家庭教師ヒットマンリボーン[二度目の人生]   作:ツナさん

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更新が遅れてしまいすいませんm(__)m中々ビビッと来ませんで...なんとか書けました。


第5話『調理実習』

「今日は家庭科実習で作ったケーキを男子にくれてやるー!!」

 

家庭科実習で作るケーキよりも明らかに一線を越えているケーキを黒川の言葉と共に女子生徒が思い思いに男子に渡していく。男子から貰いに行くこともあるけど人気が高い、山本や獄寺君の周りには人だかりが出来ている。ボスになった後に貰ったケーキに比べれば見劣りするものばかりだけど、ケーキの中には毒も策略も入っていない。純粋に食べて欲しい!という気持ちだけが入っている。一つ一つが輝いて見えて羨ましく思えてしまう。

 

ま、俺にケーキを食べて欲しいなんて思ってくれる人なんていないと思うけどね。昔と同じなら京子はくれると思うけど。貰えなかった時の事を考えると少し落ち込むかも。

 

「さ、沢田君!良かったらケーキ食べてください!」

 

そんなことを考えていると後ろから何人かの声がする。5人くらいの女子生徒がケーキを差し出しながら頬を染めている。え?俺に!?

 

固まっている俺に声をかけてきたのは意外な人物だった。

 

「まっ。近頃のあんた見てたらおかしくないんじゃない?ね?京子」

 

「うん。ツナ君格好良かったもんね!」

 

黒川と京子だった。二人も此方に来てケーキを差し出してくれる。獄寺君が「流石10代目です!」とか言ってるけどスルーしよう。嬉しいけど正直戸惑っている。こんな状況今まで無かったから。それに囲まれて差し出されてるからどの子から最初に貰えば良いのかも分からなかった。

 

「たく、あんたは。はいはい。皆並んであげて。沢田は受け取らないんじゃなくて品定めしてるようでどの子から取れば良いのか分からないんだって」

 

その言葉と共に列が綺麗に出来る。ほんと黒川には感謝しないとな。それから暫く幸せな時間が過ぎたと思う。普段中々話さないクラスの女の子との会話。中学時代の俺には有り得なかった。

 

「ほら。同い年なんて皆子供で興味ないけどあんたなら少しはマシよ。有り難く頂きなさい」

 

「ははは、ありがとね黒川。色んな意味で」 

 

「あんた、ほんとに変わったね。京子がいなかったら...いやそんな例えは意味無いか。頑張んな」

 

ケーキを食べながら黒川はそれだけ言って自分の席に戻っていった。

 

「ツナ君。私が作ったケーキも食べてくれるかな?」

 

一番最後に並んでいた京子がケーキも差し出しながら言ってくる。ビアンキもいない状態で断る理由は無かった。

 

「勿論だよ、京子ちゃん!」

 

この時の俺は忘れてたんだ。幸せの時間を過ごす代わりにしていたことを。

 

 

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「ただい.....」

 

家の扉を開けた筈だった。なのに超直感が警鈴を鳴らしている。そこから迷いは無かった。家の扉をゆっくりと閉めて走り出した。目的地なんてない。ただひたすらリボーンの怒りが治まるまで。

 

「ツナ」

 

全速力で走っている中誰かが並走しながら呼んでくる。勿論誰が呼んでるのか分かっている。

 

「...やあリボーン」

 

「ビアンキの事知ってたな?」

 

ん?何やら怒っているようには見えない。それに感じない。走るのを止めてその場に止まる。

 

「うん知ってたよ。朝毒物を渡されたからね。俺に恨みがあるみたいだから今日仕掛けてきそうだったし」

 

嘘ではない。毒物は開けてないから普通は分からない。そのまま埋めたのだから。俺に恨みがあるのは殺気で何となくわかる。隠す気無さそうだったし。

 

「そうか。俺とビアンキの関係も知ってたのか?」

 

狙い通り進んだのだろう。あの時ビアンキに言ったのは。

 

『リボーンが久し振りにビアンキに会えて、美味しいご飯でも作って欲しいって言ってたよ』

 

これだけだ。ビアンキは予想通り動いてくれたのだろう。リボーンが無事ということは何とかしたんだろうけど。

 

「小耳に挟んでね。リボーンが俺の事を調べてるように俺もリボーンの事を少しは調べてるんだよ。それよりビアンキからはどうやって逃げたんだ?」

 

「そうか。別に逃げたわけじゃないぞ。今から晩御飯だ」

 

「え?....」

 

リボーンの言葉に嫌な予感増していく。

 

「心配しなくてもママんは福引きの懸賞でボンゴレ御用達の三ツ星ホテルに一泊二日で旅行だぞ」

 

どうやら母さんは避難させたようだ。何気にそのホテルに父さんと行ってそうだけど、母さんが楽しいのならそれで良い気がする。

 

「それじゃあ、ミッションだぞ。これから待ち受けているターゲットl《ポイズンクッキング》を速やかに処理することだぞ」

 

簡単に言えばビアンキの作る晩御飯をどうにかしろって事だろ?自分で撒いた種だけに思考を巡らせるが良い案が思い付かない。ランボの顔がちらつくが毎回大人ランボにビアンキの相手を頼むのは気が引けるし...。実力行使でビアンキを追い出すのも違う気がする。獄寺君に頼むのも悪いし、そもそもビアンキの顔見たら倒れちゃうよな。記憶を辿れば確かにこのような状況はあった。

