機動戦士ガンダム 一夏の一年戦争   作:赤バンブル

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自分はザク系ではザクⅡとザクⅠを選べない派。

ここで謝罪。

「コア・ファイターの出番が亡くなりました。」

ちなみにこの話以降から一夏はイチカと変更します。


敵の補給艦を叩け!

ホワイトベースがルナツーヘ向かっている中、シャアの乗るムサイは未だに追跡を続けていた。

 

だが、ムサイは殆ど弾薬などが底を尽きかけており、当のMSも修理中のシャアのザクを除いて全滅状態だった。

 

「パプア級補給艦?あんな老朽艦では十分な補給物資が積み込めないのでは?」

 

『現状を考えるんだシャア。十分な戦力で戦える昔とは違うんだ。』

 

「しかし・・・・・」

 

『ザクは空いているところから二機取り寄せて積ませた。シャア、ファルメルを潰せとは言わんがどんな手を使ってでも連邦の機密を手に入れるんだ。』

 

「はっ。」

 

ドズルなりにやりくりしたのは分かっていたためシャアはそれ以上は言わずに通信を終えた。

 

「・・・・・三機のザクを要求してこれか。敵のMSの性能が未知数だというのに。」

 

シャアは、苛立ちと不安を感じながらも指定されたポイントへと進路を変えるように指示を出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ホワイトベースの格納庫では

 

「このケーブルはここに、緊急時はここに接続するんだ。」

 

「はい。」

 

イチカはテムの指導を受けながらガンダムの整備を行っていた。多少の整備はIS関係でも何度か経験しているため、苦痛には感じないがISとは違っている部分も多いため、覚えるのが大変だった。

 

「思っていたよりもできるじゃないか。」

 

「いいえ、テムさんの指導が上手なんですよ。」

 

イチカはそう言いながらも手を進める。その途中、赤い訓練生用の制服を着た一夏と歳があまり変わらない少女が何か持って来た。

 

「えっと・・・・・貴方がイチカ君?」

 

「えっ?そ、そうだけど。」

 

自分に声をかけてきた少女を見てイチカは、顔を上げる。少女は持ってきた鞄を手渡す。

 

「ブライトさんからの指示で制服と食事持ってきたわ。」

 

「あ、ありがとう。・・・・・君は?」

 

「フラウ・ボゥよ。それにしても貴方すごいのね、私とそんなに歳変わらなそうなのにMS動かしちゃうなんて。」

 

フラウはガンダムを見ながら言う。一夏はなんかISを起動したときと同じように感じた。

 

「そうでもないさ、テムさんの指示がなかったら俺もあそこで死んでいたし。」

 

「でも、ジオンのエースパイロットを追い返したんでしょ?乗ったことも無いのにそこまでできるもんじゃないわ。」

 

「ガンダムの教育型コンピューターのおかげだよ。」

 

イチカは鞄を受け取ると連邦軍の青い制服と食事を確認する。おいしそうなサンドイッチだ。

 

「サンドイッチ・・・・・・うっ!頭が・・・・・・」

 

一瞬脳裏に金髪縦ロールの少女が自分の目の前にサンドイッチを差し出す光景が過ぎった。

 

「大丈夫?」

 

「イチカ君、少し休みなさい。後は我々で見ておくから。」

 

「でも・・・・・・」

 

「君は二度も実戦に出たんだ。体を休めるのもパイロットの仕事だ。」

 

「はい・・・・・・」

 

テムに言われるとイチカはフラウと一緒にガンダムから離れ、自分の指定された部屋に行く。

 

「着替えは洗濯しておいてあげるわ。」

 

「ありがとう。ちょっと、着替えるから外で待っててくれ。」

 

フラウをその場から引き離すとイチカは、着替え始める。

 

「何故か知らないけど制服姿でよかった・・・・・」

 

イチカが出撃した時はISスーツの状態だった。しかし、目を覚ました時は制服姿になっており、ISスーツは下に着こんだ状態になっていた。制服は脱いだはずなんだがと思いながらもイチカは制服をたたんで連邦軍の制服へと着替える。

