暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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期末テストの時間 二時間目

 あれから期末テスト当日となった。……え?日曜日はどうだったのかって?

 朝起きる→ご飯→勉強→ご飯→勉強→帰るって感じでビックイベントは特になかったよ?

 

「今日過ぎればゲーム今日過ぎればゲーム……!」

「風人君?私たちは受験生って……まぁ今日くらいは許してあげるか」

「よし!許可ももらえたし頑張るぞぉ!」

「でも風人君。テストが終わった後にそんな気力残っているの?」

「分かんない!」

 

 だってあの理事長が動いたんだもん。そんなの分かるわけがない。

 

「ただまぁ油断はできないだろうけどね~あはは」

「……はぁ。色々と心配だなぁ……筆箱持ってきた?」

「え?そこから?しかもテストじゃなくて僕の忘れ物が心配なの?」

「当然です」

 

 酷い。僕の彼女が信用してくれない。…………?何だろうこの禍々しい殺気は……?

 

「風人君?」

「あーうん。何か薄汚い醜い殺気の塊を……」

 

 と、どこからか声が聞こえてくる。

 

「「「E組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺す」」」

 

 ……ん?何か同じ言葉を繰り返してる?

 

「「「E組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺す」」」

 

 段々と声がはっきり聞き取れるようになったような……つまり原因の所に近づいているかな?

 

「「「E組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺す」」」

 

「「…………」」

 

 思わず固まる僕と有鬼子。原因は三年A組の教室だった。

 

「わーリアルゾンビが一杯だぁー」

「そ、そうだね……」

「僕が銃持って正面から突撃するから、打ち漏らしを頼んだよ~」

 

 きっとあれだ。ゾンビを撃って進んでいく系のゲームだこれは。そしてゴールはこの学校からの脱出だうん。間違いない。

 

「はぁ……風人君」

 

 と、そんな僕の現実逃避に呆れた様子の彼女。やれやれ。僕だってこのちょっとしたホラーから目を背けたいがための冗談なのに。相変わらずウチの彼女は手厳し――

 

「私の方が腕前が上なんだから、私が前衛で風人君がバックアップだよ」

 

 ――違った。ウチの彼女も現実逃避を始めた。

 よし、ここは二人で現実逃避をしながらリアルホラー脱出ゲームを楽しむぞ!

 

「ちょ、何してるの二人とも!?」

 

 僕らが懐から銃を取り出そうとした瞬間、ししょーの焦るような声が聞こえた。

 

「「え?リアルゾンビシューティングゲーム」」

「違うからね!?風人君はともかく神崎さんまでどうしたの!?」

「いや、僕はともかくって酷くないですかししょー?」

「風人君はいつもノリで生きてるでしょ!」

「酷すぎる!あまりにも酷すぎる!」

 

 ししょーの言葉が心に刺さりまくりだ!

 

「あのね……私思ったの」

「「え?何を?」」

「こんな現実があるのなら、そっと心の扉を閉じてしまおうと」

「「その扉は閉じちゃダメなやつだ!」」

 

 あ、この目は完全に現実を見ない目だ。アニメで例えるなら目から光が消え失せている。

 

「風人君!お姫様の呪いを解くには王子様のキスが必要だよ!」

「意味わかんないよ!?」

「ほら!神崎さんなんて目を閉じてもう受け入れ準備万端だよ!」

「何で今日に限ってこんなにノってきているの!?おかしいよね!?お願いだから戻ってきて!」

「いや」

「嫌じゃないからね!?」

 

 その後なんやかんやあって正気に戻った僕ら……テスト前に何やってるんだろう。ほんと。

 

「でもA組の人たち怖いくらい本気だね」

「だね。勝てるの風人君?」

「まぁ、あんな如何にも殺気立っているような獣より、心の中に鋭い殺気を秘めた奴の方が脅威だと思うよ~」

「なるほどね」

 

 だからあんな獣共は眼中にない。A組の中で脅威となるのはたった一人だけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 英語

 

「ふぅーん。本気出してきたってわけか~」

 

 明らかに今まで受けてきたテストより内容、量、質。すべての要素において次元が違う。

 おかげさまで目の前にいる問スターも今での奴らが可愛く見えるほど厳つく強そうだ。

 

「でもまぁ――」

 

 僕はターゲットの弱点を見抜き的確に一撃を叩き込む。

 

「――倒せないわけじゃない。無理ゲーじゃなくてハードモードとかそんな感じだね~」

 

 そう思いながら次の問題へと向かっていくのだった。

 

