暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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激突の時間 三時間目

 戦いは終盤戦を迎えていた。

 青チーム残り5人。磯貝、奥田、渚、前原、矢田。

 赤チーム残り8人。カルマ、寺坂、中村、速水、村松、吉田、風人、イトナ。

 

 青チームは渚以外の四人がかりで速水とイトナのコンビを殺り、旗を取りに行く作戦を立てる。守備は捨て攻撃に専念。勝負をつけるつもりだ。

 一方の赤チーム。速水とイトナが青チームの四人を迎え撃っている間に中村、寺坂、村松、吉田の四人が旗を取りに行く。

 

 両チームが勝負をつけようとする中、赤チームの旗を守っているカルマには懸念材料があった。

 

(気になるのは三村でも発見できなかった渚君。そして自由人風人が何をするのか……か)

 

 予め風人には好きに動いていいと言ってある。今の状況も伝わっている。だが、そんな彼が何をするのかは分からない。守りがカルマしかいないから守ってくる?それとも数の暴力で攻め落としに行く?考え始めたらきりがない。

 それに渚に関してもだった。あのカルマがなぜあそこまでいらついていたのか。敵として見ると少し見えた気がするそうだ。

 

 そんなカルマの思考をよそに青チームが速水とイトナを討つべく動き出した。

 

「行くぞ!」

 

 動き出した磯貝、奥田、前原、矢田の四人。

 

 パァンッ!

 

 速水の狙撃によって奥田が殺られる。

 

「左から回り込め!」

 

 磯貝は前原と矢田に指示を出して、自身は右から回り込む。速水は狙いを磯貝に絞り込むと、そのまま狙撃した。

 

「うわっ!」

 

 磯貝に命中し、これでこの場は青チーム2人、赤チーム2人の状態となる。

 奥田、磯貝と二人を立て続けに殺った速水はそのまま狙いを次の人物に向けようとする……が。

 

「……矢田?」

 

 矢田の撃ったペイント弾が首元に命中し、速水は脱落する。

 

「やった!……やられた!」

 

 すぐさまイトナが矢田を狙撃し、矢田は脱落する。

 

「くっ……!」

 

 そしてイトナは銃を盾にすることで前原のナイフによる第一撃を防御する。

 だが、体制を崩し、第二撃はもろに受けてしまい青いインクが身体中に付いてしまう。

 これでイトナは脱落し、青チームが一人差で勝った。

 

「はい~しゅーりょー」

「え?」

 

 この場にいる誰もがそう思った次の瞬間。前原の前面には赤いインクがべっとりと付いていた。

  

「お前……いつの間に……!」

「ついさっきだよ~ぶい」

 

 脱落した者も含め、この場に居た六人は、誰一人として風人がやってきたことに気付かなかった。

 

「じゃあね~また後で~」

 

 そして走り去っていく風人。

 

「マジかよ……全然気付かなかった」

 

 この決戦は結果として赤チームが勝利、青チームの全滅で幕を閉じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、銃撃戦のスタートと同時に突撃した赤チームの四人。その時、カルマは目撃した。

 迷彩柄の死神()が突撃した四人を一瞬で葬り去るその瞬間を。

 

「どうなった~?」

 

 少し驚いていたカルマのもとに風人がやってくる。

 これで残っているのは、赤チームがカルマと風人の二人。青チームが渚のみとなった。

 

「カルマ~」

「ん?何、風人」

「渚は譲るよ~。最後は大将が決めてよ」

「ふーん」

 

 二人は軽く話すとゆっくりとした足取りで中央へと歩いて行く。

 

「既に渚は隠れたみたいだね~」

「だね。渚くーん!銃を置いて出て来いよ!最後はコイツで決めようぜ!」

「そうだよ渚ー!出て来たらカルマと一対一にしてあげるからさ~!」

 

 風人たちは大声をあげて渚を呼ぶ。カルマも風人も渚の位置を把握できていないからだ。

 一方の渚は、スコープ越しに風人とカルマの姿を捕らえている状況。

 

「撃っちゃえよ渚!向こうは二人いるんだぞ!奇襲を仕掛けるしか……!」

 

 杉野は脱落したスペースのところから言うが、茅野がそれは出来ないと否定する。

 

「多分、渚は撃てないよ……。あの二人の言葉が本気だって言うのはこの場にいる全員が分かってる。それにもし、カルマくんの挑戦を断ってカルマくんたちを倒そうとしたら多分風人君も牙をむくことになる。流石に渚と言ってもあの二人と同時に戦うのは厳しいと思う」

「いやあの風人とは言え流石に狙撃すれば倒せるだろ……?」

「倒せないよ。何発も撃ったけど一発も擦りもしなかった。それにあんな無防備な状態の二人に奇襲を仕掛けて倒せたとしても赤チームは納得できる結末じゃない。全員を納得させたいんだよ渚は」