 

「・・・・・・コイツももう着ることがないかもしれないな・・・・・」

 

回収されたら怪しまれると考え、ISスーツのみは部屋に隠しておき、サンドイッチを頬張りながら部屋を出る。かの金髪縦ロールの少女が作ったものと違って美味しい。

 

「あっ、終わって・・・・・・お行儀悪いわよ。食べながら歩くの。」

 

「まあね。」

 

『緊急警報、緊急警報、戦闘可能な方はブリッジに集合。年齢は問いません、機関部以外の者はブリッジに集合・・・・・』

 

突然の警報にイチカは思わず口を開き危うくサンドを落としかける。

 

「警報?この船、ルナツーとかいう要塞に行くんじゃなかったのか?」

 

「さあ?あっ、この服ちゃんと洗ったら届けるからね。」

 

そう言うとイチカはフラウと別れてブリッジに向かう。ブリッジでは既にガンダムの整備を済ませたテムがブライトと何らかの話をしていた。

 

「おそらく物資の補給の可能性があるな。」

 

「分かるのですか?レイ大尉。」

 

「現にガンダムの手でシャアは三機のザクを失い、専用のザクも損傷している。それに攻撃をしてこないとなるとおそらくミサイルなどの弾薬が底をついている可能性が高い。接近している船は補給艦だろう。」

 

「ブライトさん、全員集まったようよ。」

 

イチカがサイド7で会った金髪の女性の声にブライトは集まった面子を見る。

 

「集まってもらってすまないが全員の意見を聞くほど時間がない。多数決で決めさせてもらう。」

 

ブライトは全員の顔を見ながら話を進める。イチカは少し横目で集まった人たちを見るが民間人のお年寄り、子供までいた。

 

「まず、できるできないは五分五分だがとにかくルナツー前線基地に逃げ込むのに賛成の者は手を挙げてくれ。」

 

ブライトが言うとお年寄りを中心に手を挙げる。

 

「五票か。では、これも五分五分かもしれんが我々が打って出る方に賛成の者は?」

 

今度はオペレーターも含めるほとんどが手を挙げた。その中には子供も紛れ込んでいる。

 

「戦うべきでーす!」

 

「そうよ!戦うべきよ!」

 

小さい子供を見てイチカは、子供でも戦争の自覚があるのかと平和ボケの日本で暮らしていた自分を少し恥ずかしく感じた。少し迷ったものの追撃されることも考えれば今打って出た方がいいと判断し、イチカも手を挙げる。

 

「よし、決まりだ。出撃する!レイ大尉、使える機体は?」

 

「ガンダムの整備は終わった。プロトタイプの方も使えるようにはしたがビームライフルの調整がまだだ。ガンキャノンはキャノン砲の整備が終わっていない。出せるとしたら後はガンタンクぐらいだろう。」

 

「分かりました。イチカはガンダム、リュウはプロトタイプ、場合によってはガンタンクの出撃もありうる。ビーム砲スタンバイ急げ!ホワイトベース、180度回頭!」

 

ホワイトベースは動きを変え、シャアのムサイが向かっているポイントへと進路を変える。

 

 

開いた発射口ではハイパーバズーカを装備したプロトタイプガンダムがカタパルトに接続される。

 

『リュウ君、プロトタイプガンダムの性能はガンダムとほぼ互角だが機動性の向上のために装甲が劣っている。使い方には気を付けてくれ。』

 

「了解!」

 

『カタパルト接続。リュウ、プロトタイプ発進どうぞ。』

 

「プロトタイプ、出撃する!うおっ!?」

 

カタパルトから射出されプロトタイプガンダムが発進する。まだ、MS戦闘の経験がないリュウは一瞬バランスを崩すもののすぐに体勢を立て直して飛んでいく。

 

『プロトタイプ離艦終了。イチカ、ガンダム、カタパルト用意。わかるわね?』

 

「は、はい。大丈夫です。」

 

