家庭教師ヒットマンリボーン[二度目の人生]   作:ツナさん

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第0話『後悔と二度目の人生』

草木も眠る丑の刻。嫌な予感を直感して目を覚ますと部屋の扉が荒々しく開かれる。

 

「10代目!!大変です!」 

 

獄寺君は、血相を変えて部屋に入ってくる。直感が鳴り響いている。いまだかつてないほどの嫌な予感が勘違いであってくれと思うが、こういうときの直感は外れたことがない。

 

「前日うちと揉めたカリーヌファミリーが笹川を人質にっ!」

 

獄寺君のその言葉で額に揺らめくように灯るのはオレンジ色の炎。瞳の色もオレンジ色に変わり、風圧で窓ガラスが割れる。

 

「...京子は何処に?」

 

「い、以前戦った場所で待つと。10代目一人で来いと」

 

「そうか...」

 

それだけ聞いて右手の剛の炎を使い部屋を飛び出す。カリーヌファミリーと言えば、ボンゴレ総動員して殲滅した筈の相手だった。それがどうして京子を人質に?

 

「クフフ...このような草木眠るような時間に何処に行こうと言うのですか?沢田綱吉」

 

「骸か」

 

沢田綱吉の超高速の移動に着いて来られるのは、守護者の中でも少ない。そのうちの一人が霧の守護者である、六道骸だった。

 

「そのように殺意を向けるのも珍しいですね。笹川京子を助けに行くのですか?」

 

「お前は着いてくるな。俺一人を呼んでるんだ」

 

一人で来いと言った以上誰も連れていくわけにはいかない。それが例え幻術の得意な骸だとしてもだ。敵にも幻術のスペシャリストが一人いた。戦えば骸が勝つだろうが存在を見つけることは出来るだろう。

 

「クフフ。相手はカリーヌファミリー。一度潰したとしても、貴方一人では勝てませんよ?敵の数は1万を越えています。私達ボンゴレを潰したいマフィアは多いですからね」

 

「...それは骸も同じじゃないのか?」

 

「マフィアごときと一緒にしないで欲しいですね。私はあくまでも沢田綱吉、貴方の体が目的ですから」

 

「ははは、変わらないな。骸」

 

俺の体を乗っ取りマフィアに復讐をする。それが骸の目的。だが今まで一緒に戦ってきて、骸ほど幻術に関して背中を任せられる相手はいない。それに、乗っ取ろうと思えば何度もチャンスはあったはずだ。それでも骸は、乗っ取ろうとしたことはなかった。

 

「ですから、私が貴方を乗っ取るまで死んでもらっては困るのです」

 

「死なないさ。俺は...後ろから着いてきてる雲雀さんと山本の足止めをお願いできるか?」

 

「何故そのようなことをしなければいかないのでしょうか?」

 

「ボスからの命令だ。それに薄々気付いてる。京子が狙われた原因は俺のせいだ」

 

ボスの継承式が行われ9代目から、10代目が正式に言い渡された日。本来なら京子に告白するはずだった。ハルに告白されて断った俺は、京子に告白する事に迷いなんて無いと思っていた。仕事の合間に京子に会ったりお兄さんと一緒に来てくれた時も会った。でも予想以上のマフィアの重圧に圧され告白を躊躇ってしまった。そして引きずるように京子との出会いを繰り返していた。そんな俺の弱点だとカリーヌファミリーは思ったに違いない。

 

「クフフ、ボスの命令ですか。良いでしょう。その代わり約束は守ってもらいます」

 

「ああ」

 

骸は立ち止まり俺は更にスピードを上げる。死ぬ気の炎は、覚悟の証。

 

「俺は絶対に京子を死なせない!」

 

 

 

 

-----------------------------------------------------------------------

 

「出てきてもらいましょうか?」

 

「今は君と遊んでる暇はないんだけど?退いてくれない?」

 

「わりーな。ツナを追いかけなきゃいけないんだわ。だから退いてくれねーか?」

 

クフフ、この二人を相手にするのは厳しいですがやれるところまでやるしかないですね。ポケットからヘルリングを取りだし指につける。これで少しは時間稼ぎくらいは出来るでしょう。

 

「マフィアのような言葉は言いたくありませんが。....最後のボスからの命令ですから」

 

「....咬み殺す」

 

「やるしかねーよーだな。わりいけど、ツナが死ぬのはもう見たくねーんだ」

 

三人の死ぬ気の炎の炎圧が上がっていく。

 

「クフフ...迷えそして廻れ」

 

 

 

 

 

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骸のお陰で誰も追いかけてきてないことを理解しXバーナーを放ち前衛隊を全滅させる。沢田綱吉の相手になるのは、カリーヌファミリーのボスと幹部と言われてる二人だけだろう。その前の相手は沢田綱吉を疲弊させるだけの傭兵に他ならない。

 

「速く、もっと速く!」

 

「はははははは、速かったな。ボンゴレ10代目。沢田綱吉」

 

「...カリーヌ。京子はどこだ?」

 

「ここだ。おい」

 

その言葉で現れた京子は、見るに耐えない程に痛々しく殴られた跡があり、出血の量からも直ぐに手当てが必要だった。

 

「ツっ君...来ちゃ駄目だよ」

 

掠れたような言葉に拳を握る綱吉。

 

「カリーヌ!!絶対お前を許さない!」

 

「ははは、これは傑作だな。やはりこの女は使えるようだ」

 

「黙れ!!」

 

