーツが似合っている。スーツがすっごく似合うちーちゃんもゴスロリファッションへの欲求があるのかもしれない!?着せてあげなきゃ!
などと織斑千冬本人が聞けばブチギレそうなことを考えているとは露知らず、まだ天災を知らない彼女は言った
「待機状態でアクセサリーになり、空を飛べて、何もない所から物を出せて、姿を変えられるって…魔法少女みたいじゃないですか!」
「……はぇ?」
二度目の思考停止。だがそんな天才の異常事態に気が付かない凡人は語り続ける
「いえ、その…宇宙開発を目指した物だとは分かっているんです。でも!装甲を展開しておくのに特にこれといったエネルギー消費が無いのなら、常に私服を展開して、有事の際に私服はしまって戦闘用衣装に変身!なんて…その………そんな、子供の頃の夢がいきなり現実に出て来たような気がして…そ、それで、その……で、でででき…ますか?」
「………待って」
篠ノ之束は思考した。額に手を当て、目を瞑り、稀代の大天才は熟考した。
凡人からの問いかけでこんなにも考えたのは初めてだと困惑する思考を切り離し、問われた事への解答を自分に求めたのだ。
魔法少女については問題なく知っている。
愛しの箒ちゃんが好きなテレビ番組に『魔法少女プリプリプリティ』とかいうのがあったからだ。名前はギリギリアウトだけど、調べてみてもエッチな事はなかったから不問にしてやった。
魔法少女に必要なものはそれで理解出来ている。
①可愛いぬいぐるみサイズのマスコット
②マスコットが持ってきた魔法のステッキ(喋る)
③元々魔法が使えない女の子(小学生から中学生)
④魔法で変身したり飛んだり攻撃したり
⑤ライバルな女の子
他にも色々あるけどこんなものだろう
そして、ISに当て嵌まるのは…3つ
②③④だ
②…ISは喋ったりはしないけど意思がある。話すように教育したりその為のパーツを用意すれば話す事ができるようにする事ができるかもしれない。
③…ISのパイロットになるのは女の子だ。若くて今までは飛んだりできなかった普通の凡庸な女の子。
④…レーザービームはもうすぐ理論が組み上がるから撃てる。念話とかいうのもコア・ネットワークでプライベートチャンネルに繋いでISに学習させれば出来るようになる。単独飛行はPICを使えば慣性を無視した動きができるしハイパーセンサーがあるから自分や相手を見失ったりしない。変身は拡張領域に入れるのを装甲じゃなくせばいい。最適化で形状が変わったとしてもゴスロリな洋服をベースにするのなら覚醒したみたいだ。バリアだってスキンバリアーでGから守るしエネルギーシールドで見た目より頑丈になる。パワーアシストで怪物の腕を掴んで止めたりもできる。
あれ、あれ?
もしかして、束さんもしかして…
「ねえ凡人!」
「ふぁ、はい!」
「魔法少女ってどう思ってる!?」
「な、なれるならなってみたいけど年齢的にギリギリアウトかな…と」
「じゃあ箒ちゃんは!?」
「すみません!箒さんはお幾つですか!」
「5歳だよ!」
「丁度憧れる年頃だと思います!」
なんて事だ。宇宙に行きたくて作ったISが箒ちゃんの憧れの魔法のステッキだった
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