ノーマルスーツに着替えたイチカはガンダムにプロトタイプ同様のバズーカを装備してカタパルトに移動する。

 

「えっと・・・・・・」

 

『何か問題でも?』

 

モニターでオペレートしてくれる女性に対してイチカは戸惑う。

 

「すみません。まだ、名前を聞いていなかったので。」

 

『あら、そう言えばまだだったわね。セイラよ、後は戦闘の後紹介するわ。』

 

「はい、セイラさん。ガンダム、異常ありません。」

 

『了解。ガンダム、発進どうぞ。』

 

「ガンダム、行きます!!」

 

カタパルトから射出され、ガンダムも宇宙空間へと出て行く。

 

「バーニアの出力を調整してと・・・・・・」

 

イチカはテムの指導通りにバーニアを調節して移動する。

 

『10キロ前進後、敵に対して上方から侵入のため降下。よろしい?』

 

『「了解!」』

 

白黒の二機のガンダムはバーニアを吹かしながらシャアの補給ポイントへと移動する。

 

「左右ビーム砲、スタンバイ急げ!」

 

ブライトの指示でホワイトベースの砲門が攻撃準備へと移る。

 

「8分後に敵が視界に入る。それまで手引書を呼んで確認するんだ。ともかく撃って援護できればいい。だが、ガンダム二機には当てるな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丁度、その頃シャアのムサイは補給物資を積んだパプア補給艦と合流ポイントで接触していた。

 

「よくもこんなくたびれた船が現役でいられるものだな・・・・・」

 

シャアは、いまいち頼りなさそうに接近してきているパプアを見る。

 

「ドレン、映像回線を開け。」

 

「はっ!」

 

映像を開くとそこにはいかつい面をしたガデム大尉の顔が映った。

 

『赤い彗星が補給を欲しがるとはな。ドジをやったのか?』

 

「ガデム、敵は目の前だ。一刻を争うときに冗談を言うのはやめてもらえないか?」

 

『分かっておるわ。わしがそんなにノロマかね?歳の割には素早い筈だ。』

 

「ハッチ開け!コンベアパイプ、ドッキング急がせろ!」

 

シャアの指示でムサイのコンベアパイプが開き、ガデムのパプアとドッキングする。

 

「ガデム、ザクの方は本当に二機だけなのか?」

 

『あぁ、ほとんどは地上用のJ型に換装して地球に降ろしたからな。ソロモンの方でも生産を急がせているらしい。』

 

「・・・・・・戦線が広がると補給も大変になるものだ・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二機のガンダムは徐々にシャアのムサイへと接近しつつあった。

 

「リュウさん、ここからは二手に別れましょう。」

 

「ん?何故だ?敵が目の前にいるのに戦力を分散させるのか?」

 

イチカのガンダムはリュウのプロトタイプから離れて別ポイントへと向かう。リュウはバーニアを吹かしてスピードを落とすとムサイがどこにいるのかを確認する。

 

最初は太陽の光で確認できなかったもののしばらくするとムサイとパプアの姿を捉えることができた。

 

「なるほどな・・・・・・・イチカのガンダムは太陽を背にして敵に気づかれないように攻撃し、俺はプロトタイプの体色が宇宙空間故に気づかれにくいことを利用して接近して叩くという事か。アイツ、素人の割に考えたな。」

 

プロトタイプは黒い体色を利用してムサイへとさらに接近していく。

 

 

 

 

 

 

 

「コンベアパイプ接続よし!弾薬の搬入開始!」

 

パプアからムサイに向けて物資が運び出されようとする。

 

『・・・・シャア、何か変と思わんか?』

 

「敵さんの事か?」

 

『あぁ。ここは敵の前線基地に近いとはいえ丁度裏側にあたる。なのにミノフスキー粒子が濃すぎると思うが。』

 

「同感だな。」

 

ガデムの疑問についてシャアも同意する。

 

「近くに敵艦がいるとでも?」

 

『有りうるな。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガデムの読み通り、イチカのガンダムは太陽を背にすることによって姿を隠していた。

 

