暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~ 作:黒ハム
あれから僕も学校?というか異様な光景に慣れ始めて、そしてやってきました休日。土曜日はゲーム三昧で過ごしたけど……
「ふぁぁあああ。……ゲーム~」
現在8時50分。場所、駅前。うん。前言ってたお出掛けだね。
あれから、体育では何か割と上位グループに認定されたり、勉学も殺せんせー曰く『この分なら、テストまでに全教科追いつくことも不可能じゃないですね~ヌルフフフ』とか言われた。え?僕、人の倍以上やらないといけないじゃん。嫌だよ。面倒だし。
後は、渚とカルマとよく話してる感じだし、有鬼子とは放課後は毎日のように一緒に帰ってる。というか、割と家が近いことが発覚した。じゃあ、何で駅前集合なんだろう。まぁ、いいけど。あぁ、一緒に帰ってる理由だけど、彼女曰く『色んな意味で危なっかしい』そうだ。失敬な。ゲームしながら歩いて電柱に頭をぶつけるくらいしかやってないのに。
「ごめん風人君。待った?」
時刻は9時ジャスト。ふむ。約束の時間通りか……よし、ここは男らしく。
「うん。10分待ったかな~」
誰が『ううん。待ってないよ』とか言うと思った?砂糖より甘い考えだよ!
「……そこは『全然待ってないよ』とか『今来たところだよ』とか、そういう嘘でもね」
「甘いね~。それがあるのは二次元だけだよ~」
僕がそんなこと言うわけないじゃないか。
「で?何処行くの?ゲーセン?ゲームショップ?アニメート?」
「待って風人君。今日の目的忘れてない?」
「目的~?ゲーセンで遊ぶ!」
「違うでしょ?」
「えー違うの~?」
「いい?まず、今日はこの前風人君が私の私服のセンスが悪いという話から始まりました」
「あー」
そーいえば。そーだったね。
「なら言うことがあるでしょ?」
そう言って僕の正面に立つ有鬼子。ふむ。言うことか。
「時間ピッタリに来るなんて律儀だね!」
「そうじゃないでしょ?」
「え~?」
「え?じゃないの」
「……あ、今日もいい天気ですね~?」
「誰が天気の話をしてって言ったかな?」
「……うーん。今日も可愛いね?」
「……疑問形じゃなかったらもっと嬉しかったんだけどなぁ……って違う違う」
ふむ。性格を褒めても天気を褒めても容姿を褒めてもダメか。一体彼女は何を求めてるんだろう?
「逆転の発想か……」
「え?」
「この雌豚が主人に逆らうんじゃない!」
「(ピキッ)カーゼート君?」
「……あ、ごめんなさい。マジで本当にごめんなさい。褒めて駄目なら貶せばいいと思ったんです。あ、いたた。頬をつねらないで下さい」
「……はぁ。じゃあ、風人君。私の服装見てどう思う?」
服装?
「うん。凄い似合ってるよ。清楚な感じが出て……うん。前見た時より可愛いさとか綺麗さが出てるよ。やれば出来るじゃん♪」
「ありがとうね。でも、それを最初に言ってほしかったんだけどなぁ」
「あーそういうこと~」
ふむ。やはり
「じゃあ、行こうか」
「はーい」
歩き出す僕と有鬼子。どこ行くかは全てお任せすることにしよう。確か案内するとか言っていたし。
「でも意外だね」
「何が~?」
「風人君の普段のマイペースさだと、三十分くらい遅れて来るんじゃないかなって思ってたんだけど、しっかり時間前に来れたんだね」
「失敬な。僕はその辺はしっかり出来ているよ~」
「後は、服装がジャージとかいかにもニートなゲーマーって感じの服装とかで来ると思ったんだけど、服も髪も整えられているね」
「まぁね~」
ふっ。さすがに僕にそんな格好で女子と出掛けられる度胸はない!……ってのは冗談だけど。
「去年会った時も服はしっかり整えられていたでしょ~?」
「そうだったね……去年から余計な一言を言う癖は治ってないようだけど」
「それは~仕方なし~」
「ところで、何で去年あのゲーセンにいたの?隣町に住んでいたんでしょ?ここから電車に乗っていくところだし……あそこは風人君の家からもそこそこ遠いと思うんだけど……」
「えーっと……道に迷った?」
「ふふっ。どこに向かったら遠くのゲーセンにつくの?」
「うん~。最初はゲームショップを求めて走り回っていたんだけどね~。途中から自分の場所が分からなくて気付いたらあのゲーセンで遊んでた~」
「走り回っていたって……あれ?あの時自転車なかったよね?」
「え?文字通り自分の足で走り回っていたんだよ~」
「意外と活動系?」
うーん。休日はゴロゴロしてるし~そういうことはないはずなんだよね~
「じゃあ、久し振りにゲームで勝負しようか」
「す、すげぇ。この二人ハイレベルだぞ」
「何がどうなってるんだ……!」
「女の方も男の方もどちらも譲らねぇ……!」
僕らがやってるのはよくある格ゲーだ。筐体を挟んで僕と有鬼子は向かい合わせになっている。
「「…………」」
周りに集まってきたギャラリーはうるさいが、僕らは無言。一言も話さない。
そういや、有鬼子との出会いってこんな感じだったけ?
