暗殺教室 ~超マイペースゲーマーの成長(?)譚~   作:黒ハム

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集会の時間

 ビッチ先生がE組に来て何日か。あれから奥田さんが毒を渡したり、色々あったけど、今日も平和に暗殺しています。……平和に暗殺ってなんだろう?

 そして僕らは今、

 

「……サボりたい~」

 

 山を下りています。今日は月に一度の全校集会の日であるそう。全校集会は本校舎の体育館で。しかも遅れたり、サボれば罰則付き。面倒だな~。

 

「ダメだよ。それでも行かなきゃいけないルールなんだから」

「はーい……あ、あっちに面白そうな香りが~」

「寄り道している暇はないよ」

「あー面白そうだったのに……」

 

 現在、僕、有鬼子、渚、杉野君、菅谷君、茅野さん、奥田さんの七人で一緒に下りてる。あれ?カルマが居ないようだけど……まぁいいか~。

 

「何だろう。神崎さんが風人君の保護者に見えてきた」

「あーそれ分かる」

 

 と、失礼なことを言われてる。

 

「あ、蜂の巣だ。えーい」

 

 とりあえず石を投げてみる。

 

 コンッ

 

 当たってみる。

 

 ブーン

 

 蜂怒る。

 

「あ、蜂が怒ってこっちやってきた~」

「きゃああああ!?」

「に、逃げろぉ!?」

「和光のバカ野郎!何やってんだよ!」

 

 すると、割って入る救世主が現れた。

 

「「「お、岡島ーー!」」」

 

 その救世主の名は岡島。すでに全身ずぶ濡れで身体中に蛇を付けていた彼は大量の蜂を引きつけてくれた。

 

「でも、まだ残ってるよ~何でだろう?」

「「「お前のせいだよ!」」」

 

 蜂との鬼ごっこの数分後。僕らは何とか撒けた。

 

「はぁはぁ」

「は、蜂とかもう勘弁して……」

「岡島が大半を受け持ってくれたな」

 

 皆お疲れの様子だ。

 

「あー面白かった。もっかいやろ!」

「「「やらねぇよ!」」」

「えー面白かったでしょ~?」

「「「面白くねぇよバカ!」」」

 

 うーん。何でこの面白さが分かんないかな~

 

「大丈夫か?」

「烏間先生」

「焦らなくていい。今のペースなら十分間に合う」

「ちょっとぉ!」

 

 すると、ビッチ先生の声が遠くから聞こえた。

 

「あ、ビッチ先生」

「あ、あんたたち。休憩時間から移動だなんて聞いてないわよ……」

 

 すでに倒れそうなビッチがそこにはいた。

 

「だらしねぇなぁビッチ先生は」

「ヒールで走ると倍疲れるのよ」

「やれやれ、そういう君たちもさっきまで倒れてたじゃないか~」

「誰かさんのせいでな」

 

 少なくとも僕のせいではないな!

 

「烏間先生。殺せんせーは?」

「一般生徒達の前に晒すわけにはいかないんでな。旧校舎にて待機させている」

 

 つまり、ぼっちか!ぼっちせんせーだ!

 

「本校舎までもう少しだ!行くぞ!」

「せんせー!その前にそこら辺にいる面白そうな獣とかを探しに行っていいですか!」

「先生!和光を止めて下さい!こいつマジでヤバいです!」

「お願いです!」

「いえ、先生のお手を煩わせる必要はありません」

 

 そういうと、気付けば僕の首根っこが捕まれていた。

 

「私が連れていきます」

「ありゃ?」

 

 ズルズルズル

 

「誰かーここに人を人とも思わない人がいるんだけど~助けて~」

 

 

(((神崎さんが居て本当によかった……!)))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、色々あって本校舎に到着。

 

「着いたよ~有鬼子~」

 

 と、僕の背中の上にいる有鬼子に声をかける。

 

「げ、元気だね……風人君」

「そう?皆がだらしないだけだよ~」

 

 さすがに、僕一人を引きずりながら降りることは体力的に持たず、まぁ、仕方ないのでおんぶしてきた。お姫様抱っこでもしようか?と聞いたら断られた。ちなみに、僕は体力にはちょっと自信がある。マイペースゲーマーを舐めないでほしい。

 とりあえずおろすか。

 

「何とか間に合ったな」

「さぁ、皆。急いで整列しよう」

「「「はーい」」」

 

 さてと、あ、僕出席番号最後だ。最後尾だね~

 

「風人君。集会中寝てていいからね」

「…………え?」

 

 有鬼子の額に手を当てる。ふむ。熱はない。

 

「どうしちゃったの有鬼子!?らしくないよ!?」

 

 僕は有鬼子の両肩を掴む。

 学校では寝ちゃダメとか、登下校中も居眠り禁止とか、この集会にもゲームを持っていこうとして止められたのに寝るのはいい。きっと山を降りる最中で何か面白そ――悪いものを食べたんだ!僕に内緒で!僕に内緒で!(重要だから二回言いました)

 

「……まだE組の扱いを知らない風人君は寝ていた方が今後も楽だと思う」

 

 そういうと、僕の手を払って皆に付いていく。……E組の扱い?

