暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~ 作:黒ハム
本編は約二ヶ月ぶり。
タイトルの通りですね。どうぞ。
「ふぁああああああ~」
「大きなあくびだね」
「うん~だって無事合格してゲームで徹夜……ふぁあああ」
受験は無事に終わった。
と言うのも僕らの第一志望は私立高校で、後半の日程は存在していない。まぁ、クラスメイトの中にはまだまだ本番を控えている人は居るし、僕たちと同じように終わった人たちも居る。
「そーいう有鬼子も、電話からの徹夜なのに……よく平気だよね~」
「一日の徹夜くらいならね。でも、今日はしっかり寝るから心配しないで」
「僕も心配しないで~授業中にしっかりと寝るから……」
「うん。却下」
「うえぇ~」
昨日、家に帰ると通知が届いていた。如何にも中にたくさん入ってますって感じの封筒だったから開ける前から合格だろうって分かっていた。とりあえず、合格で加えて入試成績がよくて、特待生制度とかなんとかの対象らしい。何かお金がもらえるとか払わなくいいとか、よくわかんないので親にぽーいって丸投げしといた。
そしたら、有鬼子から電話が来て、とりあえず1時間ぐらい話してそこからは久し振りにゲーム三昧で……結果は……うん。有鬼子がちょっと鈍ったから取り戻したいとかなんとか言い出したからこうして徹夜になった。つまり、僕悪くない。
「それにしても受験当日は……アレだったね」
「うんうん~アレだったね~」
受験当日。僕らの応援のため殺せんせーがやって来たが……まぁ、凄かったとしか言い様がない。分身を使って何か……他の応援に来ていた人たちが霞むぐらいやばかった。
そんな感じで談笑しながら教室に突入。
「……?」
まぁ、全員合格のハッピーエンドではないことが分かった。明らかに竹林の空気が重い。確か彼は国内最難関のとこ受けたんだっけ?とりあえず、趣味が変わるほどショックを受けていることは分かった。
「か、確率の問題で、こういうこともありますよ!90%は受かっていたんですから元気出して!」
後、殺せんせーが必死に励ましているがそれが逆効果であることも、よく分かった。
「ふぁぁああ~大変だね……あ、手錠落とした……」
「落ちるとか滑るとか言っちゃダメ!!」
「「「…………」」」
「竹林君の気持ちを考えてあげてください!そんな彼を傷つけるような言葉は一切禁止します!」
涙を流しながら竹林君を抱き寄せる殺せんせー。
……いや、一番竹林君を傷つけてるの多分せんせーだよ?そんな大声で言っちゃって……。
「いいですか?受験生たるもの、たとえ戦う場所は違えど共に手を取り合うべきです。以後受験生へのヘイト発言をする生徒は不良生徒とみなし、ピッチリ七三に手入れします!」
ほうほう。つまりNGワードゲームをしようってことかな?
「冗談じゃねぇぞ!」
「そんなベタな禁句を問題にすんじゃねぇぞ!」
「問答無用!先生の粘液でどんな髪でも滑らかに整えて……」
「殺せんせー、アウト~!」
というわけで、七三のかつらを被る殺せんせー。…………でも、せんせーって生徒じゃないのにゲームの参加者なのかな?
「こ、ここは楽しい話で雰囲気を変えましょう!三村君!最近面白かったドラマは?」
「……そーだな。最近は大河ドラマが熱いかな。真田幸村の浪人時代から描かれていて……」
「三村君、アウト~!」
まぁ、浪人はダメだよね。どうやら殺せんせー判定でもアウトらしいので、ピッチリと七三分けにされている。
「浪人なんて不吉なこと言うんじゃありません!他の人……倉橋さん!天気の話で和ませて!」
「え、えーっと……結果はさ、最近は雪が降ってもなかなか積もらないからガッカリだよね~」
次の瞬間、倉橋さんの髪は整えられた。
「雪が積もれば滑るのでアウトです!」
いや……それは無茶苦茶じゃ……。
「次、寺坂組!」
「お、おう!元気出せや竹林!」
「こっからじゃねーか!」
「勝負はどう転ぶかわからねー……」
「寺坂組、アウト~!」
まぁ正確には寺坂だけだと思うけど、何か巻き添え食らってる。哀れなり。
「えぇい!ここは風人君が……って風人君!?」
「はい。何でしょう?」
「何で君はもう七三分けにして、伊達眼鏡までかけているんですか!?君はまだ落ちるとか滑るとか言ってないでしょうに!」
「ふっ……逆転の発想ですよ」
僕は眼鏡をクイッってやりながら答える。
「僕の特殊スキル『余計なことしか言わない』を持ってすれば、必ずアウトになることが目に見えている。だったら最初から整えてしまえば怖くないのだよ」
(((こ、こいつ……完全に開き直ってやがる!)))