「他事考えていたでしょ」
「な……!クソ」
台越しに話しかけてくる有鬼子。
出会った時のことを思い出そうとした瞬間、僕の操作するキャラが有鬼子の操作するキャラからかなりのダメージを貰ってしまう。お陰で均衡していた体力というかそういうものが一気に傾く。
「……ふぅ。私の勝ち」
「あぁ……また負けた~」
結局、あそこから有鬼子が何かミスしたりすることもなく、普通に体力を0にされ、負けた。そういや、出会った時も負けたっけ?
パチパチパチ
すると、気付いたら周りにいた人たちに拍手されてる。あれ?こんなこと普通なくね?
「あはは……行こうか~」
「う、うん」
あまりにも恥ずかしいというか、何というか。何とも言えない気持ちになったので有鬼子の手を引いて台から去っていく。
「……手」
「あ、ごめん。嫌だった~?」
思わず手を引くために握ってしまったけど、ちょっと軽率過ぎたかな。
「ううん。このままでいいよ。温かいね。風人君の手」
「ありがと~」
「でも、温かいってことは心は冷たいってことかな?」
「うわぁ~。二言目が酷いなぁ~。そういう有鬼子の手も温かいよ~」
「ふふ。私は手も心も温かいでしょ?」
「心……温かい?」
それはネタで言ってるのだろうか?
「温かいでしょ?」
凄い力を込めて握られる……が。
「力を込めても全然痛くないね」
これっぽっちも痛くない。
「でも、相変わらず風人君強いね」
「勝った人に言われてもね~」
「私が本気でやって、拮抗する人なんてあんまり居なかったんだよね」
「だって異常に強いじゃん~。張り合う人が沢山いたら泣けてくるよ~」
本当に、有鬼子にはあんまり勝てない。勝ったことは一応はあるけど。
「あ、コレやろ~コレなら絶対に勝てるよ~」
「えぇー……いいけど」
そう言って、僕らは一つのゲーム台の前に立つ。
そのゲームからはボクシンググローブのようなものがあり、それを殴ってその威力とかで点数が出るものだ。まぁ、殴る方もボクシンググローブを付けるんだけど。
とりあえず、お金を入れてグローブを嵌める。
「じゃあ、僕からね……やぁ!」
出た点数は92点。100点満点で出るらしいから結構高めに出た。
「はい。次有鬼子ね~」
「うーん。風人君のそういうところ子どもっぽいよね。力で勝てないよ」
「ふふん。さっき負けたお返し~」
何だかんだ言いながらもグローブを嵌め始めている。
「そういえば、去年より背伸びた?去年私より小さかったから」
「うーん。多分~」
「まぁ、男の子だもんね。成長期だろうし」
そして、お金を入れる。
「有鬼子も大きくなったんじゃないの~?」
「私?私はそんなに変わってないはずだよ」
「胸が」
ドゴッ
出た数値は何と驚異の100点。ふむ、胸囲だけに驚異の点数……
「風人君?正座」
「え?あ、ごめん――」
「正座」
「その――」
「正座」
「……はい」
黙って正座をする。見上げると有鬼子がまるでゴミを見るような目で見下してきた。
「いい風人君?」
この時ゲーセンに来ていた人々は思った。
(((あの子笑顔なのに凄く怖い……)))
何と有鬼子の怒りは周囲の人すら怖がらせてしまうらしい。
「お腹すいたね」
「はい。そうでございますね。有鬼子様」
あの後、ゲーセンで正座+説教というダブルパンチを喰らった。なお、途中で『僕は貧乳も好きだよ』と恐る恐る言ったところ、説教が延長し、気付けばお昼時である。
後はあのマシーンが故障じゃないかという話になっていた。曰く『普通の人では100点出ないはずなんだけどなぁ』とのこと。僕個人としてはマジで故障であってほしい。
まぁ、そんなこんなで近くのカフェで食事をすることになった。
「誰かさんを怒ったせいでね」
「誠に申し訳ございません」
「いいよ。普段のストレスもついでに発散出来たから」
え?それって酷くね?
「ご注文の商品です。こちらで以上ですね?」
「はい」
「それではごゆっくり」
僕らが頼んだのはサンドイッチセット。というわけで、一つ食べる。
「おいしいね~」
「そうだね」
「ここからどうするの~?」
「うーん。どこに行きたい?」
「ゲーム」
「……分かった。ゲームショップに行こうか」
そして、食べ終わってゲームショップに行ったり、どっかの公園に行ったり、まぁ色んな場所をめぐって、
「じゃあ、また明日」
長いようで短い一日が終わっていった。
一応言っておきますと主人公はMではありません。
まぁ、主人公がどうあがいても尻に敷かれそうな気はしますが……