 

 渚は確かに強い。だが、カルマと風人が手を組んで本気で倒そうとすれば……どちらが勝つか。渚自身も今の状況が分かって……

 

「ずるいな……二人とも」

 

 銃を置いて立ち上がる。

 

「あー出てきたね~じゃあ、カルマ。後は任せたよ~」

「大人しく見てなよ」

「分かってるって~」

 

 風人はナイフを取り出すと自分の首を切り裂いた。

 切った後には()()のインクの線が残る。

 

「烏間先生~!これで僕は退場だよね?」

「……ああ。そうだな」

「約束は守ったよ二人とも。じゃあ、後は頑張ってね~」

 

 ひらひらと手を振って風人は邪魔にならない位置まで移動する。

 今回の死亡の条件は相手チームの色のインクをつけられること。そしてルールの中に、相手から武器を奪ってはいけないという言葉はない。だから風人は、予め倒した茅野からナイフをこっそりと奪っておき、そのナイフを持って今、自主退場をしたのだ。自分で自分を倒す。この戦いにおいて普通なら考えもしない行動を平然とやってのけたのだ。

 

「よかったのですか?風人君?」

 

 そんな風人の元に殺せんせーがやってくる。

 

「そうだね~この教室に来たばかりの僕だったら嬉々として渚と戦っていたよ?下手したら第三勢力!なんて言い出してカルマとも戦っていたかな~でもさ、今は違うよ。何というか……そう。このバトルの決着は、このバトルの起きる発端となったあの二人が付けるべきだと思うんだ。その場所に僕はいらないよ」

「ヌルフフフ。成長しましたね……昔の君なら『卑怯、汚いは敗者の戯れ言』って感じで騙し討ちしてましたね」

「まぁね~否定しないよ~。でも今の僕としては、あの二人が納得いく形で決着が付くならそれでいいかな。きっと、他の皆もあの二人が出す結果なら納得するよ。それにさっさと仲直りしてもらわないと嫌だもん。三学期に友達二人が割れた状態とかさ、絶対に嫌じゃん」

 

 風人自身も、有希子や茅野と本気で殺りあえて満足している様子だ。

 そんな風人の様子を見て殺せんせーも満足した様子を見せる。

 

(でもこのサバイバルバトル面白かったな~チームとかいろいろ変えてもう何回かやりたい気分だ)

 

 清々しい気持ちで風人は二人の決闘の行方を見守ることにした。




「というわけで、風人君は自主退場しました」
「まぁ、あっさりとした幕引きだったよね~」
「二人の戦いのシーンは都合によりカットするそうです」
「原作と一緒だしね~」
「今後も都合上カット編集はよくやるそうです」
「まぁ、しょうがないよね~で、駄作者は?」
「ちょっと逃げるって……」
「あはは……」

(手と顔に赤いインクが付いてるのは触れないでおこう)

「えーっと、一応ここ数話の解説入れておく?」
「だね~。多分流れで分かってると思うから蛇足気味になると思うけど」
「今回の……というかここ数話でやりたかったことは私の更生……って言うと少しオーバーだけどそんな感じだって」
「なるほどなるほど……」

(もっと丸く、暴力を振るわなくなればいいのになぁ……)

「死神編が終わってからちょっとずつ風人君に対して劣等感を感じ始めた……っていうのは二学期編の終わりで少しずつ出しているからね」
「うむうむ。苦しゅうない。容姿端麗頭脳明晰な僕に対し、有鬼子が勝ってるのはゲームの腕前と鬼としての強さの――」
「調子に乗らないの」
「――あぅぅ……そういうとこです……」 
「もう……まぁ、そりゃね。ドンドンと前に進んでいく風人君に対して私はずっと立ち止まったままだからね」
「…………」

(いや、もう原作に比べるとえげつない成長を遂げていると思うのは僕だけだろうか)

「だから本気で殺り合って、そこで認めていることを伝える。風人君がそれを伝えるのに暗殺というのを選んだ……まぁ暗殺というか戦闘というか」
「…………ぴゅーぴゅー」
「もう。ダメだよ?人に暴力を振るったら」

(…………ゑ?それ有鬼子が言っちゃう?)

「で、次回からなんだけど、次章予告見てくれた人は分かるように段々私に容赦がなくなります」

(…………ゑ?これ以上容赦がなくなるの?)

「というわけで次回もお楽しみに!」

(……あ、珍しく僕への大きな被害なくあとがきを終える事ができた)

「……よし、じゃあ、締めも終わったし」
「だね~じゃあ帰ろうか」
「あ、その前にいつものやつをやってからでも(*゚∀゚)つ=lニニフ 包丁」
「いやだぁぁっ!」

風人の進学する高校はどこにする?

  • 有希子と一緒
  • 有希子と違う
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