「いくら射撃が下手でもあれだけデカいのなら外すことはない筈だ。」

 

照準をムサイとパプアに合わせ、ガンダムはハイパーバズーカを発砲する。弾頭は高速で二隻の船に向かって行き、接続していたコンベアパイプを破壊した。

 

「「うわあっ!?」」

 

パイプの接続を担当していた兵士が爆発で宇宙空間に放り出される。

 

「コンベアパイプをやられた!?船をムサイから引き離せい!」

 

ガデムの判断でパプアは一旦ムサイから離れていく。

 

『ガデム、早くザクをこちらに射出してくれ!』

 

「わかっておる!ザクをシャアのムサイに向かって射出しろ!」

 

「敵の第二波来ます!」

 

第二の弾頭がパフアに直撃する。

 

 

「ドレン、パイロット二名を外でザクに搭乗できるよう準備しておいてくれ!私は先にMSで出る!」

 

「しかし、シャア少佐。少佐のザクは、スペアの腕を付けた応急処置で・・・・」

 

「構わん!ここでザク二機を失うわけにはいかん!」

 

「分かりました。ありったけの小型ミサイルを撃て!敵にザクを破壊させるな!!」

 

シャアはすぐさま応急処置した自分のザクを発進させる。

 

「パプアをカバーしろ!この攻撃はおそらくMSだ。戦艦ならメガ粒子砲で攻撃してもおかしくないからな。」

 

『了解です!』

 

ドレンはすぐにムサイを動かす。

 

シャアは太陽の方を見ると第三の弾頭が飛んできた。

 

「ちっ!太陽を背にして攻撃するとはやってくれたな!」

 

これ以上パプアを攻撃されれば補給物資が台無しになる。シャアは照準を飛んでくる弾頭に合わせてマシンガンを発砲する。マシンガンの弾は弾頭に命中しザクの目の前で爆発する。

 

「あのMSだな・・・・」

 

シャアのザクはそのまま太陽の方へと向かって行く。しかし、その機会を窺っていたのかの如くリュウのプロトタイプガンダムが岩陰からパプアに向かってバズーカを発砲した。

 

「ガテム艦長、敵のMSが!」

 

「何ッ!?どこだ!?」

 

「本艦の後方・・・うわあっ!?」

 

パプアの後方のスラスターが爆発する。

 

「ええい!やむを得ん!船に積んである物資を放出しろ!船の中で燃えるよりはマシだ!!わしは自分のザクで敵のMSの気を逸らす!」

 

「ですが艦長のザクは・・・・・・・」

 

「旧式だからと言って使えないポンコツではないわ!!マシンガンとヒートホークを装備させろ!シールドも忘れずにだ!!」

 

ガデムはそう言うと艦橋から離れてすぐに自分の機体であるザクⅠの方へと向かい、装備を付けた後に射出口から出て行く。

 

「なんだ?あれは旧型のザクじゃねえか?」

 

リュウのプロトタイプはザクⅠに向かってバズーカを発砲する。

 

「ド素人め!そんななまっちょろい弾に当たるか!!」

 

ガデムのザクは弾を避けるとスラスターを吹かしてリュウのプロトタイプに向かって接近する。

 

「外れた!?」

 

「これでも喰らえ!!」

 

ザクⅠの専用マシンガンでプロトタイプに発砲する。リュウはシールドで防御しながら迎撃するがかつて全線で活躍していたガデムを相手にするには経験が足りなかった。リュウはバズーカでは不利と判断し、その場に捨て、ビームサーベルを展開しながら接近戦に持ち込む。

 

「ほう、わしのザクに接近戦を挑もうとは命知らずなパイロットよ!」

 

ガデムはヒートホークを展開してプロトタイプに振り下ろす。出力的にはプロトタイプが勝っているが一回弾くとガデムはプロトタイプにタックルを仕掛ける。

 

「うおっ!?」

 

「よくもわしの船を!たっぷり礼をしてやるわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イチカとシャアの戦いもイチカが翻弄されていた。

 

