暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~ 作:黒ハム
転校して来て、ここの生活にも慣れたと思った時、椚ヶ丘中学3年E組に新しい教師が赴任してきた。
「イリーナ・イェラビッチと申します。皆さんよろしく!」
なるほどね~。烏間先生が言っていたのはこの人かぁ~。えーっと……
「カルマ~。あの人なんて名前だっけ?」
「ん?イリーナ・イエラビッチだよ」
「ほう」
イリーナ・イエラビッチって言うのか……略してビッチだね!で、そのビッチは 殺せんせーの触手に胸を当てていた。ふむ。名前だけでなく普通にビッチか。
あれはいわゆる色仕掛け。ハニートラップと言うやつだね!しかも殺せんせーは普通にデレデレしている。なるほどなるほど。僕ら男ではあんなこと出来ないや。
「本格的な英語に触れさせたいとの、学校側の意向だ。英語の半分は彼女の受け持ちになるが文句は無いよな?」
烏間先生はそう言う。でも、僕らはそれを鵜呑みにするほど馬鹿じゃないよ。あの先生の正体、それはプロの暗殺者だね~。おそらく、色仕掛け専門の。
「仕方ありませんねぇ~」
なお、殺せんせーというタコは、ビッチの巨乳、あの角度から見えるであろう谷間を見て、顔色を文字通りピンクに染め、普通にデレデレだった。あ、殺せんせーってよく顔色が文字通り変わるらしいって渚が言ってたよ。
後、タコをベタ褒めするビッチを見て、僕らは心の中でツッコミのオンパレードだったことも記す。いや色々とあり得ないからね。うん。
昼休み。
「へいパス!」
「へい暗殺!」
僕らはサッカーをしながら暗殺していた。ボールを誰かに渡したら暗殺を仕掛ける。銃でもナイフでも可。これが割と楽しい。
「へいパス!」
「へい暗殺~」
とまぁ遊んでいると、
「殺せんせ~」
ビッチがやってきた。
ビッチによると、『おら、ベトナムの本場のコーヒー飲みてぇから買ってこいや』とのこと。え?主観入りすぎだって?まぁ、伝わればいいでしょ伝われば。
で、殺せんせーは顔色をピンクにして、ベトナムに飛んでった。グッバイせんせー。
「で、えーっとイリーナ先生?授業始まりますし、教室戻ります?」
ちなみに、次は英語の授業だ。磯貝君がビッチに言うと、ビッチは人が変わったように言う。
「はっ、授業?各自適当に自習でもしてなさい」
「……え?」
すると、タバコを一服。そして、
「それとファーストネームね気安く呼ぶのやめてくれる?あのタコの前以外で教師演じるつもりないし……『イェラビッチお姉様』と呼びなさい」
なるほど~。
「……で、どうすんの?ビッチねえさん」
「そうだよ~。ビッチねーさん」
「略すな!!」
え?呼びやすくない?ちなみに最初に言ったのはカルマで、僕は二番目だ。
「ビッチねえさん。アンタ殺し屋なんでしょ?クラス総がかりで殺せないモンスター。どうやって殺すつもり?」
「そうだよビッチねーさん。見たとこアンタは色香で惑わして隙をついて殺すタイプ。相性は良くないんじゃないの~?」
「ガキ共が。大人には大人のやり方があるのよ。潮田渚ってのはあんたよね?」
そう言って、ビッチねーさんは渚に普通に近づいてそのまま唇を奪った。
「なぁーーーーーー!」
「「へぇー」」
「ん!?んん!?!ん!?」
叫ぶ茅野さん。観戦する僕とカルマ。被害者渚。容疑者ビッチ。
「後で教員室にいらっしゃい。アンタの調べた情報を聞いてみたいわ」
そして、地面に尻をつく渚。
「他にも有力な情報を持ってる子は話に来なさい。いいことしてあげるわよ。女子には男を貸してあげるし、技術も人脈も全てあるのがプロの仕事よ」
そういうと、武器を携えた男三人がビッチねーさんの傍に立つ。
「後、少しでも暗殺の邪魔をしたら…………殺すわよ」
わーこわー。
そして、教室。ビッチねーさんは自習と書いて、後はタブレットを見るだけ。ん?僕はって?