 

だが解決法方は最良とは言えない。爆発オチか、大人ランボオチのどちらかだ。コロネロとラルが13回目の結婚式でようやく結婚した時にビアンキは普通に料理の腕を振るっていた。つまりビアンキが無意識にポイズンクッキングしてしまうのは、まだまだ自分の力がセーブ出来ず未熟だと言える。だがそれは優秀な殺し屋l《ヒットマン》でもある。

 

「このまま逃げたら駄目かな?」

 

「そんなことしたら狂喜に狂ったビアンキが何するか分からねーぞ」

 

夕焼け空を眺めながら考える。そして思い付くのは昔もした方法。ランボに10年バズーカで大人ランボになってもらい俺自身が大人ランボを抱えて死ぬ気で逃げることだ。昔の俺はギリギリだったけど今現在の体力なら10年バズーカの効力が切れる5分間だけ逃げるなんて難しくないと思う。ビアンキは体力的に見ると一般人から逸脱してるけど、足の速さだけをみれば陸上部のエース級だと思う。その程度なら死ぬ気になれば追い付かれることもないし逃げ切れる自信がある。

 

「分かったよ。リボーン、ランボの居場所って分かるか?」

 

「ここにいるぞ」

 

「ぐぴゃっ!」

 

小石を河川敷目掛けて投げたリボーン。流石と言うべきか、ランボの悲鳴が聞こえて河川敷で目を回していた。

 

「ランボを囮に使うのか?」

 

リボーンの問いにどう返そうか悩んだけど素直に話すことにした。

 

「大人ランボにね。ビアンキの元彼に似てるみたいだから。それに囮になっちゃうけどちゃんと逃がすから」

 

「そうか。それじゃ任せたぞツナ」

 

「ああ」

 

 

 

そして現在。俺は絶賛逃げていた。

リボーンが何故か死ぬ気弾を撃ってくれないせいで死ぬ気にもならずに、いや.....大人ランボを抱えて走るために最低限の死ぬ気にはなっているが。それでも全力じゃない。

 

「待てぇええええ!!ロメォオオオオオ!!!」

 

後ろから聞こえるビアンキの声が怖い。殺意と投げられるポイズンクッキング達。超直感を頼りに避けているから当たることはないけど、それでも怖い。

 

「若きボンゴレ。も、もう少しゆっくり」

 

抱えている大人ランボに自殺を志願されたが、心中するつもりはない。

 

「俺はまだ死にたくないからランボだけ降ろそうか?」

 

「このままで大丈夫です」

 

逃げてから三分が経過していたが思ったよりも状況は良くなく、このままではビアンキの目の前で大人ランボが子供のランボに戻ってしまう。これ以上死ぬ気になれば額に炎を灯してしまう。それはリボーンに一発で死ぬ気弾無しでも死ぬ気になれると言ってるようなものだ。現状バレてないかは五分と五分だけど。

 

「辛そうだな、ツナ」

 

心中穏やかじゃないまま走っていると隣をリボーンが並走していた。

 

「誰のせいなんだよ...」

 

「元々ビアンキに嘘をついたお前が原因だろ?それにいつでもあると思うな死ぬ気弾、だぞ」

 

俺が死ぬ気弾を待っているのは読まれているようだ。それでも死ぬ気弾を撃たないのは嫌がらせなのか、それとも。

 

「後...1分か」

 

俺は大人ランボを降ろしてビアンキに向き直る。

 

「わ、若きボンゴレ?」

 

「ランボ。俺が時間を稼ぐからその間に逃げてくれ」

 

「ロメォオオオオオ!!」

 

「ひぃ」

 

「早く逃げるんだ!」

 

「す、すいません!若きボンゴレ」

 

なんとか逃げてくれたランボ。そして俺の目の前には般若が一人。

 

「邪魔するなら貴方から殺すわよ?ポイズンクッキング!」

 

ビアンキはホールのケーキを此方に向けて突進してくる。あれが普通のケーキだったとしても正気の沙汰じゃない。そもそもビアンキの服装は基本的にラフである。薄着にジーパンという武器を隠したり食べ物を隠したり出来る服装ではない。何か持ってる様子もないので何処から料理を出しているのか不思議ではあるが今更でもある。

 

ビアンキがポイズンクッキングを当てる瞬間。甲高い銃声音が響き渡った。

 

「リッボーン!!死ぬ気でビアンキを止める!」

 

直進してくるビアンキに対して真正面から緊迫する。

 

「っ!速い!」

 

「うぉおおお!」

 

ホールのケーキが当たる瞬間に体制を低くしてかわし、ビアンキの右足を払って状態を崩す。

 

ビアンキは悲痛そうな顔をした後目を閉じるが痛みが中々襲ってこないので目を開ける。

 

「どうして止めをささないの?」

 

ビアンキの前には死ぬ気が既に解けたツナがパンツ一枚で立っていた。

 

「ビアンキは敵じゃないから。それに頼もしい仲間だって思ってるから」

 

「そう...。リボーンに伝えておいて、あの依頼受けるわって」

 

「分かったよ」

 

「それじゃあ、また会いましょう。ボンゴレ10代目」

 

 

 

 

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