応急処置のザクでありながらシャアはガンダムに高速戦闘を行い、ガンダムはシールドで防御するのが精いっぱいだった。

 

「は、速い!?これが奴の本気なのか!?」

 

「モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差でないことを、教えてやる!!」

 

シャアは高速戦闘で翻弄しながらガンダムに向かってマシンガンを発砲する。ガンダムは咄嗟にシールドでガードし、バズーカを放つがまたしても避けられてしまう。

 

「くそ・・・・・舐めるなよ!!」

 

接近してくるシャアのザクに向かってイチカはバルカンを発砲する。シャアは肩のシールドでガードをするが数発命中し、後方へと吹き飛ばされる。

 

「今だ!」

 

イチカは咄嗟にバズーカを発砲する。っが、シャアのザクはすぐに体勢を立て直してイチカのガンダムの背後へと飛んで行った。

 

「あっ!さっきので弾がなくなった!?」

 

同時に後方から反応が出る。

 

「後ろから!?」

 

「遅い。」

 

イチカはバズーカを手放し、ビームサーベルを展開しようとするがシャアのザクは隙を与えずにガンダムの脇腹に拳を打ち付ける。機体には大してダメージがないようだが中に乗っているイチカへの衝撃は凄まじいものだ。

 

「うわああああっ!?」

 

「フッ。」

 

シャアは更に追撃を加えようとするがその直後にドレンから通信が来る。

 

『シャア少佐、すぐに戻って来てください!敵の新型艦の「木馬」が攻撃をかけてきます!』

 

「何?私が戻るまで何とか持ち堪えろ!」

 

『それと白い奴の色違いがパプアに攻撃を仕掛けてきました!』

 

「なっ!?」

 

『現在、ガデム大尉のザクが時間を稼いでいますが・・・・・』

 

「ちぃい!まさか二機いたとは!」

 

シャアは急いでムサイの方へと戻ろうとする。対するイチカもムサイへ向かわせまいとバルカンを撃ちながらシャアの移動を妨害する。

 

「ここで時間を稼げばシャアは、戻る母艦を失う。そうすれば・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

ドレンの言う通り、ホワイトベースはムサイとパプアに向かって攻撃を開始していた。

 

パプアから放出された物資は、パプアの乗組員とムサイの乗組員が協力し合ってムサイへと積み込んで行く。

 

その間ではプロトタイプガンダムが戦闘に不慣れなこともあってザクⅠに翻弄されている。

 

 

「リュウのプロトタイプが押されているな・・・・・・やはりMSのシミュレーションの経験が浅いのが災いになったか・・・・・」

 

ブライトは、通信でリュウと連絡を試みるものの無線機を切っているのか返事が来ない。

 

「どうでした?」

 

「アイツめ・・・・・無線機を切っていやがる。これじゃあ、ムサイに攻撃ができない!」

 

ミライの問いにブライトは苛立ちながら答える。

 

 

 

 

同じころ、イチカはシャアの足止めを続けていたがやはりサーベルを抜く暇を与えんとばかりにマシンガンを発砲されていた。

 

「シャアめ!」

 

イチカはバルカンで撃つがシャアはバーニアを吹かし、ガンダムの真下へと回り込む。

 

「はっ!」

 

「フン、MSの性能は確かに脅威だがパイロットが不慣れなのが幸いだ!」

 

ガンダムにアッパーを仕掛け、更に無防備になったところを腹部に蹴りを入れる。

 

「くうううう!?」

 

イチカは衝撃で体が揺らされる中、ペダルを踏みこみガンダムの態勢を取り直そうとする。

 

「ええい!連邦軍のMSは化け物か!?これだけの攻撃を受けながら全くダメージを・・・・・」

 

『シャア少佐、すぐにお戻りください!ムサイはメガ粒子砲も使えず・・・・・・』

 

「ドレンか!ザクの方はどうした!?まだ、受け取っていないのか!?」

 

『パプアのカタパルトが故障を起こして修理に手間取っているらしいです!まだ、ザクは・・・・・・』

 