「すやー」
のんびりしている。とりあえず、渚に情報を聞いたらしく、もうあの人の頭の中では殺せんせーを殺すことしかないな~。
「なぁービッチ姉さん。授業してくれよー」
「そうだよビッチ姉さん」
「一応ここじゃ先生なんだろ。ビッチ姉さん」
後、ビッチねーさんって呼び方がこのクラスで統一された気がする。誰だよ、最初に先生のこと、ビッチねーさんとか呼んだやつ。……あ、僕らか。
「ああもう!ビッチビッチうるさいわね!まず正確な発音が違う!アンタら日本人はBとVの区別も付かないのね!」
区別したうえでそう呼んでるんだけどねぇ~少なくとも僕らは~。
「正しいVの発音を教えて上げるわ!まず歯で軽く下唇を噛む!ほら!」
そう言われ、実践する僕ら。
「そうそう。そのまま一時間過ごしていれば静かでいいわ」
へぇ~本当に静かになるものだと思ってるんだ。
以下下唇を噛んだままの会話を訳したものです。
『ねぇ、カルマ~。これで本当に静かになると思ってるのかな?』
『さぁね。ビッチねえさんは静かになると思ってるんじゃない?』
「そこ!下唇は噛んだままって言ったで……しょ?」
『あははは~僕らは下唇噛んだまま会話してるだけなのにね~』
『そんなことより、見てみろよ皆の顔。凄い面白いよ』
こちらを見てくる皆。顔を見ると――ププッ。
『本当だ。皆顔芸してる~』
特に有鬼子のは滑稽だ。
『まぁ、アイツらから見たら俺たちが顔芸しているように見えるだろうね』
『『アハハハハハ』』
「あぁもう!モゴモゴとうるさいのよ!言いたいことがあるならさっさと言いなさい!」
『もう十分楽しんだから~はやくこの状態を解いて欲しいなぁ~って』
『そろそろ飽きたからやめていい?』
「全然伝わってないわよ!そこの二人!赤羽業と和光風人ね!二人だけ下唇噛むのやめていいから言いたいことがあるなら言いなさい!」
お、やめていいんだ。
「「じゃあ、おやすみ~」」
さぁ、昼寝をしよう。
なお、この時残りのE組全員は思った。
(((何なんだこの授業……!後、あの二人いつか覚えてろよ……!)))
殺せんせーが帰ってきて六時間目。今は体育の授業。烏間先生の授業で暗殺訓練。今日は銃を使っている。
「おいおいマジか。二人で倉庫にしけこんでいくぜ」
三村君の言うとおり、殺せんせーはビッチねーさんと一緒になにやら倉庫に入っていった。
「な~んかがっかりだよな。殺せんせー。あんな見え見えの女に引っかかって」
「烏間先生。私たち。あの人のこと好きになれません」
女子学級委員の片岡さんが僕らの思ってることを代表し告げる。
「すまない。国の指示でプロの彼女に一任しろとのことでな」
なるほどねぇ~
「だが、僅か一日で全ての準備を整える手際。彼女が一流の殺し屋であることは確かだろう」
それもそうか~。すると、銃声が聞こえ始めた。
「…………この音」
「どうしたの風人君?」
「ねぇ、烏間先生~。ビッチねーさんって……まさか、実弾使ってる?」
「分からんが、もしかしたらそうかもな」
明らかにマシンガンの音。それも僕らが普段使うハンドガンじゃないだろう。おまけにわざわざマシンガンの弾丸を全て対殺せんせー用にしたとは考えにくい。……じゃあ、この暗殺は失敗だね~
そして殺せんせーとビッチねーさんが入って数分後……
『いやぁぁぁあああああああああああっ!?』
倉庫からそんな声が聞こえてくる。間違いなくビッチねーさんの声だ。
「な、なに?」
「銃声の次は悲鳴とヌルヌルが……」
そして、その声は段々と小さくなっていく。……アンタ何やってんの?
「めっちゃヌルヌルされてる」
「行ってみようぜ!」
前原君筆頭に、僕らは倉庫に向かう。すると、中から殺せんせーが出てきた。
「いやーもう少し楽しみたかったですが……皆さんの方が大切ですから」
いや、先生。一体なにをしたの?遅れて出てきたビッチねーさんは体操着にブルマーというまぁ、健康的でレトロな格好で出てきた。
「あれ~?何も見えなくなった」
「風人君には刺激が強いからダメ」
と、有鬼子の手によって僕の視界が塞がれた。言うほど刺激強いのだろうか?