「ふはははは!さぁ、僕に話させればどうなるか……分かりますよね?」
「く、くぅ……なんて厄介な生徒なんですか君は……!もういいです!ここは先生のとっておきのスベらない話の出番です!」
何か僕の番は飛ばされて先生の出番になった。
「この前、自販機にお釣り忘れてさぁ~後で気付いてすげー慌ててぇ~急いで戻ったのよ。そしたらまだお釣りがそこにあってぇ~超焦ったわ~」
なんかやりきった顔だけど……
「「「オチは!?」」」
「いや、殺せんせーのスピードと執念なら絶対に大丈夫でしょ」
と、何か僕と有鬼子以外が七三分けにされていた。まぁ、僕の七三分けには殺せんせーの粘液が使われてないけど……うん。面白い光景だ。というか……
「岡島!君、七三分けできるほどの髪あったの!?」
「お前はさっきから着眼点がズレてるだろ!?」
凄い驚いた。あのほぼ坊主といってもいいくらいの岡島も七三分けになっているなんて。
「さぁ皆さん!先生のようにもっと元気づけるような話を……」
「……もういい」
その時、今の今まで黙って座っていた竹林君が、ドスの効いた声を出した。
「もう十分です……!ありがとうございます……!くどいほどNGワードぶっ込んでくれて……!」
銃を手にして立ち上がる……わぁーい。怒った怒ったー
「み、皆さん!彼を止めるのを手伝っ……はっ!」
そして殺せんせーは気付く。怒っているのは、竹林君だけじゃない。髪を滑らかに整えられた人たちもだということに。
「てゆーかさぁ……」
「殺せんせーがやりたかっただけだろ」
「受験NGワードごっこ。せんせー好きそうだよね……」
じりじりと詰め寄る七三軍団。
「風人の言うとおりだぁ……七三になれば怖いものはねぇ……」
「あぁ……失うものはねぇんだ」
…………あれ?僕そんなこと言ったっけ?何か嫌な予感がしたので髪型を戻しておこう。
「受験中は使うのを控えていた罠……今こそ使うときだ」
「ちょ、ちょっと!?皆さん!?」
「死ね!」
殺せんせーの足下の床がパカッと割れる……え?いつの間にあんな改造を?
「テメーの苦手な落とし穴だぜ!」
「そのまま地獄に堕ちてくださいよ!」
上から銃をぶっ放す七三分けのクラスメイトたち。殺せんせーが落ち着いてと言っているのも無視をしている。まぁ、じごーじとくってやつだね。
すると、超スピードで移動し、天井に張り付く。
「いいですか!受験なんてお祭りなんですよ!」
「うわぁーついに認めちゃったよ……」
そして竹林君との会話を始める殺せんせー。
「あれ?風人君、髪戻したの?」
「……?そーだよー。だって結局言わなかったし」
「ふぅーん」
あ、この目はアレだ。ゲームをしているときの……ヤバい。絶対に僕にNGワードを言わせる気だ。
(どうやら気付いたみたいだね……勝者は二人もいらないんだよ)
……どうしよ。しかも僕が意図に気付いたことに気付かれた。何を言ってるか分からない?簡単に言うと、有鬼子にゲームのスイッチが入った。
「ねぇ風人君……」
「…………」
「???そんなに見つめられても伝わらないよ」
嘘だ。絶対に伝わっている癖に……よぉし。こうなったら徹底抗戦してやる……!
(((いや、お前らは何不毛な争いをしてんだよ!)))
「結局、NGワードゲームは引き分けだったね」
あの後、殺せんせーを狙う皆、NGワードゲームを続ける僕らという構図が出来ていた。やって来たビッチ先生がくどいほどNGワードを連発したせいで皆からやられていたが……まぁ、そういうことだね。うん。
「凄い不服そうだね……」
「だって、風人君のことだから、絶対に言うと思ったもん。余分なことは言うのに、言ってほしいことは言ってくれない」
「まあまあ。有鬼子の言わせる技術が足りなかったんだよ~」
「…………(じー)」
何か無言で見てくるが僕は関係ない。今回の勝負は引き分け。異存はない。
「いいじゃん。前にクラス全員でやった人狼ゲームでは勝てたんだし」
「まぁ、風人君が初手で喰われたり、吊られるのは予想通りだよね」
「ホントだよ!」
酷いよね?こういうゲームやらせるとさ、大概『一番味方でも敵でも厄介』っていう理由でやられるんだよ!僕が何をしたって言うんだ。
「それを日頃の行いって言うんだよ?」
「サラッと心の声を読まないでよ」
「でも、風人君ってすごいよね。皆の役職を私より先に把握しちゃうんだもん。そりゃあ、一番にやられるよ」
「ぐぬぬ……でも、味方になっても助けてくれなかったのにぃ……」
「……風人君。私の身代わりになることが、私にとって一番の助けになっているんだよ?」
「酷い!というか思考に癖がありすぎる!」
「ふふっ。冗談だよ冗談」
「ふーんだ」
「ねぇね。今度は二人でNGワードゲームやろうよ。今日の決着をつけるという意味で」
「しょうがないな~」
とまぁ、いつも通り帰るのであった。
尚、今日は真面目に早く寝ました。
ちなみに、親しい友人間でこういうゲームをやらせると最初にやられるって言うのは作者のことです。
敵に回ってたときに厄介って理由で初手に詰みます。
次回、バレンタイン。風人の運命やいかに?