「ザクだけでも手に入れなければならん!今行く、何とか持たせろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方のガデムのザクはリュウのプロトタイプを抑え込んでいるものの未だに物資の搬入が終わっていないことに焦りを感じていた。

 

「一体何をモタモタやっておる!ザクの放出はまだできんのか!?」

 

『申し訳ありません艦長。カタパルトの修理が・・・・・・・』

 

「バカ!こんな時に修理しているバカがいるか!手で押し出せ!!無重力なら数人で外へ押し出せるはずだ!」

 

『は、はい!?』

 

「くそ・・・・・・」

 

リュウは、頭を押さえながらプロトタイプを動かし、ハイパーバズーカを取る。

 

「弾はまだ残っている・・・・・・・」

 

「ぬっ!?まだ動けたのか!?」

 

バズーカを構えたプロトタイプを見てガデムは動揺する。

 

「これで・・・・・・・・」

 

「まさか船を!?や、やめろ!!」

 

ザクⅠはヒートホークを持ってプロトタイプに斬りかかろうとする。

 

「くたばれ!」

 

「うおおおおお!!」

 

一瞬の差。

 

リュウの放ったバズーカの弾頭が飛んだと同時にガデムのヒートホークがバズーカを切断する。

 

飛んで行ったバズーカは作業員たちがザクを外に放り出したと同時に命中し、パプアは煙を吹きながら墜落、爆散してしまった。

 

「わ、わしの船が・・・・・・おのれ!!」

 

「ぐっ!」

 

ザクⅠはプロトタイプを蹴り飛ばすと急いでムサイの方へと向かう。同時にシャアのザクが戻ってきた。

 

「ガデム!ザクと補給物資は?」

 

「わしの部下たちが犠牲になって大概のものは放出してくれたわ!敵を倒したら生き残った奴らと一緒に収容してくれよ!」

 

プロトタイプはリュウが気を失ったのか動く様子はない。

 

だが、太陽の方から体勢を立て直したイチカのガンダムがビームサーベルを展開して向かって来ていた。

 

「あれか?連邦軍の作ったMSというのは!」

 

ザクⅠはガンダムに向かってバーニアを吹かして飛んでいく。

 

「ガデム、落ち着け!」

 

シャアは慌ててガデムのザクを押さえる。

 

「止めるな!わしの船と部下をやられたんだぞ!」

 

「近接戦闘で奴の相手をするのは危険だ!私のザクとて腕を持って逝かれたんだぞ!」

 

シャアの必死の説得もむなしくガデムは彼のザクを突き放してガンダムに向かって行く。

 

「このザクとてわしと百戦錬磨の戦いの中を潜り抜けてきたのだ!にわか作りの連邦軍のMSなどさっきの黒い奴のように仕留めてみせるわ!!」

 

ガデムのザクは、タックルの態勢を取ってガンダムに迫る。

 

「コイツ・・・・・・自分を弾頭にして突っ込んでくる気か!?」

 

「止せガデム!貴様のザクでは無理だ!!」

 

シャアが警告する中、ガデムのザクはガンダムの目の前にまで迫る。ガンダムはビームサーベルで突き刺そうとする。

 

「うわああああああ!!!」

 

「フン、間合いが甘いわ!!」

 

ザクⅠは、体をずらしガンダムの攻撃を避け、タックルを喰らわせる。その衝撃にイチカは揺さぶられ意識が遠のきかけた。

 

「これでも喰らえ!!」

 

ガデムはコックピットに向かって残された武装であるスパイクシールドを突き刺そうとする。

 

「うぅ・・・・・このぉ!!」

 

イチカは、意識が遠のきかけながらもビームサーベルを振る。

 

直撃はしなかったもののガデムのザクの脇腹を溶断した。ザクⅠは、脇腹からバチバチと音を立て始め今にも爆発しそうになる。ガンダムは急いで離れていく。

 

「う、うおぉぉ!?れ、連邦軍はあれほどのMSを・・・・か、開発したのか・・・・・・うわああああああ!?」

 