 

 

 

 

 社会

 

 さっきの休み時間、E組でもかなりの人たちが消耗を隠しきれていなかった。

 やはり問題は一つ一つが難しくかつ量が多い。

 テスト時間フルに集中していてもこれか解けきれない可能性がある。

 

「訂正しよう。これ、ハードモードじゃなくてベリーハ-ドモードだ」

 

 ……というかマニアックな問題多くないか?社会さん。

 一学期期末テストよりも何というか……重箱の隅をつつくと言うとあれだけど細かいところまで出してくる。

 でもテスト範囲というルールを逸脱していない。だからまぁ……

 

「これでオッケーかな~?」

 

 

 

 

 

 理科

 

「そういやA組の奴らはどうなんだ?」

「休み時間に見てきたけどよ……そりゃあもうやばかったぜ」

 

 と、誰かが答えている間に問スターの頭に飛びかかる複数の陰。

 

「うわぁ……」

 

 その陰たちはただただ狂っている。

 やばい。ひたすら頭突きなりなんなりで堅い装甲を壊そうとしている……石頭かな?

 

「獣って言ったけど……ありぁ恐ろしすぎだろ」

 

 アイツらもまとめて狩ったら追加で点もらえるかな?よし。

 

「一狩り行こうぜ~!」

 

 

 

 

 

 国語

 

「お、おい……何なんだアイツら」

「一体二人で何処まで行くつもりだよ……」

 

 目の前の武将のような巨大な問スター。次の瞬間には刀で切り刻まれて砕け散っていた。

 背後から首を狙う問スターの一撃。それも割って入った陰によって止められ刀を砕かれる。

 

「さっすがぁ~」

「国語は得意分野だからね!」

 

 押し寄せる問スター共を一網打尽にしていく。

 

「なぁ、俺の記憶が確かなら一学期期末では風人のやつ、神崎さんにやられてなかったか?」

「そうだったよね……でもあの二人。破竹の勢いで問スターを倒していってるよ」

「私たちも負けてられないね!」

 

 気付けば辺り一帯には屍の山が築かれていた。

 

 

 

 

 

 

 数学

 

「ふむ……」

 

 問スターを片っ端からぶちのめして来た風人。しかし、数学最終問題を前にした問題――問スターを見て手が止まってしまう。

 

「まさか漸化式を中三のテストで出すとは……」

 

 その問スター。なんと漸化式を使わせる問題であり、そのことにより手が止まってしまっている。

 

「手が止まっているように見えるけど……もしかして倒せないとか?」

 

 すると風人の後ろからゆっくりと歩いてきたのは、

 

「カルマか……ちょっと驚いただけだよ~」

 

 カルマだった。

 

「じゃあ、倒しに行こうか」

「だね~」

 

 風人とカルマはそれぞれ問スターに向かって走って行き、飛び乗るとそれぞれ爆弾を投げ入れる。

 動きが止まる問スター。次の瞬間には爆発し倒れていた。

 

「特殊解に持って行くんだよ。先週やり方教えたじゃん」

「や~カルマのおかげで覚えていたよ~ありがとね~」

 

 と、軽い口調で二人が話していると、どこからか聞こえる爆発音。

 

「まぁ、予想通りだね~」

 

 燃えているラス前の問スター。その前に立っているのは浅野だった。

 そして空から現れるラスト問スター。

 数学最終問題。半数近くの生徒はここまでたどり着いておらず残りの半数も時間がギリギリ。

 故にこの数学最終問題を解ける可能性を秘めていたのは、浅野学秀、赤羽業、和光風人の三人だけだった。

 

(さて……どうしよう?)

(やっべ……時間足りなくね?)

 

 三人が問題に取りかかっていく。少しした後、浅野は二人に先んじて問題を解き進めていく。しかし、風人とカルマの二人の手は完全に止まっていた。

 

(……うーん。簡単に言うとこの空間でA0……僕の占める体積を求めろ!ってことなんだよなぁ~)

 

 立方体の箱の中に居る感覚になる風人。動き回ろうとしても見えない壁が邪魔をする。

 

(いたた。この壁が僕の領域の境ってことか……でもこの箱本当になんなんだ……?あれ?箱?)

 

 ふと疑問に思い問題文を見直す風人。そして、

 

(あれ……?これ)

(難しい計算いらなくね?)

 

 風人とカルマは何かに気付く。

 二人が何かに気付いた数分後、終戦(テスト終了)を告げる(チャイム)が鳴り響いた。

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