あと、聞くところによると、ビッチねーさんは僅か一分足らずで体のあちこちをマッサージさせられ、この格好にされてしまったらしい。つまり、予想通り暗殺失敗。
「さぁ、授業に戻りますよ」
「「「はぁーい」」」
グラウンドに戻る僕ら。
「許さない……!この屈辱は必ず返す……!」
なお、ビッチねーさんはこれであきらめるほど柔ではなかった。
帰り道、山を下る途中である。
「で、風人君。何で五時間目は自分たちだけ呑気に過ごしていたのかな?」
いつも通り有鬼子と二人で帰っている。どうやら、五時間目の英語のことを言っているようだ。
「自習だから~どう過ごすのも個人の勝手だよ~」
「そうじゃなくて、発音の件。自分たちだけ解放されて……ねぇ。私たちはあのまま一時間過ごしたのに」
「へぇ~僕らと同じ方法取ればよかったのに~」
「二度も同じ手は通じなさそうだったよ」
あービッチねーさん実弾の銃持ってたもんな~喋ったら殺されると捉えてもしょうがないか~。
「でも一時間あの顔で過ごしたのか~ププッ。大変だったね~プププ」
「風人君?ちょっと口開いてくれる?銃で撃つから」
「酷いよ有鬼子!自分のそんな滑稽な変顔を見て笑われたからって、怒るのは!」
「へぇ~滑稽で変顔……ねぇ」
フフッと顔を下に向けて笑い始める有鬼子。いやねぇ。そりゃあ、Vの発音の状態で見たら誰だって変顔してると思うでしょ!それか頭おかしいか!
「風人君?……覚悟はいい」
あ、殺気だだ漏れだ。そして、銃とナイフを取り出す。も、もちろん対殺せんせー用ね。
「逃げるが勝ち!」
「逃がさないよ?」
こうして、山の中で僕らの鬼ごっこが始まった。
「にゅや。風人君。君は何をしてるんですか」
「ちょっと静かにしてせんせー。……死にたくなかったら」
現在、教員室に隠れる僕。よく分からない目で見る殺せんせー。自分の仕事を淡々と進める烏間先生。既にこの場にはいないビッチねーさん。
ガラッ
「失礼します」
「神崎さんですか。どうかしました?」
「はい。風人君ここにいませんか?」
「風人君ですか?」
そういうと、殺せんせーはこちらを一瞥する。僕は首を横に思い切り振って、居ないことにして欲しいと目に訴えかける。
「ここには、来ていませんよ?」
「そうですか…………そこに居るんですね」
「にゅや!?何でバれたんですか!?……あ」
「……あ。じゃねぇよバカタコ!思い切りバれてんじゃねぇか!」
「殺せんせー。そこで風人君抑えていて下さいね。……今から殺しますから。先生ごと」
「逃げるぞエロダコ!アレはマジでやべぇ!」
「やれやれ。君はどうしたら神崎さんをあそこまで怒らせることが出来るんです……」
パンッ
「あれ?少し外したかな?次は当てるね風人君」
「おー触手が撃たれた……って、感心してる場合じゃねぇ!殺せんせーガード!」
「にゅやあああ!?風人君!?君のせいですから何とかして下さいよ!」
「フフッ。まとめて葬ってあげる」
この後、僕らの地獄の鬼ごっこはやはり続き、何とか許しを得た。
ついでに、何故バレたと聞いたら、殺せんせーが一瞬視線をこちらに向けたそうだ。……怒ると怖いなぁ。今後は怒らせないようにしよう。
「というか、ビッチねーさんって胸デカいね~」
「色仕掛けで殺そうとする人だからじゃないの?」
「まぁ、色仕掛けとか有鬼子には無理だね~色気ゼロだもん~」
「風人君?正座」
「あ、やべ」
なお、地獄の鬼ごっこ第二ラウンドがすぐに行われたのは言うまでもない。
言わなくてもいいことを言ってしまう主人公……こいつ大丈夫か?