ガンダムの性能を驚愕しながらガデムはザクⅠごと爆発する。

 

「が、ガデム!」

 

一方のガンダムはシールドで爆発の衝撃を抑えた。

 

『下がれ、イチカ!下がれ!補給艦は撃破したんだ。リュウのプロトタイプも今ガンタンクに回収させている。下がるんだ!』

 

これ以上の戦闘は無駄だと判断し、ブライトが通信を送る。

 

「で、でも・・・・・」

 

『お前も武器の手持ちがないんだろ?シャアとどう戦うんだ?』

 

「シャア・・・・・・」

 

確かにバズーカはとうに捨て、バルカンの弾も切れた。

 

ビームサーベルだけでもやっていけるかもしれないが今の自分はかなり疲労している。これ以上の戦闘は危険だ。

 

「わ、わかりました!撤退します!」

 

イチカはガンダムのバーニアを吹かしてホワイトベースへ戻って行く。

 

「ん!?敵のMSが・・・・・・・」

 

シャアは一瞬マシンガンを構えたが補給物資の回収のことを思い出し、降ろす。

 

「・・・・・・パプアは沈み、ガデムも死んだ。どういうことなのだ・・・・・MSにしろ、あの船にしろ明らかに連邦軍の新兵器の高性能の前に敗北を喫した。それはわかる・・・・・だが、どういうことなのだ?連中は戦法も未熟なら戦い方もまるで素人だ。」

 

シャアが困惑する中、放出されたザクから通信が入る。

 

『少佐、マチュウ及びフィックス無事にザクに搭乗しました。敵を追撃いたしますか?』

 

「・・・・・補給物資積み込みの援護にあたれ。」

 

『はっ!援護にあたります!』

 

通信を切るとシャアのザクも同様にムサイの方へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、ブライトすまんな。俺、無線切ってたんだってな。」

 

ホワイトベースに帰還したリュウは頭を掻きながらブライトに自分の不手際を謝罪する。

 

「・・・・・あぁ、気を付けてくれよ。訓練を思い出してな。・・・・・それからイチカ、君は敵の向こうを回り過ぎ・・・・」

 

「いや、あれはあれでいいんだ。なあ?」

 

イチカを注意しようとしたブライトにリュウは確認をしながら言う。

 

「は、はい。シャアが来るのが早かったからです。」

 

「・・・・・・私も詳しく知っているわけではないがシャアは『赤い彗星』と呼ばれている男だ。お前だって既にサイド7で一度戦っているはずだ。もっと立ち向かい方を考えてくれ。」

 

「は、はい・・・・・・」

 

「よし、各員第二戦闘配備のまま休息を取れ!」

 

「全速前進、進路はルナツーへ。クリア。」

 

ブライトはイチカに軽く注意をするとすぐにルナツーへの進路を取らせる。イチカはリュウと共にブリッジを後にする。

 

「ブライトさんって、厳しい人ですね。」

 

「まあな。不器用なところがあるのさ。それに軍人となると気を引き締めなくちゃいけないところもある。」

 

(・・・・・・なんか男版千冬姉だな・・・・・)

 

そう考えながら歩いていると先ほど制服を洗濯に持って行ってくれたフラウが飲み物を運んできてくれたところだった。

 

「あら、二人とも良い所に来たわね!丁度貴方たちに飲み物持って行くところだったの。」

 

「おぉ!そいつはありがたい!イチカ、せっかくだから頂こうぜ。」

 

「はい。」

 

イチカとリュウは渡された飲料ボトルを受け取ると勢いよく飲み始める。

 

 

 

 

 

 

 

そして、ホワイトベースは再度ルナツーへと向かうのだった・・・・。

 




次回予告(?)

イチカたちは味方の連邦軍に囚われてしまった。

その間にもガンダム破壊を執念に燃えるシャアら潜入部隊が忍び寄る。

味方の兵を倒してでもホワイトベースを救出しなければならないのか?

次回「機動戦士ガンダム 一夏の一年戦争」

「ルナツー脱出」

君は生き残ることができるか?
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