暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~ 作:黒ハム
見る際は心の準備と背後にお気をつけください。
デートも終わり、冬休みの訪れを今か今かと待ち侘びる今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか?
せんせーがこの前、テストのご褒美として弱点――力がないということを教えてくれた。ゲーム風で言うならAgl(速さ)に特化して振ったためにStr(力)が低いのだ。
静止状態の触手一本程度なら僕ら一人一人が抑えこめば動けなくなるらしい…………もっとも、抑えられるんだったら苦労はしてないだろうが。
「「「演劇発表会!?」」」
我らがリーダー磯貝君に告げられたのは、受験がある僕たちE組に演劇発表をしろとのこと。クラス委員会で決められたらしく文句は言ったものの、トップである浅野曰くどうせなんとかするのだろうとのこと。
何だろうその……責任放棄というか何というか。まぁ、信用してくれているのかな?
「渚君渚君。主役やらない?」
と、カルマが見せてきたプラカード(いつの間に用意した?)には、タイトル「阿部定」で、小さな象を手のひらに乗せる渚のイラスト………………あーそういう路線で行くのね。
「よし、さいよー」
「待って!?全然よくないよ!?」
と、渚から凄い反対があったので不採用に。
で、
「せんせー……演劇に出たい」
殺せんせーが役者を務めることになった…………マジで?
「分かったわ。殺せんせーもしっかり演じてもらう」
すげぇ……本当に出すつもりなの?マジで?
「和光、神崎。アンタらが主役よ」
「はーい………………はぁああああああ!?待て待て待て!僕はこっそり裏方でゲーム……間違えた。皆のフォローをしようと思ってたのに!主役にされたら僕の劇の練習時間でゲーム時間が減る……間違えた。僕なんかよりもっと主役がふさわしい人間がいるよ!」
(((この男。さてはサボろうとしていたな……)))
「かーぜーと君?」
「あっ……待って?暴力は反た……」
「そうよ神崎。落ち着きなさい。私は端っから和光風人の方には期待してないわ」
え?狭間さん……それってどういうこと?
E組は昼休憩の発表のため、皆お昼ご飯と共に演劇を見ている。
ご飯を食べ、バカにしながら見るつもりだろう。
そんな中、舞台の幕が上がった。
『昔々、ある時代のあるところ。二人の姉妹が住んでいました』
舞台中央では二人の人物がスポットライトを浴びていた。
「オーほっほっほ!見れば見るほど醜い豚どもですわ!貴女もそう思うでしょう?」
『姉は目の前に居る人々を見て、嘲り高らかに笑います』
姉――和光風子は明らかに観客の方を見ながら蔑む表情で高らかに笑う。
この光景に観客たちの手が止まる。当然だ。明らかに観客である自分たちのことを見て笑っているように思えたからである。
「…………はい。そうですわね」
『妹は姉の言葉に同意する。否、同意せざるを得なかったのです』
座り込んでいる妹――神崎有希子は死んだ目をして同意する。
それに対して姉は妹のそばにより、顎を手で持ち上げ優雅な笑みを浮かべる。
「うふふ。貴女は蒙昧な愚衆共とは違うよう……賢いのね?」
「………………お姉様ほどではございません」
立ち上がり再び観客の方に向かって高らかに笑う姉の姿。
「当然ですわ!この世の中に
そして後ろでは何枚かの写真が流れた。刃物で刺されて突っ伏す少女。泡を吹き倒れ込む少女。頭から血を流して倒れる少女……。
あまりにもリアリティ過ぎて観客全員の食べる動きが止まり釘付けになる。
『姉は人の皮を被った化け物でした。気に入らないものは全て壊して殺す。刺殺毒殺撲殺焼殺絞殺圧殺など、あらゆる方法で殺してきました』
「私は今から出かけてきますの」
「……ああ、なら私も」
スパーン!