 

「……ただの成績不振だったり素行不良な生徒を集めただけじゃないの?」

 

 僕の疑問に誰も答える人は居なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 集会はいつも通り終わった。校長先生の私たちを差別するような発言の数々やそれを聞き、私たちを嘲笑うような声。生徒会からのプリントも忘れられといつも通りだった。ただ、違ったのは生徒会のプリントを殺せんせーが手書きで全員分用意してくれたから、生徒会のところで笑いどころが潰れたところ。後は、烏間先生やビッチ先生を見ていると、私たちは何となくだけど安心して前を向けた。

 そして、集会からの帰り道。

 

「ねぇ、神崎さん」

「何かな?茅野さん」

「和光くんは?集会終わってから姿が見えないんだけど」

 

 風人君?それなら、しっかりと――

 

「……あ、連れてくるの忘れてた」

 

 ――いない。あ、どうしよう。どこかで迷子になってるかも……。

 

「確か飲み物買いに渚と杉野くんが残ってるはずだから、大丈夫だよ。最悪殺せんせーが回収してくるよ」

「それもそうだね」

 

 どうしよう。何も問題を起こしてないといいけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃……

 

「久しぶりだね。和光風人君。この学校にはなれたかい?」

「ええ。慣れましたよ。浅野學峯理事長」

 

 ()は理事長室にいた。別に呼びだされたわけではない。自らの意思でやってきた。

 

「で?何か言いに来たのかな?」

「そうですね。単刀直入に言いますと、私はこのE組って制度は別に間違っていないと思います」

「ほう」

「確かに今日の集会。E組を差別するような教師、生徒の発言の数々。やり過ぎって面はありますが実に効果的です。同じ学年の他クラスの人や下級生の眼から見ればああはなりたくないと思わせ、一層の努力をする。別にしないものは落とせばいいのですから」

 

 あそこまで来ると私たちからすれば屈辱しかない。

 

「おまけに、あそこまで差別すればE組は弱者の集まり。それ以外は強者という構図も出来ますし、救済措置も設けられてますよね?それによって、E組からも有能なものを上にあげる。結果、かなりの割合の人間が高い能力を有するようになる」

 

 屈辱を味わいたくないから勉強する。強者になりたいからE組に落ちないようにする。単純だが単純故に強い。

 

「働きアリでさえ、全体の二割はサボるそうです。それを学園長は全体の一割……いや、もっと少ないでしょうか。限りなく減らし残りを全て有能な働きアリに変える。面白いと思いますよ」

「で、君は何が言いたいのかな?悪いけど君はまだE組から抜ける権利を手に入れてない。ただの負け惜しみともとれるよ?」

「負け惜しみではないですよ。ただ、外部からやってきてこの制度を通して思ったことを言っただけです」

「そうか」

「ただ、私は一つだけあなたに言いたい。今日の集会を通して思ったことが一つだけあります」

「それは何かな?」

 

 私は一呼吸ついて告げる。

 

「私をE組に落としてくれてありがとうございます」

 

 紛れもない僕の思いだ。虚勢でも偽りでもない。こんな強者(ゴミ共)しかいないなら私は弱者(E組)でいい。それだけだ。

 

「そうか。なら、私からも君に言っておこう」

「何でしょうか」

「君は実に面白い生徒だね。でも……」

 

 理事長は立ち上がると私の方までやってくる。

 

「君はE組を出る。出たいと私に懇願する。今は弱者でいいなんて甘く考えているようだけどね」

「面白い言い方ですね。私をE組に落とした張本人が何を言ってるのでしょう」

「実績さえあれば私の口添え一つで君はどこのクラスにも配属できる。それだけのことだよ」

 

 本当にここは面白い。前までいた学校とは全然違う。

 

「では、これで」

「ちょっと待ちなさい。ついでだ。一つ聞いておこう。なぁに、簡単な質問だよ」

 

 そう言って投げ渡されるルービックキューブ。当然色は揃ってない。

 

「このルービックキューブを揃えたい。君ならどうする?」

 

 なるほど。がむしゃらにやる、って答えもなくはないが、それはこの人の求めている答えとは違う。

 

「分解して再構築する。これで文句ないですか」

 

 そう言ってルービックキューブを投げ返す。

 

「正解だ」

「では、失礼しました」

 

 私は理事長室を出る。

 本校舎を出たところで殺せんせーに捕まって、E組校舎まで運ばれた。ふむふむ。行きも運んでくれてたら楽だったのになぁ~あと、やっぱり真面目に話すのは疲れるね~

 

 

 

 

 

 

 

「今年のE組はよろしくない。少し改善する必要がある」

 

 

 

 

 

 

 僕が出ていった理事長室で、監視カメラの映像を見ていた理事長が呟く。

 その画面には本校舎生徒を押しのけ進む渚がいた。

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