罠だと分かっていても、沢田綱吉は止まらない。止まることは出来なかった。拳を握りカリーヌの顔面を捉える寸前。雷の炎を纏った矢が数百本沢田綱吉を襲った。咄嗟の事態に超直感は避ける選択肢をしたのか体が反射的に避けようとするがそれを唇を噛み締めることで拳を止めない。カリーヌの驚愕の表情と共に綱吉の拳はカリーヌに突き刺さる。降り注ぐ矢は、沢田綱吉の体に突き刺さり膝をつく。

 

「ツっ君!...どうして」

 

「京子を巻き込みたくなかった...なのに巻き込んでしまった...ごめん」

 

血を流しすぎたのか意識が朦朧としている。このままでは、京子も沢田綱吉も時間の問題だろう。

 

「沢田ー!!」

 

「10代目!!」

 

「ボス...」

 

お兄さんと獄寺君とクロームの声が聞こえる。皆来ちゃったんだ...。

 

「ボンゴレ....サンダーセット!!クローム手伝ってください!」

 

「はい!」

 

爆発音の鳴り響くなかお兄さんが近付いてくる。

 

「すいません。お兄さん...京子を巻き込んでしまって」

 

「今は何も喋るな沢田!くっ...この傷では...」

 

「おいなんとかならないのか!」

 

傷の深さから助からないのは分かっていた。それでも晴れの活性の炎を京子と共にかけてくれるお兄さんと必死に声をかけてくれる獄寺君。それに、怒って戦ってくれているランボとクローム。俺の我儘に従ってくれた骸。追いかけてくれた、雲雀さんと山本。俺は本当に良い仲間を持ったよ、リボーン。

 

「お兄さん...二人の治療はいくらお兄さんでも無理です。京子の治療をしてください。俺の傷ではもう無理ですから」

 

「10代目!!貴方がいなくなっては!」

 

「そうだぞ沢田!!京子だってお前も生きていて欲しいと思っているはずだ!」

 

“生きろ”その声が走馬灯のように聞こえてくる。瞼は重くなり体が冷たくなっていく。

 

------------10代目!!

------------沢田!!

------------ボンゴレ!!

------------ボス!!

------------小動物....

------------ツナ!!

-----------約束を破るのですか?ボンゴレ10代目。沢田綱吉

 

皆....。

 

-----------ツっ君!

-----------ツナさん!

 

京子にハル...。

 

俺は....。

 

-----------ツナ。

 

リボーン...。

 

俺は...俺は....死にたくない。

 

もっと皆と一緒にいたかった。

 

 

 

-----------------------------------------------------------------------------

 

ジリリリリリ。

 

ん?何の音だ?酷い夢を見ていたようなそんな感じがする。

 

「生きてる...?」

 

窓から見える景色はイタリア本土にあるボンゴレのアジトではなく。日本にある実家から見える景色だった。

 

「ツっ君ー!そろそろ起きないと学校に遅刻するわよー?」

 

学校?さっきまで俺は...そう考えて手を見ると明らかに若かった。30後半が年老いてるとは言わないが、戦闘のせいで裂傷なんかは日常茶飯事ありもう少しゴツゴツしてたけど今は、どちらかというとひょろいという言葉が似合いそうだった。慌てて携帯を見ようと携帯を探すと中学の時に使っていたガラケーが目に入った。色も同じである。日付を確認すると忘れもしない日にちだった。

 

「中学1年で、この日付....リボーンがうちに来た日だ」

 

それはリボーンとの出会いの日であり。沢田綱吉が忘れられない日でもあった。

 

「ちょっとツっ君!!」

 

二度目の呼び掛けに慌てて一階に降りる。そこには、まだ若かった母さんがいた。自分が30歳後半まで生きていたからだろうが、母さんが可愛く見えるのは。顔は整っている方だとは思っていた。でも、この時なんて母さんが可愛いなんて勿論思ったことも無かった。現状理解できない状況だが、あるとすれば未来に行った時みたいに、この時の俺が10年バズーカを二度撃たれた。だがその可能性は限りなく低いだろう。10年バズーカの効力は十分だし。何よりもこの時はランボと関わりが無い筈だ。それに20年後から来たとしても体が20年前のままではおかしい。

 

「どうしたの?ツっ君。今日は二回目で起きてこられたと思ったら固まっちゃって」

 

考え事をしていると不信に思われたのか心配してくれた。今思えば、こんなどうしようもない子供の面倒を見てくれる母さんは凄いと思う。

 

「ううん別に。母さんは今日も可愛いなって思っただけだよ。朝御飯食べてくるね」

 

「可愛いだなんて。ツっ君、いつの間にそんな事覚えたのかしら?あ、そうだわ。ツっ君」

 

「どうしたの?母さん」

 

「今日からね、家庭教師が来てくれるんですって」

 

リボーン...。

懐かしいな、久し振りにリボーンに会えるのか。

 

「ちゃおっス」

 

「リボーン」

 

久し振りに会ったリボーンは最後に会った時よりも縮んでいた。というより懐かしい姿。赤ん坊の姿になっていた。懐かしさからだろう。リボーン相手に隙を見せてはいけなかった。

 

「...初対面の筈だが。どっかで会ったことあったか?」

 

疑問の眼差しで見てくるリボーンに対して、ついうっかり、リボーンの名前を言ってしまっていた。それ事態は母さんから聞いたとでも誤魔化せば良いだろうが。信頼という眼差しは、初対面で向けられると疑惑に変わってしまう。何も知らない相手から信頼されてても、此方は信頼出来ないのと同じである。しかも相手は一流の殺し屋であるリボーンだ。その疑惑も大きいだろう。何故こんな事態になっているのか気になるところではあるが、仮に中学生からやり直すのなら、死ぬときに感じた後悔をやり直すチャンスでもある。それならもう一度、こうしてリボーンと歩いていくのも良いかもしれない。勿論起こり得るであろう未来を変えるためにも。

 

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