響き渡る何か叩かれたような音。
それと同時に倒れ込む妹。
「貴女が私と?オーほっほっほ!冗談もほどほどにしてくださる?では、私はこれにて」
そんな妹に目もくれず立ち去っていく姉。
あまりの光景に観客たちはドン引きしていた。
「お、おい……今のってマジでやったのか?」
「ば、馬鹿野郎!演技だろ演技!」
「で、でもさっきの写真……あれ本物じゃないの?」
「まさか……本当に殺したのか……?」
段々と観客たちを恐怖が支配していく。
これはただの演劇ではないのか……と。
「…………あぁ……ウザい……」
そんな中低い声が響き渡る。
『一人残った妹。ゆらゆらと立ち上がる彼女の目には復讐の炎が宿っていました』
「…………あぁ……殺したい!あの女が居なければ他の姉妹が死ぬことはなかった!あんな女が存在しているから私は自由になれない!」
『近くにあった物を蹴りつけ、叫ぶ妹。積もり積もった恨みは殺意へと変わりました』
「ヌルフフフ。その願いを叶えたいですか?」
『魔法使いのタコです』
「あの女を殺してやりたいですか?……何を犠牲にしたとしても?」
「殺したい!あの女を殺してやりたい!四肢を切り刻み、あの心臓を一突きしてやりたい!あの澄ました顔をグチャグチャにしてやりたい!地獄の炎であの女の身体を灰にしてやりたい!」
『魔法使いは妹の願いを聞くと口角を上げて笑います』
「ヌルフフフ!その願い!叶えてあげましょう!」
『取り出したのはナイフと睡眠薬です。それを受け取る妹』
「これがあれば……あの憎き姉を殺せる……!ふふふふふっ………………殺す。絶対に…………ぶっ殺す」
『妹は静かに笑いました。その目には確かな殺意が宿っていました』
そして舞台は暗転する。
明るくなったとき、そこには、
「ちょっと!どういうつもりなの貴女!」
『磔にされた姉。妹は食事に睡眠薬を混ぜ、姉を磔にしたのです』
「どういうつもり?ふふふっ!私はねあなたのことが大っ嫌い!憎い!ぶち殺してやりたい!」
「ま、待ってちょうだい!貴女……私に何を!」
『妹は躊躇いなくナイフを振りかぶります』
「ああああああああぁぁぁっ!!」
「あはは!もっと苦しんで!もっと悲鳴を聞かせて!」
ザシュッ、グサッ、ザクッ
舞台は薄ら暗転し、何度も何度もナイフを振りかぶる妹の後ろ姿の陰が映る。
響き渡るのは姉の悲鳴とナイフが刺さる音だけだった。
そして遂に音が止み、再びスポットライトが妹に当たる。
「あは、あははははははっ!」
そこには真っ赤に染まった妹の姿があった。
『無惨な姿になり果てた姉の姿を見て、返り血を浴びた妹は高らかに笑いました』
「もっと殺したい!もっと悲鳴を聞きたい!」
『妹は姉を殺したことにより内なる欲望が解放されたのです』
そしてゆらゆらと舞台袖に向かう妹。その手には血に染まったナイフが……
「ヌルフフフ。お行きなさい少女よ。その思いが満たされるまで」
『後ろから見守る魔法使いは笑いながらその姿を消していきます』
舞台の照明が消えてゆき代わりに観客側の照明がつき始める。段々と明るさを取り戻す体育館。
しかし、次の瞬間。体育館は暗闇に包まれる。
『次の標的はあなたかもしれません』
「あははははははっ!」
暗闇に響く笑い声。
「ヌルフフフ……!」
それと同時に奇妙な笑い声も響いた。
「「「重いわ!」」」
「これの何処があかずきんだよ!」
「こんな状態で飯が食えるか!」
「というか怖すぎだろ!」
「てか何で魔法使いがタコなんだよ!」
観客からの大ブーイング。それに対して狭間は。
「バカね。タイトルのあかずきんは赤ずきんじゃなくて
とのことだった。
なお、この後E組は芝居道具を持って一目散に逃げていくのだった。
「駄作者召喚。今回の演劇に関して説明を」
いやね。最初はね?原作通り行こうと思ったんだよ。正確には2パターン思いついてたんだよ。
「2パターン~?」
風人傍観者パターンと有鬼子と風子チェンジパターン。
「風人君はマイペースだから演劇に出させてもらえず部外者扱い。もう一つは風子となって私と入れ替えほぼ原作通り」
そうそう。まぁ、後者で行こうと思ったんだけどね……ふと思ったんだよ。
「何を~?」
そうだシンデレラにしようと。
「「…………は?」」
この話を書いてた朝の4時頃(ガチ。ちなみに徹夜ではなく早起きです)に何を思ったか、そうだ桃太郎やめてシンデレラにしようと思いました。
「……い、いやいやシンデレラ?最初の姉妹のくだりとか魔法使いは近そうだけど……」
ただ問題があってね。あ、王子とか舞踏会やり始めたら何かやばいと思ったわけだよ。
「あーそうだよね。長いよね」
そこで閃いた。あ、ホラーにしようと。
「「え?どうして?」」
作者はね。何故かは分からないけどリアルの友人たちから、絶対に背後を刺されて死ぬと言われていてね。あ、使えそうって。
「「いやいや、まず何があった?」」
で、純粋なホラー書けないからこういう路線で行こうってなったのが今回の演劇です。つまり、いつも通り。
「……あ、いつも通り、自由にいったわけね~」
そういうこと。ちなみに裏設定で、姉が殺戮を繰り返した原因はあの魔法使いがそそのかしたから。そして妹の殺戮もいつかまた魔法使いにそそのかされた誰かによって殺されて止まりまた……って感じのもあるよ。
後は、姉(強者。A組とか)を妹(弱者。E組)が殺すという意味合いも込めて……はい。まぁ、姉はともかく狂気の妹役は原作の神崎さんでは絶対に務まらないなぁって。
「そりゃそうだよ~原作ではあんなに狂ったように笑わないだろうし~」
でもうちの作品では常日頃だし。その異常状態にE組の皆もなれてるし。
「その通りだね~つまり……遊んだと?」
その通りです。…………ん?我らが有鬼子は?
「ほへぇ?そう言えば…………まさか」
よし。今日はこの辺りで!次回もお楽しみに!
「あ、逃げないでよ駄作者!次回もお楽しみに!」
この後、血の海に伏せている駄作者と風人君が発見されたとか。
もしかしたら次はあなたの番かもしれません。